タイプ3とタイプ6が共通して苦手とする状況や人物について整理し、それぞれの違いを明確にしました。
なお本記事はドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソンの情報を参考にしてサイト管理人独自の観点から整理したものであり、正確な原典を知りたい方にはオススメできない記事です。ご注意下さい。他のタイプの比較:「エニアグラム 全タイプ比較」
成果を認められない状況
- タイプ3: 自分の努力が正当に評価されず、他者に手柄を奪われることを何よりも嫌います。表面的には冷静に振る舞いながらも、内心では「自分の価値が否定されたのではないか」と深い屈辱感を覚えます。例えば、自分が主導したプロジェクトで他者が賞賛を独占する場面では、焦りや怒りが募り、自分の実力を示すための新たな戦略を練ります。こうした評価を失う恐怖が、さらなる成功への執着を生み出します。
- タイプ6: 同じ状況で「自分は守られていない」と感じ、不安が大きくなります。表向きは弁明や自己防衛を試みますが、内心では「信頼していた人に裏切られたのではないか」という疑念が強まり、孤立感や被害意識が膨らみます。例えば、自分の貢献が軽視され、他者だけが評価されると、相手への不信感が募り、疑いや警戒心が強くなります。違いは、タイプ3が自己価値の危機を感じるのに対し、タイプ6は安心できる環境が崩れることに恐怖を抱く点です。
権威的で高圧的な人物との対峙
- タイプ3: 自分の立場や実力を脅かすような支配的な人物に対して強い反感を持ちます。表面上は冷静さを装いながらも、内心では「自分が軽く見られることは許せない」とプライドを傷つけられ、何とかして自分の優位性を示そうとします。例えば、上司にアイデアを否定された場合、表向きは柔軟に対応しつつも、内心では自分の影響力を示す機会をうかがいます。こうしたプライドへのダメージが、さらなる自己主張へとつながります。
- タイプ6: 支配的な人物には恐怖と不安を感じます。相手に対して服従するか反抗するかで迷いますが、根底には「自分の安全が脅かされているのではないか」という強い恐怖があります。例えば、上司に厳しく否定されると、「自分には頼れるものがない」と不安になり、混乱しやすくなります。その結果、信頼できる相手を求める気持ちと、裏切られるのではないかという疑念が交錯し、対人関係が不安定になりがちです。違いは、タイプ3が自己の価値を証明しようとするのに対し、タイプ6は他者を信じてよいのか疑いながら対応する点です。
親との関係における位置づけ
共通点
幼少期の養育者から受ける影響
- タイプ3とタイプ6は、幼少期の親や養育者との関係が性格形成に大きく関わります。タイプ3は親の期待や評価を通じて自己像を作り上げ、タイプ6は安全や導きを求めながら自己を安定させます。
不安への向き合い方
- どちらのタイプも、親との関係を通じて生じた不安に対処しようとします。タイプ3は自己価値を証明することで不安を克服しようとし、タイプ6は周囲の支援を頼ることで安心感を得ようとします。
自己認識の土台
- 親との関わりが自己認識の基礎になります。タイプ3は親からの承認を自己価値の基準とし、タイプ6は親の保護や助言を自己の安定に不可欠なものと考えます。
相違点
親への依存のあり方
- タイプ3: 親に認められることで自己価値を高めようとし、承認を求める形で依存します。評価が得られないと、自信を失い不安を感じやすくなります。
- タイプ6: 親の支えや保護を必要とし、それが自己を守る手段になります。十分な支援が得られないと、不安が強まり、自立への不安を感じやすくなります。
親との関係の目的
- タイプ3: 親との関係は評価や注目を得るためのものであり、成功や成長の推進力として機能します。愛情よりも成果を重視する傾向があります。
- タイプ6: 親との関係は安心感や安定を得るためのものであり、不確実な状況を回避するための基盤となります。信頼や保護を求めることが中心になります。
親への反応の違い
- タイプ3: 親が冷淡だったり、自己中心的だった場合、感情を抑えて理想の自分を演じる傾向が強まります。承認を得るために努力し続けます。
- タイプ6: 親が不安定だったり、厳格だった場合、依存と反発を行き来しやすくなります。不安や自己不信が行動に影響を及ぼします。
タイプ3とタイプ6は、親との関係が自己形成に強く影響を与える点や、不安への対処が重要になる点で共通しています。しかし、タイプ3は親を自己価値の指標として認識し、承認を得ることで自己を確立するのに対し、タイプ6は親を安心感の拠り所とし、依存と不安の間で揺れ動きます。この違いが、タイプ3の自己実現への強い欲求と、タイプ6の安定を求める心理的な揺らぎに繋がっています。
参考資料
- Don Riso and Russ Hudson (1996), Personality Types:Using the Enneagram for Self-Discovery
- Misidentifying Threes and Sixes