外向的感覚 Se
外向的感覚(Se)は、外向的、非合理的、静的な情報要素です。Se、F、意志の感覚、黒の感覚とも呼ばれます [1]。
Seは、どれだけのパワー(権力や能力など、何かを動かしたり、影響を与えたりする力)、フォース(腕力、軍事力など、物理的に何かを動かしたり、影響を与えたりする力)、影響力といったものが、どれくらい潜在的に存在しているか、またはどれくらい必要であるかを理解する能力を含みます。
Seを重視するタイプ [2]は、即座に影響を与えるような直接的行動に適しています。こうした点は、Seを重視しないタイプの場合、不快なものだと認識することがあります。
通常、このスタイルのグループ交流には競争的な要素があり、Siを重視するタイプ [3]よりも激しい雰囲気になりやすいです。
彼らは「何らかの利益をもたらす可能性がある」と感じるか、それが「現実世界に対して潜在的な影響を持っている」と認識した場合にのみ、可能性を検討・熟考することを評価します。
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Siの主観的な感覚体験(その体験の強度や楽しさ)とは異なり、Seは欲望を実現することに関連しています。
今現在、自分が置かれている状況を楽しむよりも、目的を達成するために人や状況に影響を与えたり、圧力をかけて自分の望むように動かしたり、変えたりする力を、Seは人に与えます。
ウィキソシオンの説明
第1機能 Se(SLE, SEE)
モデルAでの第1機能:先導機能
積極的に何かを行っていて、直接(目に見える形で)交流をはかっている人々の輪の中にいると生き生きします。人をまとめ、必要に応じて動かし、特定の目標を達成するために、人々を導くことができます。
彼らは他者に「従順さ」や「協力」を求めます。それが「物事を効果的に進める手助けになる」と考えているためです。
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彼らは自分の周囲で起こっているテリトリー争いや対立的な行動を、敏感に認識しています。他人が攻撃的、または対立的な方法で自分を無理やり動かそうとしたり、何かをさせようとしてきた場合、すぐにその人への対立姿勢を表します。
また、自分だけではなく、他人と他人の間で生じる「人に何かをさせよう」という動きや、「何らかの目的のために人をまとめよう」とする動きにも敏感です。
これらのタイプの人々は、反撃するためだけではなく、自分の目標を達成するためにも、自分から攻撃性を発揮します。
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自分が何をするか、何を着るか、何を食べるか、どのように自分を見せるかなどは、全て自分で決めたいと考えています。そして、たとえ自分のためを思ってのことであっても、こうしたことに対して他人から口出しされたり、干渉されたり、お節介を焼いたりされると、かなり不快に感じます。
しかし自分が最も目立つのに役立つのであれば、他人のアイデアや助言、創造性を利用することもあります。
困難な状況で、自分の意志を試すのが好きです。彼らは人生を「乗り越え、克服すべき、逆境と試練に満ちた一種の障害物コース」のようなものだと考えています。
第2機能 Se(LSI, ESI)
モデルAでの第2機能:創造機能
外的な障害に直面したり、あるいは親しい友人、家族、仲間との利害の不一致に直面した際に、自分の目標や願望を実現するための直接的な行動を取ります。これには、他人に必要な行動をとるよう促したり、特定の状況で意図的に圧力をかけたり、組織的な役割を突然引き受けることが含まれる場合もあります。
一般的に、あえて対立するような状況を追い求めることはありませんが、かといって対立を恐れたりもしません。
自分の責任を真摯に受け止め、勤勉かつ丁寧に責任を果たそうとします。そして他人にも同じことを期待します。
第3機能 Se(ILE, IEE)
モデルAでの第3機能:役割機能
彼らは「きちんと計画立てて規律正しく物事に取り組む力に欠けている」と自己批判する傾向があり、それを改善しようと努力もしますが、ほとんどの場合は成功しません。
「自分がやりたくないことを、無理にすること」も「誰かがやりたくないと思っていることを、その人に無理やりさせること」もほとんどできません。人を適切に動員したり組織化したりする方法を考えるよりも、むしろ諦めてしまって放棄することの方が多いです。
彼らが「自分に欠けている」と思っている規律・組織化・動員といった要素は、なにも彼ら自身があえて作り出そうとしなくても、状況的な必要性から勝手に発生してくるものです。
しかし彼らは戦いを強いられると、どんどん疲れ切ってしまい、精神的に消耗してしまいます。そして困難に直接立ち向かい続ける代わりに、もっと別の楽な道を探し始めます。
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自分に何かをするよう「押し付け」る試みを嫌悪しています。互いに何かをするよう圧力をかけあうような在り方を拒絶します。彼ら自身、人に圧力をかけて動かすよりも、何かで誘惑したり、鼓舞したりするようなやり方のほうが好みです。
かなりイライラしていて、そこから落ち着きを取り戻すまでの短い時間に限り、人に強引な要求をすることがあります。
第4機能 Se(LII, EII)
モデルAでの第4機能:脆弱機能
彼らは、「攻撃的な行動」や「対立的な行動」に対して過剰反応しやすい傾向があります。攻撃するつもりで行われたわけではない、ただの反応に過ぎないものであったり、機嫌の悪さに由来するものであったとしても、彼らは個人的な脅威として認識しがちです。
他人のスペースに侵入したり、人から「強引だ」と受け取られかねない行動を避けようとします。他人に頼るのではなく、自分を律し、十分に準備を整えることで、自分のニーズを解決しようとします。
こうした戦略に失敗してしまい、それでもなんとかして対立を鎮めようとする彼らの努力は、他の人からするとどこかぎこちなく不自然なものでしかなく、無理を押し通そうとしているだけに見えてしまいます。そのせいで結局、他人から手痛い批判を浴びせられたり、自らの弱さや無力感に苛まされることになります。
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彼らは「人は何をすべきか、なぜそれをすべきか」道徳的に説明し、支持することはできます。しかし、他人が積極的に抵抗したり、彼らの言うとおりにすることを拒否されてしまうと、彼らは何も言えなくなってしまいます。
「理性とか善意といったものは一度脇に置いて、単に相手に必要なことをさせること」が必要だと頭の中ではわかっていても、実際にそれをするというのは(全く不可能だというわけでは成りませんが)彼らにとって非常に難しいことです。
第5機能 Se(IEI, ILI)
モデルAでの第5機能:暗示機能
これらのタイプの人には、しばしば「惰性的」という特徴がみられます。ほおっておくと、外界との交流は比較的少なくなりやすいタイプです。また、仮に外界との交流があったとしても「なんとなく空虚で満たされない」と感じることも多いです。
彼らは自分の人生を「刺激に満ちている時期」によって特徴づける傾向があります。彼らが真に「刺激的だ」と感じる刺激とは、「受け身でいる時に得られた刺激」よりも「自発的な行動を起こした時に得られた刺激」であることが多いです。そして、こうした刺激と刺激の間の期間は、退屈・惰性・無気力に沈んでいることが多いです。
新しく興味を湧き立たせてくれるような分野を自力で探し出すのが苦手な人も多く、新しいことを始める代わりに、過去の経験を再現しようとし続けることもあります。
このサイクルから抜け出すためには、「もっと自発的に」「もっと活動的に」と誰かに手を引いてもらい、働きかけてもらう必要があります。
そうして自発性を生活に取り入れることができれば、それまで感じていた退屈さや無意味さが、持続的な活動状態に置き換わります。新しいことを体験し、自分の心の枠から抜け出すことができるようになります。
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また、これらのタイプの人の別の特徴として「とても優柔不断」というものもあります。
特に自分の将来に関わる物事で、重要な決断を下す能力に欠けていることがあります。
広い意味で、あるいは長期的な意味で、自分の人生で何を成し遂げたいのかという問いには答えることができても、実際にそれを成し遂げることに繋がる短期的なプロジェクトを立ち上げて、やり遂げることは、彼らにとってかなり難しいことです。
彼らが実際に行動できるようになるためには、「外部の現実をきちんと把握していて、状況ごとに何をすべきかをはっきり理解している人」からの具体的で明確な刺激が必要です。
第6機能 Se(EIE, LIE)
モデルAでの第6機能:動員機能
「私には目標を達成する力がある」とは感じつつも、実際に自分が選んだ道が正しいかどうか、思い悩みやすい傾向があります。こういう時、最終的に選んだ道に突き進むだけのモチベーションを高めるために、他者からの支援が必要となります。
彼らは、挑戦的な取り組みに参加し、他の人たちと共に障害を乗り越える中で「自分の意志の力や、個人的な力が成長している」と感じることが好きです。
しかし、その努力のために必要な気力や意欲を、自力で生み出すことは出来ません。他人から与えられる必要があります。
第7機能 Se(SEI, SLI)
モデルAでの第7機能:無視機能
彼らは直接的なリーダーシップをとったり、指示を出したりするよりも、個人的な報酬を提示したり、特定の重要な人々のニーズを満たすことで人を動かすほうが好みです。
対立や衝突を避けようとしますが、それが避けられない場合は、短時間だけ激しく、絶対に屈したりはしないという姿勢を見せます。
「困難に打ち勝つ~」だとか「競争に勝利する~」だとかいう言葉に心惹かれるようなタイプの人ではありません。そういった「外界が人々に課しているような物事」よりも、自分の内的な欲求に耳を傾け、自分自身の身体的、感情的、心理的な幸福に気を配り、大切にしようとします。
自分の周囲で起こる対立的な力をめぐる争いを察知することに長けており、それに抵抗することも、あるいはやむを得ない争いだと判断した場合は積極的に参戦したりすることもできますが、快適さや幸福感よりも、そうした争いを優先する意義は感じられません。
対立的な闘争が起こるかもしれない暴力的な身体活動、例えばいくつかのスポーツなどに参加することはありますが、この場合の彼らの動機は「戦いを求めて」ではなく、「そのスポーツが生み出す刺激的な感覚を得るため」です。
第8機能 Se(ESE, LSE)
モデルAでの第8機能:実証機能
説得力あふれる威厳や、タフさ、挑戦的な態度、対立的な態度をとって見せることはできますが、あくまでも「一種のショーやゲーム」のようなものでしかなく、真剣に行うべき活動だとは感じません。
価値機能の側面 by Dmitry Golihov
価値機能:モデルAの第1機能、第2機能、第5機能、第6機能のこと。別名「尊重する機能」
第1機能 Se(SLE, SEE)
彼らは自分の能力に非常に自信を持っており、自分は何でもできると信じています。しばしば意志の強い人という印象を与えます:「私が正しいと思うことは、誰にとっても正しい」(wikisocioin訳者注釈:こうした行動はIxE、つまりILEとIEEでも観察されるため、第1機能Seの特徴ではなく、第2機能が内向判断機能(言い換えるとFiまたはTi)であることによって生じている可能性もあります)
まるで「陶器店の牛」のような人、つまり「自分の周りに十分なスペースがなくて、いつもどこか窮屈そうにしている人」です。自分自身が体力とスタミナに恵まれている場合は「弱虫」を嫌い、逆に自分自身が弱いと感じている場合は、より強い人々を全て「悪党」だと見なします。
多くの場合は金銭管理に長けていますが、極端に保守的すぎたり、あるいは極端に自信過剰になることもあります。
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人生を「誰が誰に勝っているか、誰が誰の上にいるか」という権力のプリズムを通して認識します。彼らに話を聞いてもらうためには、彼らからの敬意を勝ち取らなければなりません。
彼らは全ての弱みを欠点として捉えます。他人の弱みを利用して自分が有利に立つことを「悪いこと」だとは考えません。彼らは常に何かし、何かのスキルを磨き続けています。
彼らの持つ強さは、目で見てはっきりわかる類の強さです。しかしながら柔軟性に欠け、むしろ記念碑的で古典的な強さでもあります。どんな事業においても常に一番になろうとし、それがうまくいかないと非常に怒りっぽくなります。
自分の力と能力が疑問視されると、攻撃的になることがあります。潜在的には優れたアスリートですが、自分の能力をいつも過大評価してしまうがゆえの「怪我のしやすさ」という危険性も持ち合わせています。
自分の外見に自信を持っており、力と能力の福音を説きます。自分のユニークさ、オリジナリティを主張します。
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何か行動を起こすにあたって、いちいち誰かの承認をとる必要などないと考えます。彼らは非常に自信を持って自分の解決策を実行します。
どんな場所でも力を使うことを躊躇いません。誰かに反論されると怒りっぽくなります。通常、こういう時はその感情が外から見てもわかります。
しばしば、最初はイライラしてしまい、その後になって初めて、自分が言われたことを理解することもあります。他人の意見に耳を傾けるのは、自分が何かを達成できなかった時か、または彼から見て相手が権威者であると感じた時だけです。
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極限状態を好みます。これは、自分が真に生きているという実感を得られるからです。彼らのこうした性質は、彼らの行動に対する社会からの承認を得やすくなるという利点もあります。
まず何かを実際に行い、後になってから初めて自分が何をしたのかを理解することがあります。
主体性のある行動者です。「乗り越える哲学」、あるいは少なくとも「対処する哲学」、どんな犠牲を払ってでも勝利するという哲学に傾倒しています。:「熊を倒せる、それくらいでなければ一人前ではない」
異性を征服し、砦を包囲するように手に入れることを好みます。
こうした傾向のため、彼らは「すべての物事が、自分自身、自分の力、自分の能力にかかっている」といつも信じています。こうしてすべてが自分に依存していると考えているせいで、自分の目標が達成できなかったことに気付くと、非常に苛立ってしまいます。
彼らの最大の弱点は、「人生の全ての物事は、何でもかんでも自分一人にかかっているわけではない」と理解できないことです。そのため、人生が上手くいかないと、心の中で「自分は失敗者だ」と感じてしまい、非常に苛立ちを募らせることになります。
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自分の外見や服装には、かなり自信があります。
何もできない、何も変えられない状況、いわゆる「停滞」状態にいること、適切な行動のための正しいタイミングをただ待つしかない状況は、彼らにとって耐え難い苦痛です。
常に落ち着きなく動き回る、ワーカーホリックなところがあります。たとえそれが「ほんの1分だけ」くらいのことであっても、「何も行動をしない」でいることができません。つまり、彼らは立ち止まって何かを考えることができません。少しでも時間があれば、すぐに何かをして、その時間を埋めようとします。
彼らが話していると、すぐに問題と行動に関する話になりがちです。
第2機能 Se(LSI, ESI)
権力、お金、様々なスキルの取り扱いについて、芸術的かつ創造的なアプローチをとります。独創的なテクニックやスキルを教え、他者を強力に育て上げる理想的なトレーナーです。
彼らの強みは柔軟で洗練されていることです。状況に合わせて適切に対応することを重視しています。効率的、かつ迅速に仕事をこなします。時には複数のことを同時にこなすこともあります。
優れた財政家ですが、リスクのある行動を好む面もあるため、一生のうちに何度も大金持ちになったり、破産したりすることがあります。
彼らは競争が大好きです。第1機能がSeであるタイプとは異なり、第2機能がSeである彼らは、結果よりもプロセスの方が重要です。必ずしも1位である必要はなく、場合によっては2位でも「まだ自分に発展の余地が残っていること」がわかるため、十分なこともあります。
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「極端さ」を好む人が多いです。自分の第2機能を発揮する機会に恵まれない場合、わざと第2機能が必要となるような問題を引き起こしたりします。例えば、わざと非常に大きな経済的苦難や肉体的苦境に自らを立ち向かわせ、そこから這いあがって見せようとするのです。
スポーツが非常に得意になることも多いです。勝利に向かって、創造的かつプロフェッショナルに努力できます。実際、彼らには多くの能力があります。貧しさを富に変えることができます。
彼らは他人の外部データに関する情報の取扱いに長けています(wikisocion訳者注釈:この例として、第2機能Seタイプは、他人の外見、顔の特徴、マナーのミスや細かい様々な情報を簡単に察知できるという傾向が観察されます)。
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このタイプの人は、「実際に利益を生み出すには何が必要か」というテーマに精通していることが多いため、ビジネスに誘う人物として相応しいと言えます。持ち前の創造機能(第2機能)の力を使いこなし、ビジネスのために「ネジを締めるタイミング」と「ネジを緩めるタイミング」を適切に見分けます。
チームで働く際は、具体的な状況に応じて、自由とコントロールのバランスを舵取りする役割を果たすことが多いです。子供を過度に甘やかしたり、過度に威圧せずに育てることができる、良い保護者になれます。時には励ましを与え、必要であればプレッシャーをかけることもできます。
人をトレーニングすると、しばしば多くの素晴らしい成果を上げさせることができます。幼少から子供をトレーニングさせ、優れたスポーツ選手に育て上げるようなタイプの人です。
評価機能 [4]のアウトプットは、しばしば第2機能を通して表現されることが多いです。そのため評価機能上でマイナス評価を蓄積している際の第2機能Seタイプを怒らせたり、刺激したりすると非常に危険です。
また人には第2機能を「外界に対して適切な形」に見せかけ「良い創造の産物」を提供しようとする性質があります。そのため彼らは長い間Seの攻撃性を隠し、その闇を表には出さないようにするかもしれません。しかしある時点で「コップ」がいっぱいになってしまい、突然コップの中身がこぼれるように、それまで隠し続けてきた攻撃性のコントロールを突然失ってしまい、我を失ったまま大爆発することがあります。
それを避けるためは、スポーツや趣味に没頭したり、あるいはいっそボクシングのサンドバックを殴るなどといった物理的な「発散」が非常に重要になります。ネガティブな感情を貯め込み続け、限界が来るまで放置するよりも、すぐに吐き出すほうが誰にとってもプラスです。
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自分にせよ、他人にせよ、一定のイメージ作りをするのが得意です。服選びも非常に革新的で、流行に流されるのではなく、自分だけの独自のスタイルを作り上げます。
必要であれば、ほんのわずかの生活費だけでやりくりし、節約に励むこともできます。投資などの活動で非常に賢くお金を稼ぐ人もいます。まるで何もないところからお金を生み出しているように見えるほどかもしれません。
切手やバッジ、車を集めたり、インテリアを作ったり、絵を描いたりなどといった、目で見て手で触れることのできる具体的な物を取り扱ったり、操作したりすることが大好きです。子供であれば、兵隊のおもちゃで遊ぶのが好きかもしれません。
「自分の持ち物を巧みに操作すること」が、このタイプの人々にとっての「創造機能の産物」です。そうした性質を持つ彼らは通常、勝手に「自分の持ち物」に触られると嫌がります。その理由は、自分の創造機能を脅かす競合相手が表れたように感じてしまうからです。
物を長年使い続けるのが得意です。こうした点で彼らが見せる工夫は、芸術的と言えるほどかもしれません。
すっかり使い古されてしまったものであっても、すぐ捨てるのではなく、第2機能を活用して何かに役立てようとします。
第6機能 Se(EIE, LIE)
彼らの人生において重要なことは、裕福になること、強者になること、美しくなること、成功者になること、熟練者になることです。
彼らはこれを「自分が挑戦すべき課題」だとみなしています。そこで順調か、そうでないかをすぐに自己評価に結びつけてしまう癖があるため、この点ではなにかと悩みを抱きがちです。もしも何かが上手くいかないと、ほとんど大災害が起きたように感じてしまいます。
◆◆◆
他人に挑戦し、自分の美と成功を証明する手段として、しばしば人目を引きつけるような、明るく挑戦的な服装を好みます。このような人にとって、破滅、老い、社会一般的な基準から見た醜さは、自殺の動機にさえなり得ます。
この点で受動的な自己防衛をとる場合、逆に自分の外見に気を配らなくなり、まともな身だしなみをしなくなることもあります。
勤務時間内に仕事を切り上げられないことを、自分の職業的な名誉を傷つける恥だと考える傾向があります。
弱く見られることを恐れており、大胆で強い自分を演出したがります。
そのため、スポーツだけではなく、いくつかのトリックや危険な技を学んだり、「ショー」のために格闘技に打ち込んだりすることもあります(そして可能な限り、そうして習得した自分の技を披露しようとします)。
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彼らは常に新たな高みを目指し続ける必要性を抱えています。そして不思議なことに、これが彼らの弱点にもなります。
時々、人生がすべてにおいて順調に進んでいるにも関わらず、全てを捨てて別の町に行き、「やり直す」ことで自己評価を高めようとすることがあります。
社会的な条件付けを非常に受けやすいタイプです。もしも誰かが何かを必要としている時は、自動的にそれが「彼らにとっても必要なもの」になります。彼らはどんな手段を使ってでも、それを手に入れようとし始めることでしょう。
◆◆◆
自分に向けられたもの、自分の手に届く範囲にあるものを、「自分が手にして、征服する必要性」がない場合、退屈してしまいます。
個人的な人間関係でも、これと同じような問題が起こるかもしれません。つまり、人間関係という部分でも絶え間なく「手に入らないものを追い求める競争」が起こり、しかも一度手に入ってしまうと、途端に飽きてしまうという問題が起こるのです。
すべてを克服し、すべてに勝利することが、彼らの行動の主要な動機です。彼らにとって最悪のことは、負けることです。なぜならこれは屈辱を意味するからです。
そのため、勝つのが難しすぎるビジネスには手を出したがりません。人は第6機能では大きなリスクを取りたがりません。彼らについても同様で、通常「非常に複雑ではあるものの、解決可能で達成可能な課題」を考え出します。こうした課題は、新しいスキルの開発を必要としない、既存スキルに関係した課題であることがほとんどです。
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彼らは自分が社会的に成功していること、つまり自分の勝利が普遍的に認められることを必要としています。
時には自己評価を高めるために、「突然病気になるものの、大変な治療を受けて、病を克服すること」を自分の功績と勝利とするような、変わった方法を思いつくこともあります。
第5機能 Se(IEI, ILI)
強大さ、富、成功、頼もしさに惹きつけられやすく、人の外観に左右されやすいです。どんな犠牲を払っても美しい人生を送ろうとします。
いつも勝者や強者の側にいる人という印象を受けるかもしれません。力のバランスが変われば、それに合わせて自分の身の振り方も変えます。
強い人に惹かれることが多いです。少し心を揺さぶられただけで、すぐに精神的に充電でき、楽観的になります。
金、権力、名誉、栄光、勲章で輝くような、全能感を持てる環境に身を置こうとします。もしも社会的ヒエラルキーの最底辺にいる場合は、どんな手段を使ってでも這い上がろうとします。
◆◆◆
他人から何かを押し付けられても、それに抵抗したり、反抗したりできないことが多いです。力づくで要求する人の言いなりになりやすいタイプです。
そのため、念のため「冷たく、よそよそしく、ひょうひょうと振舞う」ことで、そういう事態を避けようとすることがあります。
彼らにとって良い場所とは、何らかのアクション、活発な仕事、波乱に満ちた生活があるところです。無意識のうちにそこに「取り込まれ」、巻き込まれ、後になってから予想もしていなかった場所に自分がいることに気付き、驚きます。
そのため暗示機能にSeを持つ人々は、自分が関わりたくないと思っていたビジネスやプロジェクトに、うっかり巻き込まれないよう注意する必要があります。
彼らは簡単に誰かの力で操られてしまうため、「ふと気付くと、なぜかそんな人のそばにいる」となりがちです。
◆◆◆
皮肉交じりの冗談を言われても怒らないどころか、そこにある種の「力」の要素があるせいで、「悪口に見せかけた誉め言葉だ」と受け取ってしまうことさえあります。
こういう時、彼らは「何か返事をしないといけない」と考えて、皮肉っぽく答えることが多いです。
しかし「強さ」に価値を感じ、「強さ」に魅了されている彼らは、遅かれ早かれ「強さ」を見つけて手に入れようとするだけではなく、実際に「強さ」を発揮しようとするかもしれません。
例えば「腕相撲トーナメント」を開こうとしたり、わざと誰かを挑発して、自分の「強さ」を見せつけるチャンスを用意しようとすることもあります。
訳注
- ^ Seの1文字表記「F」は、Forceの"F"。
- ^ Seを重要視するタイプ:全てのベータ・クアドラ(SLE, IEI, LSI, EIE)とガンマ・クアドラ(SEE, ILI, LIE, ESI)。これらのタイプはいずれも二分法「果敢」タイプでもある。
- ^ Siを重視するタイプ:全てのアルファ・クアドラ(ILE, SEI, ESE, LII)とデルタ・クアドラ(IEE, SLI, LSE, EII)。
- ^ モデルAの第1機能、第4機能、第5機能、第8機能のこと。これらの機能を通して人は人を評価し(メンタル・不活性機能;第1機能、第4機能)、人から評価されることを期待する(バイタル・接触機能;第5機能、第8機能)と言われている。関連記事「モデルA」