外向的感覚 Se
外向的感覚(Se)は、外向的で非合理的、そして静的な情報の受け取り方を指します。Seは、時に「黒の感覚」や「意志の感覚」とも呼ばれることがあります。Seは、力や能力(物事を動かしたり、影響を与える力)、フォース(腕力や軍事力など物理的に影響を与える力)、影響力といったものがどれくらい存在するか、または必要とされるかを感じ取る能力です。Seを重視する人は、瞬時に影響を与えるような行動を取ることが得意です。こうした直接的な行動は、Seを重視しない人にとっては不快に感じられることもあります。通常、Seを重視する人が集まる場では、競争的な雰囲気が生まれやすく、Siを重視する人たちよりもさらに激しい印象になることがあります。Seを重視する人は、何かが現実世界に対して影響を与える可能性があると感じたとき、その可能性を検討することを大切にします。これは「利益が得られる可能性がある」と感じる時にのみ、行動を考える傾向があります。Siが体験の楽しさや強度に重きを置くのに対し、Seは欲望の実現に焦点を当てます。現在の状況を楽しむよりも、Seを重視する人は目的達成のために、人や状況に影響を与えたり、圧力をかけて自分の望む方向に動かす力を持つことが特徴です。
ウィキソシオンの説明
第1機能 Se(SLE, SEE)
モデルAでの第1機能:先導機能
積極的に活動して、周りの人たちと直接関わることで活気を感じます。彼らは人々をまとめ、必要に応じて動かし、目標を達成するために導くことが得意です。彼らは、他の人に「従うこと」や「協力すること」を求めます。それが、物事をうまく進めるために重要だと考えているからです。彼らは、自分の周りで起こる対立や争いに敏感に反応します。もし誰かが攻撃的な方法で自分を動かそうとしたり、強制しようとしたりすると、すぐに反発します。また、自分だけでなく、他人同士の間で何かをさせようとしたり、目的のために人をまとめようとする動きにも気付きます。こうした人たちは、反撃のためだけでなく、自分の目標を達成するためにも、時には積極的に攻撃することがあります。自分が何をするか、どんな服を着るか、何を食べるか、どんな自分を見せるかはすべて自分で決めたいと思っています。たとえ相手が自分のためにと言っても、こうしたことに口を出されたり、干渉されると非常に不快に感じます。ただし、自分を目立たせるために他人の意見やアイデアを取り入れることもあります。困難な状況に直面したとき、自分の意志を試すことが好きです。彼らは人生を、試練と障害を乗り越えるための一種の障害物コースのように捉えています。
第2機能 Se(LSI, ESI)
モデルAでの第2機能:創造機能
困難な状況や、親しい人たちとの意見の食い違いに直面したとき、その人は自分の目標や欲しい結果を達成するために、直接的な行動を取ります。例えば、他の人に必要な行動を促したり、状況に応じて意図的に圧力をかけたり、突然組織内での役割を引き受けることもあります。通常、積極的に対立を求めることはありませんが、対立を避けるわけでもありません。自分に課せられた責任をしっかりと受け入れ、一生懸命に責任を果たそうとします。そして、他の人にも同じように真剣に責任を果たしてほしいと期待します。
第3機能 Se(ILE, IEE)
モデルAでの第3機能:役割機能
彼らは、自分に「計画的に物事を進め、規律正しく行動する力が足りない」と感じ、改善しようと努力しますが、うまくいくことはほとんどありません。「自分がやりたくないことを無理にやる」ことや「他の人がやりたくないことを無理にやらせる」ことができない傾向があります。人をうまくまとめたり動かしたりする方法を考える代わりに、諦めてしまうことが多いです。彼らが「欠けている」と感じる規律や組織化、動員は、実は無理に作り出さなくても、必要に迫られれば自然に生まれるものです。しかし、戦いを強いられると、どんどん疲れ果てて、精神的に消耗してしまいます。そのため、困難に立ち向かい続けるのではなく、もっと楽な方法を探し始めます。彼らは、自分に無理に何かをさせることを嫌います。お互いにプレッシャーをかけて何かをしようとする関係を拒絶します。むしろ、相手を何かで誘ったり励ましたりする方法の方が好きです。かなりイライラしているときは、短時間だけ強引に要求をすることがありますが、それも落ち着きを取り戻すまでの限られた時間に限られます。
第4機能 Se(LII, EII)
モデルAでの第4機能:脆弱機能
彼らは、攻撃的な行動や対立的な行動に対して、過剰に反応しやすい傾向があります。もし相手が攻撃しようとしていなくても、ただの反応だったり機嫌が悪いだけのことでも、自分に対する脅威と感じてしまうことがあります。また、他人のスペースに入り込んだり、人から強引だと感じられる行動を避けようとします。自分のニーズを満たすために他人に頼るのではなく、自分でしっかり準備をして、自分を律しながら解決しようとします。しかし、このような方法がうまくいかず、それでも対立を収めようとする努力が、周りにはぎこちなくて不自然に見えることがあります。そのため、無理をしているように感じられ、他人から厳しい批判を受けたり、自分の弱さや無力感に悩むことになります。彼らは「人は何をすべきか、なぜそれをすべきか」を道徳的に説明し、支持することはできます。しかし、他人がそれに反発したり、言う通りにしないと、何も言えなくなってしまいます。理性や善意を一時的に脇に置いて、相手に必要なことをさせることが重要だと分かっていても、実際にそれを行うのは非常に難しいことです。完全に不可能ではありませんが、彼らにとっては大変な挑戦です。
第5機能 Se(IEI, ILI)
モデルAでの第5機能:暗示機能
これらのタイプの人は、どこか「惰性」を感じやすいところがあります。放っておくと、外の世界との関わりが少なくなりがちです。もし関わりがあっても、何となく空しい感じや物足りなさを感じることが多いです。彼らは、人生の中で「楽しかった時期」や「刺激的だった瞬間」を大切にしがちです。しかし、実際に刺激を感じるのは、何もせず待っているときではなく、自分から動いたときにこそ得られるものが多いのです。そのため、刺激が足りないときは、退屈や無気力を感じやすくなります。また、新しいことに興味を持つのが苦手な人が多く、過去の経験を繰り返すことがよくあります。この状態から抜け出すためには、誰かに「もっと自分から動こう」「もっと活発になろう」と背中を押してもらう必要があります。そうすることで、自分から行動できるようになり、感じていた退屈や無意味さが、活発な活動に変わります。そして、新しい経験を通じて、自分の限界を超えていけるようになります。さらに、これらのタイプの人は「優柔不断」なところもあります。特に、自分の未来に関わる大きな決断が苦手です。自分が人生で何を達成したいかは分かっていても、それを実現するために、どんな短期的な目標を立てて、どう行動するかを決めるのは、かなり難しいと感じることが多いです。行動を起こすためには、現実をしっかりと見極めて、その状況に合った具体的なアドバイスやサポートをしてくれる人が必要です。
第6機能 Se(EIE, LIE)
モデルAでの第6機能:動員機能
「自分には目標を達成する力がある」と感じていても、自分が選んだ道が正しいかどうかについて迷うことがよくあります。そんな時には、最終的に選んだ道を進むために、他の人からの支援でモチベーションを高める必要があります。彼らは、挑戦的な活動に参加し、他の人と一緒に障害を乗り越える中で、「自分の意志や個人的な力が成長している」と実感することが好きです。しかし、そのために必要なエネルギーや意欲は、自分ひとりでは生み出すことができません。他の人から与えられることが必要です。
第7機能 Se(SEI, SLI)
モデルAでの第7機能:無視機能
彼らは、指示を出すよりも、個人的な報酬を提示したり、大切な人々のニーズを満たすことで人を動かす方が得意です。対立や衝突を避けようとしますが、どうしても避けられない場合には、短期間、激しく戦い、決して引き下がらない姿勢を見せます。「困難を乗り越える」とか「競争に勝つ」といった言葉に強く惹かれることはありません。外部からの圧力に反応するよりも、自分自身の内面の欲求に耳を傾け、身体的、感情的、心理的な健康を大切にしようとします。周囲で起こる争いや対立に敏感で、それに対して抵抗することができますし、必要なら積極的に争いに参加することもあります。しかし、争いを快適さや幸福よりも優先することはありません。暴力的な身体活動、例えばスポーツに参加することもありますが、その動機は「戦いを求める」ことではなく、そのスポーツが提供する刺激的な体験を求めることです。
第8機能 Se(ESE, LSE)
モデルAでの第8機能:実証機能
説得力があり、威厳を持ち、強さや挑戦的な態度、対立的な姿勢を見せることはできますが、それはあくまで「一種のショーやゲーム」のようなものであり、本気で取り組むべきことだとは思っていません。
価値機能の側面 by Dmitry Golihov
価値機能:モデルAの第1機能、第2機能、第5機能、第6機能のこと。別名「尊重する機能」
第1機能 Se(SLE, SEE)
彼らは自分の能力に強い自信を持っており、自分は何でもできると信じています。周りにはしばしば意志が強い人という印象を与えます。「自分が正しいと思うことは、誰にとっても正しい」と考えがちです。彼らは「陶器店の牛」のように、常に自分の周りにスペースが足りず、窮屈に感じることが多いです。体力やスタミナに自信がある場合は、弱い人を嫌う傾向があり、自分が弱いと感じると、強い人を「悪党」と見なすことがあります。お金の管理には長けていますが、時には非常に保守的すぎたり、自信過剰になったりすることもあります。彼らは人生を「誰が誰に勝っているか、誰が誰より上か」という権力の視点で見ることが多いです。彼らに話を聞いてもらうためには、まず彼らからの敬意を得る必要があります。彼らは他人の弱みを欠点と見なし、他人の弱みを利用して自分が有利になることを悪いことだとは思いません。常に何かをし、スキルを磨くことを大切にしています。
彼らの強さは、目で見てすぐにわかるような強さです。しかし、柔軟性には欠け、むしろ古典的で記念碑的な強さを持っています。どんな仕事でも常に一番を目指し、うまくいかないとすぐに怒りっぽくなります。自分の力や能力に疑問を持たれると、攻撃的になることがあります。優れたアスリートの素質を持っていますが、自分の能力を過信しすぎて、怪我をしやすいという危険性もあります。また、外見にも自信を持っており、力と能力を誇ることがよくあります。自分のユニークさやオリジナリティを強調します。
何かを始めるとき、いちいち誰かの許可を取る必要はない、と彼らは思っています。自分のやり方に自信があり、それを迷わず実行します。どこにいても、自分の力を使うことにためらいがありません。そして誰かに反対されると、すぐに怒りっぽくなることがあります。その感情は、まわりから見てもはっきりわかるほどです。ときどき、最初はカッとなってしまい、そのあとでようやく相手の言っていたことを理解することもあります。他人の話に耳を傾けるのは、自分がうまくいかなかったときか、あるいは相手が自分よりも立場が上だと感じたときに限られます。
彼らは、極限の状況を好みます。そういう場面では、自分が本当に生きていると実感できるからです。こうした性質のおかげで、世間から「行動力のある人」として評価されやすい一面もあります。まず行動してみて、あとになってから「自分は何をしたのか」と振り返るようなこともあります。彼らは、強い意志を持った実行者です。「乗り越えてこそ価値がある」という考え方、あるいは少なくとも「何とかして乗り切る」という姿勢、そして「どんな犠牲を払ってでも勝つ」という気持ちに突き動かされています。たとえば「熊を倒せないなら一人前ではない」といった考えに共感するタイプです。恋愛でも、まるで砦を攻略するかのように、相手を「手に入れる」ことに情熱を注ぎます。こうした性格のせいで、「すべてのことは、自分の力と能力しだいだ」と心から信じています。そのため、目標を達成できないと、激しくイライラしてしまうのです。そして、彼らにとって一番の弱点は、「人生のすべてが自分ひとりの力でどうにかなるわけではない」と思えないことです。うまくいかないと、「自分はダメなんだ」と心の中で感じてしまい、強い苛立ちを抱えることになります。
自分の見た目や服装については、かなり自信があります。何もできない、何も変えられないような「停滞した」状況、つまりただタイミングを待つしかないとき、そういう時間が彼らにはとてもつらく感じられます。常に動いていたいタイプで、どこかワーカホリックなところがあります。たとえ短い時間であっても、何もしないままでいるのが苦手です。じっとして考えることが難しく、すぐに何かを始めようとします。彼らが会話をすると、すぐに問題の話や、それにどう行動するかという話になりがちです。
第2機能 Se(LSI, ESI)
権力やお金、さまざまなスキルに対して、独自のセンスで芸術的・創造的に関わります。オリジナリティのある方法で人に教えるのが得意で、他人の力を大きく引き出す理想的なトレーナーです。彼らの特徴は、柔軟さと洗練された対応力です。状況に合わせて臨機応変に動くことを大切にしていて、仕事もスピーディーかつ効率よく進めます。ときには、いくつものことを同時にこなすこともあります。お金の扱いにも長けていて、優秀な財政家としての一面を持っています。ただし、リスクのある挑戦も好むため、大きな成功と失敗を何度も経験する人もいます。彼らは競争が大好きです。ただし、「勝てばいい」という考え方ではありません。第2機能にSeを持つ彼らにとっては、結果よりも、その過程の中でどれだけ力を出せたかが大切です。1位でなくても、「まだ伸びしろがある」と感じられれば、それで満足することもあります。
物事を極端にやりたがる傾向がある人も多いです。自分の中の第2機能を発揮できないと、あえてその機能を必要とするような問題を自分で作ってしまうことがあります。たとえば、自分から経済的に困難な状況に飛び込み、それを乗り越えることで力を証明しようとするのです。スポーツが得意な人も多く、勝つために、プロ意識を持って創造的に努力できます。実際、多才な人が多く、貧しい状況から富を築く力も持っています。また、他人に関する細かな情報を読み取るのが得意です。たとえば、他人の見た目や顔の特徴、マナーのちょっとした違和感などにすぐ気づくことができます(wikisocion訳者注:これは第2機能がSeのタイプによく見られる傾向です)。
このタイプの人は、「どうすれば実際に利益が出せるのか」という感覚に優れているので、ビジネスのパートナーとしてとても頼りになります。生まれつきの創造力(第2機能)をうまく活かして、「今はきっちり引き締めるべきか、それとも少し緩めるべきか」を、場面に応じて的確に見極めることができます。チームで働くときは、「自由にやらせる」と「しっかり管理する」のちょうどいいバランスを取る役目を自然に引き受けることが多いです。たとえば、子育てでも、甘やかしすぎず、押さえつけすぎず、子供をのびのびと育てることができるタイプです。状況に応じて、やさしく励ましたり、必要なら背中を押すようにプレッシャーをかけることもできます。人を教えたり指導したりすると、相手がすごく成長することも珍しくありません。小さいころから子供にトレーニングをさせて、すばらしいスポーツ選手に育て上げるような力を持っています。評価機能の働き(第1, 4, 5, 8機能の働き)は、第2機能を通して表に出てくることが多いです。したがって、もし評価機能で不満や怒りがたまっている場合、第2機能がSeタイプの人を怒らせたり、刺激したりするととても危険です。
彼らは、自分の第2機能を使って「これが自分のいいところですよ」と周りに見せようとする性質があります。なので、このタイプの人は、Seの中にある攻撃的な面を長いあいだ隠し、外には見せないようにすることがあります。しかし、心の中にずっとため込んでいると、あるとき限界を超えてしまい、コップの水があふれるように、突然爆発してしまうことがあります。そうなると、自分をコントロールできず、大きなトラブルになることもあります。そうならないためには、スポーツや趣味に熱中したり、たとえばボクシングのサンドバッグを殴ったりといった、体を使った発散方法がとても大切です。イヤな気持ちをため込まず、こまめに吐き出した方が、自分にも周りにもずっといい結果をもたらします。
自分の見せ方や他人の見せ方を工夫するのが得意です。たとえばファッションでも、流行に乗るのではなく、自分らしい独自のスタイルを生み出します。必要なときは、生活費をかなり切り詰めて、しっかり節約することもできます。投資などでとても賢くお金を増やす人もいて、まるで何もないところからお金を作り出しているように見えることもあります。このタイプは、目に見えて手で触れるような具体的なモノをいじるのが大好きです。たとえば切手やバッジ、車などを集めたり、部屋のインテリアを工夫したり、絵を描いたりするのが好きです。子供のころなら、おもちゃの兵隊で遊ぶのが好きだったかもしれません。「自分の持ち物を自由に扱うこと」が、このタイプにとっての創造的な活動です。そのため、自分の物に勝手に触られると、非常に嫌がることがあります。それは、自分の大切な創造の場を奪われるように感じるからです。また、ひとつの物を長く使い続けるのも得意です。そうした工夫のしかたは、ときには芸術のように見えるかもしれません。すっかり古くなった物でも、すぐに捨てるのではなく、第2機能を活かして、何か別の役に立つ使い方を見つけようとします。
第6機能 Se(EIE, LIE)
彼らにとって大事なのは、お金持ちになること、力を持つこと、美しくあること、成功者になること、そして何かの分野で卓越することです。これらは、自分が取り組むべき目標だと考えています。そのため、自分がうまくやれているかどうかを、すぐに自分の価値と結びつけてしまいます。だからこそ、悩みやすいところがあります。もし物事がうまくいかないと、それだけで大きな問題が起きたように感じてしまうのです。他人に負けたくない、自分の魅力や成功を見せつけたいという気持ちから、目立つ服や少し攻めたファッションを選ぶことがあります。このタイプの人にとって、「年をとること」や「世間の基準で見たときの美しさを失うこと」は、とてもつらいことで、時には生きる意欲を失うほどになることさえあります。逆に、自分を守るために、外見に気をつかわなくなり、服装や身だしなみに無頓着になる場合もあります。また、決められた時間内に仕事を終えられないと、自分の能力が足りないように感じてしまい、強く恥ずかしく思うことがあります。
人から「弱い」と思われることを非常に恐れていて、自分を強く、堂々としているように見せようとします。そのため、スポーツだけでなく、ちょっと危険な技やトリックを身につけたり、人前で見せるために格闘技に取り組んだりすることもあります。そして、覚えたことは積極的に披露したくなります。彼らは「もっと上を目指したい」という気持ちをいつも持っていますが、それがかえって自分を苦しめる原因にもなっています。すべてが順調なときでも、急に今の生活を手放して、新しい土地で一からやり直そうとすることがあります。そのほうが自分にとって価値のある生き方だと感じるのです。また、人の影響を受けやすく、誰かが何かを欲しがっていると、「自分もそれが必要だ」と思い込み、どんな方法を使ってでも手に入れようとすることがあります。
自分の手が届くものや、自分に向けられている関心などを、「手に入れるべきもの」として感じられない場合、つまらなく感じてしまいます。人間関係でも同じようなことが起きます。つまり、手に入りそうにない相手に惹かれ、その人を追いかけることに夢中になります。でも、いざその人と親しくなってしまうと、急に興味がなくなってしまうことがあります。「すべてに勝ちたい」という思いが、彼らの行動の原動力です。そして、いちばん嫌なのは「負けること」です。なぜなら、それは自分の価値が傷つくように感じるからです。だからこそ、勝てそうにないビジネスには、最初から関わりたがりません。人は第6機能では大きなリスクをとらない傾向がありますが、それは彼らも同じです。普通は「少し難しいけれど、自分ならできる」と思えるような課題を選びます。それは、たいてい今持っているスキルの延長でできることです。彼らは、自分が社会的に成功していて、世の中からその成功が認められていると感じたいのです。ときには、自分をもっと評価するために、「急に病気になる→大変な治療を乗り越える→その病気に打ち勝つ」というドラマのようなストーリーを、自分で作り出すこともあります。それを、自分の努力や勝利として受け止めたいのです。
第5機能 Se(IEI, ILI)
目立つ人やお金持ち、成功している人、頼りになりそうな人に強く惹かれます。見た目や雰囲気の印象に影響されやすく、「きれいで素敵な人生を送りたい」という気持ちがとても強いです。時にはその理想のために、大きな犠牲を払うこともあります。「いつも勝ち組や強い人のそばにいる人」という印象を持たれることがあります。力関係が変われば、それに合わせて自分の立ち位置や態度も変えます。特に「強さ」を感じさせる人に惹かれやすく、ちょっとしたきっかけで元気になったり、前向きになったりします。金や権力、名誉など、自分が「すごい」と感じられるような場所に身を置こうとします。もし今の立場が社会の底のように感じているなら、どんな手を使ってでも這い上がろうとします。人から強く何かを求められたとき、それをはっきり断ったり、反発したりするのが苦手です。強引な人の言いなりになってしまう傾向があります。そのため、そういう状況を避けようとして、あえて冷たくしたり、よそよそしく振る舞ったり、軽く流すような態度をとることがあります。
彼らが心地よく感じるのは、何かが常に動いている場所です。仕事でも日常でも、刺激があって忙しくて、ちょっと波乱があるくらいの方が落ち着きます。ただ、そんな環境にいつの間にか巻き込まれていて、後になって「どうして自分はここにいるんだろう」と気づくことも少なくありません。暗示機能にSeを持つ人は、あまり関わりたくないはずの仕事やプロジェクトに、うっかり巻き込まれないように気をつける必要があります。なぜか知らないうちに、誰かのペースに引っ張られてしまいやすく、「気づいたらその人のそばにいた」ということがよく起こります。
皮肉っぽい冗談を言われても、怒るどころか、そこに力や上からの視線を感じ取って、「これは悪口じゃなくて、むしろ自分を認めてくれているのかも」と受け取ってしまうことがあります。そんなとき、相手の言葉に対して自分も何か返さなければと思い、つい同じように皮肉っぽく返事をすることがあります。もともと「強さ」に魅力を感じており、それを手に入れたいという気持ちがあるため、いずれは本当に「自分の強さを見せたい」と思うようになるかもしれません。たとえば、腕相撲の大会を企画してみたり、わざと誰かを挑発して、自分の強さをアピールするチャンスを作ろうとすることもあります。