調査結果
6119人を対象に調査。
下記は、上記表の最多タイプの割合と、J/Pスイッチした場合のタイプの割合を並べたもの。
MBTI | ソシオニクス | |||
---|---|---|---|---|
最多タイプ | 割合 | JPスイッチ | 割合 | |
INTP | ILI (INTp) | 69.7% | LII (INTj) | 9.3% |
INTJ | LII (INTj) | 58.4% | ILI (INTp) | 26.7% |
ENTP | ILE (ENTp) | 55.1% | ILE (ENTp) | 55.1% |
ENTJ | LIE (ENTj) | 50.4% | LIE (ENTj) | 50.4% |
INFP | IEI (INFp) | 53.0% | EII (INFj) | 17.0% |
INFJ | EII (INFj) | 83.5% | IEI (INFp) | 1.1% |
ENFP | IEE (ENFp) | 35.8% | IEE (ENFp) | 35.8% |
ENFJ | EIE (ENFj) | 74.7% | EIE (ENFj) | 74.7% |
ISTP | SLI (ISTp) | 64.9% | LSI (ISTj) | 6.2% |
ISTJ | LSI (ISTj) | 46.2% | SLI (ISTp) | 17.5% |
ESTP | SLE (ESTp) | 81.2% | SLE (ESTp) | 81.2% |
ESTJ | SLE (ESTp) | 36.6% | LSE (ESTj) | 21.8% |
ISFP | SEI (ISFp) | 44.3% | ESI (ISFj) | 0.0% |
ISFJ | ESI (ISFj) | 53.4% | SEI (ISFp) | 5.0% |
ESFP | SEE(ESFp) | 75.0% | SEE(ESFp) | 75.0% |
ESFJ | ESE (ESFj) | 50.8% | ESE (ESFj) | 50.8% |
少なくとも今回の結果からは、J/Pスイッチはあまりあてにならないことがわかる。
レーニンの二分法に基づくV.L. TalanovoとA. Khizhnyakによるソシオニクスの質問紙(SOLTI-192)の実施結果を、ソシオニクスの専門家であるIvan Romanovが集計し、作成した表が紹介されている。調査人数は6119人、調査期間は2016年3月から7月。出典ではPC(Peaceful; 周辺性)とPR(Rrival; 周辺性)に分けて集計されているが、本サイトではそれらを合計した値を記載している。
サイト管理人考察
サイト管理人の考察:これはSOLTI-192の結果と、調査対象者のMBTIタイプを比較したものであるため、ソシオニクスとMBTIの分布を比較する資料として見た場合、下記の問題がある。
- 本出典は正確に言えば「ソシオニクス」そのものを議論しているというより「SOLTI-192」について議論している資料である。SOLTI-192の作りによっては、「正しいソシオニクスのタイプ(客観判定と一致するタイプ)」ではなく、調査対象者のセルフイメージのタイプがそのまま出力されているだけの可能性がある(ただし、この問題についてはこちら(外部サイト・ロシア語)で考察されているが、SOLTI-192の結果と調査対象者のセルフタイピングとの一致率は56%であり、他の運用実績のある複数の質問紙と比較しても差がないため、そこまで大きな問題ではない可能性もある)。
- 調査対象者のMBTIの理論的理解が浅い可能性がある。MBTIの理論は難しいという話は、記事「MBTI、ソシオニクス、その他16タイプ類型の違い」で話した通りだが、もしもMBTIとソシオニクスのタイプの違いを理解せずにMBTIのタイプを決定している場合、ソシオニクスと混同したセルフイメージをそのまま「MBTIのタイプ」として証言している可能性を排除できない。
問題点をあげたが、この両方の問題を完全に解決できている資料をサイト管理人自身は見かけたことはない。
本記事の出典の調査は6119人という比較的大規模な調査結果であるため、仮にこうした問題点があったとしても、資料の一つとしては有意義なものではないかと思う。
その他の調査
本出典と同様にソシオニクスの専門家が主導してMBTI派生類型とソシオニクスのタイプを比較した調査がある。
ただしこれは正確に言うとMBTIではなく、カーシーとの比較である。(関連記事:MBTI、ソシオニクス、16Personalitiesその他16タイプ類型の違い)
◆◆◆
下記は、カーシーの16種類のタイプの説明文を108人のソシオニクスの専門家が読み、それぞれのカーシータイプの説明文に最も当てはまるソシオニクスのタイプは何かを判定したもの。
また下記は108人のソシオニクスの専門家が、自分自身のカーシータイプはどれかを選んだ結果(複数選択可)。
この出典のデータは、MBTIとソシオニクスではなく、カーシーとソシオニクスの分布を比較する資料であるので、ここからMBTIとソシオニクスの分布について何らかの推測を立てるのは難しいと思われる。
出典では、上記の考察として「この資料はソシオニクスとカーシーの実際の相関を説明しているわけではなく、ソシオニクスとカーシーのステレオタイプの特徴を説明しているだけにすぎない」と言及されている。
どちらの表もtotal数を見る限り、1つのカーシータイプにつき、複数のソシオニクスのタイプを選択可能と言う条件で調査したものだと思われる。