機能1,4(結果の側面) EとF
機能2,3(プロセスの側面)LとV
このセクスタは、基本的にオープンな感情表現と、人生の暗い側面との深い繋がりによって特徴づけられます。
このセクスタの全員が邪悪だとは言いませんが、他の人が敬遠するものを探求したり理解したりすることに自然と心を惹きつけられる人が非常に多いです。言い換えれば、このセクスタの人々は、人と衝突することも辞さない表現によって、人間の負の側面を探求し、それを他人に受け入れさせることに適性があります。
彼らはネガティブなものに関心を向けます。彼らにとってネガティブな物事は、自分自身や世界をよりよく理解し、発展させるためのカタルシスをもたらす物です。この影響で、このセクスタの人々は自己啓発に多大な価値を置いています。
彼らはしばしば「知的で科学的な議論」や「自己改善への強い関心」ゆえのパワフルな感情や表情を見せます。そのため、他人を怒らせてしまったり、緊張した雰囲気を作り出してしまったりする傾向があります。
一般的には、人間の基本的な欲求に強い関心を持ち、その欲求が満たされる快適な生活を望みます。生きるために必要となる差し迫った問題があれば、それにも強い関心を向けます。
人生の物質的な側面にのめりこむか、無視する傾向があるため、このセクスタには、極端に貪欲な人と、極端に物質的な物事から切り離されてしまっている人の両方が見られます。
EVLF (ガザーリー)
1E
ロマンチックな性格のEVLFは、世界を情緒的な面から認識し続けています。しばしば自分自身や他の人々を魅了し、喜ばせるような力強い感情を見せる人々です。そばにいる人々に感情を伝染させ、明るい気持ちにするのも得意です。
非常に独特な美意識を持っていますが、彼らが感じる美は実体のない抽象的なものが多いため、他の人に説明するのが難しいことがあります。彼らは美や芸術における「傑作」を求めています。物質世界の絶対的な力ではなく、奇跡に基づいた芸術的な聖句を特に愛しています。
このタイプの人の多くは、「自分の負の感情を他人に見せてしまうと、それがもっと大きな負の感情になって返ってくるかもしれない」と考えているため、そうした感情を抑えようとする傾向があります。
2V
他の人々を潜在的なビジネスパートナーとして認識しています。そのため、他の人々の意見は尊重に値するもので、耳を傾けるべきものだと考えています。
EVLFは、自分が活動したいときに活動し始めます。決して無理をすることはありません。
彼らは罰を「人をやる気にさせるため」だけに使おうとします。というより、そもそも通常、罰は可能な限り使用されるべきではなく、一部の例外的なケースをのぞけば、理想的には全く使用されるべきではないと考えています。また、石橋を叩くようなタイプとは【真逆】のタイプです。そのため、進めるべきではないプロジェクトを進めてしまって、失敗したり損害を出してしまうことがあります。
「誰かと一緒にいるより、一人でいる方がいい」という考えを持っています。そのため「これは受け入れられない」と感じた行動パターンには無理に適応しません。
社会的にも仕事においても非常に活動的ですが、物質的な世界での活動が少ないという特徴があります。
3L
EVLFは論争好きな人々です。ゲームから世界の難問に至るまで、様々な論理的領域で、彼らのそういった側面が観察できます。パラドックスや詭弁、様々なロジックパズルやクロスワードが大好きです。
また、論理的な弱点を見つけ出すことを好むため、議論の場ではしばしば「悪魔の代弁者」の役割を果たします。
「論理を使って世界を理解するには限界がある。人間関係に関わる問題であれば、特にそうだ」と考えています。そのため、対人関係の過度な形式化には(例えば、身分的なヒエラルキーの規範に従うことを外部から期待されたりすると)、はっきり否定的な反応を示します。
そしてもしも「自分より地位が高い人を上回るような成果を、自分が成し遂げた時」は、そのことに対して特に誇りを感じます。なぜなら、ヒエラルキーという形式的なロジックの限界を示すことができたからです。
しかしEVLF自身の論理は、形式的な推論の論理とは全く異なる種類の考慮(例えば美しさの考慮など)に基づいて構築されていることが多いため、詳細な証明を要求されると途端に困り果ててしまうことがよくあります。
4F
EVLFは物質世界に特別な関心を持たず、「周囲の人々に好ましい感情的な印象を与える」ために必要となる「最小限のエネルギー」だけを費やそうとしています。周囲の人々がなぜそこまで物質世界の物事に注意を払うのか理解できないことも多いです。
他の人に不快感を与えるかもしれないと気にせずに、他の人がぎょっとするような物質世界に関わる内容の写真を眺めて楽しんだりすることもあります。
FLVE(アリスティッポス)
1F
FLVEは、物質主義のレンズを通して世界を認識します。彼らにとって世界のすべてのものは抽象的なものではなく、具体的で値段をつけることができるものです。
「こんなもの、さすがに誰も買わないだろう」というものも含めて、ほとんどの品物から売り上げを出すことができます。彼らは利益に対して妥協しません。そして、自分の財産を決して手放さないというある種の才能を持っています。「何が問題かは重要ではない、最後はいつもお金の問題だから」という考えを地でいくタイプです。
時々非常にだらしがないFLVEがいますが、これは周囲の人から自分がどう見えるかを気にしないせいです。彼らはそんなことよりも、実際に自分が快適かどうかを気にします。
そして、彼らにとっての真実の基準は、物質的な利益があるかどうかです。彼らに言わせれば、「自分にとって有益なものがまさに正しい」のです。
「私が所有者であり責任者です [1] 」が口癖かもしれません。
2L
FLVEは、人生をどのように楽しむのかという問題について語るのが好きで、そうした話題を積極的にた人と共有しようとします。
こうした会話の中で、FLVEは必ずといっていいほど自分が「人生の真実」を知っていることを強調して、長いモノローグを披露する傾向がありますが、それは通常極めて唯物論的な着地点に繋がります。
「世の中のすべては、金か権力か、生理学的な性質によって決定される。美しい理想は、現実とはあまり関係がない」
3V
FLVEの意志は非常に独特です。たとえ彼らがそれを表明することはほとんどないとしても、FLVEにとって世界の全ては闘争の場であり、そこでは最も強いものが勝利をおさめると認識しています。
彼らは自分自身を最強だとは思っていないかもしれませんが、現実的な戦力をいち早く評価し(1Fの影響)、非常に明確な行動様式を持とうとします。優位な戦力の間を巧みに行き来することで、どの戦力の犠牲にもならないようにしているのです。
もしかしたら、「捕まらなければ泥棒ではない」という言葉を生み出したのはFLVEかもしれません。
4E
感情はFLVEにとって最も重要ではないものです。彼らは感情を、気まぐれで大した価値がないものと認識しているので、目的のためには失礼なことでも平気でしたり、時には残酷に見えることさえやってのけます。
ただしFLVEがリラックスしていて、何かの活動のために動き回っている最中でない場合は、周りの人々の気分や雰囲気と簡単に同調できます。
FVLE(ゲーテ)
1F
FVLEは非常に地に足がついた人々です。おいしい食べ物や美しい服、ダンスなど、さまざまな形の物質的な喜びを享受する傾向があります。また、様々な条件で物質的な喜びを得るチャンスを見つけます。
FVLEには、自分を取り巻くすべてのものの物質的な質を評価する並外れた才能があります。
多くの場合、FVLEはしっかりと計画をたて、プロセスに積極的に関与しようとします。
2V
彼らは自分の人生の問題を解決する能力に対して、非常に高い自信と自負を持っています。落ち着きがあって冷静なタイプです。
「問題は、発生した時点で解決しなければならない」という言葉が口癖です。
また、このタイプの人はたとえ相手が社会的地位の高い権力者や、自分よりも明らかに強大な力を持っている人であっても、恐れることなく、自分の立場を守るためにハッキリ主張することができます。
3L
FVLEの態度は非常に曖昧で、日常的な常識では判断できないような変わったアイデアに対して懐疑的になることがあるかと思えば、珍しい世界観に興味を持ったりします。科学を追求する場であれば、あまり一般的ではない理論にあからさまな興味関心を寄せたりすることもあります。
彼らは論理的なミスを非常に心配し、細心の注意をはらうことがありますが、それでも論理的な問題に対して保守的であるというわけではなく、新しい考え方にも積極的に対応することができます。
4E
FVLE自身はあまり感情的ではなく、感情的な面で他人に影響を与えることはありません。
ただ、興奮している友人を穏やかに落ち着かせることができ、友人が喜んでいるときはFVLE自身も一緒に喜ぶことができます。
ELVF (アンデルセン)
1E
ELVFは、非常に情緒豊かでミステリアスなタイプです。
とても繊細な心の持ち主で、世界に対して非常に感情的で、時にはややヒステリックとも言えるような反応を示すことが特徴です。
ELVFは強い感情を持っていることが多いですが、どちらかというと悲劇的な意味合いが強めです。
EVLFの感情に共通してみられることの多いテーマは、悪化していく世界への嘆きです。
具体例としては、指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)の作者であるJ.R.R.トールキンの手紙があげられます。彼の手紙には、鉄道も工場もなかった過去を偲ぶ言葉が多く見られます。
また、このタイプの人には、感情が急変しやすいという特徴もあります。これがどのようなものかを理解するためには、トールキンの伝記を書いている作家のコメントが役に立つと思われます(「トールキンの生来の楽観主義は、彼の内面にある深い疑念の心によって相殺されました。そして、愛、知的興奮、嫌悪、怒り、自信喪失、罪悪感、歓喜、そうしたあらゆる感情が、決して抑えることのできない奔流となって彼を完全に飲み込んだのです」)。
2L
ELVFは哲学的な考え方をします。
アンダーグラウンドな趣味のコミュニティ(SFファンクラブなどのような、アマチュアの創作・知的コミュニティ)には、このタイプの人々が多く見られます。彼らは他のどんな場所よりも、そうしたコミュニティの中に、自分の考えを発展させる場を見出す傾向があります。
彼らの考えは、世間一般に広がっている理論とは異なる非常に型破りなものなので、まっとうな科学理論として社会から必ずしも認められるとは限らないからです。
しかしELVFはそうした理論を構築すること(そして知ること)に大きな喜びを感じます。こうしたことは、彼らにとって人生における大切な楽しみの一つなのです(トールキンは創作言語の「創造者」「発明者」として知られています。彼は音と意味を組み合わせて言葉を構築することに大変な魅力を感じていました)。
3V
ELVFにとって意志は「痛点」のようなものです。これこそが彼らの悲劇的な世界観の根源だと言えます。
彼らにとって、決断すること・行動を起こすことは、難しい事です(例:学力的には問題ないはずだったのに、合格できるかどうか自信がないから、あえて試験自体を受けに行かない学生)。
これが悲観主義に繋がっており、その結果として「世界は悪くなっている」という結論に思い至るようになるのです。
4F
ELVFは通常、哲学的な考察に夢中になっているため、物質的な世界をあまり重視していません。
この原因は、彼らにとって物質的な世界は負担であるだけではなく、「変化しなければならないもの、そしてそれ故に本質的な価値を持たないもの」として認識されがちだからです(トールキン「この先も変わることなく、ずっとそこにあるに違いないと思っているようなものでも、それが動かなくなってしまったり、あるいは絶望的に時代遅れになってしまったら、あっけなく捨てられてしまうのだろう」)。
彼らは、物質的な物を「後悔せずに犠牲にできるもの」として捉えています(おそらくこのタイプの人は最も「世界の終わり」の予言をする傾向があります)。
訳注
- ^ 他人の手を借りたり、意見をあれこれ言われることなく、何かを自分の責任で自由にやりたい時に使うロシアのことわざ。