外向的直観 Ne
外向的直観は、外向・非合理・静的という性質を持つ情報要素です。
「外向的直観」と書く代わりに、「Ne」「I」「可能性の直観」「黒の直観」と表記されることもあります。
Neは一般的に下記と関連しています。
- 可能性を認識する能力
- 新しい機会や新しい始まりを生み出す能力
- 他者の才能や、生まれ持った性質を認識する能力
- 異なる視点や見解を調整する能力
- アイデアを素早く生み出す能力
- 自分の知的好奇心に導かれ、他者の好奇心を刺激する能力
◆◆◆
Neが「尊重する機能(モデルAの第1機能、第2機能、第5機能、第6機能)」がNeである場合、失敗するかもしれない可能性を全て考慮するのに時間をかけるよりも、チャンスを試してみるという選択をとることが多いです。
Neタイプはいくつかの選択肢を選び、それらに固執します。これは、内向直観(Ni)タイプとは対照的です。Niタイプは、一つの選択肢を選び、その選択肢を疑い続ける傾向があります。
世界の本質に関わる物珍しい洞察や、宇宙エレベーターのようなクレイジーなアイデアについて議論するのが好きです。
Neクアドラ(アルファ・クアドラとデルタ・クアドラ)のユーモアは、一見すると無関係の現象を対比させます。
ウィキソシオンの説明
第1機能 Ne(ILE, IEE)
モデルAでの第1機能:先導機能
他者の知的好奇心や興味を刺激したり、他者の好奇心を利用して物事を実行させることに長けています。
異なる状況、知識、技術、人々の間の類似性を簡単に見つけ出します。また、異なる知的分野や社会集団と接点を持つことを好むため、一度に多くの物事に関与できます。異なる視点や考え方を検討し、それらを調和させることが楽しいと感じます。
◆◆◆
新しいプロジェクト、新しいスキルの習得、新しい人々との出会いや、新しい人間関係など、あらゆることの「初期段階」が楽しく感じます。
「何か新しいことを始めること」は、「すでにやったことのある物事をもう一度経験したり、始めたものを完了させるプロセス」よりも大きな価値があると考えます。「仕上げる」という言葉からは、縁遠い人々だと言えるでしょう。
手に負えなくなってしまった時や、長い間ほったらかしにしていたことに気づいた時、彼らは物事を最後までやり遂げ、未解決の問題を解決する代わりに、物事を投げ捨ててしまう傾向があります(これは、暗示機能 - 第5機能の位置に内向感覚 Siがあることと関係しているかもしれません)。
第2機能 Ne(LII, EII)
モデルAでの第2機能:創造機能
自分の洞察を特定の状況に適用し、それらを全体像に関連付けることを好みます。
「理想的な状況」についてであったり、「何であるかではなく、何があり得るか」の話し合いを楽しく感じます。
こうした影響で、第2機能にNeを持つ人々の多くは、周囲に対して理不尽なまでに高い要求をしがちです。
自分のためにアイデアや新しい機会を追求するのではなく、自分が重要だと感じる特定の問題や重要な課題に役立てるために、アイデアや新しい機会を追求します。
第3機能 Ne(SLE, SEE)
モデルAでの第3機能:役割機能
他者の動機、意図、能力をあまり上手く把握できません。そのため、SLE、SEEは相手の意図や潜在能力をテストするために、何らかの明確な課題を与え、それをクリアできるかどうか相手を試そうとする傾向があります。
予想外であったり、馴染みのない行動や展開、あるいは自分が直接体験していない物事の情報に対して、不信感や懐疑心を露わにする傾向があります。
こうした不信感は、新しい物事や出来事、行動に自分自身で取り組む機会を得て、一定の時間をかけて慣れることによって解消されます。
出来事や物事、行動に「自分が直接取り組む」ことができれば、第3機能にNeを持つ人々は、すぐにそれに適応できます。
しかし、実際に自分が直面するよりも「かなり前」に情報を知らされたり、ただの「そのうち役に立つかもしれない雑多な情報」という形で伝えられたりした場合は、「その情報にどう反応していいかわからない」となることがほとんどです。
「一般化した物事」「自分の関心事に関係ないこと」よりも、「近い将来、特定の分野で何が起こりうるのか」を知りたがります。
よくわからない理由で遅刻したり、勝手に突拍子のない方法で行動する人がいると激怒します。こういうことをされると、自分の足元から揺るがされたような気分になり、先行きへの不安を感じてしまうからです。行動を重視する人々にとって、これは受け入れがたいことです。
第4機能 Ne(LSI, ESI)
モデルAでの第4機能:脆弱機能
どこにどう繋がっていくのかよくわからないアイデアやチャンスに対して、かなり懐疑的です。新しいイノベーションに対しては、確実に物質的な利益が出る確証を求めます。
不確実な結果や激しい変化、不必要な変化をもたらす可能性のあるアイデアやイノベーションよりも、既存の問題への解決策になるようなアイデアやイノベーションを好みます。
LSI, ESIが「この人は、この分野での才能がない」と感じた場合、その分野での活動を強引に制限しようとするかもしれません。しかも、それでいて彼らは他人の能力を見抜くのが下手で、間違ってしまいがちです。
通常、複数の視点の理解をしようとはせず、ただ自分の視点だけを深めようとします。自分のアイデアに興味を持ってもらうようにするのが苦手です。これは、仮にそのアイデアに大きなメリットがある場合であっても同様です。
まだ経験したことのない活動や、新しいスキル開発を行おうとする人の潜在能力を、あれこれ評価したがる人のことが嫌いです。その対象が彼らである場合は特にそうです。
自分の可能性には懐疑的なほうですが、そうかと思えば特定の分野における自分の可能性を過大評価してしまうというような極端な傾向があります。
第5機能 Ne(SEI, SLI)
モデルAでの第5機能:暗示機能
「常に新しいものを追求し、物質的なものに縛られない人」に、大きな尊敬と憧れを抱きます。自分の可能性を信じてくれる人、自分のユニークな能力を褒めてくれる人に愛着が湧きやすいです。
自分の才能やユニークな経験、特異性をひけらかすことは少なく、他者に共感を持ってもらうために「普通の人」のように見せかけることを好みます。しかし親しい人間関係においては、自分のユニークな特性についてよりオープンになります。
自分の才能や独自性には敏感です。これは、独自性を見せることによって「人との親密さが増す」よりも、むしろ「人と距離ができてしまう」ほうが多いと考えてしまうからです。
彼らは、自分の独自性が親しい集団に認められ、歓迎され、育まれることを夢見ていますが、「念のために」新しい集団や大きな集団にいる時は、自分の独自性と才能をあまりおおっぴらにしないようにします。
「自分にどんなユニークな才能があるのか」を自分自身で見極めるのは難しいです。そのため長期的なキャリアの目標設定を避ける傾向がしばしば見られます。
第6機能 Ne(ESE, LSE)
モデルAでの第6機能:動員機能
「アイデアや想像力にあふれていて、『世界中』で起こっていることとの繋がりを感じさせてくれる人」を深く評価します。これは、すぐに実用化できるようなものでなくても構いません。
また、自分が今取り組んでいることや、経験していることを「洞察に満ちたアイデアや、型破りな分析」によって高めてくれる人々には、さらなる感謝の念を抱きます。
第7機能 Ne(IEI, ILI)
モデルAでの第7機能:無視機能
異なる分野の知識や経験の間にできる「外面的」な繋がりを理解しますが、そういったものに焦点を当てるよりも、「特別な意味を持っている、神秘的な隠れた本質」を理解するのに役立つ「隠れた」繋がりに焦点を当てることを好みます。
物事や状況の「本質的な可能性」を容易に把握することはできますが、それを支える「潜在的なプロセス」を理解することのほうを優先し、可能性の評価に没頭しないよう、自分自身に制限をかける傾向があります。
第8機能 Ne(EIE, LIE)
モデルAでの第8機能:実証機能
あらゆる種類のアイデアを簡単に生み出すことができます。しかし、真剣に考えることはなく、そうした活動を「価値のない一種の娯楽」として捉えています。
自分の想像力やビジョンを「自分が何かを成し遂げようとしている分野」に特化して役立てる方が、全く関係のない分野についての考え事に耽っているよりも自然なことだと感じます。
価値機能の側面 by Dmitry Golihov
価値機能:モデルAの第1機能、第2機能、第5機能、第6機能のこと。別名「尊重する機能」
第1機能 Ne(ILE, IEE)
外界の可能性の流れの中で生きており、外界の現実の全体性に依存しています:「この世界ではすべてが素晴らしく、すべての世界の中で最高です」
この調和に違反すると、攻撃的な反応を呼び起こしてしまいます。例えば家のメンテナンスや修理は、ILE, IEEの不満やフラストレーションの引き金になります。
◆◆◆
彼らと議論したり、交渉したりするのは難しいかもしれません。なぜなら、人生を進む中で絶えず機転を利かせようとするところがあるからです:「それはその通りかもしれませんが、別の方法もあるかもしれません」
たとえば、会議の正確な時間や場所などについて、彼らと正確な条件を決めようとしても、無駄骨になる可能性があります:「まずあの場所にいって、それから別の場所に行ってから会議に向かうつもりです。そこまでの予定が時間内に終われば、〇時頃には会議場の近くまではいけると思います」
◆◆◆
彼らは時間や場所を「永遠不変のもの」「絶対に動かせないもの」だとは認識していません。すべてのことは非常におおまかで曖昧なものであり、会議のために自分のタイミングや居場所を固定する必要はないと感じます。なぜなら、そうした「固定」をするという行為は、彼らにとっては「外界の調和と完全性」を損なうものだからです。
「もうすでに遅刻してるんだから、ついでにゴミ出しもしてって」などと頼む行為は、彼らの「全体性」を破壊する行為です。彼らにとって「仕事に遅刻するかもしれない」ということは「既に織り込み済み」なことです。しかし「ゴミを出す」という行為による遅れは、彼らの頭の中にある「外界の調和と完全性」の中には存在しない異物でしかありません。
このタイプの人々は、外界の仕組みについての独自の視点やアイデアをもとに生きており、その知識においては保守的です。
◆◆◆
彼らはユニークな存在であるという印象を与えます。次の瞬間に彼らの頭の中から何が生まれるのか、誰も予測できません。
そして、彼らはこの無常の愛を基準としています - これは彼らにとっての典型的な行動であり、常に注意を払っている重要なポイントです。自分のランダムなアイデアの流れに批判的な人に反論するのが面倒だと感じて、しばしば自分に賛同的で、好意を持ってくれる人ばかりに囲まれようとします。
◆◆◆
仮に正当な理由があったとしても、対立やスキャンダルを引き起こす人々には苛立ちを感じます。結局のところ、外界で起る不和は、「外界の調和と完全性」を壊し、彼らの思考を妨げることになるからです。
他人のために何かを完成させることは好きですが、他人のためにわざわざ何かを始めることは好みません。なぜなら、これも彼らの外部の調和の感覚を乱すものだからです。
第2機能 Ne(LII, EII)
彼らの人生の目的は、外界を改善し、調和させ、外的状況の「全体性」に貢献し、構築することです。そのため、それを破壊する者に対して、非常に容赦がない時があります。
チャンスの流れの中で、巧みに機転を利かせうことが彼らの得意な手札であり、この活動に非常に創造的に取り組みます。
どんなものでも、どこであっても、「どうやって改善、変更、再配置できるか」の可能性を見出します。状況を分解し、それをより調和的でアップグレードされたバージョンに再構築する力を持っています。
◆◆◆
彼らはしばしば、人類をより幸福にするための大胆なアイデアを生み出します。混沌が支配する場所を、修復するために探し出そうとします。
複雑な「外部の問題」を人々に理解させるのに役立つ独自の支援方法、人々の間の「外部の対立」を「分解」する方法、他の人々のために何かを完成させる方法を知っています。彼らにはイノベーターの才能があります。
しかし時には「これはこれ以上進めても役に立たない」と無意識のうちに感じて、物事を終わらせないままにしておくこともあります。
◆◆◆
創造機能にNeを持つLII,EIIにとっての完璧な世界とは、常に改良を必要とする非常に葛藤の多い世界です。しばしば、この「外的な調和と全体性」を生み出す方法として芸術に目を向けることがあります。彼らはどこにでも調和的な雰囲気を創り出す力を持っています。
彼らは理想的な人々で満たされた、理想的な世界を創造することを目的とする「ストーリーテラー」なのです。
現実の人々は必ずしも理想の人々通りとは言えません。この問題の解決策として、彼らは他者に対して「断固とした措置」を取ることを考えます。
◆◆◆
彼らは人にものを教えたり、向上させることが大好きです。例えば誰かがゴミをポイ捨てしたとします。こういう時、その人を叱責するのが危険そうであったとしても、彼らは叱責してしまうかもしれません。なぜならそれが彼らの「創造」の形だからです。
第6機能 Ne(ESE, LSE)
人生で何かを見逃してしまうこと、外的な世界の可能性に自分がついていけないことを恐れています。彼らは同じ場所にとどまるために前に進みます。
彼らの自己価値観は、外的な状況の「全体性」に依存しており、この全体性が崩れると動揺してしまいます。
例えば家族で喧嘩が起きた場合、その喧嘩が起こるだけの正当な理由があったとしても、あるいは、いっそ喧嘩が起きるほうが家族全員にとって良い結末に繋がる可能性があったとしても、なんとかして対立を「消滅」させ、全員を和解させようとします。
外的な状況の「全体性」を破壊しないようにするために、たとえ疲れ果てていたとしても、最後の瞬間までその人間関係にしがみつこうとします。こういう時には、現状を壊さないようにするために、自分自身のことを全く顧みないようになってしまうこともあります。
◆◆◆
隣人がガーデニングを始めたら、自分もすぐにガーデニングを始めようとします。新しい映画があれば、必ずそれを見ようとします。
外的な世界から遅れないようにするために、目新しいものや新しいファッションを追い求め続けます。
彼らを焦がす「外的な全体性」の追求は、まるでマラソンのようです。
自然の中で過ごすのが好きです。なぜならそうした場所は、安定していると同時に調和がとれているからです。
外的な矛盾や状況の不確実性が好きではありません。そのような場合には、常に明確化しようとします。明らかに不可能な場合であっても、生活状況の不変性を維持しようとします。
◆◆◆
能動的防衛の中では、この機能は単純に「アップグレードし、現代化し、常に変化する世界に適応し続ける」という形で働くため、「当面の間はこれ以上何も変化しない状態、外的な世界に追いつけた状態」へと至り、「外的な世界から遅れないようにする」という問題はひとまず解決されます。
受動的防衛の場合、「追いつくこと、維持し続けることは不可能だ」という事実を受け入れ、物事を成り行きに任せようとします。人生の流れから外れたり、自分の思い描く理想を実現することは不可能だと思うようになります。
◆◆◆
ホリデーや伝統行事といったものを好む人が多いため、社会の安定性に寄与している人々だと言えます。
「他の人と同じようになりたい」「他の人が持っているものを持ちたい」と思います。
自分の理想に客観的な形を与えようと努力します。つまり、おとぎ話に出てくるような完璧な世界を作り上げようとします。「そんなことは不可能だ」と認識してしまうことは、自己価値観を傷つけることになるため、しばしば幸せな結末の映画やおとぎ話を信じて、外部の「全体性」の状態を体験しようとします。
吉兆や凶兆、星占い、タロットカードに注意を払い、しばしば宗教的なところがあります。理想的な世界を構築するのに、少なくとも部分的にでも役立ちそうなもの全てに関心を寄せます。魔法の世界は、魔法の方法によってのみ構築できるのです。
第5機能 Ne(SEI, SLI)
外的な安定がある場所、物事の流れが調和している場所、ポジティブな雰囲気が漂っている場所を好みます。そして、これらが欠けている場所は避けます。この原則に従って、彼らは私生活と仕事を構築しています。
大胆で革新的なアイデアに感銘を受け、時には予想外の独創的な提案に携わることもあります。
自分の周囲が調和的かどうかの影響を受けやすく、突然の中断を好まない性格です。もしも中断された場合、何かを変えようとするのではなく、もっと調和の取れた場所へとただ去っていきます。
彼らにとっての調和とは、「自分が状況の中心にいて、すべてが自分を中心に回っていること」を意味する場合が多いです。
◆◆◆
ホリデーが好きで、祭りやお祝い事に参加するのも好きです。そうした場では、外的な調和やホリデー特有の雰囲気を感じることができるからです。
通常、これらのタイプの人々は、自分が幼い頃に感じていた雰囲気や様子を吸収し、それを一生涯にわたって再現しようとします。一般的に、子供時代を懐かしみ、あの頃に戻れたらいいのにと感じる人が多いです。
◆◆◆
才能ある人々や芸術家、音楽家、詩人などを非常に愛しており、時にはそういった人と一緒にいる機会を得るために、惜しまず財政的な支援を行ったり、場を明るくするために自宅に招こうとします。
未来に希望を抱き、すべてがうまくいくと信じる人々が、彼らには必要です。予測できない未来、先行きが混沌としている状態が嫌いです。そうした中で適切な選択肢や機会を選ぶ手助けをしてくれるような人を非常に簡単に信頼してしまいます。
◆◆◆
予測ができること、マイルストーンから次のマイルストーンへと順番に進行していくことを好みます。この連続性が崩れてしまうと、茫然としてしまいます。だからこそ、そうならないように予防策を講じ、事前に準備をし、あらゆる不測の事態に備えようとします。
彼らにとって理想的な環境は、全体的なスケジュールや行動計画、あるいは「このような順序で行動するのが一般的だ」という情報が外部から提供されていて、そこから外れるような突拍子のない出来事が起こらないという意味での調和がある環境です。
例えば、(1) 大学にいく。(2) こうしたコースを受講する。(3) 4年間で卒業するなどの行動指針がある環境がそうです。
このタイプの人は、他の選択肢が見えなくなってしまって、特定のスケジュールやルーチンからなかなか抜け出せなくなってしまうことがあります。
その代わり、「明るい未来」が保証された、より洗練されたスケジュールに突然切り替えることもあります。