外向的論理 Te
「外向的論理」と書く代わりに、「Te」「P(Pragmatism)」「アルゴリズムの論理」「実践の論理」「黒の論理」と表記されることもあります。
外向的論理(Te)は、「外で何が起きているか」を論理的に整理するはたらきです。例えば、イベントや仕事、誰かの行動、機械の動きなどを見て、「何が行われているのか」「どこで行われているのか」「どうやって行われているのか」といった情報を論理的に整理します。こうした「何を・どこで・どうやって」は、すべて外から観察できる活動を意味します。例えば、イベントの様子や、誰かが何かの作業をしているときの動き、あるいは機械がどう動くかといったことです。「アルゴリズム」も、こうした外から観察できる動きや処理の流れを言葉や記号で表したものです。Teタイプの人は、物事の客観的な事実や動きをもとにして考えます。「何が起きているのか」「何が行われているのか」「何が言われているのか」といった情報をもとに、論理的に意味を見つけ出し、それがどれだけ実用的か、役に立つかを分析します。Teタイプの人にとって「品質が高い」とは、そのモノや行動が「本来の目的をどれだけうまく果たしているか」で判断されます。例えば、余分な手間やエネルギーをかけずに、ちゃんと目的を達成できていれば「効果的だ」と評価します。そして、人であれ物事であれ、基本的には同じ目線(=どれだけ目的を達成できているか)で判断する傾向があります。
ウィキソシオンの説明
第1機能 Te(LIE, LSE)
モデルAでの第1機能:先導機能
外向的論理(Te)が先導機能として働いている人は、自分の興味のある分野や仕事に関することについて、本やネットなどの外部情報も取り入れながら、正確な事実を集めようとする傾向があります。こうした行動は、その人に「自分はその分野に詳しい」という自信を与えます。そして、自信を持って議論に参加できるようになります。周りの人から見ると、そうした様子が「偉そう」「自信過剰」と感じられることもあります。また、外向的論理が先導機能として働くと、外の出来事や仕事、人との関わりなどを評価する際に、「それが事実として正確か」「筋が通っているか」「効率が良いか」といった視点で判断するようになります。そのため、世の中や職場などの効率や合理性を高めようとする意欲が強くなる傾向があります。また、役に立つことや、自分の知識やスキルが広がる活動に関わることで、「自分には価値がある」と感じやすくなります。さらに、「正しくない」とわかっている情報を人に伝えることに強い抵抗を感じるため、なるべく正確な情報だけを扱おうとします。
第2機能 Te(ILI, SLI)
モデルAでの第2機能:創造機能
イデオロギーに一貫性があるかどうかよりも、事実が正しいかどうかのほうを大事にします。また、場の空気を悪くしないようにと気を使って言葉を選ぶよりも、できるだけ客観的に、はっきりと伝えることを好みます。たとえ少し厳しく聞こえたとしても、その方が正直で信頼できると感じるのです。まわりの環境が効率的で、ムダがなく、ちゃんと理にかなっていることは、彼らにとって大きな安心になりますし、気分よく過ごすためにも欠かせません。ただし、そういう環境を自分が整えたり、積極的に関わったりする必要があるとは、あまり思っていません。
第3機能 Te(ESE, EIE)
モデルAでの第3機能:役割機能
ESEやEIEは自分のことを「効率よく動けて、きちんと結果を出せて、ものをよく知っている人」だと思われたいと願っています(ただし彼らが最も重視するFeに反しない範囲に限られます)。例えば、効率や成果を優先する機能であるTeよりも、外向的感情(Fe)が大事にされるのはどんなときかというと、それは、たとえ効率が少し悪くても、「場の雰囲気が良くなる」「みんなが感情的に安定した状態でいられる」といったことのほうが大切な場面です。彼らはそういった空気や人間関係を保つ必要があり、その役に立つと感じた場合、あえて最も効率の良い選択肢を「選ばない」ことがあります。それは、特定の人や集団に「冷たい」「敵対的だ」と思われるのを避けたいからです。
第4機能 Te(SEI, IEI)
モデルAでの第4機能:脆弱機能
典型的な脆弱Teの特徴は、自分の考えや行動を外の情報に頼ることに、どこか疑いを持っていたり、嫌がるところに現れます。例えばSEIは、「このテーマについてたくさん本を読んでいそうな人」よりも、「少しだけだったとしても、実際にやってみたことがある人」のほうを信頼します。IEIの場合、自分の中にある直観やひらめきをもとに話をすることが多く、そうした考えと食い違うような「どこかから聞いてきたような話」には、疑いの目を向けます。「読んだものをすべて信じるな」という言い回しは、脆弱Teを持つ人たちの考え方をよく表しています。特に、百科事典やハンドブックといった、一般に「信頼できる」とされている資料に対しても、それは当てはまります。もう一つ、脆弱Teが見せる特徴として、「効率性」「生産性」「正確な発言」といったことに触れるのを避けたがる傾向もあります。SEIやIEIは、今の状況にあまり関係がないと感じたとき、外の情報を調べ直すようなことをしません。そのかわりに、Te以外の自分の得意な機能から感じ取ったことをもとに話そうとします。こうしたタイプは、「外部の情報源から、今必要な情報を探してくる力」にあまり自信を持っていないのです。
第5機能 Te(ESI, EII)
モデルAでの第5機能:暗示機能
Teが暗示機能である彼らは、「効率よく、役に立つことをしたい」という気持ちがどこかにあります。そのため、自分にとって面白くてためになると思えることについて、たくさん知識を持っていて、しかもその知識を正確に伝えようとしてくれる人に自然と惹かれます。「これが答えです」と決めつけられるような分析よりも、「こういう事実があった」「こういうデータが出た」といった、情報そのものを好みます。そして、もし誰かが何かを解釈して話す場合であっても、「これは一つの見方です」と、あくまで一つの可能性として話してくれるほうが、信頼できると感じます。だからこそ、根拠のあいまいな話や、明らかに事実と違うことを言う人には、無意識に距離を取ろうとします。自分の行動がどれくらい生産的だったか、効率がよかったかを、あまり意識しない傾向があります。そのため気づかないうちに、「どうやったらうまくできるか」「効率よくやるにはどうしたらいいか」を他人に頼ってしまうことがあります。自分がどれくらいの量の仕事をこなしたのか、それが足りているのか、どれほど価値があるのかを、自分で判断するのが難しいのです。そのため、つねに自分の行動を意識しながら、合理的で価値のあることをしようとしている人に憧れを抱きます。
第6機能 Te(SEE, IEE)
モデルAでの第6機能:動員機能
自分が興味を持っているテーマや、効率を上げたり生産性を高めたりするのに役立ちそうなテーマについては、できるだけたくさんの事実を集めようと熱心になります。しかし多くの場合、「どの情報が正しいのか」「何を選べばいいのか」という判断にあまり自信が持てません。だからこそ、その分野に詳しくて、自分に安心感を与えてくれるような人に惹かれやすくなります。
第7機能 Te(LII, LSI)
モデルAでの第7機能:無視機能
彼らは、事実に基づいた情報を外部から見つけ出すのが得意で、その情報がどれだけ価値のあるものかを見極める力にも自信を持っています。ただし、彼らにとって「情報を集めること」は、「その情報を一つのまとまった論理的な仕組みに整理すること」ほど重要ではありません。ただ事実を並べるだけでは、そこに意味を見いだせず、つまらなく感じてしまうのです。事実同士のつながりを分析しないままでは、集めること自体が退屈な作業になってしまいます。たしかに、彼らは効率や生産性を大切にしています。しかし、自分のやっていることがきちんとした手順に基づいていないと、そもそも効率的になれるのか、自信が持てなくなります。
第8機能 Te(ILE, SLE)
モデルAでの第8機能:実証機能
彼らは、外部から得られる情報と見比べながら、「どの情報や発言、行動が実際に正しいのか」を見きわめるのが得意です。しかし、NeやSeを通じて何かを深く追いかけているときは、「外部から得られる情報と比べて正しそうかどうか」よりも、「自分の中で筋が通っているかどうか」のほうが大事だと感じることが多いようです。Neのアイデアを深掘りしたり、Seの力をつかもうとしているときに、「それって本当なの?」といちいち事実確認に力を使うのは、意味がないように思えるのです。
価値機能の側面 by Dmitry Golihov
価値機能:モデルAの第1機能、第2機能、第5機能、第6機能のこと。別名「尊重する機能」
第1機能 Te(LSE, LIE)
彼らは、自分の知識にとても自信を持っています。そして、自分が決めたルールや「こうあるべき」という考えに従って生きています。また、自分が考える「正しい秩序」や「物事のあるべき形」を、外の世界にも当てはめようとします。例えば、「誰が何をするべきか」といった判断について、あまり柔軟には考えません。すべてのものは決まった場所にあるべきで、何かがズレていると、元に戻したくなります。自分のテリトリーや持ち物に強いこだわりがあり、それが乱されるとイライラしてしまいます。「みんな、自分のいるべき場所をちゃんとわきまえるべきだ」と感じています。「なぜそれをそうするべきなのか? 他のやり方ではダメなのか?」と聞かれても、はっきりした理由を言わず、「とにかく、そうあるべきなんです」と返すことがあります。まるで、自分で作ったルールに守られた世界の中で暮らしているような人です。その「正しい環境」が崩されると、自分の人格を否定されたように感じることさえあります。
一度「これが正しい」と覚えたこと(例えば「2×2=4」など)は、ずっと変えずに守ります。今ある秩序は、変わらずに続いてほしいと思っています。新しいやり方が入ってくると、自分にとって「良くないことが始まった」という感覚になります。そして、自分のテリトリーの中の秩序を取り戻すことができると、自信を取り戻せるのです。彼らはルールや物事の順番をよく理解しています。もしあなたが何かを成しとげたいなら、どの手順で進めればいいか、どんな準備が必要かなどを教えてくれるでしょう。また、物を組み立てたり、分解したりするのも得意です。工具を使って複雑な機械を分解することも苦になりません。「自分の世界に、安定したルールと秩序があれば生きていけるが、それがなければ、自分は存在できない」と感じているようです。
自分のテリトリーでは、リーダーのように振る舞います。反対意見は受け入れません。その「テリトリー」の範囲が広がれば、その中にいる人すべてをコントロールしようとするかもしれません。彼らにとって、自分の家はまるで要塞のようなものです。もしあなたが、「このやり方は少し違うと思う」と説明しようとしても、彼らはその話を理解しようとは思わないかもしれません。話の途中で「はいはい、もう分かった」とさえぎることもあるでしょう。彼らが重視しているのは、客観的な事実です。それは「理解するもの」ではなく、「覚えて、学んで、判断して、実行するもの」だと思っています。例えば、掃除機を組み立てたり分解したりするときに、「掃除機の仕組み」を理解する必要はないと感じます。どの部品をどこにつければいいのか分かれば、それで十分なのです。自分が知っている「現実のルール」が変わると、イライラします。なぜなら、新しい現実に合わせて、自分の考えをいちから組み直すのに時間がかかってしまうからです。彼らが何かを行動に移すときの基準は、「それが具体的に役に立つかどうか」です。
彼らは、自分の「なわばり」の中で、自分の決めたルールに従って生きています。そこに一緒に住む人も、同じようにそのルールに従わないといけません。ときどき、彼らはその「なわばり」をもっと広げようとします。これは本人にとっては意味のある、大事なことに思えるのです。たとえるなら、自分の国の領土を広げていくような感覚です。そうすることで、自分の存在をもっと広い範囲に感じられるようになります。また、他の人の「なわばり」に入り込んで、「誰が何をすべきか」「どうするべきか」を決めたがるのも、まさに典型的な第1機能Teの人に見られる特徴です。彼らと話したことのある人は、よくこう感じます。「まるで“ボス”という言葉がそのまま人になったような人だ」と。例えば「このシャベルを持って、ジャガイモを掘ってきて」といった感じです。彼らは、意味もなくダラダラ時間を無駄にしている人が嫌いです。誰と話すかに関わらず、「その話にちゃんと根拠があるのか?」という事実を確認しようとします。
第2機能 Te(SLI, ILI)
知識や事実をとても上手に使いこなし、それを新しい形で応用する力があります。例えば、理想的な講師として、誰かに教えたり指示したりするのが得意です。車のメンテナンスのような実用的なことでも、人に分かりやすく伝えることができます。実際に手を動かして、何かを組み立てたり分解したりするのも得意です。自分の目の前にあるモノを使って、新しい工夫をするのが好きです。子どもの頃に工作玩具が大好きだったという人が多く、細かい作業や工夫を楽しんでいました。大人になってからの趣味は、「壊れた家電や道具の修理」といった少し手間のかかる作業です。なぜかというと、そういう作業には、筋の通った考え方や論理的な工夫が求められるからです。修理するものがないと、わざと何かを壊したり分解して、また直すということさえあります。本来とは違う使い方をすることもあり、例えば顕微鏡をハンマー代わりにして釘を打ってみる、なんてこともあります。こういう人たちは、世の中にあるモノの仕組みやルールに敏感で、それを上手に切り分けたり応用するのが得意です。物理的なモノを改良したり、アップグレードしたりする専門家として、とても頼りになります。ときには、文明の便利さから離れた場所に引っ越し、そこで自分の知識や技術を発揮するチャンスに恵まれることもあります。今の社会のルールや法律についてもよく知っていて、その中でうまくやっていくことができます。例えば交通渋滞に巻き込まれても、普通の人が思いつかないような道を見つけてスムーズに抜けるようなこともあります。そういう場面では、まるで呼吸をするように自然と解決策を出してしまうのです。
客観的な事実に強く、知識をうまく活かすことができます。とても実践的な人で、自分の周りにあるモノを見直して、より良くしたり、より高性能に変えたりするのが得意です。まさに「何でも屋」のような存在です。彼らは、自分なりのルールややり方を持っていますが、それはとても柔軟で、状況に応じて変えることができます。ルールの一部を省いたり、他のやり方に置き換えたりするのも平気です。そういう意味では、少し操作的に見えることもあります。例えば、朝にはあるルールで動いていたのに、夜になると全く別のルールに切り替える、ということもあります。そのため、こういう人とビジネスで交渉するのは、かなり難しいことがあります。たとえ契約を結んでいたとしても、その契約が自分にとって不利になったと感じれば、あっさりと破棄しようとするかもしれません。彼らにとって、ルールや契約とは「その場にいる関係者の要望に応じて、いつでも変えていいもの」という感覚です。しかし実際のビジネスの世界では、そんなに簡単に契約内容を変えることはできません。契約は一度決まったら、すぐに変更できるものではないのです。したがって、彼らと取引する相手が戸惑ったり困ったりするのも無理はありません。彼らと仕事をするなら、「契約解消のペナルティがない契約(いつでも終わらせられる契約)」にしておく必要があります。つまり、「これは一時的な取り決めである」ということを最初からはっきりさせておくことが大事なのです。
第6機能 Te(SEE, IEE)
彼らにとって「知識」はとても大切なもので、それが人や物事の価値を決める基準のようなものです。そのため、自分が知らないことがあると、「自分はダメだ」と感じやすいです。そのせいで、たとえ本当はよく知らなくても、「それ知ってます」「わかってます」と言ってしまうことがよくあります。多くの場合、「あとで調べればいいし」とか、「バレないだろう」と思って言っているのです。また逆に、自分を守るために、「知らないです」と堂々と無知を認めることもあります。そして、自分がコントロールできる場所、自分が主導権を持てるような“自分のテリトリー・専門分野”を持つことも、彼らにとってはとても大事です。知識を身につけることで、自分の価値を感じられるため、SEEやIEEは「学ぶこと」が大好きです。特定の分野で「すごいね」と認められることは、何よりの喜びです。
「もし自分の世界にきちんとしたルールや仕組みがあるなら、自分は“いい人間”だ。しかし、そうでないなら“悪い人間”だ」と感じる人がいます。これは、第6機能にTeを持っている人たちにとって、とても大事な考え方です。彼らは、世界そのものや、何かの権威のある人のことを、とても良いものとして見てしまう傾向があります。つまり、その対象(例えば、偉い人や社会のルールなど)が本当は間違っていたり、話している内容に怪しい部分があったりしても、SEEやIEEのようなタイプの人は、「それは正しいものだ」と信じてしまいやすいのです。こういうタイプの人たちは、多くの場合、何かの「教え」や「思想」に強く惹かれて、それを信じて行動しようとします。そして、自分自身もその教えに従って周りを動かそうとすることがあります。例えば、自分が上の立場に立てるように、その考えに合う部下を集めたりします。「自分のテリトリーでは、自分が一番えらい」という感覚も、彼らにはとても大事です。その「場所」がどれだけ大きいかは、それほど気にしません。州全体のように広くてもいいし、小さな一部屋でもかまいません。大切なのは、その中で自分の言うことがちゃんと通ることなのです。時には、こういう感覚がちょっと面白い形で出ることもあります。例えば、ある場所の警備員が、「入っていいかどうかは自分が決める」と強く思っているような場面です。
プライベートでも、こうした性質は出てきます。例えば恋愛においては、「理想の相手像」を頭の中で思い描いていて、それに近い人を求めることがあります。相手に対しても、「理想通りの人であってほしい」と、どこかで期待してしまうのです。ただし、多くの場合、自分でも「そんな完璧な人はいない」とわかっています。自分が信じる「正しい秩序」を、部下が壊してしまった場合、「とても大きな過ちを犯した」と感じることがあります。自分がつくりあげた世界が壊されたように思えてしまうのです。逆に、自分が上の立場でないときは、「自分がどこまで責任を持てばいいのか」をはっきりさせたがるでしょう。そうでないと、他人の決めた秩序の中で動くのが難しくなるからです。チャンスがあれば、人に指示を出すのが好きなタイプでもあります。誰に指示を出すかは、「自分のテリトリー(支配できる範囲)」がどこまで広がっているかによります。ときには親戚に対して、あるいは部下に対して、命令したくなることもあるでしょう。
第5機能 Te(ESI, EII)
事実や数字といったものを、あまり疑わずにそのまま信じてしまうことがよくあります。それ以外の情報には、あまり耳を貸そうとしません。どんなときでも、「自分が何をすればいいかがはっきりしている場所」にいようとします。まわりの決まりごとや秩序の影響を強く受けやすいです。ここで言う「秩序」とは、政治の仕組みや社会のルールなどのことです。社会が変わっていく様子にとても敏感です。「どうか、時代の変わり目に生きなくてすみますように」と願うような気持ちを持っています。彼らは常に、なるべく秩序だった方向へ進もうとし、混乱を避けようとします。そして、自分が信じている秩序がいつか変わってしまうことを恐れています。だから、例えば軍隊のように、はっきりしたルールがあり、みんながそれに従っている場所にひかれることもあります。
彼らにとって一番大切なのは、まわりの環境がいつも、自分が慣れ親しんだルールや法律にそって整っていることです。そして、その秩序が、現実にある事実とくいちがっていないことも重要です。また、誰がどんな立場にいて、何をするべきか、どんな書類を、何のために、どこに出せばいいかなど、そういったことをはっきりわかっている状態を好みます。「このときは、こうするべきです」と、主観を交えずにルールがひとつだけある――そういう場面が、一番安心できるのです。
根本的な理由や背景をじっくり考えるよりも、目の前の事実を重視します。そのため、理解が浅くなりがちで、数字や統計、ルールや決まりごとを集めることばかりに気を取られます。長くて細かい説明はあまり好きではありません。そういう話になると、「で、つまりどういうことなんですか?」とすぐに結論を聞こうとします。彼らが知りたいのは、すぐに使える答えや指示であって、その裏にある理論や考え方ではないのです。「2×2=4」といった、すでに決まっている情報を求める傾向があります。専門用語が好きな人も多く、彼らが使い慣れている用語を会話に入れるだけで、話がすっと通じやすくなることがあります。ルールや上下関係を乱す人には反感を持ちやすいです。また、実際に目で見たり手で触ったりして確かめられる「事実」にとても影響されやすいです。うまくごまかすような詐欺にはひっかかりにくくても、堂々と「これが事実です」と言ってくるような詐欺や、もっともらしく見えるウソには騙されてしまうこともあります。