第7機能(無視機能)
無視機能は、観察機能、制限機能、そして第7機能とも呼ばれることがあります [1]。
この機能を例えるなら、第1機能のライバルだと言えます。同じ領域に対して第7機能は第1機能と相反するアプローチをとるため、人はほとんど第7機能を使用せず、無視しようとします。もしも第7機能の使い方を他人からレクチャーされたら、「それくらいわかった上で、第1機能を使う方がいいから使ってないだけなんです」と思って、余計なお世話だと感じるかもしれません。
通常、第1機能は第7機能に関連する情報の副産物を作りますが、その情報は第1機能の視点に合わせて非常に慎重に整形されています。人前では第1機能を優先して、第7機能の表現を制限していますが、裏では時に広く第7機能を使っており、また、必要な時にアクセスできます。例えばSEIは普段は第1機能のSiを使用しており、肉体的に強い負荷がかかる活動や、対立を引き起こすような活動を避けようとしますが、避けられない対立が起こると第7機能のSeを使用して、ごく短い間だけ荒っぽい口調や強引な態度で人と言い争うことがあります。第7機能を極端に避けていると、弱弱しい人間に見えてしまうことがあります。
弱い機能を活性化すると心理的ストレスを感じることがありますが、第7機能を活性化した場合にストレスを感じることはありません。その代わり、第7機能を活性化すると、ある種の退屈感や倦怠感が起こります。
訳注
モデルA:機能二分法の分類
補足情報(第3機能、第4機能、第7機能、第8機能の違い)
Stratiyevskayaは、全タイプに共通する話として、第3機能、第4機能、第7機能、第8機能に下記の性質があると解釈している。
- 第3機能(役割機能):「人からのサポートを求めておらず、自分の力でどうにかしたい機能」
- 第4機能(脆弱機能):「人からのサポートを求めている機能」
- 第7機能(無視機能):「まず状況を監視して、後になってから批評する機能」
- 第8機能(実証機能):「相手がサポートを求めているかどうかに関わらず、先回りしてサポートをする機能」
これによってどのようなことが起こるかと言うと、Stratiyevskayaは双対関係では発生しないようなギャップが、活性化関係では生じると解釈している。
例えばIEIとLSIは活性化関係であるが、IEIのNe(第7機能)は「まず状況を監視して、後になってから批評する」という形で働く一方、LSIのNe(第4機能)は「他者からの具体的なサポートを求める」という形で働く。そのため、LSIは自分の計画に起こりうる様々な可能性について、「気付いた時点ですぐに忠告して欲しい」と感じているのに対して、IEIは実際には「この計画にはあまり発展性が無い」と第7機能Neで強く察していたとしても、「まずは黙って見守る」という選択をしてしまう。そしてLSIの計画が破綻した後になってから、IEIが「あのときもっとこうすべきだったね」という「後出しの講評」を行ってしまうため、LSI(脆弱機能Ne)が「気付いてたなら先に言って欲しかった」となる。関連記事「活性化関係:ILE(ENTp)−ESE(ESFj) by Stratiyevskaya」
もしもこれがIEIとSLEの関係であれば、SLEのNeは第3機能(役割機能)「人からのサポートを求めておらず、自分の力でどうにかしたい機能」であるため、「上手くいくかどうかに関わらず、干渉したり、口出しせずにいてくれた」と感じてIEIの第7機能Neを評価するということが起こる。
別の活性化関係の例だと、ILEとESEの場合、ILEが外部からの圧力に晒されている時、ESEは第8機能Seの働きで、ILEが助けを求めるよりも先に「助けなければ」と感じて、敵に向かっていく。しかしILEとしては「この程度、自分で何とかできたのに。余計な手出しなんてされたくなかった」とESEに不満を感じることが起こる(第3機能と第8機能の不和)。一方、ILEとSEI(双対関係)の場合、SEIはILEを見守り、ILEがうまく外圧に対処出来たら「ILEやるじゃん!」と褒める流れになりやすい(第3機能と第7機能の調和)。関連記事「活性化関係:ILE(ENTp)−ESE(ESFj) by Stratiyevskaya」
まとめると第4機能は「積極的に手助けして欲しい」のに対して、第3機能は「余計なお世話を焼かれるのが嫌」だと感じ、第8機能は「つい他人の世話を焼きたくなる」のに対して、第7機能は「余計なお世話になりそうだから、黙って見守ろう」と感じる性質がある。なおこれはStratiyevskayaの解釈であるため、他の専門家がどの程度この解釈を採用しているかは不明な点は注意が必要である。
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