モデルAにおける機能二分法:メンタルとバイタル
定義
ソシオニクスでは、タイプそのものの二分法(例えばILEが外向的・直観的・論理的・非合理的であるといった分類)だけでなく、モデルAの機能自体にも二分法が存在します。その中で特に重視されるのが、メンタルとバイタルの二分法です。
メンタル
バイタル
メンタル
概要
メンタルの機能は意識的で、外的現実に関する情報を取り込み、整理し、活用します。これは知的活動の中心であり、外界の観察や分析、社会的な規範やルールの理解などに深く関わります。
動的タイプ(Exxj, Ixxp)では動的情報要素(Ne, Ti, Se, Fi)が、静的タイプ(Exxp, Ixxj)では静的情報要素(Ni, Te, Si, Fe)がここに配置されます。
特徴的な挙動
- ブレスト的な対話が可能な相手がいる場合、比較的長時間、飽きることなく自分なりの考えを語り続けることができる。
- 対話の際、自分自身の視点からの話だけでなく、より一般化した視点から語る傾向がしばしばある。例えば「結婚式で客が白いドレスを着ることについてどう思うか」と聞かれた際「(自分は)嫌だ」「(自分は)どうでもいい」という視点だけでなく、より一般化した視点から自分なりの意見を語ることがある。
- 発言に至るまでの思考の過程が明確。どのような情報に基づき、どのように考えたのかを意識的にトレースできる。
- 自分の意見や能力が誤解されている場合、修正したいという欲求に駆られやすい(もろもろの状況から判断して、修正のための行動はとらないこともあるが、内面的には明確な不満が持続する)。
バイタル
概要
バイタルリングの機能は無意識的で、内的現実に関する情報を処理します。これは外界からの刺激に対する自律的な反応や、自然に湧き上がる感情・欲求として現れます。
この機能は普段あまり意識されず、個人的な経験や感覚を通して世界を捉える傾向があります。結果は第一信号系(感覚的・本能的な反応のシステム)を通じて行動に反映されます。
特徴的な挙動
- 一般的にはどう考えられるかという点に無頓着で、自分の個人的な見解や認識に終始する傾向がある。
- 何らかの意見や考え自体を述べることは出来ても、具体例を聞かれると詰まってしまう。
- 自分の意見や行動に対して他人から興味を持たれても、深掘りしたり、より詳細に語りたいという欲求が希薄で、少し意識を向けても、すぐに面倒に感じやすい。
- 結論や答えを言うことは出来ても、なぜその結論や答えが導き出されるのかを当人自身も上手く説明できない。(この場合の結論や答えは、常に鋭いこともあれば、全くそうでないこともある)
- 興味の持続時間にムラがある。突然猛烈に調べることがあっても、少しするといつの間にか別の活動に意識が切り替わっている。
- 自分がどう反応したかあまり覚えていない。
- 高評価や共感を貰えなかったとしても、もっとちゃんと自分を評価して欲しい、正しく理解して欲しい、または上手く出来なくて恥ずかしい、悔しいという気持ちがあまり生じない。
まとめ
メンタルとバイタルの違いは、単に「意識的か無意識的か」だけではなく、情報の扱い方や発言の仕方、思考の方向性にも明確に現れます。タイピングにおいては、話し方や思考の癖、反応の仕方を観察することで、その人がメンタル寄りかバイタル寄りかを見極める手がかりになります。
参考文献:
