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静的と動的(ソシオニクス)

2021年5月28日金曜日

ソシオニクス 二分法

静的と動的


はじめに

静的/動的はソシオニクスの二分法のひとつです。

  • 「静的」は物事の特性と構造に焦点を合わせます。
  • 「動的」は物事の動きと相互作用に焦点を合わせます。

しかしこれは全体の特性であり、その時々で使用されている情報代謝要素に応じて、人はいつでも静的と動的、両方の知覚をすることができます。


タイプの分類

静的:Exxp、Ixxj
動的:Exxj、Ixxp

α β
ILE SEI ESE LII EIE LSI SLE IEI
静的    
動的    
 
γ Δ
SEE ILI LIE ESI LSE EII IEE SLI
静的    
動的    


典型的な特徴

静的なタイプ

  1. イベントを連続的な変化ではなく不連続なものとして認識します。
  2. イベントの段階それぞれがどうなっているか話す傾向があります。「段階Aではこうなっている。Bではこうなっていて、Cではこうなっている」
  3. イベントを説明する際は、一般的な視点から、他の似たようなイベントと比較しつつ説明します。
  4. 現実について話す際、特性や構造について話す傾向が強いです。
  5. 静的なタイプが物語を作る場合、特定の人物一人が主人公になります。


動的なタイプ

  1. イベントを連続した順序で認識します。つまり、不連続なものとしてではなく、連続的な変化として認識します。
  2. イベントが段階を追うごとに、どう変化するのか話す傾向があります。「段階AからBのようになったあと、Cのようになる」
  3. イベントを説明する際は、具体的な視点から説明します。
  4. 現実について話す際は、動きや相互作用について話す傾向があります。
  5. 動的タイプが物語を作る場合、複数の主人公が登場することが多いです。


典型的な特徴(拡張版)

2003 年のレーニンの特徴の研究から取得。

静的なタイプ

  • 静的タイプは、現実をエピソード、シーン、絵のセットとして捉えます。静的タイプの意識は、変化の連続的な流れではなく、分離した個々の状態を知覚することに向いています。
  • 静的タイプが出来事について説明するとき、彼らはその出来事自体を一般化し、類似した出来事の中の単なる一つの出来事として扱う傾向があります(「いつも新年を祝います」と言います)。
  • 静的タイプの物語では、物語の中心となる主人公はたいてい一人であり、これが物語の途中で変わることはほとんどありません。
  • 静的タイプの物語では、行動や出来事の流れよりも、状態の描写がメインになりやすいです。また、ある状態から別の状態への移行は、連続的ではなく、ジャンプするような形で移行します。


語彙:

  • 「to be」の異名同音の多用(「to become(~になる)」「to appear to be(見たところ~のように思われる)」)。
  • 法助動詞 [1] による非人称的な提案の多用(「to want(~したい)」「to can(~できる)」など。 「I will make(私が~します)ではなく、「it is possible to make(~することが可能です)」
  • 動詞のない構文の多用。


動的なタイプ

  • 動的タイプでは、連続したシーケンスとして出来事を捉えます。個別のエピソードに断片化することはありません。動的タイプの意識は、(離散的な静的タイプとは対照的に)、連続的な変化の流れを知覚することに向いています。
  • 動的タイプは、ある出来事を説明するとき、一般化して具体的に起こった出来事を説明することを好みません(「去年の新年に、私は~に行きました」)。動的の物語では、「自分が描写している出来事の中心にいて、そこに引き込まれる」ような印象を受けます。
  • 動的タイプの物語では、通常、すべての登場人物がある時点で主人公となり、中心的な役割を担います。この役割は、無生物にさえ与えられることがあります
  • 動的タイプの物語では、プロセスの描写がメインになります(すでに起こったことよりも、起こっていること、経過していること、進行中であることを描写します)。


語彙:

  • 直接的な目的語を持たない動作動詞を使用する傾向が見られます(「went(壊れた)」「made(作った)」「brought(導いた)」「settle(決めた)」「cheered themselves(歓声を上げる)」「cried a little(少し泣いた)」)。
  • 物語の中では、語り手や他の登場人物の行動であったり、登場人物間の相互作用を表す意味動詞を多用します。


注釈

文法構造から類推することができます。 [2]

静的と動的の間で見られる発言の違いは、ロシア語の動詞の種類の違いと類似しています。静的な発言は現在完了形の動詞(「I have made」、これは特定の過去をさす表現です)に対応しており、動的な発言は半過去形の動詞(「I did」、これは特定の過去 [3] をささない表現です)に対応します。

英語では、静的な発言は単純時制(不定時制) [4] に、動的な発言は進行時制 [5] に対応します。

最近のデジタルカメラの保存方法には2種類ありますが(静止画として保存するか、動画として保存するか)、静的と動的もこれに似ています。人は周囲の現実を頭の中に固定し、記録していますが、静的は現実を個別のパケット(「写真」)として保存するのに対して、動的は連続した「動画」として保存します。


静的なタイプ

  • 「During New Year I am exhausted(新年は疲れる)」
  • 「It would be desirable to conduct the New Year...(新年に実施するのが望ましい)」
  • 「It was sad (boring, interesting)(悲しかった(つまらなかった、おもしろかった))」
  • 「I stayed at home(家にいた)」
  • 「We were on a trip(旅行に行っていた)」
  • 「This holiday was better in comparison to the previous one(今回の休暇は、前回と比較して良かった)」


動的なタイプ

  • 「The Christmas tree smells nice(クリスマスツリーがいい香り)」
  • 「The house is filled with holiday spirit(家の中がクリスマスムード一色)」
  • 「This New Year they drove to the ski area where they skied all day long(今年の新年は車でスキー場に行き、一日中スキーをしました)」
  • 「We emptied the whole bottle(ボトルを空にしました)」
  • 「We gathered together, sang songs, celebrated(みんなで集まって歌を歌い 祝杯をあげました)」
  • 「In the New year I expected a miracle, but as inevitably greeted by a disappointment(新年には奇跡を期待していましたが、失望は避けられませんでした)」


グレンコ著「認知形態」からの解説

認知形態 見出し

一般的に、空間(静的)か時間(動的)のどちらかを重視することを指します。

空間と時間というカテゴリーは、イマヌエル・カントが「純粋理性批判」の中で、範囲と持続時間として対比させながら詳細に研究したアプリオリな概念です。


静的なものは空間に依存し、動的なものは時間に依存します。

空間を物体で満たすことが静的な振る舞いを特徴づけるのに対して、時間を出来事で飽和させることが動的な振る舞いを特徴づけます。

静的は空間が空であることに耐えられず、すぐに手持ちのアイテムで空間を埋めてしまいます。一方、動的は時間が空であること、つまり退屈や停滞、同じ状態が長く続くことに耐えられません。

ある意味、静的は場の人々、動的は時間の人々と言えるかもしれません。


では、この二分法を個人のコミュニケーションレベルに置き換えて考えてみましょう。


知的レベル

静的は離散的・分析的思考動的は連想的・合成的思考に向かう傾向があります。

多くの資料で定義されているように、分析とは「全体を、明確に区切られた部分に分割すること」を意味します。分析的な作業とは、すなわち境界を明確にすることだと言えます。

一方、合成は連想に似ています。ある事象が他の事象を即座に思い起こさせるような、曖昧で迅速な接続によって、2つ以上の概念を関連付けることを意味します。連想の結果、内部の境界がぼやけて、首尾一貫した合成的なイメージが形成されます。


◆◆◆


このような動的認知の縮図がは、アソシエーショニズム [6] における精神的プロセスの性質の説明の基礎になりました。

アリストテレスはまず、自然発生的な精神的イメージが非常に密接に収束し、その連続性に基づいて、複数の連想の類似や対比が生じるという考えを示しました。その後ジョン・ロックは、単純な感覚を連想するプロセスから、様々な観念(この観念の複雑性の度合いは、非常に単純なものから非常に複雑なものまで様々です)が生まれると考えました。ロックは、観念的な結びつきと、純粋に意味的な結びつきとを対比させました。彼は、純粋に意味的な結びつきは二次的に生じるものだと考えていました。実際、映像記憶術は、視覚的連想の助けを借りて、心の中のあらゆるものを結び付けることが可能であることを示しています。


古代の映像記憶術について、いくつか紹介してみたいと思います。

古代ローマの演説家キケロは、演説を丸暗記するために「場所法」を用いていました。これは、「部屋の隅に情報を配置する(実際に何かを置くのではなく、精神的なイメージの話です)」「必要に応じて、部屋の隅を行き来しながら情報を抽出する」という方法です。

中世のドミニコ会の修道士も、このキケロと同じ方法を活用して修辞学を学んでいました。修道士たちは、自分たちがよく知っている道を細かく渡り歩きながら、その道に沿って、聴衆の前で発表する内容を次々に書き出し、並べていきました。そして発表の際は、その道を精神的に歩きながら、そこに並べた重要な概念を「提起」していったのです。


現代の広告は、人間の認知の動的な側面を巧みに利用しています。それらは、主に文脈的な連想(タバコの箱の隣にいる男らしいカウボーイ)や、対比的な連想(普通の洗濯用洗剤と、宣伝したい洗濯用洗剤の比較)に基づいています。このような消費者を誘導するテクニックを踏まえて考えると、広告に与える「静的な影響の力」は、「動的な影響の力」よりも非常に少ないのではないかと思われます。

静的は、コンピュータのように各概念がメモリセルに固定され、厳密な意味関係で構成されている方が、より効率よく記憶できます。


◆◆◆


したがって、動的は合成作業(単純な接続ではなく、連想の集合的な流れ)に強く、静的は分析(単なる分離ではなく、明確で正確な区切り)に強いと言えます。

つまり、離散的か連続的かという組み合わせは、「合理性 / 非合理性」というより「静的 / 動的」という二分法に近いものだと考えられます。

では合理性/非合理性とは何かというと、合理性は規則性(文脈よりも目的が優先されること)を、非合理性は状況性(目的よりも文脈が優先されること)を意味していると言えます。


社会的レベル

このレベルでの動的と静的の違いは、「開始(イニシエーター)」と「完了(ファイナライザー)」の対比に相当しています。

動的は活動の初期に強く、容易に動き、素早く必要な活動の領域に入ることができます。それまでの状態から、新しい状態のプロセスへの迅速な移行が、動的にとっての習慣的な生活です。

一方、静的は、すでに始まっていること、つまりすでに動いていることをよりよく維持し、継続します。静的は予備的に励起されなければならなりません。


ただし、動的の活動プロセスでは、焦点と目的が「ドリフト」し続け、それらが再調整され続けることになります。そのため動的の優先順位は不安定で、階層的な調整が苦手です。ある願いはすぐに別の願いに取って代わられるかもしれないため、動的は、外部からの支援なしに、特定の長期的な目標に集中することは困難です。

動的の強みは、目標を維持することではなく、遂行することです。彼らは戦略家というより、優れた戦術家です。


静的の目標は、もっと安定していて信頼できるものです。自分が何を望んでいるのかを把握しており、それに対して長期的な集中力を維持できます。生活や仕事に優先順位をつけ、第一の目標と第二の目標を明確に区別し、それが逆転することはほとんどありません。

静的は、どうすればいいかよりも、何をすればいいかに精通しています。彼らは戦術家よりも戦略家として成功します。


どのような社会集団であっても、動的が優位に立つと、その集団は不安定になります。際限なく変化しやすく、外部からの干渉に敏感になります。

逆に静的が優位に立つと、心理的な慣性のために急激な変化ができなくなります。集団は安定しますが保守的になります


心理的レベル

静的と動的という二分法は、神経系におけるバランスの度合いを制御します。一般的に、静的は神経系のバランスがとれており動的は取れていないと見なすことができます。

これは、一般的に言うところの「気分」と呼ばれる内的状態の変動と結びついています。

動的の場合、たとえ合理的な理由があったとしても、(外部の観察者から見れば)一見些細な理由で大幅に気分が変化したり変動したりすることがあります。動的は完全な自由を求めますが、周囲の環境条件に依存しているため、しっかりとした基盤を必要とします。

静的は比較的自律的な精神・感情状態を持っており、あまり気分が損なわれることもなければ、高揚することもありません。静的にとって、心理的に依存している人々に信頼できるサポートを提供することは日常茶飯事です。


◆◆◆


動的は、しばしば「共感覚」と呼ばれる精神生理学的現象を起こします。これは、複数の感覚器官の間に複雑な関係があり、その結果として、複数の感覚器官の情報が合流することを意味します。色、音、匂い、味を一つの複合体として知覚することで、動的は現実の知覚に特別な鮮明さを与えます。時には感覚の融合が進み、内的なイメージが現実と区別がつかなくなることもあります。静的の場合、感覚器官の分離性から、共感覚が起こることは稀です(特別な訓練の結果として獲得することはあります)。


身体的レベル

このレベルでは、静的/動的は、生物学的なホメオスタシス/ヘテロスタシスという対照的な衝動として現れます。ここでは、ホメオスタシスは生物とその周辺環境の不変性を意味し、ヘテロスタシスは変動性を意味するものとします。


動的は、生活の物質的条件(例えば家のワードローブ、インテリア、家具の配置など)を、多様性を求めて、あるいは退屈しのぎのために、ヘテロスタシスに変化させる傾向があります。静的にはこのような特徴はあまり見られません。

静的にとって、慣れ親しんだ住環境を変えることは困難でしかないことです。もし静的が動的と同じようなことをしていたとして、それは「状況的な圧力がかかったから」「その圧力に抵抗するよりも、流された方が楽だから」という場合に限られます。


◆◆◆


動的は代謝量が変化しやすいタイプなので、精神的ストレスの影響で、急激に太ったり痩せたりする傾向があります。

静的はその逆で、体重や体型はいい意味でも悪い意味でも安定しています。太りすぎていたり、痩せすぎていたりする場合、長い間その状態が続いてしまいがちです。静的は、動的よりも代謝量が安定しているといえます。


体温、血圧、発汗など、他の生理的なパラメーターについても、同じ法則が適用されます。

例えば、動的の体温は、日中、変動する幅が広いです(これは病気などの明らかな体温変動の原因になる症状がない場合でもそうです)。仮に訓練を積めば、動的はこうしたパラメーターを、意識的に、自分にとって望ましい方向にコントロールできます。


その他の解説と注意事項

その他の解説と注意事項 見出し

この静的/動的という二分法は、疑似同一関係や要求関係など、表面的には似た表現をするタイプを区別するのに有用です。

例えば、ある人のタイプがILIかLIIかわからない場合 [7] 、その人の表現が静的か動的のどちらに支配されているのかを判断することで、この問題が解決できます。

場合によっては、隠された課題 [8] を強調した結果として、要求者側のタイプが、非要求者側のタイプを模倣し始めることがあります

第6機能への強力な関心の結果、自分の本来のタイプ(要求者側のタイプ)ではなく、「非要求者側のタイプ(自分の第6機能を第1機能に持つタイプ)こそが自分のタイプだ」と間違えてしまうことがあります。

しかし、全ての要求関係のペアは、静的/動的の二分法が異なっているため、この点に着目すれば両者を区別することができます。


◆◆◆


静的/動的の区別は、対象者の書面および口頭での発言内容に存在する文法的および語彙的構造を注意深く検査および分析することで行えます。そこで確認された静的な構造と、動的な構造の相対的な割合を推定することで、他者の情報代謝タイプを推論することができます

また、言語や文章(メール、手紙、書籍、掲示板の書き込みなど)から推定できるため、静的/動的に着目すれば、タイプされた本人とあまり面識がなくても、離れた場所からタイプを推論することが可能である。


一般的に、人が行う表現には、静的な構文と動的な構文の両方が混在しています。この比率は、おおよそ次のような形でタイプと関連付けられます。

静的 Ji-Ixxj > Ji-Exxp > Pe-Ixxj > Pe-Exxp || Pi-Ixxp < Pi-Exxj < Je-Ixxp < Je-Exxj 動的 [9]

つまりJi-IjタイプとPi-Epタイプの文章は通常、静的構文の割合が最も多く、Je-Ip型とJe-Ejタイプの文章は動的構文の割合が最も多くなります。

これらの情報から、その人の情報代謝の嗜好を推論し、その人のタイプであろうものを絞り込むことが可能です。より精度を高めるために、少なくともテキスト1ページ分を分析することをお勧めします。

また、ネット上の書き込みしか資料がない場合は、一行程度の文章ではなく、まとまった文章を分析するとよいでしょう。


理論的特性

静的な情報代謝タイプは、メンタルリング(モデルAの第1機能~第4機能)に静的な情報代謝要素を持っており、バイタルリング(モデルAの第5機能~第8機能)に動的な情報代謝要素を持っています。

つまり、静的な観点から物事を言語化する傾向がある一方で、行動は動的な観点からの影響を受けやすいと言えます。


動的な情報代謝タイプは、メンタルリング(モデルAの第1機能~第4機能)に動的な情報代謝要素を、バイタルリング(モデルAの第5機能~第8機能)に静的な情報代謝要素な要素を持っています。

彼らは動的な観点から物事を言語化する傾向がありますが、行動は静的な観点からの影響を受けやすいと言えます。


◆◆◆


古典的なソシオニクスの定義 [10] によると、静的な要素は現実の「スナップショット」を作成し、動的な要素はプロセス中のイベントを追跡するとされています。こうして捉えた静的な側面は、長時間にわたって一定の形に固定されたまま維持される傾向がありますが、一方で動的な側面は流動的で、常に発展し続ける傾向があります。

  • Se(静的 [11] )は、オブジェクト(客体)から投影された外的状態の感覚データを知覚します。物体が大きく変化しない限り、Seの知覚内容は変わりません。
  • Si(動的)は、感覚的な情報に対する内的な反応を知覚します。同じものを見ても、観察者の内的な状態の変化により、それぞれ異なる印象を受けることがあります。
  • Ne(静的)は、物体に内在する潜在的な力を知覚します。これは、状況が変われば顕在化することがあるような、物体が持つ潜在的な可能性を意味します。
  • Ni (動的)は、外的な潜在力に対する内的な反応を認識します。今日は魅力的で好ましく見える可能性も、明日は不吉な予感や落胆をもたらすかもしれません。
  • Ti(静的)は、参照するポイントが変わらない限り、あるクラスやフィールドに属すると定義された物体間の論理的相互関係を知覚します。
  • Te(動的)は、オブジェクトが何をしているか、そのオブジェクトで何が行われているかを認識します。同じオブジェクトでも、効果的に使われることもあれば、非効率的に使われることもあります。
  • Fi(静的)は、オブジェクトの間に存在する主観的、感情的な性質のつながりを知覚します。これらの感情は徐々に生じるものであるため、大きな混乱が生じるまでほとんど変化しません。
  • Fe (動的) は、オブジェクトが感情レベルでどのように相互作用しているかを知覚します。1つの同じオブジェクトが、様々な要因に応じて、他の安定したオブジェクトのセットとは非常に異なる相互作用をすることがあります。


出典:


訳注

  1. ^ 法助動詞とは、必要性や可能性を表す助動詞のこと。具体的には、Must、Shall、Will、Should、Would、Can、Could、May、Might
  2. ^ 日本語はヨーロッパ言語とは文法構造があまりにも違いすぎるので、日本語の語彙判定をするのであれば大幅な見直しが必要だと思われる

    もし無理やりヨーロッパ言語を母語とする人が、日本語話者を語彙判定した場合(特に機械翻訳して判定するような場合)、実際のタイプとは無関係に日本語話者は「動的(ExxjかIxxp、つまり SEI, ESE, EIE, IEI, LIE, ILI, LSE, SLIのどれか)」に見られやすいのではないかと思う(日本語そのものの時制の概念が希薄なので)。

    2003年の拡張版の説明では動的の項目にて「自分が描写している出来事の中心にいて」と書かれているが、言語学者である金谷武洋は、英語と日本語の視点の差について、英語は「神の視点」、つまり客観的・俯瞰的視点で話すのに対し、日本語は「虫の視点」、主観的視点で話すと説明している。つまり視点と言う意味でも、英語(および他のヨーロッパ言語)と比べると日本語は「動的」な言語ではないかと思う。

  3. ^ この場合の「特定の過去」とは、「過去のある特定の時点(何年何月何秒)」という意味での「特定」ではなく、期間的な意味での「特定」を意味する。

    静的だとされる現在完了形I have madeの場合、過去のAという時点から現在まで継続する時間をさしているのに対して、ただの過去形 I didは、過去のAという時点はさしていても、それがいつまで継続したかには触れていない

    前者は特定のイベントが発生している時間(期間)の範囲が明確に表現されているので、「静的」であり、後者は不明確なので「動的」だとされている。「分離した個々の状態」として知覚する静的と、「変化の連続的な流れ」として知覚する動的の差から来ている考察であろう。

  4. ^ 不定時制:習慣や一般的な真実、繰り返される行動、不変の状況、感情や願望を表現する際に使用する。
  5. ^ 進行時制:ある時点において、動作や状態が進行中、または継続中であることを表現する際に使用する。
  6. ^ アソシエーショニズム(連合主義と訳されることもある)とは、ある精神状態とそれに続く状態との関連付けによって精神プロセスが機能するという考えのこと。観念と観念、感覚と観念間の繋がりが、多くの心理的現象の基礎であるとするアソシエーショニズム理論はジョン・ロックの理論だが、アイデア自体はプラトンとアリストテレスにまでさかのぼることができる。
  7. ^ ILIとLIIは疑似同一関係であり、ILIは動的、LIIは静的である。
  8. ^ 第6機能、別名、動員機能は「隠された課題」とも呼ばれることがある。

    要求関係では、要求者の第6機能と、被要求者の第1機能が一致する。そのため自分の持つ第6機能への強力な関心ゆえに、自分の第6機能を第1機能だと誤解してしまうことがある。

    例えば要求者ILEと被要求者EIEの場合、ILEは⑥Feを、ESEは①Feを持つ。⑥Feへの強い関心を持つILEが、①FeであるESEを模倣し始めるということ。

    関連記事「要求関係と恩恵リング」)

  9. ^ 出典ではJi-Ixxj の次がPi-Exxpとなっているが、おそらくJi-Exxpの誤記。

    Ji-Ixxjの意味は、接触・不活性サブタイプが内向合理機能である内向合理タイプという意味。例えばFi-INFj(Fi-EII)がこれに相当する。具体的には下記の通り。

    静的 ①Ji-Ixxj > ②Ji-Exxp > ③Pe-Ixxj > ④Pe-Exxp || ⑤Pi-Ixxp < ⑥Pi-Exxj < ⑦Je-Ixxp < ⑧Je-Exxj 動的

    ① Ji-Ixxj
     Ti-LII(INTj), Ti-LSI(ISTj), Fi-ESI(ISFj), Fi-EII(INFj)

    ② Ji-Exxp
     Ti-ILE(ENTp), Ti-SLE(ESTp), Fi-SEE(ESFp), Fi-IEE(ENFp)

    ③ Pe-Ixxj
     Ne-LII(INTj), Se-LSI(ISTj), Se-ESI(ISFj), Ne-EII(INFj)

    ④ Pe-Exxp
     Ne-ILE(ENTp), Se-SLE(ESTp), Se-SEE(ESFp), Ne-IEE(ENFp)

    ⑤ Pi-Ixxp
     Si-SEI(ISFp), Ni-IEI(INFp), Ni-ILI(INTp), Si-SLI(ISTp)

    ⑥ Pi-Exxj
     Si-ESE(ESFj), Ni-EIE(ENFj), Ni-LIE(ENTj), Si-LSE(ESTj)

    ⑦ Je-Ixxp
     Fe-SEI(ISFp), Fe-IEI(INFp), Te-ILI(INTp), Te-SLI(ISTp)

    ⑧Je-Exxj
     Fe-ESE(ESFj), Fe-EIE(ENFj), Te-LIE(ENTj), Te-LSE(ESTj)

  10. ^ 古典的なソシオニクスとは、ソシオニクスの作者であるオーシュラの記述と、それに準ずるものを指す。オーシュラの記述はそれ自体が難解なのに加えて、ユング以外の理論やアイデアの影響がかなり強いため、「ユングの延長線上にあるもの」としては読まないほうがむしろ理解しやすいかもしれない。本記事の出典にあった情報要素別の説明も一応訳しはしたものの、本記事の内容だけでは意味を掴むのが難しいかもしれない。オーシュラの定義を記事「情報要素(by A. Augusta)」でもう少し詳しく解説しているので、興味がある人はこちらを参照してほしいと思う。
  11. ^ ここまで、「タイプが静的か動的か」という話だけが書かれていたが、この静的/動的という区分は、情報要素にも同様に適応される

    静的な情報要素は、Ep(外向・非合理)とIj(内向・合理)である。

    動的な情報要素はEj(外向・合理)とIp(内向・非合理)である。


その他の二分法

こちらの記事「二分法」を参照。

ソシオニクス・タイプ診断

  カテゴリー
EIE (32) EII (38) ESE (31) ESI (36) IEE (38) IEI (32) ILE (31) ILI (36) LIE (36) LII (31) LSE (38) LSI (32) SEE (36) SEI (31) SLE (32) SLI (38) アマトリカ (3) クアドラ (35) サイコソフィア (32) タイピング指標 (4) タイプ関係 (24) テンポリスティック (1) トライタイプ (29) 機能 (11) 機能二分法 (7) 次元 (5) 情報要素 (13) 診断リンク (12) 二分法 (29) 認知スタイル (4)

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