ベータ・クアドラ(別名:第2クアドラ)のタイプ:EIE, LSI, SLE, IEI
主要な情報要素:Ti, Fe, Ni, Se
レーニンは、このクアドラを「果敢」「陽気 [1]」「貴族主義」と特徴付けています。
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主要な要素
ベータ・クアドラの主要な情報要素 [2]はTi, Fe, Ni, Seです。
すべてのベータ・クアドラのタイプには、自我ブロック [3]または超イドブロック [4]にこれらの要素が含まれており、後述する「控え目な要素」よりも使用を優先、促進する傾向があります。
TiSe(SeTi)ブロック
- 一貫したルールに従って「権力構造とヒエラルキー」が明確に定義されており、曖昧さが最小限に抑えられた状況を好みます。
- 他の選択肢や、今後起こりうるシナリオを模索するよりも、状況・人・物の現実的な特性を分析する方が得意だと感じやすいです。
- 未知の人に遭遇した際に、その人が所属する(あるいは分類される)グループに帰属させて、その人の特性を考える傾向があります:「〇〇グループや××タイプには、このような特徴がある。それに属しているこの未知の人もまた、そうした特徴を持っているのだろう」(貴族主義)
- ケースバイケースで物事を進めるよりも、人、政治、メカニズム、トレンドを説明する一般化されたルール(一度定義されたら一般的に適応できるようなルール)を求める傾向があります。
- 分析的な戦術が重視される競争的な状況によって活性化されます。
FeNi(NiFe)ブロック
- 共通の感情的な雰囲気を生み出すために全員が参加するグループ活動(例:ジョークを共に笑ったりするなど)を楽しむことが多いです。
- 「自分と同じ信念を持ち、それを明白な情熱と感情で表現する人々」と一緒にいると、活力を感じる傾向があります。
- 明確な感情表現を高く評価します。また、他者からの反応を引き出すために、自分の感情表現のレベルを上げる傾向があります。
- 特別な意味を持つ個人的な見解を、「詩のような」または「ドラマチック」な言葉や形で表現することが多いです。
- 社会問題や、世界が向かう方向について深く懸念していることがよくあります。ベータは「無関心さが社会問題の重大な原因である」と信じており、無関心さに立ち向かうよう奮闘しています。
控え目な要素
ベータ・クアドラの控え目な要素 [5]はFi, Te, Si, Neです。
これらの要素を見ると、彼らが生活の中で隠したり、避けたり、注意を向けないようにしたり、生活するうえで軽視しやすい側面がわかります。
FiNe(NeFi)ブロック
- 個人的な経験の話(人が心の中で感じたことに焦点を当てられたもの。特にドラマチックさや詩的美しさに欠ける、地味な表現方法で語られる場合)は、あまり楽しいと感じません。
- 他者の個人的な能力が成長したり、性格が改善する潜在的可能性に対して懐疑的な傾向があります。また、自分自身のそういった可能性に関わる話を、他者にあれこれ言及されるのも嫌います。
TeSi(SiTe)ブロック
- 成功のための原動力とは何かを考えた時に、基本的な作業や、細かい作業を軽視しがちな傾向があります。ベータはそういった物事よりも「ビジョン」やリーダーシップに焦点を当てたがります。
- リラックスした個人活動よりも、競争的なグループ活動を好みます。
グループでの様子
個人ではなく「グループ」に焦点を当てていて、なおかつ、決然としていて自信に満ちた個人による「支配」が期待できるような、大規模なグループを好む傾向があります。そのため、なるべく全員が貢献できるトピックについて話し合おうとする傾向があります。
わかりにくい内輪ネタばかり言うのは、人を排除することに繋がるため、礼儀上よくないことだと考えます。ベータが言うジョークは、派手で、一般的で、固定観念に関するものが多いです。
他の人をグループの活動に引き込もうとします。たとえば「グループの儀式」(飲酒、ダンスなど)が行われている状況では、「部外者」にもそれに参加するよう善意の圧力をかけます。そしてもしも相手が参加を望まない場合は、ある種の困惑した失望を感じます。
また、疎外感を感じていそうな人がいれば、注意を引こうとします。通常、これは特定の個人に向けた一般的なジョークによって行われます。
さらに落ち着いた雰囲気の時には、現在のトレンドや、政治的な影響を伴うアイデアの議論が行われ、強く断固とした意見が表明されます。
個人的な経験について語られる場合、その人自身の個人的な見解ではなく、外部への影響という観点から話し合われる傾向があります。
◆◆◆
ベータが主催する大規模な社交イベント(パーティーやレセプションなど)では、ゲストも含めて皆が一体となれるような活動を行おうとする傾向があります。
他の人たちをそっちのけにして、仲のいい一部の人だけ集まって小さなグループを作り、その中だけで勝手に楽しみはじめる人がいると、ベータは退屈だと感じやすいです。ベータはそれを好ましくないことだと受け取ります。
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具体的な活動やトピックよりも場の雰囲気が重視されます。ベータのグループは、お互いを楽しませるために時間を共に過ごします。
グループのエネルギーが枯渇しないように、楽しく(そしてしばしば騒々しく)会話を交わして、雰囲気を盛り上げます。
早口で話す傾向があり、話のペースが遅いと感じると、他の人の話にコメントを付け加えようとすることがあります。
話しをする場合、その人にはその間、グループの皆を楽しませる責任が生まれます。友好的なグループでは、話し始めた人が雰囲気をコントロールするのを手助けするために、自分が話すのを一端やめようとすることがあります。
◆◆◆
一般的に、ベータはグループ内で個人的な事柄をあまり話しません。
一対一の場で話したことをグループの前に持ち出すこと。あるいはグループの前で他者の特徴をあげつらうような行為をすること。これらはベータにとってはほとんど裏切りにも等しいことです。
ベータは、こうしたことはプライベートな場で伝えるべき話であって、友人に恥ずかしい思いをさせたり、軽んじるために話すべきではないと信じています。
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長く、ゆったりした話を聞いているのが好きではありません。
確かにベータは礼儀正しく人の話に耳を傾け、退屈だったとしても許すほうですが、あまりにも頻繁に同じ話ばかりしたがる人は、誘わなくなってしまう可能性があります。
話が長くなるのであれば、一対一の場で話すべきだと考えます。
ただし、非常に柔軟な会話能力を持つIEIに限れば、こうしたスローテンポな会話にも合わせることができるかもしれません。
恋愛スタイル
ベータの恋愛関係は、遊び心のある攻撃的な激しい感情交流や、19世紀のロマン主義的な、特別な意味を持つ個人的イメージに基づく、より「苦悩に満ちた」激しい感情交流から始まる傾向があります。
これらが混ざり合った結果として、ベータは日常的な意味で「ロマンチックな恋愛関係」の傾向が最も強いクアドラになります。強い感情表現が無い関係性は、どこか「欠けている」関係だと感じます。
また、共通の目標や目的、相手がそれを達成するための最良のパートナーであるという感覚があれば、二人の結びつきはより強いものになります。
感情的で官能的な相互作用の交流という点で、ベータは最も激しいクアドラだと言えます。
他クアドラの認識
アルファ:ILE, SEI, ESE, LII
ベータはアルファのことを「面白くて創造性のある、付き合っていて楽しい人」だと見なす傾向があります。
しかし同時にアルファのことを「ふざけすぎ」「理念がない」「集中力がない」「向上心もない」「誰かにリードしてもらわないとダメなタイプの人間」「アイデアや面白おかしい世界に夢中になりがちで、地に足がついていない」と感じることも多いです。
とはいえアルファのみのグループや、ベータのみのグループと比べると、アルファ・ベータ混成グループのほうがずっと上手くいくことが多いです。こうした両方のクアドラから構成される混成グループでは、「Fe」が優勢になり始めます。ベータが元気に話をしたり、アルファが面白おかしい提案をしたりと、活発な笑いが絶えません。
ただし価値観が異なるため、個人レベルでは違いを克服するのが難しいことがよくあります。
ガンマ:SEE, ILI, LIE, ESI
ベータは、ガンマのことを「攻撃的で、時には感情的に敵対的で批判的な人」「政治や仕事で『大きな視野』を持たず、政治的な幼稚さと道徳的な堅苦しさが同居している人」「自分(ベータ)の目標を危険に晒すかもしれない存在」だと見なす傾向があります。
ベータからすると、ガンマとの社交は退屈で、冗談が通じない執念深い人に見えてしまいます。
ベータとガンマの両方から構成されるグループは、あまりうまく噛み合いません。ベータは一般的に言われるようなジョークを言おうとすることが多いですが、対するガンマは極めて個人的で、しかもキツめのジョークを言いたがります。
ベータはグループみんなで一緒にいることを望んでいますが、ガンマはこういう時、絶えず動き回って小さいグループを作ろうとします。ガンマにとっては、それぞれが自分の欲望を満たすために、好き勝手に動ける方が望ましいのです。
ベータとガンマの混成グループでは、ガンマは「ベータが自分たちの楽しみを制限しようとしている」と感じ、ベータは「ガンマが楽しいグループをぶち壊しにしようとしている」と感じることになります。
しかしグループとしての付き合いではなく、個人レベルでの付き合いであれば、とても仲良くなることも珍しくありません。
こういった場合、政治や宗教、自然などについて話し合うことが多いようです。大きな傾向を見て、次に何が起こるか予測し合います。
ベータは起りうる出来事の原動力になるような、時代の背景に広がる感情を見るのに対し、ガンマは客観的な事実を見るという違いがあるため、意見が必ずしも一致するとは限りませんが、それでも興味深い対話を行うことができる関係です。
デルタ:IEE, SLI, LSE, EII
ベータはデルタのことを「みんなで決めた目標を叶えるのための協力をしない人」「意欲が感じられない人」「倫理的な独善性があり、それが絡むと融通が利かなくなる人」だと感じることが多いです。
デルタは、グループ全体がひとつの目標に向かって集結しなければならない取り組みよりも、個人的なプロジェクトに時間と労力を使いたがります。
ベータとデルタが同じ比率で混ざっているグループの場合は、それなりにうまくやっていけます。非常に素晴らしいとは言えないものの、酷いとも言えない程度のグループにはなれることでしょう。
こういったグループでは、デルタはあまり軽々しく個人的な意見を口に出さなくなります。
ベータは皆を楽しませるために一般的な冗談を言いはしますが、デルタを苛立たせるバカ騒ぎをし始めるほど、ベータ側の興が乗ることもありません。
しかし、どちらかのクアドラの比率が高くなると、事態は急速に悪化します。
デルタにとって、ベータ優勢のグループはあまりにも騒々しいうえに無個性すぎます。ベータにとって、デルタ優勢のグループは、あまりにも静かすぎるうえにバラバラすぎます。
ベータはなるべくオープンに考えを表現したほうがいいと考えますが、デルタは「人を不快にしそうなものは、自分の中だけに留めておいてほしい」と考えます。