外向的倫理 Fe
外向的倫理 は、外向、合理、動的な情報要素です。 Fe、E、感情の倫理、黒の倫理とも呼ばれます。
Feは一般的に下記の能力と関係しています。
- 情熱、気分、感情状態を認識し、伝える(つまり他人にもそれを経験させる)能力
- 興奮、活気、感情を生み出す能力
- 活動に感情的に関与し、他人を感情的に巻き込む能力
- 人やグループの間に生じる感情的な相互作用を認識し、言語化する能力
- 共同体感覚や、感情的な結束を創り上げる能力
Feを重視するタイプ [1]は、他の人々との間に、友情や仲間との一体感で満ちた、協調的雰囲気を明確に作り出すことを重視します。
彼らは全てが許容されるようなリラックスした雰囲気を好み、「こんなことを言ったら他の人を不快にしてしまうのではないだろうか」などといちいち気にしなくてもいい場所を好みます。
これは、Feを重視するタイプが、感情に過敏にならずに、ジョークを軽やかに受け流すよう心掛けていることを意味します。
しかしながら彼ら自身は、ある言葉が人にどのような影響を与え、どのような形で受け止められるかという問題を非常に意識しており、人を話に引き込むために、強調したり、言葉を飾り立てたり、場合によっては誇張を加えたりする傾向があります。
とはいえ、どのような言い方がベストかは、その場の状況や、暗黙の交流目的に大きく左右されるため、当たり前ですが軽薄な言葉遣いばかりをしているわけではありません。
◆◆◆
激しい口論をした相手であっても、あまり恨みの感情は長続きしない方です。
基本的には好きではない人とも普通に交流できます。ただし、あくまでも密な交流をする必要はなく、社交的な交流をするだけでいい場合に限られます。
疑念がオープンに表明されることを好みます。黙っているのは、人に対してできる最悪のことのひとつであり、根本的な問題を悪化させるだけだと信じています。
ウィキソシオンの説明
第1機能 Fe(ESE, EIE)
モデルAでの第1機能:先導機能
いつも周囲の感情の流れに敏感で、即座に、かつ率直に反応します。彼らは、人々がすっかり夢中になれるような活動を探したり、創造したりします。
彼らにとっての物事の価値は、自分や他の人々の情熱を、どれだけ掻き立てることができるかに応じて決まります。
◆◆◆
このタイプの人々は、周囲の感情の流れを、自分にとって理想的な向きに誘導するために、積極的に働きかけます。
例えば、周囲の人たちがあまりにも暗すぎる場合はジョークを言って場を明るくしたり、その逆に、危機が迫っているにも関わらず、のんきすぎる人ばかりな場合は、もっと真剣に集中するよう促したりします。
そうやって周囲の感情の流れを誘導することはありますが、それと同時に「感情はできるだけ正直に表現されるべき」という考えも持っています。
第2機能 Fe(SEI, IEI)
モデルAでの第2機能:創造機能
このタイプの人々は、周囲の感情的な雰囲気に敏感です。
しかも、彼らが感じる感情的雰囲気は、個人や集団の感情的雰囲気に限りません。風景や、自分がいる場所の物理的状態、自分と場所との間にある感情的つながりなどといった無生物的なものから感じられる感情的雰囲気も含まれます。
◆◆◆
彼らが幸福感や内なる平和を感じるためには、ポジティブな感情の雰囲気が不可欠です。
そのため、周囲の環境に直接影響を与えてポジティブな感情的雰囲気を促進しようとするか、あるいは単純に彼らから見てネガティブな感情的雰囲気を引き起こしている人や環境から離れようとします。
これはSEIの場合、その場その場にあわせて、ジョークを言ったり、人を笑わせたり、あるいは単に自分にネガティブな影響を与えていると感じる人から遠ざかったりするという形で表れます。
IEIの場合、より長期的な視点からこうしたことが行われます。彼らは目の前の感情的環境ではなく、自分に対する他者の長期的な感情状態に焦点を当てます。その結果として、自分と交流がある人々と良好な関係を築こうとしたり、敵対感情を向けてくる人々(しかもそれを解消させる見込みのない人々)から距離を置いたり、あるいは「予防的に」攻撃したりするという形で表れます。
第3機能 Fe(LIE, LSE)
モデルAでの第3機能:役割機能
役割機能にFeを持つLIEやLSEタイプの人々は、周囲の感情的雰囲気に適応しようと努力します。グループの中にいる場合であれば特にそうです。
また、すでにある程度面識があり、好感を抱いている人と一緒にいる時には、ポジティブな発言をして、その場の感情的雰囲気をよりポジティブにしようとします。
◆◆◆
しかし多くの場合、こうした努力は長続きせず、それほど目立つわけでもありません。自分の実際の熱意以上の「複雑で強烈な感情」を表現するのは難しいです。
これらのタイプの人々は「大声で笑ったり、冗談を言い合うような、激しい感情表現の多いグループ」の雰囲気には、あまりうまく溶け込めません。
彼ら自身は、できるだけその場の感情的雰囲気を壊さないよう努力しますが、「自分の内面的な感情状態や、その場にいる人たちに対する個人的な感情」が、「その場の感情的雰囲気」と衝突してしまう場合、努力を続けることも難しくなってしまいます。
もしも典型例をあげるならば、「グループの皆が雑談で盛り上がっているような状況で、時々、他人の発言の誤りを訂正しようとする人」でしょう。
第4機能 Fe(ILI, SLI)
モデルAでの第4機能:脆弱機能
彼らは感情的な「ほころび」を見せたり、公の場で強い感情を見せないように努めています。なぜなら強い感情表現を自然に行うことが難しく、変に自分を意識してしまって、何かと傷つきやすいからです。
その影響で、これらのタイプの人々は、基本的に感情的には中立で、興奮や騒動に対しては無関心で、節度を保つ人のように見えます。
彼らが特に苦手なのは、派手な感情表現の多いグループ活動で、「元気出していこう!」とか「楽しんでいこう!」と言われることです。
第5機能 Fe(LII, LSI)
モデルAでの第5機能:暗示機能
これらのタイプの人は、しばしば仕事に没頭するあまり、楽しみや感情の解放を求める自分の心の声を軽視してしまいがちです。
また、人前でのびのびと自分を表現することに苦手意識があり、ネガティブな感情やストレスが蓄積しやすいです。そのせいで、鬱状態に陥ったり、急に敵意を向けたりすることもあります。
それでも彼らは自分を表現できると心地よさを感じるため、毎日を新しく刺激的なものにしてくれる人と一緒に過ごしたがります。
◆◆◆
あまりよく知らない人には堅苦しい態度をとるかもしれませんが、よく知っている人には、もっとくだけた態度をとることが多いです。
これらのタイプの人々は、冷静で真面目だったのが、突然陽気で温厚に変わるというように、態度が激変することがあります。
第6機能 Fe(ILE, SLE)
モデルAでの第6機能:動員機能
人々が楽しそうに笑い、冗談を言い合い、感情的に自由で自然体でいられる状況を求めています。
しかし、彼らは自分でそうした雰囲気を作り出すことが出来ません。そのため他の方法を使って、他の誰かに感情面でのリードをとってもらい、楽しさと感情的活発さのある状況を作り出すよう促します。
こうした試みに失敗すると、彼らはがっかりしてしまいます(そう感じたことを隠そうとすることもあれば、不満と苛立ちを見せることもあります)。
第7機能 Fe(ESI, EII)
モデルAでの第7機能:無視機能
人々が楽しそうに冗談を言い合ったりするような、グループの感情的状況に完全に溶け込むことができます。しかも、それを長時間持続させることもできます。また、彼ら自身、そうした雰囲気を作り出すこともできます。
しかし、自分自身の内面的な感情がそうさせるのでなければ、わざわざそれをする意義を感じません。他の関係者にポジティブな個人的感情を抱いてない場合は特にそうです。
彼らは、仮に自分が個人的に嫌いな人がいる場合や、内面的にネガティブな感情を抱えているような場合であっても、特定の社交的な場面では「礼儀正しい表情」を取り繕う必要性を認識しています。
しかしながら、このような時に、積極的に周囲のポジティブな雰囲気に合わせたり、もっとポジティブな雰囲気にするよう動くことは拒絶します。その場にいる人々との親密度が深まるにつれて、それをする気がますます無くなります。
第8機能 Fe(SEE, IEE)
モデルAでの第8機能:実証機能
人々が楽しんで笑ったり冗談を言い合ったりするような、ポジティブな感情の雰囲気を楽しめる状況を高く評価します。また彼ら自身、そうした雰囲気を作り出すことは得意です。
しかしながら、第8機能にFeを持つ人々は、そうした雰囲気を生み出したり、促進したりすることを最優先事項だとは考えませんし、そうした雰囲気を維持できる人を積極的に探し回ったりもしません。
「楽しんで笑ったり冗談を言い合ったりできるポジティブな雰囲気」ばかりに囚われるべきではないと考えるほうです。
価値機能の側面 by Dmitry Golihov
価値機能:モデルAの第1機能、第2機能、第5機能、第6機能のこと。別名「尊重する機能」
第1機能 Fe(ESE, EIE)
人と人との関係や感情を通して生きているような人々です。他者に好印象を与え、ポジティブな雰囲気を作り出すことができます。
人々の態度が変わらない限り、人と人との関係、あるいは自分と誰かの関係がどのようなものであるかの認識はあまり変化しませんが、これは時として苛立ちを引き起こす原因にもなります。
他人を邪険に扱ったり、卑劣な動機で行動したりする人を断固として拒絶します。こうした人間は、まるで「闘牛にとっての赤い布」のようなものです(そしてもちろんこの場合の闘牛はEIE, ESEです)。
◆◆◆
この人なら信頼できると感じられる人々に強い愛着を示します。彼らは、自分の価値を他の人々に感じさせるのが上手いです。
関係を永遠のものと捉える傾向があり、「あの人は変わったのだ」と言われても信じようとはしないでしょう。これは彼らにとっての保守的な領域です。「良い人」は「良い人」、「悪い人」は「悪い人」であり続けます。もしもそれとは逆の振る舞いをし始めたら、彼らは苛立ってしまいます。
そのためどうしても事実を否定できなくなるギリギリまで、彼らは関係が変化していることを信じようとしません。もし否定できなくなったとしても、変わったことを受け入れる代わりに、他の誰かのせいにしてしまうかもしれません。
◆◆◆
決して自分から関係を悪化させたりはしません。複数の安定した人間関係と個人的なつながりが、彼らの人格の基盤となっています。
一人で時間を過ごすということができません。関わる人がいなければ、誰にも必要とされなければ、それは彼らにとって「存在していない」のと同じことです。
彼を取り巻く世界は、善良で、親切で、愛情深く、思いやりのあるものでなければなりません。時には「互いに愛し合う」という原則を説く宗教や宗派の中に居場所を探すことがあります。
他者から好意的な態度をとってもらえない場合、怒りと劣等感を感じてしまうことがあります。
◆◆◆
行動規範などに熱心で、人は状況に応じた適切な振る舞いをすべきだという考えを持っていることが多いです。また、そうした規範から逸脱する人には、不快さを感じることもあります。
社会や世間と繋がっていることが必要不可欠です。
彼らにとって、あらゆる状況は、基本的に関係の組み合わせです。
第2機能 Fe(SEI, IEI)
創造機能(第2機能)にFeを持つ彼らは、他者の感情を非常に微細に察知し、操作することができる、熟練した心理学者のような人です。人から好かれることを求め、そこに自分の目的を見出します。
コミュニケーションを取りにくい人を好む面があり、そうした人々に「人との関わり」を持たせ、「光」をもたらします。
倫理的な創造のプロセスに常に関与しており、誰かとの関係を改善するためだけに、何かを約束することもあります。
そこに人がいれば、場所を選ばず誰にでも好印象を与えて「良好な関係」を築けるため、一人きりでいることは滅多にありません。自分を宣伝し、グループや他の人との会話で適切な雰囲気を作り出す方法に精通しています。
人と人との間のネガティブな関係を見つけ、それをポジティブな関係に変え、人々を結びつけるのが大好きです。
◆◆◆
創造機能にFeを持つ人々は、何も変化させるべきところがない関係を、わざと悪化させることがあります。これは後から「関係修復する」という仕事をするために、言い換えると「自分の創造機能のための仕事を作り出すため」に行われることです。
自分の願望を他人に押し付け、それをあたかも「あなたが望んでいること」のようにして、他人に世話してもらおうとすることがあります。
また、他者の願望や欲望に着目し、それを関係改善に役立てようとすることがあります。
リスキーで即興的な関係を好みます。
◆◆◆
人を説得するのが得意です。もしも商品とサービスの販売をしたとすれば、理想的なセールスマンになることでしょう。
気分を盛り上げ、グループを一体化させるのも得意です。
しかし、そうした才能を使って、頻繁に「白」を「黒」と偽り、「無傷」でやり過ごそうとしてばかりいると、遅かれ早かれ「そういうことをする人間だ」と露呈してしまい、立場を失ってしまうかもしれません。
第6機能 Fe(ILE, SLE)
これらのタイプの人々は、誰もが自分に対して肯定的であることを重視します。この問題では不明瞭さを好まず、状況を明確にしようとします:「はっきりさせましょう、あなたは私のことをリスペクトしていますか?それとも、していないのですか?」
彼らは、ほんのちょっとした変化を感じただけで(例えば表情や視線がほんの少し変化したと感じただけで)、すぐにこうした質問をする傾向があります。
第6機能は、人の自尊心や自己肯定感に関わっている機能です。そのため、彼らは年齢を重ねるにつれて、しばしば優れた心理学者のようになります。
◆◆◆
特定の人々の態度にばかり焦点を当てる一方で、一般的な意見を無視します。社会的な評価、例えば名誉や栄光、尊敬、学位、勲章などといったものに強い関心を持ちます。
良好な関係のためであれば、タダ働きもします。仲間意識から手伝いを申し出ることもあります。
自分の周りに、自分に対して否定的な感情を示す人がいると、自尊心が低下してしまいます。
◆◆◆
この機能で積極的な防衛を行った場合、何としてでも人から好感を持ってもらおうと躍起になりがちですが、商況的な防衛を行っている際には、その逆に自分の振る舞いの悪さを、自分から認めてみたりするかもしれません。
ポジティブな関係が存在しない場合、彼らはどんな犠牲を払ってでもそれを修復しようとすることがあります。その逆に、何も変えることができないと悟って、その関係から逃げ出すこともあります。
人から褒められることが大好きで、他者のポジティブな態度を維持するために、意見の内容に関係なく支持してしまったり、妥協してしまうことがあります。
もし誰かと意見が合わない場合は、非常に外交的に会話を進めることができます。
◆◆◆
第6機能にFeを持つ人々とコミュニケーションを取ると、「自分が他者のネガティブな反応を引き起こしてしまうこと」を恐れるせいで生じる、内面的な緊張を感じることがあります。
しばしば「他者のネガティブな反応を引き起こさないこと」を重要なタスクだと考えて、発言する前に何度も考え込みます。
他人を思いやることができるため、出世することが多いです。
第5機能 Fe(LII, LSI)
暗示機能にFeを持つタイプの人々は、皆から好意的に扱ってもらえる場所を見つけ出そうとします。
誰かが彼らに対してネガティブな感情を表明した場合(例えば家庭内の喧嘩で妻が「私はあなたが嫌いだ」と言った場合)、彼らはそれを文字通りに受け取り、すぐにその場から立ち去って、もっと好意的に自分を扱ってくれる場所を見つけようとします。
したがって、これらのタイプの人々は「他の人が自分のことをどう思っているのかが、よくわからない場所」が非常に苦手です。彼らからすると、自分を歓迎してくれる人の姿は、まるで「人々の前に顕現したキリスト」のように感じられるかもしれません。
「誰かと誰かの間に、どのような関係があるのか」といった話を聞くと、すぐに信じてしまいます。他者のポジティブな感情を好み、それによって元気づけられます。
◆◆◆
一般的に、ポジティブな感情が支配的な方向に向かい、ネガティブな感情の影響がある場所を避ける傾向があります。
陰謀やゴシップは好まず、むしろ不安を感じます。そうした状況では自分が簡単に犠牲者になり、不利な立場に置かれてしまうおそれがあるからです。
したがって彼らは「直接的なコミュニケーションをとらず、裏でこっそり話す人」には批判的で、疑念を抱きやすいです。人と人との関係は常にオープンで、正直で、親切であるべきす。
人間関係で重要なのは、言葉と行動が一致していることであり、それが一致しない場合、何らかの問題があると考えます。誰かを愛していると言った場合、それを行動でも示さなければなりません。もし行動で示せない場合、その愛は真実ではありません。
◆◆◆
他者が自分に示す態度には非常に疑り深いほうで、そこにある種の陰謀があるのではないかと疑ってかかります。
ほんの少しでも疑念が生じると、その人との関係を直ちに切ってしまったり、自分の内輪から除外して、最小限の接触に減らそうとする傾向があります。
時に、他の人から「裏切り者」と思われてしまうことがあります。これは、もしも自分により好意的な人々を見つけると、これまでの立場から、その人々に鞍替えすることがあるからです。
非常に疑り深い面があるにも関わらず、お世辞を言われたら、すぐその気になってしまう面もある人です。
訳注
- ^ Feを重視するタイプ:アルファ・クアドラ(ILE, SEI, ESE, LII)とベータ・クアドラ(SLE, IEI, EIE, LSI)のこと。これらのタイプは全て二分法が「主観主義(別名:陽気)」でもある。)