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本能のサブタイプ(生得本能)

2025年3月8日土曜日

エニアグラム サブタイプ

本能のサブタイプ(生得本能)

本能のサブタイプ(生得本能)

エニアグラムの本能のサブタイプ(生得本能)は、人格を動かす深い衝動です。自己保存、ソーシャル、セクシャルの三種類の本能があります。これは単なる習慣や「どんな行動を好むか」ということではなく、心が何に強く執着し、何を優先するかを示しています。興味深いことに、この本能が不健全な状態になると、一見その本能を無視しているかのような行動を取ることがありますが、これは実際にはその本能が歪んだ形で強く表れているサインです。ここでは、各本能について、健全な例と一見真逆に見える不健全な例を交えて解説します。

自己保存本能

自己保存本能とは、自分の生存を支える土台を守ろうとする強い欲求です。これは、単に身体や生活の安全を確保するだけでなく、「自分らしさを保つこと」にも深く関わっています。

  • 健全な例: 日々の食生活を規律正しく整え、心身の健康を維持します。
  • 不健全な例: 「寝ずに長時間働かないと生活が成り立たない」と思い込み、休息や食事を後回しにして働き続けてしまいます。一見すると健康を軽視しているように見えますが、実は「生きるための基盤を守らなければならない」という強い不安がゆがんだ形で表れ、自分を追い詰めている状態です。
  • 着目すべきポイント: 自己保存本能が優位かどうかを見極めるには、単に「どれだけ健康に気を遣っているか」ではなく、「生活が崩れることへの恐れがどれほど強いか」に注目してください。例えば、「休むのが怖い」「何かを怠ると全てがダメになる気がする」と感じるなら、それは自己保存本能が強く働いているサインかもしれません。

ソーシャル本能

ソーシャル本能とは、自分が集団の中でどのように見られ、評価されているかを気にかける欲求です。人とのつながりの中で自分が認められ、必要とされることに強く意識が向かいます。

  • 健全な例: 仲間と力を合わせて何かを成し遂げ、その成功を共に喜ぶ。
  • 不健全な例: 「他人と関わらない方が安心だ」と考え、人との交流を避けて孤立してしまうことがあります。一見、人付き合いに関心がないように見えますが、実は「認められないことへの不安」が強すぎるあまり、傷つくことを恐れて距離を取ってしまいます。
  • 着目すべきポイント: 重要なのは「社交的かどうか」ではなく、「周囲に認められていないと感じたとき、どれほど不安になるか」です。例えば、誰かに否定されただけで自分の存在価値まで揺らぐように感じるなら、それは社会的なつながりを求める本能が強く影響している証拠かもしれません。

セクシャル本能

セクシャル本能とは、没入するような深く激しい結びつきを求める欲求です。これは恋愛に限らず、「生きている実感を味わいたい」という欲求として現れ、特定の人や物事に強く惹かれる傾向があります。

  • 健全な例: 大切な人とじっくり語り合い、心のつながりを感じたり夢中になれる趣味に没頭し、時間を忘れるほど熱中します。
  • 不健全な例: 「深く関わると傷つく」と感じ、親密な関係を避けてしまいます。一見、強い絆を求めていないように見えますが、実は「深いつながりへの強い欲求」が反転し、傷つくことを恐れて距離を取っているのです。その結果、人との関係が浅くなり、表面的な付き合いにとどまりがちになります。
  • 着目すべきポイント: 「親密さを好むかどうか」ではなく、「深いつながりを避けるその裏にある強い欲求や執着」に目を向けてください。例えば、人と距離を取っている一方で、心のどこかで深い結びつきを強く求めていると感じるなら、それはセクシャル本能が働いている兆しかもしれません。

優位な本能を見極めるにあたって

本能は、私たちの心の深い部分から湧き上がるエネルギーです。健全な状態では、自然に生活を支えますが、不健全になると、その本能に逆らうような行動が現れることもあります。しかし、それは本能が過剰に働き、歪んでいる証拠です。例えば、「頻繁に食事や睡眠をおろそかにしてしまう」のは、自己保存本能を無視しているわけではなく、「生き延びることへの過度な執着」が逆効果になっている状態です。どの本能が優位かを判断する際には、表面的な行動だけでなく、その本能がどのように歪んで表れるかに注目してください。

参考資料

  • Don Riso and Russ Hudson (1996), Personality Types: Using the Enneagram for Self-Discovery

本記事は、上記文献を参考にして作成しています。ただし参考文献では本能のサブタイプの健全な例に重点が置かれ、不健全な例については比較的簡潔に触れられているのに留まっているため、本能の判別基準がわかりにくい可能性があります。そこで、この文献をもとに論理的に導き出せる範囲で、具体的な解釈を補足しています。本記事は完全に独自の解釈ではありませんが、原文に厳密に従ったものでもないことをご留意ください。

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