第1機能(先導機能)
モデルAの第1機能(別名:先導機能、主導機能、プログラム機能、基本機能など)は、自我ブロックにあり、最も支配的な心理的機能です。その人の最も快適な思考パターン、人生観、心の状態、行動スタイル、そしてポジティブな原動力(選択肢を選ぶ自由がある時に、最も精力的に追求するもの)に関わっています。
第1機能は対人関係において非常に重要です。なぜなら人は常に無意識のうちに第1機能に基づいて判断、評価、仮定を行っているからです。第1機能からのコメントや判断には共通のベクトルやメッセージがあり、そこには人の中核をなす価値観のセットが表れています。このメッセージを受け入れてもらえない場合、人と相容れることが出来なくなってしまい、安定した交流もできなくなってしまいます。
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一般的に、第1機能は情報を最も集中的に認識、処理、生成します。第1機能から「話す」「行動する」とき、人は強い自信を持ち、断定的に、説得的に、誇張的に話し始めることが多いです。
第1機能を適切に開発することは、個人の成長にとって非常に重要なことだと一般的には言われています。そのためには自分の核となる価値観や、最も自然で自信に満ちた行動スタイルを受け入れてくれる人々が周りにいることが必要です。
職業やその他のプロフェッショナルな活動という面から場合、第1機能は「他の人々に真の価値をもたらす、その人固有のニッチ」を開発するための最良のプラットフォームになります。
第1機能は、「その人の最も得意とする職業・仕事」を説明しているのではありません。これは事実上、あらゆる活動分野に応用できる「一般化されたアプローチと行動スタイル」を説明するものです。
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第1機能を使うと、外的な報酬とは無関係に、内的な満足感を得ることが出来ます。第1機能は効果的で生産性の高いスキルに発展しやすいのですが「楽だし、やりがいもあるから」という理由で過度にそれに傾倒してしまう傾向もあります。極端に使いすぎた場合、虚無感や無意味感がしてきて満足感を得られなくなってしまいます。
第1機能が知覚や基本的価値観に与える影響は非常に強いため、その価値観を他者に投影して「自分が目指しているのと同じものを、他の人たちも求めているに違いない」と感じてしまいがちです。
これが相反する価値観を持つ人との対立の原因になることがよくあります。しかし同時に双対タイプとの相互補完のメカニズムにも重要な役割を果たしています。
双対関係(そしてある程度は活性化関係や準双対関係)は、このような「第1機能からの他者への共感」と、「この機能を通して相手の問題を解決したい」という気持ちによって誘導されます。これはまさに双対の暗示機能(第5機能)が無意識に求めているものです。双対関係の場合、片方のパートナーの第1機能が、もう片方のパートナーの第5機能が同じです。
このように、自分の第1機能に対応する生活の側面を、双対パートナーは通常、第5機能という視点から見つめています。しかし他の多くの関係の場合、当然のことながら相手は第5機能以外の視点からそれを見ていることになります。そしてそこから不信感が生まれたり、緊張感のある関係に繋がってしまうことがあります。
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機能の次元性によれば、第1機能は個人の経験や社会的規範を効果的に処理し、適用することができ、さらには異なる状況に対する異なる解決策を生み出したり、情報が時間的にどう変化していくかを認識し、それを考慮したうえでの情報処理も可能です。
これは第8機能にも共通することですが、人は第1機能と第8機能の側面間の「隙間を埋める」ことで、未知の内容の存在を推論できます。
モデルA:機能二分法の分類
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