本記事では、ソシオニオクスの機能の次元における四次元性機能と時間パラメーターについて解説します。
四次元性機能とは?
定義と特徴
ソシオニクスにおける「機能の次元」とは、その機能が情報を処理する際に持つパラメータの数と質を示す概念です。4つのパラメータは「経験」「規範」「状況」「時間」で、これらをすべて持つのが四次元性機能です。
四次元性機能はモデルAにおける第1機能と第8機能にあたり、情報を最も広く深く、かつ連続的に処理します。
三次元性機能(第2機能・第7機能)が「状況」までを踏まえて判断するのに対し、四次元性機能はさらに「時間」パラメータを含めます。これにより、情報を単なる一瞬の状態ではなく、変化の連続として捉えることができます。
具体的な理解のポイント
- 常に変化していることを前提に考える。
- 「今の時点での最善」を提示できるが、それが将来も最善であるとは考えない。
- 過去から未来にわたる一連の流れの中で情報を評価する。
- 判断や発言は、将来の変化の可能性を含意することが多い。
時間パラメーターとは?
定義と特徴
時間パラメーターは、情報処理の「質」や「次元」を構成する4つの要素のひとつです。これは「情報を時間軸に沿って連続的に追跡し、変化の流れとして処理する能力」を意味します。
- 時間パラメーターを持つ機能:第1機能・第8機能(四次元性機能)
- 時間パラメーターを持たない機能:第2・第7機能(三次元性)、第3・第6機能(二次元性)、第4・第5機能(一次元性)
重要なのは、これはNi(時間の直観)とは異なるという点です。Niは「変化の内容や時間的関係性を認識する情報要素」であり、一方、時間パラメーターは「Se, Si, Ne, Ni, Te, Ti, Fe, Fiそれぞれの情報要素について、時間の連続体として処理する次元性」に関わります。
具体例
時間パラメーターを持つSe(第1機能または第8機能)は、職場のパワーバランスが日々変わっていく様子を、特別な努力やサポートなしにリアルタイムで把握し続けることができます。誰にどういった圧力をかければ、職場内の勢力図がどう変化するのか、誰が誰に従っているのか、誰が落ち目なのかといった変化を、流れとして常に意識しています。
典型的な表れ方
以下は時間パラメーターの典型的な表れ方の一例です。
- 物事を単発の出来事としてではなく、過去から未来へと続く連続した流れとして捉え、出来事の前後関係や変化の兆しを自然に把握し、長期的な展開までを視野に入れて判断する。例えば、職場の人間関係やプロジェクトの進行状況を、その時点だけでなく、これまでの経緯や今後の可能性を含めて見通していて、その見通しの下に最適な行動をとることができる。また、この見通しは実際の状況を踏まえて、ほとんど息をするのと同じくらい自然にリアルタイムに修正され、洗練され続けている。
- 自分の出した結論が現時点では最良なものであるという確信を持ちつつも、今後もそうであるとは限らない点も認識している。優柔不断さから断言を避けているのではなく、今後の状況変化で前提が変わることに伴い、出力される最良の結論も変化していくことを認識しているため。
- 他人(その分野で高い権威性を持っている人物を含む)が自分とは異なる結論を導き出していても、不安にならない。他人が出した結論に至るまでのプロセスを分解し、評価し、その結論のもっともらしい部分と、そうでない部分と、そのどちらとも言い切れない部分について冷静に分析できる。また、その分析の過程で得られた情報の中に有用なものがあれば、それを取り入れて自分の結論をさらに洗練させることもできる。
全体的に冷静さが特徴として目立ちますが、人によってはこの冷静さを評価することが難しいかもしれません。例えば、間違えることの不安をかき消すために、過剰に自信に満ちた振る舞いをしている低次元性機能を、「高次元性だ」と誤解する可能性があります。これに加えて、実際の四次元性機能に対しては「これくらい誰でも出来て当たり前」という感覚が強すぎてあまり意識が向かず、結果として低次元性機能を高次元性機能だと考えてしまうこともありえます。これはサイト管理人の考えですが、可能であれば比較的長期間、自分とある程度深い交流をしたことがある人の意見を参考にしたほうがいいかもしれません。