ソシオニクスでは、タイプ自体の二分法(例えばILEが外向的、直観的、論理的、非合理的であるとする二分法)以外に、モデルAの機能自体にも二分法があります。本記事ではモデルA機能二分法のひとつ、強い機能と弱い機能について解説します。
強い機能
強い機能:
自我ブロック(第1機能、第2機能)とイドブロック(第7機能、第8機能)は強い機能と呼ばれます。強い機能は「高次元性」機能と呼ばれることもあります。
特徴
強い機能は、その情報要素を細やかに捉え、多くの段階やニュアンスを見分けることができます。 社会的に一般とされる規範や基準を理解しつつ、それらを必要に応じて柔軟に広げたり、状況に合わせて使い分けたりできます。 一義的な「正しさ」に固執せず、広い視野で物事を判断する姿勢が見られます。
自分の見解の正しさに確信を持っている、あるいは少なくとも「手持ちの情報から導き出せる範囲では最も妥当な回答をしている」という確信を持っている傾向が強いです。他人との見解の相違があった場合、頭ごなしに否定する、喧嘩腰になるといった、自分への不安に基づく反応は見られません。必要なら他人に頼ることはありますが、情報の微妙なグラデーションを取り扱うことができるため、白黒思考的な判断や盲信、あるいは全否定にはなりにくいです。
ただし強い機能であるからと言って、必ずしも詳細に語れるわけではありません。バイタルに分類される第7機能や第8機能の場合、自分が導き出した結論に確信はあっても、情報そのものに興味が薄く、自分自身なぜその結論に至ったのか説明できないこともあります。
弱い機能
弱い機能:
超自我ブロック(第3機能、第4機能)と超イドブロック(第5機能、第6機能)は弱い機能と呼ばれます。弱い機能は「低次元性」機能と呼ばれることもあります。
特徴
弱い機能は、その情報要素をグラデーションのある情報として取り扱うのが苦手で、白黒や正誤といった極端な形で理解する傾向があります。この分野での判断や発言には迷いが多く、確信を持ちにくいことがあります。特定の話題を避けたり、質問への回答を曖昧にする場合もあります。(ただし話に興味を持たなかったり、細かい回答を避ける傾向自体は、バイタル機能全般にもみられる特徴です)
自分自身の能力や判断に自信が持てないことに伴う不安定な反応がしばしばみられます。自分の判断に自信が持てないため、些細な場面でも慌てて短絡的な反応をしてしまうこともあります。少しでも疑われたり否定されると、不安や緊張から攻撃的な態度に変わる場合もあります。外部の情報(生身の人間である場合もあれば、情報媒体、あるいはAIなどの可能性もあります)の情報を盲信しやすかったり、あるいは一度疑い出すと、一転して完全に排除しようとする傾向があります(例えばAIは信用できないといって、AI由来の情報の全てを視界にいれないようにするなど)。
思考に柔軟性がなく、自分の過去の経験や、外部規範(例えば社会の一般化されたルールや教科書の記述)だけを頼りにした硬直的な思考や発言を見せることもあります。逆に、極端に外部規範を無視した思考や発言を見せる場合もあります。高次元性の場合、状況に応じてグラデーション的に外部規範が利用されますが、低次元性の場合、極端に従順か、極端に反抗的・軽視的であるかという傾向が観察されやすいです。
自己評価が不安定であり、ある時は不自然なほど自信満々に振る舞っていても、次の瞬間には自信喪失したり、無気力でなげやりになったりすることがあります。自分の弱みを隠そうとするあまり、極端な白黒的判断を提示し、それと異なる全てを軽視したり、全く別の情報要素(その人の第1機能など)で強引に答えを出力することもあります。
参考文献: