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はじめに
ソシオニクスでは、タイプ自体の二分法(例えばILEが外向的、直観的、論理的、非合理的であるとする二分法)以外に、モデルAの機能自体にも二分法があります。本記事ではモデルA機能二分法のひとつ、強い機能と弱い機能について解説します。
強い機能:
自我ブロック(第1機能、第2機能)とイドブロック(第7機能、第8機能)は強い機能と呼ばれます。強い機能は「高次元性」機能と呼ばれることもあります。
弱い機能:
超自我ブロック(第3機能、第4機能)と超イドブロック(第5機能、第6機能)は弱い機能と呼ばれます。弱い機能は「低次元性」機能と呼ばれることもあります。
なお「次元」という用語の意味については、記事「機能の次元」を参照してください。
強い機能 / 弱い機能
情報要素の外向的と内向的のバリエーション(例:外向的直観 Ne と内向的直観 Ni)は、同じ活動領域に対する異なる視点であり、したがって片方の情報要素が強い場合、もう片方の情報要素も強いことを意味するのは理に適っています。例えばデータ蓄積に強い(Te)ということは、そのデータに基づいて構造を推論する能力も強い(Ti)ということを意味します。
強い機能(第1機能、第2機能、第7機能、第8機能)
一般的に、強い機能は情報をより洗練された形で把握し、それを自分や他者の利益のために実践的に使用できます。
自信と自立、常に効果的に行動する能力を表しています。
この機能において、自分自身の視点は他のどんなものよりも重要であり、さらには外界への拡張の対象にもなります。
弱い機能(第3機能、第4機能、第5機能、第6機能)
弱い機能は、データを過度に単純化します。また通常、弱い機能は自身で結論を生成せず、外部の情報源からの助けに頼りがちです。
人間の良心と反良心であり、社会に適応するために調整が行われます。永遠の迷いと不安の領域です。
自分の視点がないか、あっても弱いものしかないので、比較的簡単に違う視点に振り回されます。
タイピングで使用される指標
School of System Socionics(機能の次元に重点を置く学派)で使用されるタイピングの指標。
- その情報要素の側面のグラデーションが多い。(高次元性)
- 一般的に受け入れられている枠を超えること(一般的に受け入れられている枠を拡張すること)。規範を理解している場合は、規範を考慮しつつも、具体的な状況に応じて柔軟な対応をしたり、柔軟な理解を示せる。(高次元性、状況パラメーターの典型的な表れ方)
- 枠を狭めるような「正しさ」の否定(高次元性)
- 自信を持って、かつ根拠を示しながら、自分の見解を主張する。(高次元性)
- 自分の意見や評価に自信を持っている。(高次元性)
- その機能を使用する際の感情コントロールの巧みさ。(高次元性)
- 自分の判断や能力には自信を持っているが、他者からの評価には無関心で、それを必要としていない。(高次元性、どちらかというとイドブロックよりも自我ブロックで顕著な傾向)
◆◆◆
- その情報要素の側面のグラデーションが粗い。情報のグラデーションや微妙な差異を排除して、白か黒か、「はい」か「いいえ」か、正しいか正しくないかといった極端な形で理解する。(低次元性)
- 発言や理解、行動に迷いや不確かさがある。また、その機能において、自分の能力や評価にあまり自信がない。(低次元性)
- 特定のトピックについて話すのをためらう。質問への回答を避けようとする。(低次元性、またはバイタル)
(低次元性の場合:特に「何も言うことはない」という態度を取るのは超自我ブロックの場合が多い。不快な経験を「切り離したい」という願望が見られる)
(バイタルの場合:興味の無さや、自分に関わりのない話だと感じる傾向が見られる)
(これとは逆に、言語化傾向の強いブロックは「自我ブロック」と「超イドブロック」である) - 焦りやすさ、短気さ、状況や出来事に対する反応の慌ただしさ。(低次元性)
- 信念のない迷信的な思考。(低次元性)
- 自分の主観的認識に縛られて、「自分が何をしようが、結局これはこうなってしまうに違いない」という諦めを抱いてしまう。(低次元性)
- 具体例をあげることができない。(低次元性、またはバイタル)
- 独特な癖や奇妙な癖(特定の行動や考え方や独特な癖など、他の人と異なる個人的な癖や奇妙な習慣。はっきり目立つ場合もあれば、ほんのちょっとした些細な癖の場合もある)の存在。(バイタル、あるいは低次元性)
- 対象の機能が関わる部分の感情コントロールにおいて、精神的緊張感、精神的疲労感、不快感、否定的な状態、エネルギー消費が見られる。また、ネガティブな評価を受けた時に、痛烈に受け止めてしまう。(低次元性、またはプラス符号:プラス符号の機能におけるネガティブな領域は無力領域と呼ばれ、ネガティブな領域での能力の低さや、ネガティブな領域からの離脱を求める傾向が見られる。関連記事「機能の符号とタイピング時の注意点 「品質」特性」)
- 自分の弱さを隠そうとする傾向が見られる。(低次元性)
- 固定的で、柔軟性が乏しい。これは「どんな」「誰も」「すべて」「常に」「決して」などの語彙が多用されるという形で表れることもある。