自我ブロック
モデルAの第1機能と第2機能は、「自我ブロック」と呼ばれています。
人は、自分の自我ブロックの機能に配置されている情報要素(TeやFiなどの情報要素)を、最も深く、明確に認識でき、簡単に言語化できます。
また他人と交流する際に見られる「その人の最も自然で一般的な心の状態と行動スタイル」に関わっており、「どういった目線・観点から発言するか」を左右するものでもあります。
人は、自分の自我ブロックの情報(特に第1機能に配置されている情報要素)については、つい何かしらのコメントを言いたくなってしまいます。また、自信を持って人と議論できます。
自我ブロックの領域で何かが正しくないと感じた場合、それについて話したり、解決策を講じる必要性を感じます。何も対処しないまま「黙って以前と同じことを続ける」ことなど出来ません。
何か問題が起きた時、それを指摘することが多いのは、その問題にかかわる情報を自我ブロックから見ている人たちです。
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自我のブロック機能は、常に新しい情報や刺激(直接的な経験、観察、学習、考察など)を必要としています。それらの情報を素早く選別し、何が有益で必要なものか、何がそうでないかを認識できます。
自我ブロックの情報に触れると、人はすぐに注意を向け、その問題に対する自分の態度や意見を作り出すことができます。
また、ここでは自分の判断に強い自信を持ちます。例えば、誰かと判断が食い違った場合、その「誰か」が「広く認められている権威者」であったとしても、自分の判断の方が正しいと確信するほどです。
自我ブロックは、「つい使いすぎてしまう機能」でもあります。たとえ(自分の自我ブロックに配置されている情報要素と)関連が薄い情報を処理しなければならないような状況であったとしても、つい自我ブロックでゴリ押しして、何とかしようとする傾向があります。
このため傍から見た場合、自我ブロックの機能(特に第1機能)は、他の機能よりもわかりやすいことが多いです。
自我ブロックは、人が他人と接するときに好む、最も自然で快適な役割や動作モードを決定します。自我ブロックの機能を使える場合、人は自信を持ち、生き生きとします。また、威性や専門性といった雰囲気を漂わせます。
また他の機能よりもタフで、長い時間使っていても疲れにくいです。
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自我ブロックの機能は、人の視点や価値観にも大きくかかわっています。なぜなら自我ブロックの機能から得た人生の問題の解決法、アドバイス、目標達成のためのアプローチを最も好ましいと感じる傾向があるからです。
そして自分の周囲の人々や社会が、自分の哲学や価値観に「追いつく」ことを望みます。
人が「私は必要とされている」と感じ、満たされるためには、自分独自の視点が他の人々とどう違うのかを理解しなければなりません。人が最も力を発揮しやすい領域は自我ブロックの情報要素に対応しています。
自我ブロックが「自我」という言葉で呼ばれている理由は、このブロックが自分の視点、理想、アイデンティティと密接に結びついているためです。
自我ブロックの機能は、他の人を褒めることには無関心です。なぜなら自分がまだ知らない、他の人にも簡単に説明できるようなことを、人に伝えるのは非常に難しいからです。
また、他人が間違っていると感じた場合、それを正すことが自分の権利であり義務であると感じます。