テンポリスティックス

テンポリスティックスとは

ソシオニクスを参考にして生まれたサイコソフィアという類型論があるが、そのサイコソフィアと、ニコライ・ベルジャーエフの哲学を参考にして生まれたのがテンポリスティックスである。

人によって異なる時間の捉え方を「過去」「未来」「現在」「永遠」という切り口から類型化したタイプ論で、全24タイプある。制作者はアレクサンドラ・ラティシェワ（Алексндром Латышевым）。

24タイプにはそれぞれ、① 人生の目標に強い影響を及ぼす時間、② 興味を向けやすい時間、③ 目を向けると痛みを感じやすい時間、④ 重要性を感じられない時間が存在しており、タイプごとに長所・短所・特徴・人生観・価値観・行動における典型的な間違いがある。

人が健全であるためには、この「過去」「未来」「現在」「永遠」全てに関係を持つことが重要である。そのうちのひとつを無視することは、人格にとって悪影響であり、人に苦しみをもたらすことになる（本人にも周囲の人にも）。

テンポリスティックスでは、強い側面（第1の側面や第2の側面）よりも弱い側面（特に第3の側面）を意識的に開発することが重要であるとされている。

参考：

• http://temporistics.ru/

オンラインテスト

オンラインテスト（ロシア語、外部サイト、54問）

4つの時間

過去

過去（Прошлое; Past; 機械翻訳だと"P"）

「私は誰ですか？」
自分自身をこれまでの行動や経験の総体として認識すること。ある出来事の原因や成り立ちを問うこと。アイデンティティ。

現在

現在（Настоящее; Present; 機械翻訳だと"N"）

「私の居場所はどこですか？」
今この瞬間に起こっていることへの関与の感覚。人生における自分の居場所のビジョン。

未来

未来（Будущее; Future; 機械翻訳だと"B"）

「どこに向かってるのですか？」
目標を設定し、それらを達成するためのステップを決定すること。戦略的思考と計画。将来の自分の能力についてであったり、現在の状況が自分の今後の見通しにどう影響するかを考えること。

永遠

永遠（Вечность; Eternity; 機械翻訳だと"V"）

「なぜ私は～なのでしょうか？」
現在、過去、未来のビジョンをまとめたもの。循環性のビジョン（未来への結論を導き出すような、繰り返される過去の出来事から得られるビジョン）や「意味」（なぜ人は生きるのか、なぜ人は働くのか、私の存在意義は何か、などの哲学的で抽象的な「意味」、実存的な問い）がここに含まれる。

参考：

• http://temporistics.ru/?q=theory_description
• http://typologies.ru/temporistics/

◆◆◆

英語圏では、ロシア語のПНБВの4文字を、対応する英語の文字に変換したもの、つまり機械翻訳そのままで「PNBV」等と話してるのを見かける（2022年8月調査時点）

参考：

• https://www.reddit.com/r/Temporistics/
• https://www.the16types.info/vbulletin/showthread.php/64270-Temporistics-Test-Perception-of-Time

4つの側面

第1の側面

タイプの1文字目
I+ You-

ターゲット（目標）の側面。人の人生の目標（自己実現の範囲）を決定する。要求が厳しい側面。この側面にはごく自然に注意を向け、エネルギーを注ぐ傾向がある。また、痛みをもたらす第3の側面から目をそらそうとして、この第1の側面に過剰に目を向けてしまうということもしばしば見られる。

第2の側面

タイプの2文字目
I+ You+

創造的な側面。人が持つ「力」「エネルギー」「興味」「喜び」が最もよく発揮される領域であり、第1の側面に基づいて決まった目標を達成するための「手段」になる。

第3の側面

タイプの3文字目
I- You-

痛みの側面。繊細で傷つきやすく敏感。人生の主要な羅針盤でもある。要求が厳しい側面。この側面が満たされることが自尊心にとって重要である。第1の側面に基づいて決まった目標を達成する際に「間違った道」を避ける羅針盤になる（「基準」の側面とも呼ばれる）。

I- You-であるため、この側面の時間について自分自身の手で掘り下げることは苦痛であり、なおかつ他者から掘り下げられるのも苦痛である。

人は一般的に第3の側面を軽視して、第1の側面にばかり目を向けてしまいやすいが、このせいで問題が起こることが多い。

◆◆◆

第3が「過去」のタイプ：「批評家」、自分を厳しい批評家として扱い、時には自分に起こったことをすべて忘れたいと思う。

第3が「現在」のタイプ：「追放者」、時には何よりも自分を取り巻く現実から逃れたいと思っている。

第3が「未来」のタイプ：「密航者」、まるで行き先が分からない船に忍び込んだ密航者のように、自分に「コースを変更する」権利があるかどうか確信が持てない。「自分は一体これからどこに行くのか」を考えないようにしている。

第3が「永遠」のタイプ：「ペリシテ人」（「社会や人類がどうあるべきかということに無関心で、ささやかな個人的・日常的利益に基づいて細々と生きている、不活発で情熱に欠ける小ブルジョア的な人）、目に見える世界や理解しやすいカテゴリーを超えたもののことを考えるよりも、無視したほうが楽だと感じる。

第4の側面

タイプの4文字目
I- You-

盲点の側面。重要性を感じられない領域。「この領域にリソースを回すくらいなら、他にリソースを回そう」となりやすい領域。第4の側面に費やすリソースを削減して他の3つの側面の活動を行うという意味で「リソース」になる側面だとも表現される。

「これは誰かが取り組むべき仕事であり、解決すべき問題であるかもしれませんが、それをするのは私ではありません」

参考：

• http://temporistics.ru/?q=node/90
• http://temporistics.ru/?q=theory_description

時間と側面の組み合わせ別ニックネーム

参考：

• http://temporistics.ru/?q=types

タイプの小グループ

サイコソフィアのセクスタに近い概念。テトラドと呼ぶ。 側面1と側面4が共通するタイプの小グループ。

アンチポード（現在・過去）

（アンチポードとは、対蹠地、すなわち「ある土地から見て地球の裏側にあたる土地」という意味）

現在（Н, "N"）と過去（П, P"）が側面1か側面4

居場所（現在N）とアイデンティティ（過去P）が固定的。
開発の方向性（未来B）と在り方（永遠V）が操作の対象となる。

個性の時代（過去P）であり、各時代の最盛期（現在N）である。

ガーディアン、国境警備隊（過去・永遠）

永遠（В, "V"）と過去（П, P"）が側面1か側面4

在り方（永遠V）とアイデンティティ（過去P）が固定的。
開発の方向性（未来B）と居場所（現在N）が操作の対象となる。

個性の時代（過去P）であり、秩序の時代（永遠V）である。

古株、古参（現在・永遠）

現在（Н, "N"）と永遠（В, "V"）が側面1か側面4

居場所（現在N）と在り方（永遠V）が固定的。
開発の方向性（未来B）とアイデンティティ（過去P）が操作の対象となる。

各時代の最盛期（現在N）であり、秩序の時代（永遠V）である。

エクスプローラー（未来・永遠）

未来（Б, "B"）と永遠（В, "V"）が側面1か側面4

開発の方向性（未来B）と在り方（永遠V）が固定的。
居場所（現在N）とアイデンティティ（過去P）が操作の対象となる。

大移動の時代（未来B）であり、秩序の時代（永遠V）である。

密偵・スカウト（現在・未来）

現在（Н, "N"）と未来（Б, "B"）が側面1か側面4

居場所（現在N）と開発の方向性（未来B）が固定的。
在り方（永遠V）とアイデンティティ（過去P）が操作の対象となる。

各時代の最盛期（現在N）であり、大移動の時代（未来B）である。

遊牧民と放浪者（過去・未来）

過去（П, P"）と未来（Б, "B"）が側面1か側面4

アイデンティティ（過去P）と開発の方向性（未来B）が固定的。
居場所（現在N）と在り方（永遠V）が操作の対象となる。

個性の時代（過去P）であり、大移動の時代（未来B）である。

参考：

• http://temporistics.ru/?q=types