はじめに
ソシオニクスでは、タイプ自体の二分法(例えばILEが外向的、直観的、論理的、非合理的であるとする二分法)以外に、モデルAの機能自体にも二分法があります。本記事ではモデルA機能二分法のひとつ、大胆と慎重について解説します。
大胆 / 慎重
外向タイプの場合、すべての外向性の情報要素が「大胆」機能であり、すべての内向性の情報要素が「慎重」機能です。
内向タイプの場合、すべての内向性の情報要素が「大胆」機能であり、すべての外向性の情報要素が「慎重」機能です。
外向タイプの場合、外向性の方向のほうがより快適であり、内向タイプの場合、内向性の方向の方がより快適に感じられるため、機能二分法が「弱い」機能であっても、それが「大胆」機能である場合は、相当な自信をもって使用されることがあります(その自信が単なる見せかけであるか、それとも子供っぽい単純な使い方であるかは、ここでは問いません)。
この機能の分法は、機能の強さを表す一側面だと言えるかもしれません。
大胆(第1機能、第3機能、第6機能、第8機能)
大胆な機能は、慎重な機能よりも自由に使用されることがあります。
時には「控え目な機能」が、「尊重される機能」よりも頻繁に使用されることさえあります(例:役割機能と暗示機能など)。
機能二分法「大胆」は別名「外部(不変)」機能とも言われます。この機能は「メンタルリングの受容機能」と「バイタルリングの生成機能」でもあります。
「外部(不変)」機能には、特定の情報要素の側面を世界の不変的な本質の一部と見なし、それをそのままの形で保とうとする傾向がみられます。
外部の変化は避けられないものとして捉えられますが、何かを認識する上で、そこに生じた外部の変化そのものを、その何かが持つ「特徴」として拾い上げることはありません。
慎重(第2機能、第4機能、第5機能、第7機能)
「慎重」機能は非常に注意深く使用されます。たとえ機能二分法が「強い」機能であっても、それが「慎重」機能である創造機能には、注意深さ(例:批判に対する敏感さ)が見られます。
「慎重」機能の性質は、特に脆弱機能に当てはまります。人は脆弱機能を使用する際は非常に慎重になります [1]。
機能二分法「慎重」は別名「内部 (変動) 」機能とも言われます。この機能は「メンタルリングの生成機能」と「バイタルリングの受容機能」でもあります。
この機能は、何かを認識する際、まず最初に「変化されるべき要素」に目を向け、それをその何かが持つ「特徴」として認識する傾向があります。
これらの機能は、積極的に世界に影響を及ぼそうとするか、または受動的に変化を期待しています。
訳注
- ^ これとは別に、脆弱機能の符号がマイナスになるタイプ(ILE, SEI, EIE, LSI, SEE, ILI, LSE, EIIの8タイプ)は脆弱機能の使用に伴う「痛み」が特に強いタイプだという説がある。逆にプラスになるタイプの場合(ESE, LII, SLE, IEI, LIE, ESI, IEE, SLIの8タイプ)、「痛み」が弱いため、慎重さ・注意深さも弱まる可能性がある。関連記事「機能の符号とタイピング時の注意点 1次元性機能の符号 第4機能の符号」