SEI(INFp, 仲介者, 平和推進者, アレクサンドル・デュマ)
自我ブロック
SEIは、自我ブロックにSi(内向感覚)とFe(外向倫理)という二つの機能を持っています。これは、自分の体の内側の感覚に敏感であると同時に、日常の中で周囲の「空気」をよく感じ取れるということです。たとえば、SEIはSiによって人や集団の体調や様子をよく察知し、その感覚をもとにFeを使って、場の雰囲気をよくするタイミングを自然とつかむことができます。この二つの機能の組み合わせによって、SEIは人と関わるときに優れた感覚やスキルを発揮します。
第一機能:Si(内向感覚)
SEIは、自分や他人の体の中で起きていることに敏感で、それをしっかり感じ取ります。たとえば、疲れや不快感、心地よさなどの原因を自然と理解し、それを再現したり避けたりすることができます。SEIは、快適さや癒し、楽しい体験など、自分の内側が心地よいと感じることに強く惹かれます。レジャーやリラックス、美しいものを楽しむのが得意で、「楽しむ感覚」がとても豊かです。
また、SEIは心や体が「常に急いでいる」ように感じることがあり、いつも何かに追われているような気分になりやすいです。そのため、「早く全部終わらせなきゃ」と焦ってしまうことがあります。個人的なプロジェクトを始めると、すぐに結果を出そうとして作業を急ぎ、雑になったりミスをしたりすることがあります。その結果、疲れすぎたり、ストレスをためやすくなることもあります。
SEIは、自分の気持ちを言葉でうまく伝えるのが苦手なことがあります。代わりに、絵を描いたり、料理をしたり、文章を書いたりすることで、内面の心地よさや不快感を表現します。こうした表現は、SEIにとって大切な感情の出口であり、自分自身を理解する方法でもあります。
また、SEIは自分の暮らす空間を「五感にとって気持ちのよい場所」にしようとします。見た目の美しさや照明の雰囲気だけでなく、肌ざわりや香りといった細かい感覚にも気を配ります。そして、自分だけでなく、身近な人たちも心地よく過ごせるよう、自然と気を配る傾向があります。
第二機能:Fe(外向倫理)
SEIは、まわりの感情の雰囲気にとても敏感です。それは人やグループの気分だけでなく、部屋のような場所全体の空気からも影響を受けます。明るく前向きな雰囲気は、SEIにとって心の安定や幸せにとって大切です。そのため、自分でその雰囲気を作ろうとしたり、嫌な空気の原因になっている人や状況から離れようとします。雰囲気を和ませたいときには、冗談を言ったり、軽くからかったりして場を明るくするのが得意です。
SEIは、みんなが楽しくリラックスできるように、場を和ませる「ムードメーカー」や「ちょっとした道化役」としてふるまうこともあります。また、人が安心して気持ちを話せるような、あたたかくて開かれた空気をつくるのも得意です。さらに、その場の感情に共鳴して、それを強めたり広げたりしながら、グループの一体感を高めることもできます。
SEIは、自分の感情を隠すのが苦手で、気持ちがすぐ顔に出ます。楽しいときには大きな笑顔になり、不快なときにはため息をついたり、眉をひそめたりします。表情がとても豊かで、気持ちがそのまま顔にあらわれているようです。
超自我ブロック
SEIは超自我の領域で、Ni(内向直観)とTe(外向論理)の扱いがあまり得意ではありません。将来について考えると、漠然とした不安や懸念を抱いてしまいやすく、そうした不安に対して“自分は大丈夫”とか“何とかなる”といった信頼感や安心感を持ちにくいです。こうした未来の問題は、日々の生活とはあまり関係がないように思えるのです。そのため、SEIにとっては、今この瞬間の現実や目に見える具体的なもののほうが、抽象的なアイデアや将来の計画よりもずっと大事に感じられます。SEIは、物事の進み方やその意味を深く考えるよりも、目の前にある現実に集中し、感覚的で具体的な生活を好む傾向があります。
第三機能: Ni(内向直観)
SEIもときどき、将来の影響や想像の世界に意識を向けることはありますが、それは長続きしません。基本的には、今の状況や五感を通じた感覚、または今やっている作業に集中しやすい性格です。この機能があまり発達していないと、将来の計画を細かく立てても、「自分はなぜこれをするのか」という目的を見失ってしまうことがあります。
面白いことに、物理学者のアルベルト・アインシュタイン(ILE)は、自分の双対タイプであるSEIの感覚を、次のような有名な言葉でよく表しています。「私は未来のことを考えない。それはどうせすぐにやってくるのだから」。この言葉は、SEIのものの見方にぴったりです。彼らは、将来のためにあれこれと計画を立てる必要をあまり感じていません。なぜなら、「今をどう生きるか」に重きを置いており、未来もすぐに「今」になると感じているからです。
とはいえ、SEIが長期的な計画を、まるで身近な現実のようにリアルに感じることもあります。ただ、その計画が思うようにいかなかったとき、何が原因だったのかをうまく理解できず、混乱することがあります。
第四機能:Te(外向論理)
SEIは、自分の考えと合わない意見や行動、外から押しつけられる情報に対して、疑い深くなることがあります。そのため、頑固に見えたり、自分のやり方に固執しているように思われることがあります。SEIは、本で得た知識よりも、たとえ経験が少なくても実際にやってみた人の話のほうを信じやすい傾向があります。
SEIは、長い教科書のような説明や、難しい言葉でまとめられた話にはあまり関心を持ちません。特に、それが自分にとって分かりにくい内容だと、すぐに興味を失ってしまいます。なぜなら、SEIはただの事実や数字の裏に、もっと深い意味があると感じているからです。
また、命令口調で話したり、人を批判的に見るような人にはあまり好意を持ちません。SEIは、「自分にとってちょうどいいタイミングで行動することが大切」だと考えており、急かされるのが苦手です。さらに、完璧を求める人とも距離を置きがちです。そうした人に接すると、「自分にはその仕事が向いていないのでは」と不安になってしまうからです。
超イドブロック
SEIの超イドブロックには、Ne(外向直観)とTi(内向論理)が含まれています。この2つの機能によって、SEIは知的な好奇心をくすぐるアイデアや考えに強く惹かれます。彼らは、自分の理想や価値観に合った学びに対して強い興味を持ち、とくに新しくておもしろい発想には敏感に反応します。
第五機能:Ne(外向直観)
SEIは、いつも新しいことを探していて、物質的なものに縛られず自由に生きている人に、自然と尊敬や憧れを感じます。また、自分の可能性を信じてくれる人や、自分の個性を認めてほめてくれる人、自分の興味に合った新しいチャンスをくれる人にも強く引かれます。
その一方で、自分から積極的にチャンスを探したり、広い人間関係を築いて保つことはあまり得意ではありません。また、自分の能力やスキルが他の人と比べてどのくらいのものかよくわからず、「自分にどんな特別な力があるのか」ということにも自信を持てないことがあります。
SEIは、目の前の問題や状況に対応するのは得意で、それが一番安心できると感じます。だからこそ、自分の考えを未来の可能性や目標へ向けて広げてくれる人には、とても感謝し、大切に思います。
第六機能:Ti 内向論理
SEIは、自分の信念や考え方をはっきりさせたいという気持ちが強くあります。そのため、よく疑問を持ったり、「もっと知りたい」と感じたりします。
身近な話題について、多くの情報を読む傾向があり、「どうしてそんなに読むの?」と聞かれたら、「知識は力だから」と答えるかもしれません。こうして得た知識を使って、自分なりの考え方の枠組みを作ったり、必要に応じてそれを見直したりします。
SEIは、新しいアイデアに触れたり、哲学的な話し合いに加わったりするのが好きです。そうした場では、新しい考え方や仕組みが紹介されたり発展したりします。彼らは、自分だけでは学べることに限りがあると感じているため、新しい知識を得るきっかけや、それを助けてくれる人を探しています。そうした学びや人とのやりとりを通して、自分の信念をより明確にし、「もっと知りたい」「もっと理解したい」という心の奥の欲求を満たしているのです。
イドブロック
第七機能:Se(外向感覚)
SEIは他人を導くとき、命令したり、強く引っ張ったりするよりも、自分にとって大切な人のニーズに応えたり、その人がやる気になるようなご褒美を与えて支えようとします。対立はできるだけ避けようとしますが、どうしても避けられないときには、短い時間ながらも強い意志を見せて譲りません。
SEIは「誰かに勝つ」ことにはあまり関心がなく、それよりも自分の内面の欲求に耳を傾け、自分の身体・感情・心の健康を大切にします。周囲の期待に合わせるよりも、自分が本当にやりたいことを優先しようとするのです。
SEIは、まわりで起きている権力争いや対立に敏感です。それが避けられないと感じたときには、それに抵抗したり、ときには関わることもあります。ただし、そうした争いを自分の快適さや幸せよりも大事だとは思っていません。たとえば激しいスポーツに参加することがあっても、それは戦うためではなく、アドレナリンが出るような感覚的な刺激を楽しむためです。
第八機能:Fi 内向倫理
SEIは、相手がはっきりと感情を表に出していなくても、二人のあいだにあるつながりやその変化を読み取るのが得意です。ただし、一対一の関係よりも、より多くの人が関わる場での感情のやりとりのほうに関心を持ちやすく、そちらのほうが重要だと感じることが多いです。個人同士の関係についても、決まったものというより、状況によって変わるものだと見ています。また、一般的な道徳観は「正しいか間違っているか」というTe(外向論理)と結びつきやすいですが、SEIは仲裁役のような立場になることが多く、そうした善悪の判断は避けようとする傾向があります。
ときには、知り合いの社会的スキルの乏しさに、いら立ちを覚えることがあります。そして、自分の自我ブロックの機能を通して、そのスキルの欠如が自分との関係に悪い影響を与えていることに気づきます。そうした問題が見えると、SEIは落ち着かなくなり、できるだけ早くその状況をどうにかしようとします。そのときには、自分の気持ちやこだわりをいったん脇に置いてでも対処しようとします。
ソーシャル・ロール
SEIの一般的なソーシャル・ロール(社会の中で、人が自然と演じがちな役割やキャラクター)は下記のようなものです。
- いつも場の空気を明るくし、会話や議論が険しくならないように気を配る人です。きつい言い方や対立をやわらげ、みんなを笑わせてリラックスさせてくれます。物事を重く考えすぎないようにしてくれます。
- 集中が長く続かず、少し怠けがちで快楽を好むタイプです。映画や音楽、テレビ番組、美味しい食べ物や飲み物などを楽しむのが好きで、人生で無理に頑張る必要はないと思っています。
- 芸術、料理、ファッションなどに優れたセンスがあり、美しいものを楽しむことに大きな喜びを感じる人です。美しさやセンスの良さを大切にしています。