健全度が平均的なレベルのタイプ9には、自分のことをタイプ2だと思ってしまう人が多くいます。この逆はあまりありません。
「自分は愛情深いタイプだ」と思っているタイプ9が、「タイプ2は愛情深いタイプだ」という表面的な特徴を聞いて「自分はタイプ2だ」と思い込むパターンが多いです。
また、タイプ2もタイプ9も、他人にあまり露骨にネガティブなことを言いたがらないという点が共通しています。
この2つのタイプの大きな違いは、タイプ2は人から必要とされていることを実感したいタイプである一方で、タイプ9は自分の独立と平穏を守りたいタイプだという点です。見分けの際には、この点が重要になります。
タイプ概要
タイプ2 | タイプ9 | |
---|---|---|
囚われ | プライド | 怠惰 |
根源的恐れ | あるがままの自分では愛されず、求められない | 喪失と分離 消滅させられること |
根源的欲求 | 愛されていると感じること | 内面の安定 心の平和の維持 |
超自我の声 | 人から愛され、その人たちと親しければ大丈夫だ | まわりの人が大丈夫なら、 自分も大丈夫だ |
共通点
タイプ2とタイプ9は下記の点が共通しています。
- 対人関係を大切にする
- 自分のことよりも相手のことを優先する
- サービス精神が強め
- 物事をポジティブにとらえたがる
相違点
タイ2とタイプ9は下記の点が異なっています。
タイプ2 | タイプ9 |
---|---|
感謝の言葉などの見返りはほしくて催促してしまうことがある | 感謝の言葉があったら嬉しいが、積極的にコミュニケーションをとって催促するほどの物でもない |
いいことをした場合、「もっと自分に注目してほしい」「感謝してほしい」と思ってしまう。 | 自分の独立と平穏を保ちたい。注目されすぎたり、大々的に感謝されると、嬉しさよりも面倒くささを感じてしまう。 |
他者や他者が持つ傷、ニーズ、弱さなどを鋭く感じ取る。 | (健全度が平均的)他者の負の側面をあまり直視せず、美しいイメージだけを見て理想化しがち。 |
ひけらかしたりはしないが、自分の長所が何かはきちんと把握している。きちんと長所を評価してもらえない場合、アイデンティティが揺らいでしまう。 | あまり自分の長所は何かを考えない。自分への評価が低すぎると感じることはほとんどない。仮に少し低いと思っても、すぐ納得してしまう。 |
ほどほどに自分に依存する人間がいると、内心ちょっと安心してしまう。 | 少しでも自分に依存してくる人間がいると、そっと距離を置きたくなる。 |
自分を卑下しない。つい自分の貢献を他人に知らせたくなる。 | いい意味でも悪い意味でも謙虚。自己アピールはしない。 |
健全度が悪化するほど善意の押し売りが激しくなる。マニピュレーター。 | 健全度が悪化するほど引っ込み思案になる |
相手のニーズをしっかり探り、実用的な援助をする。人をサポートすることにかけて、エネルギーと持続力がある。 | 優しくはあるが、ただ慰めるだけなどというように、あまり実用性のない援助をする傾向がある。 |
ユングのタイプ論との関係
ドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソンの著書「Personality Types: Using the Enneagram for Self-Discovery」のTable 14.2. The Jungian Correlationsでは、タイプ2は外向的感情に、タイプ9は内向的感覚に近いとされています。
参考: