一部の芸術的な才能を持っていたり、芸術に興味を持っているタイプ9が「自分はタイプ4ではないか」と思うことで生じることの多い誤認です。
しかし、タイプ4以外にも芸術的な才能がある人はたくさんいます。そのため単に芸術的な才能がある(あるいは芸術に興味がある)だけではタイプ4であるという根拠にはなりません。また、そもそも健全度が平均的なレベルのタイプ9自体が、芸術的な才能を持っていたり、ある種の創造的な傾向を持っていることの多いタイプです。したがって「芸術に興味があるかどうか」だけでこの2つのタイプを見分けることは困難です。
この2つのタイプは、遊離型であるという点を除けば様々な点で異なっているタイプです。
タイプ概要
タイプ4 | タイプ9 | |
---|---|---|
囚われ | 妬み | 怠惰 |
根源的恐れ | アイデンティティがないこと 個人的な存在意義がないこと |
喪失と分離 消滅させられること |
根源的欲求 | 内面の体験からアイデンティティを作ること 自分自身と自分の存在意義を見つけること |
内面の安定 心の平和の維持 |
超自我の声 | 自分に正直であれば大丈夫だ | まわりの人が大丈夫なら、 自分も大丈夫だ |
共通点
タイプ4とタイプ9は下記の点が共通しています。
- 遊離型
- ぼんやりしていることが多い
- 浮世離れしている
相違点
タイプ4とタイプ9は下記の点が異なっています。
タイプ4 | タイプ9 |
---|---|
自己顕示的・自伝的・個人的な芸術スタイル(恋愛や子供時代の失望や、それに伴う痛みなどがテーマになりやすい) | 非個人的(神話的・ユングの元型的)な芸術スタイル |
悲劇的な題材を好み、自己超越に救いを見出す | 平凡な日常の中にある安らぎをテーマにする、ハッピーエンド |
他人から距離を置く理由は「自分の感情に向き合う時間を確保するため」 | 他人から距離を置く理由は「感情の荒波を避けて、心地よい理想の世界に浸るため」 |
不安を抱え込み、自分の感情をあまりにも意識しすぎる | 不安を見て見ぬふりする、自分の感情を切り離す |
自分に痛みを与えたものを避けて引きこもる | 外界からも自分の感情からも切り離されている |
「自分は部外者だ」と思いながら、世界を外から眺める。世界に参加できている普通の人が眩しく見える | 世界はどちらかというと心地の良いものに見える |
ユングのタイプ論との関係
ドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソンの著書「Personality Types: Using the Enneagram for Self-Discovery」のTable 14.2. The Jungian Correlationsでは、タイプ4は内向的直観に、タイプ9は内向的感覚に近いとされています。
参考: