第1機能「良いもの」主体的直観（Ni）
「私の理念と原則は、あなたにとって神聖な義務です」
IEIは、自分を非常に理念的で、信念に忠実で、原則に一貫して従う人物だと認識しています。考え方の面では保守的で、自分の考えを他人に否定されることに強く反発します。自身の内面における統一感や調和を大切にし、それが崩れることを非常に嫌います。また、人や物事の本質を直観的に見抜く力にも優れています。内面的には理想主義的で、心の静けさや安心感を大切にしています。彼らにとっては、自分の内なる世界が安定していることが、創造性やひらめきの源となっています。したがって、その安定を妨げるような人や出来事には敏感に反応し、拒絶的な態度をとります。他人が不用意に彼らの内面に踏み込もうとすると、強い不快感や怒りを感じます。彼らは常に、どのような状況でも心の平穏と内的一貫性を保とうとします。
IEIは、状況に応じて柔軟にふるまう傾向があります。例えば、会話では相手に合わせて自然に態度や意識の状態を変化させ、その場にふさわしい反応をとります。これは演技ではなく、IEI自身が多面的な内面を持ち、その中から適切な面を取り出して使い分けることができるためです。他人の感情や雰囲気に敏感で、それに共鳴するようにふるまいます。常に相手の気分を感じ取り、そこに調和するような反応を示します。このような特性から、自己探求や瞑想といった内省的な活動を好み、失敗したときには自分の内面を深く見つめ直すことができます。また、精神的な安心が脅かされると感じたときは、場から心理的に「離脱」する傾向があります。その場に存在していても、目立たないようにふるまい、周囲との関わりを最小限に抑えようとします。例えば職場では、誰にも話しかけられないように、書類などで自分の姿を隠す工夫をすることもあります。彼らは、落ち着きのない人や内面的に不安定な人と一緒にいるのが苦手です。そうした人の感情が自分に伝染してくるように感じられるため、物理的に距離を取ろうとすることがあります。
IEIは恋愛的な魅力で注目されることが多いタイプです。彼らが持つ内なる調和に魅力を感じ、それを手に入れたいと願う人が後を絶ちません。しかし、IEIにとってこの調和は他人と分け合うためのものではなく、自分自身の内面の安定のために存在している「心の資源」です。だからこそ、それを他人に奪われるような感覚には強い拒否反応を示します。他の人が少しでも自分（IEI）の心の静けさを乱そうとすると、IEIは怒りを感じることがあります。家庭内では、彼らの理念や原則から逸脱した行動を見ると、特に厳しく批判的になる傾向があります。外では感情を抑えることができても、家の中ではその怒りが抑えきれずに爆発することがあります。
第1機能と第3機能：IEIは、自分が理念に忠実で、それを行動においても論理的に実現できていると信じています。しかし実際に、理念と行動のあいだに矛盾が見つかった場合、彼らは大きな衝撃を受けます。具体的には、自分の信念が裏切られたという精神的ショックと、それを実行できなかった自分自身への失望という、二重の苦しみに直面することになるのです。
第2機能「必要」客体的倫理（Fe）
「私は人に好かれることが得意です。もし誰かに好かれていなくても、努力して改善していきます」
IEIは、他人の感情を読み取るのが上手く、人の気持ちに寄り添ったふるまいをすることに長けています。相手に好かれるための振る舞いや空気づくりを、無意識のうちに洗練させており、まるで感情の専門家のようにふるまうことができます。周囲から好意を持たれることが、自分の社会的な役割であり、自分の価値を感じられる源でもあります。また、コミュニケーションが苦手な人や、誰かとのつながりを強く求めている人に惹かれやすい傾向があります。そうした相手に対して、まるで「光」を届けるような存在になろうとします。
どこにいても人との関わりを見つけ、その中で良い関係を築こうとする姿勢を持ち続けています。場合によっては、関係を良く見せるためだけに、あまり深く考えずに何かを約束してしまうこともあります。それでも本人にとっては、「人間関係をより良くする」ことこそが、創造的で意味ある活動なのです。自分の意思とは無関係に、「行動しなければならない」と感じるほど、対人関係に強く突き動かされます。人前で自分を魅力的に見せるのも得意です。状況に応じて場の雰囲気を整えたり、少し自慢話を交えたりして、自分の印象をよくする術を知っています。集団内で人間関係にトラブルを見つけると、自然とそれを調整したり、仲を取り持ったりする方向に動きます。一方で、人との関係が落ち着きすぎて何の変化もないと、わざと関係をぎくしゃくさせて、それをまた修復するというかたちで、自分の対人スキルを発揮しようとすることさえあります。言い換えれば、自分の感情的な働き場を自ら作り出そうとするのです。彼らはまた、自分の望みを相手にうまく伝えるだけでなく、相手に「これは自分が望んだことだ」と思わせるように誘導するのも得意です。他人の欲求や関心ごとは、自分への好意を高めるための材料として利用されることもあります。そのため、彼らにとって人間関係は、単なるつながりではなく、自分の役割や使命を果たす舞台といえるでしょう。
対人関係においては、あえて不安定で予測のつかない状況を好む傾向もあります。感情の浮き沈みや緊張感があるほうが、彼らにとっては刺激的で魅力的に感じられるのです。説得のスキルも高く、営業職などでは商品やサービスを相手に自然に受け入れさせる能力を発揮します。いわゆる「押し売り」ではなく、相手が自分から選びたくなるような雰囲気を作るのが上手です。さらに、彼らは人の気分を明るくしたり、場を盛り上げたりすることにも秀でています。グループを一体化させる力が強く、雰囲気作りや人間関係の調整役として非常に頼りにされる存在です。ある意味では、世界でも屈指のムードメーカーであり、集団のまとめ役といえるでしょう。ただし、こうした感情のコントロールや人間関係の調整が過剰になると、まわりから不信感を持たれることもあります。最初はうまく立ち回れていたとしても、同じような操作が繰り返されれば、次第にその意図が透けて見えるようになります。そして、あまりに露骨になると、職場や人間関係の中で信頼を失い、結果的に自分の立場を危うくしてしまうこともあるのです。
第2機能と第3機能：自分がよく理解している話題について話すことで、相手との関係を築こうとします。特に、親しい人との相互理解に関する話題を通じて、相手の信頼や好意を得ようとする傾向があります。第2機能と第1機能、第4機能：自分の原則や一貫した態度を見せることで、また他者の力強さや威厳、信頼性や経済的な余裕に対して感心を示すことで、相手の好意を引き出そうとする場合もあります。
第3機能「問題」主体的論理（Ti）
「世界のあらゆることを、簡単に理解する方法はないのだろうか」
IEIにとって、「すべてを理解すること」は極めて重要な課題です。複雑な話題について尋ねられた際には、たとえ独特な解釈であっても、自分なりに「理解している」と答えることがあります。同時に、他者に理解されることも同じくらい重要であり、もし自分の考えが伝わらないと、自尊心が大きく傷つくことになります。そのため、自分が何かを理解できなかったことを認めるのを非常に嫌がる傾向があります。IEIは、「論理的だ」と評価されることを喜び、自分で何かを思いついたときにはそれを誇らしげに語る傾向があります。また、自身の主張を正当化するために、検証が困難な日常的逸話を持ち出すことがよくあります。そうした逸話は、他人が真偽を確かめようとはしないことを見越して語られます。さらに、自分の考えに権威や第三者の意見を引き合いに出すことで、責任をそちらに転嫁しようとする防衛的な傾向も見られます。
IEIは、客観的な証明や実証が求められない領域で自分を発揮しようとすることを好みます。自己評価が脅かされると、受動的には「自分は愚かだ」と嘆いたり、「誰も自分を理解してくれない」と訴えたりします。一方で、能動的な反応としては「自分は正しく理解しているのだ」と強く主張し、議論を通じてその正当性を訴えます。彼らの論理は、いわゆる常識や生活の知恵に近く、反論されにくいのが特徴です。自分の生活に入り込んできたあらゆる出来事は、理解し、意味づけされなければならないものと感じています。また、他人の世界に踏み込む際には、自分自身も理解されたいという強い願望を持ちます。
誤解したり、勘を外したりすることに対して強い不安を抱いていますが、そうした場合でも、自分の説明や立場を巧妙に修正し、周囲にその変化を気づかれにくくする能力に長けています。例えば、「ワニは飛ぶよ、ごく低空をね」といった冗談めいた言い回しで話題を逸らすこともあります。また、他者との相互理解に非常に敏感であり、「君は誤解しているよ、私は良かれと思ってやったんだ」といった形で、誤解を正そうと積極的に働きかけます。そして、自らの率直さや誠実さが他者に評価されることを強く望んでいます。
第4機能「欲求」客体的感覚（Se）
IEIは、「力」に強く惹かれる傾向があります。ここでいう「力」とは、社会的な強さや影響力、経済的な豊かさ、威厳、カリスマ性といった広い意味を含みます。目に見える外見や態度からそのような力を直観的に感じ取り、それに自然と引き寄せられていきます。このような人物は、どんな場面でも勝ち馬に乗るように、最も強く影響力のある側に立とうとする性質をもちます。状況が変わって力関係が逆転すれば、それに合わせて自分の立ち位置も柔軟に変えることができます。これは計算ずくというよりは、自然な感覚の動きによるものです。また、周囲に強い人物がいると、その影響を受けてやる気や活力が急激に高まることがあります。少し刺激を与えられるだけで、すぐに精神的に「スイッチ」が入るような反応を見せることもあります。
彼らは自分が何かを支配していたり、優位に立っていたりするという「万能感」を得られる状況に身を置こうとする傾向があります。お金、地位、名声、権威などがその象徴となります。もし社会的に低い立場にいる場合には、手段を選ばず上を目指そうとする意志が強く働きます。他人から何かを押しつけられたときには、それに逆らうのが難しい場面もあります。というのも、「力」のある人に対しては本能的に影響を受けやすく、流されてしまうことがあるからです。そのため、人によっては、最初から少し距離を置いたり、冷たい態度をとったりして、自分を守ろうとすることもあります。活動的でにぎやかな場所に自然と引き寄せられることも特徴です。本人にそのつもりがなくても、いつの間にか仕事や行動の渦中に巻き込まれていて、気づけば思ってもみなかった状況にいるということも珍しくありません。そのため、自分が本当に関わりたいこととそうでないことを見極めて行動することが大切です。また、決断や選択の場面で、周囲の力に押される形で判断を下してしまうこともあります。誰かの強い意志や態度に圧倒され、気がついたときにはその人と同じ立場をとっている、というようなケースです。
興味深いことに、こうした人物は自分に向けられた皮肉や冗談に対して、あまり傷ついたり怒ったりしない傾向があります。そうした言葉にも「力」を感じ取るため、それを一種の賞賛として受け止めることがあるのです。むしろ、そのような場では皮肉や冗談で返すことが多く、場の空気を読む力も発揮されます。最終的に、他人の力に感化され続けるうちに、自分自身が実際に力を持つようになることもあります。これは、外から力を借りているだけでなく、自分の中に新しい力を発見し、育てていく過程でもあります。例えば、小説家カルロス・カスタネダが描いたような「力の探求」のイメージに近いものですが、空想ではなく現実の中でそれを体験するのです。さらに、時には他人に力を発揮させようとする行動をとることもあります。例えば、「アームレスリング大会でも開こう」と提案して、相手の力を引き出そうとするといった具合です。このように、物理的な力のやりとりを通じて人との関係をつくろうとする面も見られます。
第-1機能「悪いもの」客体的直観（Ne）
客体的直観が第-1機能にある人は、外界と自分自身とを切り離して考える傾向があります。たとえ状況がどれほど悪くても、どこか他人事のように受け止めてしまい、気にせず穏やかに過ごすことができます。まるで「外で何が起きていようが、自分には関係ない」と言っているかのようです。そのため、状況が悪く、何か行動を起こす必要があるとわかっていても、実際には何もしないことがあります。行動を起こすよりも、自分の内側の感覚を保つことのほうがずっと大事だからです。彼らは、自分にとって重要な出来事ですら、どこか遠くから観察するような目で見つめることがあります。まるで空を舞う猛禽類のように、冷静に、時には皮肉っぽく笑いながら物事を眺めているような姿勢です。こうした態度のために、他人からは「冷たい」「皮肉屋だ」と思われることがあります。
外界にどれほど自分にとって有利なチャンスがあっても、それをスルーしてしまうこともあります。なぜなら、「今さら動きたくない」「面倒くさい」と感じるからです。本人にとっては、自分の内面に引きこもっている状態がいちばん快適で安心できるのです。この「殻」から抜け出すには、相当強いきっかけや理由が必要です。そうでなければ、外で何が起きていようが、そもそも目に入ってきません。IEIは、外界そのものに対して否定的な見方を持つことがよくあります。「自分は穏やかで内面的にバランスが取れていて、ちゃんと理念に従って生きている。でもこの世界は、戦争や争いが絶えず、人々は欲や見栄を美化して押し通している」といった、冷めた世界観を持っているのです。また、誰かが善意で行った行動に対しても、「どうせ裏があるのだろう」と疑ってかかることがあります。例えば「寄付をしているのは、実は自分をよく見せたいだけなのではないか」といったように、行動の裏側ばかりを気にして、それを細かく分析したがる傾向があります。
しかし、ときには周囲の働きかけによって、この内向きな殻の中から無理やり引き戻されることもあります。そうなると、彼らは外界にある手段を使って自分を守ろうとし、自分の行動を「誰にとっても正当なものだ」と装うようになります。結果的に、少しずつではありますが、現実をもう少し客観的に捉えられるようになることもあります。
第-2機能「不必要」主体的倫理（Fi）
IEIは、自分の本当の気持ちや評価をはっきりと言うことはあまりありません。率直な感情表現は、ごく限られた場面でしか行われず、それ以外では避けようとします。また、自分のことについて、他人が感情を込めて語ってくるような状況、とくに、その場にふさわしくないタイミングで感情を向けられることに対して、居心地の悪さや不快感を覚えることがよくあります。彼らの考えや気持ちが表に出ることもありますが、それはあくまでやんわりとした形で現れます。普段は、相手にとって耳あたりが良く、自分をよく見せるような言葉を選んで話す傾向があります。誰かを批判したいと感じる場面でも、その表現はあくまで丁寧で礼儀正しく、相手の気分を害さないよう工夫されます。
ただし、ある種の「ここでは本音を言っても構わない」という判断が働いたときには、遠慮なくはっきりとした意見を述べるようになります。例えば、相手の言動が我慢の限界を超えたときや、率直に気持ちを伝えても人間関係に悪影響が出ないと判断できるときです。こうした「本音を出してよい」とみなされる状況の判断基準は人によって異なり、個々人の感覚に左右されます。また、自分の気持ちや評価をどうしても表現しなければならないと感じたときには、多くの場合、その場にふさわしいとされる「お決まりの言い回し」や社会的に無難なスタイルを使って伝えます。つまり、感情表現においても、自分なりのルールや世間一般の形式にのっとって行動する傾向が強いのです。
なお、この第2機能に関連する対人活動（つまり、誰かと感情的なやりとりをするような機会）が長いあいだ失われている場合には、少し例外的な変化が起こることがあります。IEIにとってはまれなことですが、もし他者との関わりが極端に減った場合、自分の中に溜まった思いや評価を吐き出すようにして、周囲に対して批判的な態度をとるようになります。その内容は、一般的にネガティブなものになることが多いです。こうしたプロセスを通じて、彼らの内面にある主観的な感情と、外界の現実とのあいだにあるズレが少しずつ調整されていきます。結果として、再び人との関係性のなかで前向きに動き出すことができるようになり、最終的には他者とのあいだに「共通の理解」や「認識の一致」が生まれていくのです。
第-3機能「問題解決」客体的論理（Te）
IEIは何か問題が起きたときに備え、専門家の連絡先をまとめたノートをいつも携帯しています。これは、機械の故障や制度の仕組みなど、客観的な世界の問題を解決するときに役立ちます。また、理解に困ったときには教科書や百科事典を参照することも効果的です。これらの資料は情報が整理されているため、理解が進みやすいのです。彼らは参考書やマニュアルもよく持ち歩いていますが、それらを使うのは問題が起こってからがほとんどです。問題が起きるまでは、誤ったやり方を続けてしまうこともよくあります。例えば、車の扱い方を間違えていても、故障が起こるまでは気づかないことがあります。ただし、常に受け身なわけではなく、問題が起きる前に予想されるトラブルの解決方法を集めておくこともあります。そうした情報は必要なときに他人と共有し、後々の負担を減らそうとします。しかし、すべての問題をあらかじめ予測して準備するのは簡単なことではありません。
第-4機能「したくない」主体的感覚（Si）
IEIは病気や感染症を非常に恐れ、まるで「5分ごとに手を洗う」かのように衛生に気を使うことがあります。医療機関に行くことや治療を受けることには強い抵抗感を持っています。また、自分の体の状態について話すのを好みません。「美味しい・まずい」や「快適・不快」といった感覚の話題に消極的で、他人がそうしたことを率直に話すと不安を感じることもあります。体調が悪くても、他人に相談せずに我慢することが多いです。自分の体の状態を詳しく話すこともあまりなく、その場の空気を読んで、周囲が期待する無難な言葉で済ませることが多いのです。しかし、明らかに不快な状況に置かれ、それを避けられない場合には、自ら体調の話題を口にすることもあります。そうすると、周囲から「体を鍛えたほうがいい」「スポーツをして体力をつければ病気になりにくい」といった励ましを受けることがあります。こうした言葉を聞くと安心感が生まれ、その場の居心地が良くなることが多いのです。
要約
IEIは「非合理型」に分類されます。これは、本人の内面に一貫性がなく、気分や反応が予測しづらいという特徴を意味しています。ただし、外から見える行動や見た目には、大きな変わりは見られません。服装、仕事、普段のふるまいなどは、どれも一般的で目立たないものになりがちです。第1機能は、起こりにくい出来事やあまり現実的ではない可能性と関係しています。そのため、この機能が強く働くことで、内面の気まぐれさや浮ついた印象がさらに強まることがあります。これは、落ち着きや安定性を欠く要因として、否定的に見られることがあります。第2機能は、よくある出来事や起こりやすい事態と関係しており、外に向けて表現される「成果物」もごく一般的なものになりやすい傾向があります。そのため、本人の内面の複雑さとは裏腹に、外から見える部分は非常に型にはまっており、かえって個性が感じられにくくなる場合があります。こうした内と外のギャップの大きさは、本人と現実との接点を持ちづらくし、周囲との調和を難しくすることがあります。つまり、内面では強い理想や感情の動きがあるにもかかわらず、それが表現されたときには平凡なものとして受け取られやすいのです。
IEIは内向的であり、自分自身を外界とは少し切り離された存在としてとらえる傾向があります。周囲の環境に自分が自然に溶け込んでいるという感覚よりも、むしろ「自分は別のところからこの世界を見ている」と感じやすいタイプです。そのため、自分のことを他人に細かく話すことを好まず、プライベートな情報はあまり共有しようとしません。本人にとって、自分自身は理解しづらい複雑な存在に思えています。その一方で、外界の仕組みについては比較的わかりやすいと感じているため、自信をもって周囲に働きかけたり、場の主導権を握ったりすることができます。IEIにとって大きな影響をもつ欲求は、外界に働きかけることに関連しています。そのため、本人が健康的に生活するには、ストレスが少なく、落ち着いた環境に身を置くことが重要です。過度に競争的だったり、攻撃的な環境には適応しづらく、気質的には静かで穏やかな「粘液質（フレグマティック）」に近い傾向があります。
創造的な能力も高く、それは第2機能に本人の主要な欲求が関係しているためです。ただし、第1機能に対応する欲求はあくまで副次的なものであるため、自発的に行動する力や、自分から積極的に動くエネルギーはやや不足しがちです。また、自己評価は主要な欲求とはあまり関係がないため、自信を失うときは本人にとっても予想外のかたちで起こることがあります。自分ではあまり意識していない部分で落ち込んだり、突然やる気をなくしたりすることもあります。IEIは、日々多くの情報を受け取りながら生きており、その中から「どの方向に進むべきか」を見極める力には優れています。しかし、それを実際の行動に落とし込み、粘り強く取り組むことは苦手です。そのため、せっかくの洞察を活かしきれないまま終わってしまうことも少なくありません。目標を具体的に形にするためには、実務的な作業が得意な協力者を見つけ、一緒に取り組むことが大きな助けとなるでしょう。
タイプの特徴
- 自己確信の領域：原則を重視する
- 自信を持って扱える領域：妥協的で柔軟性がある
- 共感の領域：他者の感情に対して理解を示す
- 受容の領域：意志が強く、無意識のうちに外部からの支援や影響を受けやすい
成功の鍵
- 経済的に安定し、社会的地位のある場所や環境に身を置くこと。
- 周囲の世界を深く理解し、人々とのあいだに完全な相互理解を築くこと。
- 理念に基づく原則的な世界観を保つこと。
- 人と人とのあいだに「橋をかけ」、友情を築くその能力が社会から求められること。
職業
製品販売のマネージャー、心理学専門職、司会者（進行役）、学校の教師、あらゆる商品やサービスの販売員、娯楽ジャンルの芸能人、芸術家、思想的指導者（イデオロギー提唱者）
