タイプ2とタイプ4の間には表面的な類似性が全くないわけではありませんが、タイプ2が自分をタイプ4だと思い込んでしまったり、その逆にタイプ4が自分をタイプ2だと思い込んでしまうことはほとんどありません。
タイプ2とタイプ4の間での誤認は、次の3パターンあります ─ 大別するとタイプの定義に関する理解が浅いせい、性別の影響、統合退行の関係にあるせい。
一つ目のパターン「タイプの定義に対する理解が浅い」は、「最近人間関係で上手くいかなかった」「憂鬱になることがある」「芸術的な分野に興味がある(あるいは才能がある)」等と思ったタイプ2が、自分はタイプ4ではないかと思い込んでしまう場合と、その逆に「自分は人に優しい方だ(あるいはなるべく人に優しくしたいと思っている)」と思ったタイプ4が、自分はタイプ2ではないかと思い込んでしまう場合があります。
しかし、これらの特徴は、実際には全ての人に多かれ少なかれあてはまるものです。このパターンの誤認に陥らないようにするためには、背後に潜む動機や、なぜそうなのかという部分を考える必要があります。
二つ目のパターン「性別の影響」とは、タイプ2以外の女性(特に古風な価値観で育った女性や、宗教的な家庭で育った女性)が、「私はタイプ2ではないか」と思ってしまうせいで発生する誤認のことです。これはタイプ4に限らず全ての女性(あるいはタイプ2的な価値観を重視する家庭で育った男性)に怒りやすいパターンの誤認です。
三つ目のパターンは「統合退行の関係にあるせい」というものです。ストレスを抱えているタイプ4は、一見するとタイプ2に似た言動をとる可能性があります。しかしタイプ2に退行しても、彼らの抱えている本質的な問題(囚われ、根源的恐れ、欲求)がタイプ2のものに変わるわけではありません。
タイプ概要
タイプ2 | タイプ4 | |
---|---|---|
囚われ | プライド | 妬み |
根源的恐れ | あるがままの自分では愛されず、求められない | アイデンティティがないこと 個人的な存在意義がないこと |
根源的欲求 | 愛されていると感じること | 内面の体験からアイデンティティを作ること 自分自身と自分の存在意義を見つけること |
超自我の声 | 人から愛され、その人たちと親しければ大丈夫だ | 自分に正直であれば大丈夫だ |
共通点
タイプ2とタイプ4は下記の点が共通しています。
- どちらもハートセンターに属するタイプ
- 人間関係の浮き沈みに振り回されやすい
相違点
タイプ2とタイプ4は下記の点が異なっています。
タイプ2 | タイプ4 |
---|---|
自分から他者に近づく | 「誰かに自分を見つけてほしい、そばに来てほしい」と思いながら、一人の世界にこもる |
「自分の助けを求めている誰か」を求める | 「自分を助けてくれる誰か」を求める |
他者の気持ちには非常に敏感な一方で、自分の気持ちや真の動機には鈍感(健全度が悪化するほど、タイプ2は自分の真の動機「愛やサポートを与えることで、他者にとって必要不可欠な存在であり続けたい」を自分から隠してしまい、結果的に無自覚なマニピュレーターになる傾向がある) | 自分の気持ちに過敏。自分の激しい感情を一方的に他者に表現して、他者から感情的な反応を得たいと願う傾向がある(それによって相手がどのような影響を受けるかは、あまり考えない) |
ユングのタイプ論との関係
ドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソンの著書「Personality Types: Using the Enneagram for Self-Discovery」のTable 14.2. The Jungian Correlationsでは、タイプ2は外向的感情に、タイプ4は内向的直観に近いとされています。