タイプ3とタイプ9が共通して苦手とする状況や特徴、そしてその際に現れる内面的な違いを整理しました。
なお本記事はドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソンの情報を参考にしてサイト管理人独自の観点から整理したものであり、正確な原典を知りたい方にはオススメできない記事です。ご注意下さい。他のタイプの比較:「エニアグラム 全タイプ比較」
嘘やごまかしが明るみに出る場面
- タイプ3: 自分の努力や成果を誇張していたことが発覚したり、失敗が他者に見抜かれたりすることを耐えがたく感じます。表面的には笑顔で取り繕い、「大丈夫」と振る舞いますが、内面では自己価値が崩れる不安に苦しみます。心の奥では「認められなければ自分には価値がない」という思い込みが強く、取り繕うほどに虚しさを感じます。無意識では、自分の嘘が暴かれた瞬間に全てが崩れる恐怖を抱え、必死に見栄を保とうとします。
- タイプ9: 約束を破ったり、責任を果たせなかったことが明るみに出ると、強い不快感を覚えます。表面的には「仕方ない」と穏やかに振る舞いますが、内心では平穏が乱れることに動揺します。心の奥では「対立さえしなければ大丈夫」と問題を見ないふりをし、罪悪感を感じないよう心を鈍らせます。無意識では、責められることへの恐れから現実を避け、感情を切り離してしまうことが多いです。
努力が認められず無視される場面
- タイプ3: 一生懸命頑張ったのに評価されず、代わりに他の誰かが称賛される状況に耐えられません。表面的には冷静を装い、「次に挽回すればいい」と言いますが、内心では強い焦りと自己否定の感情に駆られます。心の奥では「努力が報われない自分には価値がない」と感じ、無意識では他者を出し抜くことを考えてしまうこともあります。その結果、自分への不信感が強まり、虚しさが募ります。
- タイプ9: 努力が認められなくても、「まあいいか」と流すことが多いですが、内心では不満を抱えています。自己主張ができない自分への苛立ちや、他者の評価に依存していることへの不安を感じます。心の奥では「目立たなくても問題ない」と自分に言い聞かせますが、無意識では関心を失うことで傷つかないよう心を閉ざします。その結果、現実と向き合う気力をなくし、無気力な状態に陥りがちです。
チームの和や成果を損なう無責任な行動
- タイプ3: チームの成功を邪魔するような怠惰な人がいると、強い苛立ちを覚えます。表面的には「自分が何とかする」と前向きに対応しますが、内心では「無能な人と同列に見られたくない」と思っています。心の奥では、自分の評価が下がることを恐れ、無意識では他者を切り捨ててでも自分の地位を守ろうとします。その結果、周囲との距離が広がり、孤独感が増していきます。
- タイプ9: 同じ状況でも、責任を果たさない人に対して静かに不満を抱きます。表面的には「みんなで協力すればいい」と穏やかに接しますが、内心では調和が乱れることに強い不安を感じます。心の奥では「自分が我慢すれば済む」と考え、無意識では問題を直視せずに心を麻痺させます。その結果、自己犠牲が続き、現実から目を背けることで無力感にとらわれることが多くなります。
親との関係における位置づけ
共通点
幼少期に受けた親の影響
- タイプ3とタイプ9は、幼少期の親との関係がその後の自己認識や行動に大きな影響を与えます。タイプ3は親の期待や評価を基に自己を築き、タイプ9は親との一体感を通じて自己感覚を育みます。
感情の扱いに関する課題
- どちらのタイプも、親との関わりの中で生じた感情をうまく処理するのが難しい傾向があります。タイプ3は親の期待に応えるために感情を抑え込み、タイプ9は親との関係を壊さないように感情を押し殺すことが多いです。
自己形成の基盤
- 親との関係が自己イメージの土台となり、タイプ3は親の価値観を反映した自己像を作り、タイプ9は親との結びつきを通じて自己を見出します。この影響は成長後の生き方にも深く根付きます。
相違点
親に対する適応の仕方
- タイプ3: 親の期待や承認を得るために自分を調整し、成果や成功を通じて関係を強化しようとします。親の評価が自己価値の基準になりやすいです。
- タイプ9: 親との調和を最優先し、自分を抑えることで安心感を得ます。親との衝突を避け、感情の安定を保とうとします。
親との関係を築く目的
- タイプ3: 親との関係を自己成長や目標達成の手段と捉え、期待に応えることで自己の価値を確かめます。そのため、関係が成果志向になりがちです。
- タイプ9: 親との関係を内面の安定や平和を得るためのものと考えます。自己主張よりも親との一体感を大切にし、関係が安定志向に傾きます。
親との葛藤への対処
- タイプ3: 親からの期待の重圧や不和を感じると、それを表に出さず、自分を偽るか、成果を上げることで埋め合わせようとします。こうした葛藤が自己否定や孤独感につながることもあります。
- タイプ9: 親との対立を避けるため、葛藤を無視するか抑え込み、現実から距離を置く傾向があります。その結果、不安を内に抱えたり、感情が分離してしまうことがあります。
タイプ3とタイプ9は、親との関わりが自己形成に大きな影響を与える点や、感情の扱いに課題を抱えやすい点で共通しています。しかし、向き合い方にははっきりとした違いがあります。タイプ3は親の期待に応えることで自己を証明しようとし、タイプ9は親との調和を守ることで自分を安定させようとします。こうした違いが、彼らの行動や人間関係の築き方に決定的な影響を与えています。
参考資料
- Don Riso and Russ Hudson (1996), Personality Types:Using the Enneagram for Self-Discovery
- Misidentifying Threes and Nines