ILIは、「戦略家の中の戦略家」とも言えるタイプです。直観力と論理性の両方に優れており、人生の仕組みに関する深い理解と知恵を備えています。ILIの特徴は、「用心深さ」と「先を読む力」です。
歴史上の代表例として、ロシア帝国の軍人ミハイル・クトゥーゾフがいます。彼は一生を戦争に費やしましたが、大きな勝利を収めたわけではなく、その戦果ははっきりしないものばかりでした。それでも彼は、最も偉大な軍事指揮官のひとりとされています。ナポレオンやスヴォーロフは彼を「賢い狐」と呼びました。なぜでしょうか。それは、クトゥーゾフが「ナポレオンに正面から戦っても勝てない」という現実を冷静に認めていたからです。ナポレオンは攻撃の天才で、戦闘計画を綿密に立てる人物でしたが、クトゥーゾフは「撤退」を戦略として使いこなしていました。軍の一部だけで敵を食い止めつつ、戦闘体制から行軍体制へと柔軟に切り替える──これは軍事作戦でも特に難しいことです。クトゥーゾフは、ナポレオン軍が騎兵のための飼料を確保できなくなると予測し、見事に的中させました。戦争が終わる頃、かつて50万〜60万人いたナポレオンの「グランダルメ(大陸軍)」は、5,000人にまで減っていました。一方、クトゥーゾフは決戦に備えて、自軍の半分の兵を温存していたのです。ILIの大きな弱点のひとつは、自分の感情をうまく表現できないことです。例えば有名な話として、激戦であったボロジノの戦いの最中、軍法会議中にクトゥーゾフがゆったりと、落ち着き払って鶏料理を食べていたという逸話があります。
このタイプの人は、暗くて不機嫌、そして憂うつそうな印象を与えることもあります。しかし、そうした悲観的で疑い深い「仮面」の裏には、理想を追い求める夢想家の一面があります。ILIは「けちな騎士」と思われたくないために、思い切った行動や気前の良さを見せることがあります。例えば、親しい人に高価なプレゼントを贈るなどです。とはいえ、ILIが無計画にお金を使うことはまずありません。たいてい、お金をいくら使うか、いつ止めるかをあらかじめ計算しています。
ILIは「感覚機能」が弱いため、外見への関心が薄い傾向があります。中にはその傾向が強まり、身なりがだらしなくなる人もいます。全体として、ILIは服装において華やかさよりも実用性やシンプルさを重視します。