IEE(ENFp、心理学者、記者、オルダス・ハクスリー)
自我ブロック
IEEは、人の自然なふるまいや場のぎこちなさ、心理的な相性の良し悪しにとても敏感で、そうしたサインをよく見ています。この感受性は、「その人が本当はどんな人なのか、性格や動機、本心をどれくらい出しているかを見抜く力」と、「人が物事についてどう感じているか、どんな意見を持っているかを察する力」の両方に基づいています。このような敏感さがあるため、IEEはどんな場にいるかを慎重に選びます。誰と関わるか、どのグループに入るか、誰とどれくらいの時間を過ごすかなどを細かく気にします。また、緊張したり、息苦しかったり、どこか不自然に感じるような場には、はっきりと批判的になることもあります。人の性格や場の雰囲気についてよくコメントします。他人の人間関係や行動、その背景にある理由について、自分の考えを語ることがよくあります。たとえ誰かに求められていなくても、です。また、一対一の対話を好み、自分の人生経験から得た気づきを深く分かち合うことに強く惹かれます。
第一機能:Ne(外向直観)
IEEは、新しいアイデアや可能性にすぐ夢中になり、ほとんど衝動的に取りかかることがよくあります。まだ実現していない未来に気を取られ、今取り組んでいることを最後までやり遂げたり、形にするのが苦手です。何かを終わらせるより、新しいことを始めるほうがずっと気楽に感じられるのです。新しいチャンスやワクワクすることに気づくと、IEEは驚くほどの速さで動き始めます。その勢いに、周りが驚くこともあります。IEEにとっては、新しいチャンスやアイデア、人との出会いを探る「自由な時間」がとても大切です。どれだけ忙しく責任があっても、そうした探求を手放すことはありません。
IEEは全体像を素早くつかむのが得意で、見聞きしたことから自然とパターンや傾向を見つけ出します。新しいことを学ぶときには、細かい事実を覚えるより、基本的な原理やそれらのつながりを理解することを重視します。ひとつのことを深く掘り下げるより、いくつかのアイデアを組み合わせる方が得意です。どんな小さなチャンスでも逃したくないという気持ちが強く、「全部試してみたい」と思っています。また、彼らは皮肉や予想外の出来事にも強く惹かれます。そうした意外性に、戸惑いながらもワクワクするのです。
第二機能:Fi(内向倫理)
IEEは、人の気分や場の空気、感情の動きに自然と敏感です。人の気持ちを傷つけるようなことはあまり言ったりせず、むしろネガティブな感情を生む人や場面からは静かに離れようとします。人との心の距離をうまく調整でき、必要に応じて丁寧で事務的にも、親しみやすく温かくも振る舞えます。誰かが悲しんでいるとき、IEEはまずその理由を理解しようとします。そして、やさしい言葉や思いやりのある行動で相手を元気づけようとします。強いネガティブな感情に直面しても、自分の感情はあまり表に出さず、表情も大きく変わらないことがよくあります。
IEEはいつも親しい人たちの気持ちを心に留めています。相手の感情がはっきりしないときは、さりげなく声をかけたり反応をうかがったりして、相手の態度(相手が自分のことをどう思っているのかと言う情報)を引き出そうとします。IEEは周囲の人の意見や気持ちを大切にし、対立や不快感を生むような言葉は自然と避けます。そうした態度は努力しているわけではなく、自然に出てくるものです。実際、IEEは自分と他人の考えをうまく合わせるために、寛容で柔軟な人生観を持とうとする傾向があります。人と接するとき、IEEはその場の感情の流れにすぐ気づき、相手の気持ちや意図を読み取ろうとします。そして、相手の行動の背景にある理由を察したときは、それが正しい理解かどうかを確認しようと対話を重ねます。ただし、相手を実際に助けるかどうかは、その人がIEEにとってどれだけ大事な存在か、例えば親しい友人かどうかなどによって変わります。
超自我ブロック
IEEは、人間関係やグループ、組織などに長く関わることに対して、どこか身構えるところがあります。というのも、そうした関わりには、義務や自由の制限がつきものだからです。彼らは、自分の衝動的で自由を愛する性格(新しい人や物事を探す好奇心)が、ルールや要求によって押さえつけられることを強く恐れています。たとえ自分に関係のない小さなルールであっても、「自由を守りたい」という気持ちから、必要以上に反発してしまうことがあります。そのためIEEは、人と関わるとき、自分の好奇心や自然な関心に従い、無理のないペースで少しずつ関係を築こうとします。相手や社会が自分に何を求めているかを考えるのはあまり得意ではなく、人間関係や責任、期待などをはっきりさせることを避けがちです。また、他人から枠や制限を設けられると、それだけで圧迫感を覚え、強く反発することもよくあります。
IEEが約束を避けたり、どこかつかみどころのない、予測しにくい雰囲気を持っていたりすることは、チームで協力したい人たちにとって、いらだちや混乱のもとになることがあります。特に、ルールに従い、予測可能で協調的に動くことが求められる場面では、IEEの反発心が強く出ることがあります。彼らは、根気や責任感が必要な集団活動から途中で離れてしまうこともありますし、最初はまじめに取り組んでいるように見えても、次第に本来の自由な自分に戻り、最終的にチームの期待を裏切ってしまうこともあるのです。
第三機能:Se(外向感覚)
IEEは、相手に指示を出したり、自分の見聞きしたことをはっきり言ったりと、率直で毅然とした態度を取ることができます。ただし、そうした態度は長くは続きません。というのも、IEEは自分の言い方が相手にどんな印象を与えるかをすぐに深く考えてしまうからです。例えば、自分の発言が相手を怖がらせて、気軽に話しかけてもらえなくなったり、人間関係がぎくしゃくしたりするのではないかと心配になります。そう思うと、IEEは断定的な言い方を避けようとします。そのため、たとえ毅然とした態度が効果的な場面(例えば子育て)でも、それを保ち続けるのは難しく感じます。
IEEが誰かに直接挑まれたり、誰かがやり方を見せて、それを自分や自分のグループでやるように求められると(例えば教師が組み立て方を見せ、生徒にやらせる場合など)、IEEは「自分もできる」と示したい気持ちが強くなります。できれば、最初に見せてくれた人と同じかそれ以上に、うまく・速くやりたいと思います。少なくとも、自分のグループの中では一番でありたいのです。そうできないと、「失敗した」と感じます。初心者であっても、IEEは自分の能力を証明したいと強く思うのです。「私はちゃんとできる」「この課題はきちんとこなせる」と周りに見せたい気持ちが、IEEを動かします。逆に、うまくできずに人からやり方を教わることになると、IEEはとても気まずく、恥ずかしく感じます。一度でもやり方を見せてもらっていれば、自分でできるべきだと考えているからです。
IEEは、意志力やモチベーションの自己管理が必要なタスクを続けるのが苦手です。というのも、関心が移ろいやすく、やる気を保つのが難しいからです。例えば、運動を習慣化することや、ダイエットを続けること、決まった時間に決まった用事をこなすことなどが挙げられます。自然にやる気が出ないと、無理に頑張ることができません。また、周囲から「頑張って」と励まされても、IEEはそうした外からのプレッシャーに反発しがちです。渋々応じることもありますが、それが長続きすることは少なく、外からの働きかけが続くと、IEEはどうにかしてその状況から抜け出そうとします。
第四機能:Ti(内向論理)
IEEは、ある概念や仕組みを「必要な事実だけを簡潔に伝える」という説明の仕方があまり得意ではありません。IEEにとって大事なのは、その概念をどう理解し、どんなふうに見ているのかという自分自身の内面的なプロセスなのです。何かを説明するよう求められると、IEEはまずその背景や関連する要素、自分が理解に至るまでに得た経験や知識などを語ろうとします。たとえそれが聞き手にとっては関係ないように思えても、IEEにとってはそのような細かい情報が全体の理解には欠かせないと感じています。つまり、他の人には「余計」と思われるような話も、IEEにとっては説明を正しく伝えるために必要だと考えているのです。説明を始めると、IEEは情熱と根気を持って多くの細部を語りますが、疲れてきたりすると、説明がだんだんと大まかになっていくことがあります。また、説明の途中で誰かに話を遮られたり、一部に疑問を挟まれたりすると、IEEの中で組み立てていた全体像が止まってしまったり、崩れてしまうこともあります。IEEは、論理的な概念や仕組みを理解していても、それを単に事実だけで説明するより、体験談やエピソードを交えて話す方が得意ですし、そちらの方を好みます。客観的に要点だけを伝えるよりも、自分の経験を通して語る方が自然なのです。
IEEの行動は、外から見ると一貫性がなかったり、非合理的に見えることがあります。しかしIEE自身にとっては、それぞれに文脈や意味があり、その時々の状況に応じた判断に基づいて行動しています。例えば、家から3キロメートルほどの距離にある銀行の支店を避けて、わざわざ40キロメートルも離れた別の支店に行くことがあります。他人から見れば「近い方が便利なのに」と思うかもしれませんが、IEEにとってはそうではありません。近くの支店に対して、何かしら心理的に行きたくない理由があるのです。例えば、避けたい人がいるとか、恥ずかしい思い出があるなど、理由は様々ですが、IEEはそのときの感情や意味づけをもとに、自分の行動に納得がいくよう理由づけをします。
また、IEEは自分が属している社会的な枠組みや集団に対して非常に敏感で、強い意識を持っています。その対象は、「家族」のような身近なものから、「政治的立場」や「宗教的信条」などの大きなものまで様々です。IEEは、これらの集団が関わり合うことでどんな影響や衝突が起きるかを、自然と頭の中でシミュレーションする傾向があります。IEEは興味の幅が広く、様々な集団や立場に関わることが多いため、そうした人々が出会ったときに対立が起きるのではないかと心配になることがあります。そのため、IEEはときに自分がどこに属しているのかをあえて隠すこともあります。IEEは、自分が所属する集団だけを見て判断されたり、誤解されるのを強く嫌うのです。もしIEEが「自分とは違う間違ったカテゴリー」に分類され、その相手が自分の話を聞こうとしないと感じたとき、IEEは深く傷つきます。IEEはそれを、自分の人格を否定されたレッテル貼りのように感じてしまうからです。
超イドブロック
第五機能:Si(内向感覚)
IEEは、自分の体の中で起きていること、例えば体の感覚や、本当の欲求に合っているかどうかといったことにあまり意識が向きません。自分でも理由がよくわからない好みやこだわりがあることもありますが、それをどう満たせばいいのかわからず、戸惑うことがあります。体の感覚については、IEEはたいてい新しいものより慣れたものを選びます。慣れているものの方が、確実に心地よいとわかっているからです。例えば、決まったレストランではいつも同じ料理しか頼まず、それを食べたい気分でないときは店に行きません。過去に苦手だったものは、「新しいレシピ」だとしても頑なに避け、試そうともしません。自分のベッドで眠るのが一番落ち着くと感じていますが、友人にお泊まりを誘われると、そのことをすっかり忘れて流されてしまい、結果として睡眠の質が下がってしまうことがあります。そして、その経験を活かせず、同じような失敗を繰り返すことがあります。
人前で自分の魅力や性的な面をアピールすることは、ほとんどありません。ただ、信頼できるごく親しい人たちとの間では、自分の魅力を育てたり高めたりしたいと望んでいます。また、相手にとって心地よい存在でいたいと密かに思っています。鏡の前で見た目を気にして、きちんとしていながら自然でリラックスして見えるように試行錯誤することもあります。イベントでは、気合いを入れすぎた格好を「やりすぎ」と感じて恥ずかしく思うため、いかにも「たまたま来た」という雰囲気の服装を好みます。そのため、身だしなみを整えるためにかけた時間や手間を軽く扱い、自分から話すことも避けがちです。
体調を崩しても薬を飲もうとしなかったり、「うっかり忘れたことにする」ことがあります。体の不調には、我慢できなくなるまで目を向けないというのが典型的な対応です。新しいプロジェクトに夢中になっていたり、人との交流に積極的になっているときには、食事や睡眠をすっかり忘れてしまうこともあります。疲れや空腹、喉の渇きやトイレに行きたいといった感覚も放置しがちで、限界が来て集中力が切れるまで、それに気づこうとしません。
第六機能:Te(外向論理)
IEEは、自分の興味があることや、効率よく生産的に行動するのに役立つ分野について、事実に基づく知識を集めるのが好きです。ただし、自分で正しい情報を見つけたり選んだりする自信はあまりなく、その分野で信頼できると感じる人に惹かれ、そうした人に安心感を求めがちです。効率をとても大事にしていて、うまくできなかったときには内心で自分を責めることがあります。自分の行動にはきちんと理由があることを人に伝えたがり、丁寧に説明しようとします。また、雑学や豆知識を集めて人に話すのが好きで、物知りだと思われたい気持ちもあります。IEEは「知識は誰とでも自由に分け合うべきだ」と強く信じています。そのため、「秘密にしてほしい」と言われると心理的に負担になります。情報源を信じすぎることがあり、間違った情報を広めることには強い抵抗や嫌悪感を抱きます。科学や数学の概念には関心を持ちますが、それを実生活で使うことにはあまり興味が続かず、すぐ飽きてしまうこともあります。
イドブロック
第七機能:Ni(内向直観)
IEEは、今の流れが将来どうつながるかを考える議論や、個人的に意味のある想像のビジョンを深く理解できます。ただし、一つの流れやビジョンに集中するよりも、現実の「今この瞬間」から出発して、色々な可能性を探すほうを好みます。現実が変化するものであり、見たままではないこともあると理解していますが、そうした見方を掘り下げるよりも、実用的な視点を保つようにしています。IEEにとって「もし~だったら?」という問いかけは、たいてい現実逃避ではなく、自分の未来を変えるためにできる選択肢を考えるものです。例えば、「車ではなく自転車で通勤したらどうなるか」といった具体的な想像には関心がありますが、「もし重力という物理法則が存在しなかったら?」といった非現実的な空想にはあまり興味を持ちません。
第八機能:Fe(外向倫理)
IEEは、みんなが楽しく過ごし、明るい雰囲気のある場を好みます。そうした空気を作るのも得意ですが、それを人生で一番大事なこととは思っていません。自分からそういう雰囲気を求めたり、保とうと努力することはあまりなく、場の雰囲気(楽しく明るい雰囲気を保つこと)にこだわりすぎるのはやりすぎだと感じています。IEEはとても共感力があり、友人や知人が感情を吐き出したいときには、しっかり耳を傾けます。話を聞くだけでなく、実際に役立つアドバイスをすることもよくあります。また、前向きな見方を示すこともありますが、それが相手に響いていないと感じたら、無理に押しつけることはしません。基本的には相手を本気で気づかっていますが、自分まで相手の感情に巻き込まれるのは避けたいと思っています。ただし、こうしたサポートが長く続くと、「つらそうな人がいるのに、自分だけ幸せでいていいのか」と罪悪感を感じ、疲れてしまうことがあります。人間関係での対立は、IEEが非常に苦手とするもののひとつです。誰とでも仲良くしたいと思っており、対立している人同士とも良い関係を保とうとします。そのため、どちらかの味方だと思われるのを強く嫌がります。こうした状況では、自分の本音や立場が伝わらないよう、あえて意見をあまり言わないことが多いです。
ソーシャル・ロール
IEEの一般的なソーシャル・ロール(社会の中で、人が自然と演じがちな役割やキャラクター)は下記のようなものです。
- 自称心理学者。人の恋愛、仕事、人生の悩みに強い関心があり、「何が問題か」「どうすればよくなるか」を真剣に考え、的確なアドバイスをしようとします。
- 人と人をつなぐ橋渡し役。様々な分野の人と広く関わり、「この人とこの人は気が合いそう」と感じたら、自分から積極的に紹介します。
- 中立的な調停者。「誰の意見にも一理ある」と考え、対立する人たちにも、それぞれの立場や考え方を丁寧に伝えます。どちらかに偏ることなく、公平な立場を大切にします。