判別が難しいタイプです。健全度が平均的なレベルのタイプ3と平均的~不健全なレベルのタイプ7はよく似ています。また、特に躁状態にある不健全なタイプ7は誇大妄想を抱く傾向がありますが、これは自己愛の強いタイプ3に見られる肥大化した自尊心の感情によく似ています。
また、タイプ3は、自分を引き立たせることができるようなアイデンティティを探し求めているタイプであるため、他のタイプではないかと思いやすい傾向があることも、この組み合わせの判別の困難さに拍車をかけています。
両者ともに、自己意識(外界や他者とは違うものとして自分自身を意識すること)を維持するために、見掛け上は同じようなものを追い求めますが、なぜ追い求めるのかの動機は異なります。またタイプ3の特徴である自己検閲をする傾向があるかどうかに着目すると判別しやすいと言われています。
タイプ概要
タイプ3 | タイプ7 | |
---|---|---|
囚われ | 欺き | 貪欲 |
根源的恐れ | 無価値であること、 達成したこと以外に価値をもたないこと |
必要なものを奪われてしまって 痛みに囚われること |
根源的欲求 | 自分に価値があり、好ましい人間で、 受け容れられていると感じること |
幸福で、満足していて、充足していること |
超自我の声 | 成功していて、 人からよく思われれば大丈夫だ |
必要なものを手に入れたら大丈夫だ |
共通点
タイプ3とタイプ7は下記の点が共通しています。
- 自己主張が強い(ホーナイの自己主張型)
- 富やステータスシンボルの獲得を追求する
相違点
タイプ3とタイプ7は下記の点が異なっています。
タイプ3 | タイプ7 |
---|---|
自己意識を維持・強化するための方法は、物(ステータスシンボル)を所有することで優越感を得ること | 自己意識を維持・強化するための方法は、刺激的な体験をし続けること(そのために物を求める) |
豪華客船に乗ったとして、第三者がそれを知って、羨ましがられて初めて喜びを感じる | 豪華客船に乗って刺激的な体験ができれば喜びを感じる、第三者に知られる必要はない |
「流行の最先端を行く人々」と「その他の人々」という二つの集団のうち、前者の側に自分が立っていることを示すための様々なステータスシンボルを生み出すという意味で流行の最先端を行く人々 | 流行の最先端に一番乗りする興奮を求めているという意味で流行の最先端を行く人々 |
「持つ側の人間として、誰と付き合うか自分が選別できるという優越感」から、他者を見下す | 「他の人々が持っていない高価なものを自分が持っている」から、他者を見下す |
基本的な動機は、ステータスシンボルやキャリア、または単に自分の心の中で、社会的あるいは性的な意味で他の人よりもできるだけ上に立つこと | 基本的な動機は、環境、特に物質的なものからの刺激を継続的に受け取ること |
ベビーシッターを雇う理由は、「自分の仕事に集中してさらなるステータスシンボルを追求するため、あるいはベビーシッターを雇えるほど裕福だということをアピールするため」 | ベビーシッターを雇う理由は、「子供に縛られる時間を減らして、その自由時間にさらなる刺激を探しに行くため(旅行などに行くため)」 |
感情的な問題や個人的な問題を抱えていない完璧な人間として振る舞う(クールで洗練された人間)、そうしたイメージを壊さないかどうかという意味で、自分の言動を自分で検閲する。 | 「こんなことをして人からどう思われるだろう」などの自己検閲はしない。そのため洗練されていない行動や態度であっても、そのまま人に見せる。 |
(健全度が平均的)自分の価値(self-worth; 自尊心、自分は尊敬され、尊重されるに値する人間だという意識)を膨らませるという意味の誇大妄想を抱える | (不健全)自分の能力(物事を達成する能力)に対して誇大妄想を抱える(「自分は何でもできる」) |
(健全度が平均的)自己愛的な意味で尊大になっているタイプ3は、不安(insecure; 安全に対する不安や、不安定さ、不確かさに対する不安)ではなく、失敗や屈辱から逃避しようとする、失敗への恐怖を過剰に補おうとする | (不健全~段階8まで悪化)誇大妄想によって妄想的に現実から逃れようとするが、強烈な不安を抱えている、神経症的な傾向が見られる |
ユングのタイプ論との関係
タイプ3はしいていうなら、外向的思考に似ている部分もなくはありませんが、ドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソンの著書「Personality Types: Using the Enneagram for Self-Discovery」のTable 14.2. The Jungian Correlationsでは、タイプ7は外向的感覚に似ており、タイプ3は該当なしとされています。
参考: