この組み合わせは、タイプ3が「自分はタイプ8ではないだろうか」と思い込んでしまうパターンの誤認のほうが多いです。タイプ3とタイプ8の関係に限らず、タイプ3は、自分を引き立たせることができるようなアイデンティティを探し求めているタイプであるため、他のタイプではないかと思いやすい傾向があります。
健全度レベルが平均的な場合、どちらも自己主張が強く、競争心も強いため、表面的には確かに似ているタイプです。また、タイプ3もタイプ8も表面的には似たようなものを求めますが(名声、栄光、金、社会的地位など)、「なぜこれを求めるのか」という動機の部分が違います。
ちなみに、タイプ3、タイプ8と同じく自己主張型であるタイプ7も同じようなものを求めますが、タイプ3、タイプ8と違ってタイプ7は「刺激的な体験や興奮を得るための手段」として、こういったものを求めるため、タイプ3、タイプ8の動機にピンとこない一方でこうした動機に思い当たる節がある人はタイプ7かもしれません。
タイプ概要
タイプ3 | タイプ8 | |
---|---|---|
囚われ | 欺き | 欲望 |
根源的恐れ | 無価値であること、 達成したこと以外に価値をもたないこと |
人に傷つけられてコントロールされること、侵害されること |
根源的欲求 | 自分に価値があり、好ましい人間で、 受け容れられていると感じること |
自分自身を守ること、 自分の人生の方向を自分で決めること |
超自我の声 | 成功していて、 人からよく思われれば大丈夫だ |
強くて、自分がいる状況をコントロールしていれば大丈夫だ |
共通点
タイプ3とタイプ8は下記の点が共通しています。
- 自己主張が強い(ホーナイの自己主張型)
- 野心的で競争心がある
- 人の上に立ちたがる
相違点
タイプ3とタイプ8は下記の点が異なっています。
タイプ3 | タイプ8 |
---|---|
「力が欲しい(力を蓄積する手段としての金や栄光、社会的地位も含む)」が中心的な動機 | 「成功して、名声を得て、他人の注目を集め、称賛を浴びること」が中心的な動機 |
マネージャー的 | リーダー的 |
自分と他人の比較をよくする | 自分と他人の比較に時間を使うことは無い |
他人に対して「今すぐ譲歩しろ」とまで思うことはない | 他人に対して「今すぐ譲歩してほしい」と思ってしまいがち |
どれくらい好かれているか、嫌われていないかを意識する | 言うことを聞いてくれればいい、どれくらい自分が好かれているかは気にしない |
失敗を恐れる(自分のイメージに傷がつくから) | 失敗を恐れない(何かを学び、より強くなるためのチャンスになるから) |
目的志向は強いが、世間体は気にする | 世間体よりも、自分の目的を達成することに意識が向いてしまう |
社会的に必要とされることを切望しており、他人の意見に一喜一憂しやすい | 目的達成に夢中になるほど、他人の意見が目に入らなくなる |
ほんの少しの批判にさらされることも苦痛、すぐ折れてしまう(裏では黒い感情でいっぱいになることはある) | 虚勢を張っていることは多いが、批判されても耐えられる |
ユングのタイプ論との関係
タイプ3はしいていうなら、外向的思考に似ている部分もなくはありませんが、ドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソンの著書「Personality Types: Using the Enneagram for Self-Discovery」のTable 14.2. The Jungian Correlationsでは、タイプ8は外向的直観に似ており、タイプ3は該当なしとされています。
参考: