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タイプ1とタイプ9の特徴の整理
タイプ1とタイプ9は、外見上では穏やかで落ち着いた態度を持っているため、混同されることがあります。特に、感情を抑えたり、争いを避けたりする場面では、両者の行動が似ていることがあります。しかし、両者の動機や内面的な意識には大きな違いがあり、これが見分けるポイントになります。以下の比較を通じて、両者の違いを明確にしていきます。
主要な動機づけ
- タイプ1: 正しさと完璧さを追求し、自分や他者を高めようとします。理想に忠実であり、非難を避けるために自分を正当化しようとする強い欲求を持っています。
- タイプ9: 内面的な平和と調和を大切にし、全体との一体感を感じたいと望みます。環境との調和を重視し、変化や葛藤を避けて穏やかな状態を保とうとします。
違い
タイプ1は正義や向上を目指す積極的な動機が特徴であり、タイプ9は平和や安定を保つことに重点を置く消極的な動機が目立ちます。行動が理想実現を目指すか、現状維持を目的とするかが異なります。
健全な状態の特徴
- タイプ1: 賢明で現実的な視点を持ち、深い思いやりと客観性を兼ね備えています。状況に応じて最適な方法を見つけ出し、他者に希望を与える指導者となります。
- タイプ9: 穏やかで受容的な性格を持ち、心から満たされています。信頼と純粋さをもって人々を癒し、調和を築く仲裁者として機能します。
違い
タイプ1は現実の改善に向けた明確な判断力が強みであり、タイプ9は現状を受け入れ、穏やかな包容力を持ちます。行動が改革的であるか、癒し的であるかが異なります。
通常の状態の特徴
- タイプ1: 高い理想を持ち、批判的で規律正しいです。完璧を追求し、自分の信念を他者に押し付けがちで、感情を抑え込んで仕事に集中する傾向があります。
- タイプ9: 従順で順応性が高く、受動的になります。葛藤を避け、問題を軽視し、現実から目を背けて自己満足に浸ることが多いです。
違い
タイプ1は原則を貫こうとする強硬な姿勢が目立ち、タイプ9は平和を優先し、回避的な態度が顕著です。行動が主張的か逃避的かに違いがあります。
不健全な状態の特徴
- タイプ1: 独善的で不寛容になり、他者を冷徹に非難します。強迫観念に支配され、偽善的な行動や深刻な抑うつに陥ることがあります。
- タイプ9: 無力感を感じ、現実を否定して解離が進みます。感情が麻痺し、自己と環境から切り離されることで人格が分裂することがあります。
違い
タイプ1は理想への過剰な執着から攻撃的で懲罰的な態度を取ることがあり、タイプ9は現実逃避から無反応で閉鎖的な状態に陥ります。反応の方向性が、外向的な非難か内向的な閉塞感かで異なります。
葛藤への対応と感情の扱い
- タイプ1: 葛藤に積極的に立ち向かい、自分の正当性を主張します。怒りを抑えつつも、それが行動の原動力となり、ストレスが増すと苛立ちが募ります。
- タイプ9: 葛藤を避け、感情を抑えることで平和を保とうとします。怒りを自覚せず、ストレスが溜まると不安と現実からの遊離が強まります。
違い
タイプ1は葛藤を解決するために積極的に関わり、タイプ9は葛藤を避けることで回避しようとします。感情が行動に影響を与えるか、抑え込むかが異なります。
タイプ1とタイプ9を見分けるためには、それぞれの動機が「正しさの追求」か「平和の維持」かを確認し、葛藤に対する反応が「主張的」か「回避的」かを観察することが重要です。特に、通常の状態では、タイプ1の批判的で規律正しい態度と、タイプ9の受動的で順応的な態度に顕著な違いが見られます。また、ストレス時の反応(タイプ1は議論を強化し、タイプ9は距離を取る)や、感情の取り扱い(怒りを認めるか否認するか)にも注目することで、両者の識別が容易になります。
親との関係における位置づけ
共通点
親からの影響について
- タイプ1とタイプ9は、幼少期に接した親や養育者から受けた影響が、その後の人格形成に大きな役割を果たします。タイプ1は規律や期待を通じて自己を築き、タイプ9は感情的な結びつきを通じて自己を形成します。
内面の調和を求める欲求
- タイプ1とタイプ9は、親との関係から生じた内面的な葛藤に向き合い、調和を求める傾向があります。タイプ1は厳しい規範を基に自分を整え、タイプ9は平和な一体感を大切にし、安定を保とうとします。
感情抑制の背景
- 親との関わりの中で、感情を抑える態度が形成されます。タイプ1は批判や罰を避けるために感情を抑え、タイプ9は不和を避けるために感情を押し込めることが多いです。
相違点
親との結びつきの形態
- タイプ1: 親や保護者との結びつきを断ち切り、独自の規範を築こうとします。自立を目指し、親の影響を超える厳しい自己基準を設けます。
- タイプ9: 親や養育者と強く一体感を持ち、その影響を内面に取り込もうとします。両親との結びつきを通じて自己感覚を形成し、分離を恐れます。
親の権威に対する態度
- タイプ1: 親の権威を不公平や不十分だと感じ、反抗的な態度を取ることがあります。自分でルールを作り、親の影響を超えようとします。
- タイプ9: 親の権威を受け入れ、調和を保つために順応します。親の不和や問題を内面化し、それを避けるように行動します。
自己主張の源
- タイプ1: 親との関係で非難を避ける必要から、自己主張が強くなります。感情を抑えつつも、自分の正しさを主張する力が生まれます。
- タイプ9: 親との一体感が強いため、自己主張が弱くなります。自分の欲求よりも親や他者との調和を優先し、自己を後回しにする傾向があります。
タイプ1とタイプ9は、幼少期における親との関わりが人格形成に大きな影響を与え、感情を抑えながら内面の調和を求める点で共通しています。しかし、そのアプローチには大きな違いがあります。タイプ1は親の影響を断ち切り、自立を目指す一方で、タイプ9は親との一体感を強く求め、依存的な結びつきを維持しようとします。この違いが、タイプ1の強い自己規律とタイプ9の受動的な平和志向として現れ、人生の中での行動に影響を与えます。
外見上の共通点(誤認されやすい理由)
タイプ1とタイプ9は、外見上似ているため、見分けるのが難しいことがあります。どちらも理想を重視し、現実をより良くしたいという思いが共通しています。タイプ1は正義や完全性を追求し、タイプ9は調和や平和を求める点で表れますが、どちらも理想主義的な態度を示すため、似た印象を与えます。また、両者は感情、特に怒りに対して苦手意識があり、内面で抑え込む傾向があります。タイプ1は怒りを抑えて規律を保ち、タイプ9は気づかないふりをして平和を保とうとしますが、どちらも感情を表に出さない点で似た雰囲気を作り出します。
さらに、タイプ1とタイプ9はどちらも内向的で控えめな一面があり、目立つ自己主張を避けることがあります。タイプ1は自己規律を守り、タイプ9は目立たないように周囲に溶け込むことで、穏やかで静かな印象を与えることが多いです。仕事に対しては、どちらも熱心に取り組みますが、タイプ1は生産性を重視し、タイプ9は安定を保とうとします。このため、外から見ると両者は「真面目で落ち着いた人」と見られがちです。特にウイングの影響が強い場合、どちらが主タイプかを見分けるのは難しくなります。例えば、タイプ1が9のウイングを持って穏やかさを増す場合、タイプ9が1のウイングで規律を強めた場合と区別がつきにくくなることがあります。このような外見的な類似点が、両者を混同させる主な理由です。
本質的な違い(見分けるためのポイント)
動機の方向性
- タイプ1: 正義と完全性を追求することが行動の原動力となり、理想を現実に実現しようと努力します。自分や他者がより良い存在であるべきだと信じ、高い倫理的基準を掲げて環境を整えようとします。そのため、自己規律を厳しく守り、誤りを正すことに強い情熱を注ぎます。この動機は、外向きに積極的に働きかける形で現れます。
- タイプ9: 内面的な平和と調和を維持することが最も重要で、現状の安定を保ち、心地よい安心感を求めます。変化や混乱を避ける傾向が強く、自己や周囲に無理な要求をせず、あるがままの状態を受け入れることが多いです。この動機は、内向きで穏やかな状態を守ることに集中し、積極的な介入よりも静かに見守る形で表れます。
葛藤への対応
- タイプ1: 葛藤に積極的に向き合い、自分の信念を守るために議論を恐れません。真実や正義が脅かされると感じると、感情的な衝突を避けず、自分の見解を他者に納得させようと強く主張します。原則を守ることが最優先であり、関係が緊張しても理想を妥協しない姿勢が明確に表れます。この態度は、改革を目指すエネルギーに満ちています。
- タイプ9: 葛藤を避け、争いを起こさないよう問題を軽視したり、無視したりします。調和を保つことが最も重要で、対立を避けて平和を選び、感情的な波風を立てないよう努めます。問題が発生しても静かにやり過ごし、仲裁や和解を通じて穏やかさを取り戻そうとします。この対応は、回避的な態度が特徴です。
感情の扱い
- タイプ1: 怒りを感じながらも、それを抑えて自己規律や行動のエネルギーに変換します。感情を外に出すことは少なく、理想を追求するための力として内面でコントロールします。この抑えた怒りは、批判的な態度や他者への指導として間接的に現れることが多いです。感情を認めつつ、それを建設的な形で昇華させるのが特徴で、自己統制が強いです。
- タイプ9: 怒りを自覚せず、無意識に抑え込み、その存在を否定しがちです。感情が平和を乱すものだと感じ、それを認めないようにし、内面にため込むことで穏やかさを保とうとします。この抑圧された怒りは、受動的な抵抗や距離を置く行動として現れることがあり、本人はその影響に気づかないままで行動に現れることがあります。感情への気づきの不足が特徴です。
活動への姿勢
- タイプ1: 高い生産性を目指し、仕事や目標達成に強い意欲を持っています。活動に没頭し、休息よりも成果を重視する傾向があり、自己に対して厳しい要求を持つため、目標に達成できないと不安を感じます。常に何かを成し遂げていないと落ち着かず、効率性や規律を大切にする姿勢が際立っています。この姿勢は、自己を励ます強い内的な圧力によって支えられています。
- タイプ9: 活動よりもリラックスを重視し、無理のないペースで物事を進めます。休息や穏やかな時間を大切にし、活動を切り替えるには時間がかかることが多いです。過度な努力を避け、環境に順応しながら自然体でいることを好みます。この姿勢は、流れに身を任せる柔軟性と過度な緊張を避ける性質から来ています。
ストレス時の反応
- タイプ1: ストレスが高まると、自分の考えが正しいことを証明するために、より強く意見を主張します。議論に熱心に参加し、他者を納得させようとしますが、限界に達すると、気分が沈み、不機嫌になり、口数が減ることが多いです。この反応は、理想を守ろうとする熱意が内面での落ち込みへと変わり、外向的な姿勢から内向的なものへと移行する過程が特徴です。
- タイプ9: ストレスを感じると、感情から距離を置き、現実から逃避しがちになります。最初は抵抗を示しますが、時間が経つにつれて不安が表面化し、混乱や過剰な反応として現れることがあります。この反応は、平和を維持しようとする防御的な姿勢が崩れ、不安に押しつぶされて内面の安定を失う過程が目立ちます。
具体的な見分け方のポイント
意見を主張するか控えるか
タイプ1は自分の意見を強く主張し、議論を通じて正当性を証明しようとします。一方、タイプ9は対立を避け、相手に合わせることが多く、意見を控える傾向があります。会話における積極性が、両者を見分けるポイントとなります。
時間管理の厳しさ
タイプ1はスケジュールを厳守し、時間を効率的に使うことにこだわります。これに対し、タイプ9は時間に余裕を持ち、遅れても気にしません。予定への対応で、両者の違いがはっきりと表れます。
批判的な発言の有無
タイプ1は他者や状況に対して批判的な意見を率直に言いますが、タイプ9は批判を避け、穏やかに受け入れます。発言の鋭さが、両者を区別する特徴となります。
休息への態度
タイプ1は休息よりも仕事を優先し、リラックスすることに罪悪感を感じることがあります。対照的に、タイプ9は休息を自然に楽しみ、活動を再開するには時間がかかります。休憩に対する姿勢が、両者の違いを示しています。
ストレス時の行動変化
タイプ1はストレスを感じると議論を強化し、後に不機嫌になる傾向があります。一方、タイプ9はストレス時に距離を置き、不安が目立ちます。圧力を受けた際の反応の仕方が、両者を見分けるポイントとなります。
まとめ
- タイプ1は正義を重視し、タイプ9は平和を大切にします。
- タイプ1は葛藤に立ち向かい、タイプ9はそれを避けます。
- タイプ1は怒りを抑え、タイプ9は気づかずに内にため込みます。
- タイプ1は仕事に集中し、タイプ9は休息を優先します。
- タイプ1は自分の意見を強く主張し、タイプ9は距離を置きます。
1w9の特徴概要と1w2との違い
1w9の特徴概要
1w9は、正しさを求める気持ちと穏やかさを保ちたい気持ちがバランスを取ったタイプです。理想を追い求めながらも、争いを避けて静かに物事を進めることを好みます。例えば、学校のルールが守られていない場面では、怒鳴る代わりに静かに提案して改善を試みます。冷静で客観的な視点を持ち、自己主張よりも周囲との調和を大切にして行動します。
人との関わりでは控えめで、感情をあまり表に出さず、自分の世界を大切にします。例えば、大人数で議論をするより、一人で計画を立てたり、本を読んで知識を深める時間を楽しむ傾向があります。正義感が強い一方で、それを穏やかに示すことで、周りに安心感を与えるのが特徴です。
1w9の視点から見た1w2との違い
1w9から見ると、1w2も正しさを求めるタイプですが、感情的で積極的に関わる傾向があります。1w9は「静かに正しいことを進めたい」と考え、例えば職場の問題を黙って整理することが多いです。一方、1w2は「みんなのために声を上げたい」と思い、仲間を励ましながら解決に向けて積極的に行動します。
また、1w9は調和を保つために距離を置き、内面的な平静を重視しますが、1w2は人とのつながりを大切にし、感情を込めてサポートを行います。1w9は「冷静にルール通りに進めたい」と考えるのに対し、1w2は「人のために熱意を注ぎたい」と行動します。この違いにより、1w9は1w2の情熱を少し騒がしく感じるかもしれません。
9w1の特徴概要と9w8との違い
9w1の特徴概要
9w1は平和を大切にしながらも、正しさを重視するタイプです。穏やかさを保ちながら、自分の行動に倫理的な基準を持ち、例えば友達同士の争いを静かに仲裁し、「公平にしよう」と提案します。感情を抑えて内面の安定を維持し、争いを避ける姿勢が強いです。
人との関わりでは控えめで、周囲との調和を大切にします。例えば、大勢での会話よりも、一人で自然を眺めたり、本を読んだりして静かな時間を過ごすのを好みます。理想を穏やかに守り、他者に押しつけることなく、自分のペースで物事を進めることが特徴です。
9w1の視点から見た9w8との違い
9w1から見ると、9w8は同じく平和を大切にしながらも、もっと積極的で力強い印象を与えます。9w1は「静かに正しさを保ちたい」と考え、例えば問題が起きた場合に穏やかにルールを提案するのに対し、9w8は「みんなを守るために」と率先して行動するイメージです。
さらに、9w1は感情を抑えて調和を保ちながら慎重に行動しますが、9w8は感情を少し表に出しつつ、状況をコントロールしようとします。9w1が「争いを避けて静かに過ごしたい」と考えるのに対し、9w8は「必要な時には強く出て平和を守りたい」と感じる点が異なり、9w1には9w8の積極性が少し大胆に感じられるかもしれません。
1w9と9w1の違い
1w9と9w1は、穏やかさと正しさを大切にする点で共通しています。どちらも感情を抑えて争いを避ける傾向があり、外から見ると落ち着いた印象を与えます。しかし、内面の動機や意識の向け方には違いがあり、これが両者を識別する重要なポイントとなります。ここでは、内面的な視点からその類似点と相違点を整理し、判別のポイントを探っていきます。
行動の類似性:穏やかさと感情の抑制
1w9と9w1は、穏やかな態度を保ち、感情を抑える傾向が共通しています。例えば、誰かがルールを破った場合、どちらも怒鳴らず静かに指摘します。1w9は秩序を守るため、9w1は平和を保つためにこのように行動します。衝突を避け、冷静に対応する姿勢が似ており、外見的な行動も一致しています。
内面的な動機の違い:秩序の追求と安定の維持
- 1w9: 内面の軸は正しい秩序を作り上げることです。理想を現実にするために行動し、例えば部屋が散らかっていると「整えなければ」と感じて片付けます。穏やかさはその手段であり、倫理的な正しさが目的となります。
- 9w1: 心の安定と調和が最も重要な動機です。争いを避け、穏やかな状態を保とうとし、例えば意見の対立を「我慢すれば解決する」と受け流します。正しさは平和を守るための手段として使われます。
感情の向き合い方:目的のためか、防衛のためか
- 1w9: 感情を抑える理由は、正しい行動を取ることに集中するためです。例えば、遅刻した人に対して苛立ちながらも、「指導が必要」と冷静に注意します。感情は理想を守るためにコントロールされます。
- 9w1: 感情を抑える理由は、争いを避けて平和を守るためです。例えば、苛立ちを感じても「平和が最も重要だ」と思い、黙って我慢します。感情は内面的な安定を維持するために隠されます。
他者との関わり方:指導的な静けさか、調和を重んじる控えめな姿勢か
- 1w9: 他者に正しい行動を示すため、静かに働きかけます。例えば、友達が間違えたときに「こうした方がいい」と優しく提案し、指導的な役割を果たします。
- 9w1: 他者との調和を大切にし、対立を避けます。例えば、意見が違っても「まあいいか」と思って譲り、控えめに調整役として行動します。
ストレス時の反応:内省か遊離か
- 1w9: ストレスが増すと、内面的に正しさを求めます。例えば、計画がうまくいかないと「どう修正するか」と静かに考え、気分が不機嫌になると内向きに強くなります。
- 9w1: ストレスを感じると、現実から意識をそらします。例えば、問題が発生しても「そのうちどうにかなる」と考えて、問題から目を背け、不安を隠して距離を取ります。
判別方法:動機と反応の違いを観察する
- 動機の確認: 「なぜ穏やかでいるのか?」と問いかけると、1w9は「正しいことを守るため」、9w1は「平和を維持するため」と感じるでしょう。
- 行動の目的: 問題に直面した時、1w9は静かに改善しようとしますが、9w1は問題を避けようとします。例えば、混乱が生じた際、1w9は提案し、9w1はそれを見過ごします。
- 感情の現れ: ストレスを感じた時、1w9は静かに自分の意見を主張し、9w1は静かに問題から逃げる傾向があります。正しさを追求するか、平和を守るかが違いのポイントになります。
結論
1w9は穏やかな方法で正しさを追求し、「秩序と調和のバランス」を大切にします。これに対し、9w1は平和を最優先し、「安定を保ちながら倫理を守る」ことに焦点を当てています。内面的には、1w9は静かに理想を実現しようとし、9w1は対立を避けながら心地よい状態を維持することを重視しています。
補足
タイプ1とタイプ9が共通して嫌う状況や人、および、それぞれにおいて、タイプ1とタイプ9の間にある差異を整理しました。
ルールや約束が守られない場合
- タイプ1: 例えば、友達が約束の時間に遅れると、「信頼が崩れる」と感じて苛立ちます。表面上は冷静に注意しますが、内心では「正義が損なわれた」と思い、自己規律を強化して不満を抑えます。問題の改善を求めて行動します。例:職場で同僚が提出期限を守らないと、「責任感がない」と指摘し、期限の重要性を強調します。
- タイプ9: 同じ状況で、「またか」と思いつつも、表面的には「まあいいか」と笑顔で流します。内心では「平和が乱れることへの不安」を感じ、感情を抑えて我慢し、現実から少し距離を置きます。共通点は我慢する姿勢ですが、1は正義への執着、9は安定を守りたいという思いが違います。例:グループ旅行で誰かが集合時間に遅れても、「次は気をつけてね」と軽く済ませ、波風を立てません。
無秩序で混沌とした環境
- タイプ1: 例えば、散らかった部屋を見ると、「これではいけない」と感じて整理を始めます。表面では効率を重視する態度を取りますが、内心では「秩序がないと正しく生きられない」と焦りを感じ、行動を通じて問題解決しようとします。例:会議で資料が乱雑だと、「整えないと」と自分からファイルを整理し始めます。
- タイプ9: 同じ状況で、「落ち着かない」と感じつつも、表面上は「そのうち片付くだろう」と放置します。内心では「混乱がストレス」と嫌悪しながらも、現実から目を背けて感情を抑えます。共通点は不快感を覚えることですが、1は問題解決に動き、9はそれを避けようとする点で異なります。例:キッチンが散らかっていても、「後で片付ければいいか」と放っておいて、ソファで休むことにします。
感情的な衝突や大声での言い争い
- タイプ1: 例えば、家族が大声でケンカをしていると、「品がない」と批判的に感じます。表面上は仲裁に入りますが、内心では「正しい解決方法が必要だ」と怒りを抑えて、ルールを守らせたがる傾向があります。感情は規律に変わります。例:レストランで他の人が大声で揉めていると、「静かにすべきだ」と店員に注意を促します。
- タイプ9: 同じ状況で、「うるさい」と感じて耳を塞ぎたくなり、表面上は静かにその場を離れます。内心では「平和が壊れる恐怖」を抱き、感情を抑えて距離を取ろうとします。両者とも感情を抑えますが、1は問題に介入しようとし、9はそれから逃げようとする点が異なります。例:近所で騒がしい音が聞こえると、「関わりたくない」とカーテンを閉めて音楽をかけます。
怠惰で責任感のない人
- タイプ1: 例えば、仕事でサボっている同僚を見て、「無責任だ」と感じます。表面的には注意を促し、内心では「自分の義務を果たさないのは許せない」と思い、正義感が強く働きます。改善を求める意識が強く、批判的に見えることがあります。例:グループ作業で誰かが手を抜くと、「みんなが平等に働くべきだ」と役割を再分担します。
- タイプ9: 同じ状況で、あまり関わりたくなくて「面倒だな」と感じます。表面的には穏やかに接しながら、心の中では「関わると疲れる」と感じ、無関心を装います。嫌悪感は似ていますが、タイプ1は状況を正す意識が強く、タイプ9は避けようとする意識が強い点が違いです。例:家事をしないルームメイトに「別にいいよ」と言いつつ、内心では距離を取ります。
押しつけがましく干渉する人
- タイプ1: 例えば、意見を強引に押し付ける上司に対して、「自分で決めたい」と反発を感じます。表面的には冷静に反論しつつ、内心では「自分の正当な自律が侵害された」と怒りが湧きます。自己主張で対抗しようとする意識が強いです。例:親から服を選ばれようとした場合、「自分には自分の好みがある」と静かに拒否します。
- タイプ9: 同じ状況で、「鬱陶しい」と感じつつ、表面的には「はい」と従います。内心では「自分のペースが乱れる」と不安を感じ、感情を抑えて我慢します。両者とも不快感を抱きますが、タイプ1は抵抗し、タイプ9は従う傾向にあります。例:友達が予定を押し付けてきたとき、「いいよ」と答えながらも、内心でストレスを感じます。
不公平で倫理に欠ける状況
- タイプ1: 例えば、誰かが不正をして得をすると、「許せない」と強く感じます。表面的にはそれを正そうと行動し、内心では「倫理が崩れる危機感」を抱き、行動で正義を回復しようとします。例:テストでカンニングを見かけたら、「公平であるべきだ」と先生に報告します。
- タイプ9: 同じ状況で、「気分が悪い」と感じながらも、表面的には「仕方ない」と見過ごします。内心では「調和が崩れる不安」を抱えつつ、感情を抑えて関わりを避けます。タイプ1は正義に執着し、タイプ9は平和に執着している点が内面的な違いです。例:行列で割り込みがあっても、「面倒だ」と感じつつ黙って順番を待ちます。
変化を強いる急な予定変更
- タイプ1: 例えば、急に予定が変更されると、「計画が狂ってしまう」と不満を言います。表面的には新しい調整を急ぎ、内心では「正しい流れが崩れた」と焦り、再びコントロールを取り戻そうとします。例:旅行の予定が急に変更されると、「効率が落ちる」と感じ、新しいプランを急いで立てます。
- タイプ9: 同じ状況で、「面倒だ」と感じながらも、表面的には「まあいいか」と受け入れます。内心では「安定が崩れる不安」を抱え、感情を抑えて順応します。タイプ1は秩序を回復しようとし、タイプ9は安定を保とうとすることに焦点を当てています。例:急な飲み会の誘いがあっても、「行ってもいいか」と気楽に参加し、流れに任せます。
自己中心的な態度の人
- タイプ1: 例えば、いつも自分の話ばかりする人に対して、「礼儀がない」と感じます。表面的には静かに注意し、内心では「正しい関係が欠けている」と思い、正義感から改善を求めます。例:自慢話ばかりする知人に、「人の話も聞いてほしい」と穏やかに伝えます。
- タイプ9: 同じ人に対して、「疲れるな」と感じながらも、表面的には聞き役に徹します。内心では「調和が乱れることに対するストレス」を感じ、感情を抑えて距離を取ろうとします。タイプ1は改善しようとし、タイプ9は我慢し続ける点で内面的に異なります。例:自己主張が強い親戚に対して、「うんうん」と相づちを打ちながらも、内心では疲れを感じます。
参考資料
- Don Riso and Russ Hudson (1996), Personality Types: Using the Enneagram for Self-Discovery
- Misidentifying Ones and Nines