エニアグラムのタイプ間の違いについてドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソンの情報を参考にして整理しました。なお、他の研究者(イチャーソやナランホ、トライタイプのキャサリン・フォーブルなど)とはタイプの定義が異なる可能性があるのでご注意ください。他のタイプの比較:「エニアグラム 全タイプ比較」
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タイプ6とタイプ7の特徴の整理
タイプ6とタイプ7は、どちらもエネルギッシュで社交的な一面を持ち、外見的には似ているように見えるかもしれませんが、その動機や行動パターンには根本的な違いがあります。以下の比較を通して、両者を区別するための重要なポイントを明確にします。
主な動機
- タイプ6: 安全と安定を求め、他者からの支持や承認を得たいと考えます。確信を持ち、不安を軽減することが行動の原動力です。
- タイプ7: 幸福と多様な体験を追い求め、自由な選択肢を確保したいと考えます。退屈や不安を避けることが主な動機です。
違い
タイプ6は安全と人とのつながりを重視するのに対し、タイプ7は楽しさと自由を優先します。安定志向か解放志向かという点が異なります。
健全な状態
- タイプ6: 自他を信頼し、協力的で責任感が強いです。誠実で熱意を持って行動し、集団の安定を支える調整役となります。
- タイプ7: 活発で好奇心旺盛、反応が速く多才です。楽観的で生産性が高く、幅広い分野で才能を発揮し、周囲を活気づけます。
違い
タイプ6は信頼と協調を基盤に安定をもたらすのに対し、タイプ7は個人のエネルギーと多様性で周囲を盛り上げます。集団への貢献か個の輝きかが異なります。
通常の状態
- タイプ6: 不安から警戒心が強まり、優柔不断で回避的になります。受動攻撃的になったり、疑い深くなったりし、構造や権威に依存しつつも反発します。
- タイプ7: 退屈を避けるため過剰に活動し、衝動的になります。自己中心的で消費に走り、抑制が効かず、派手で誇張した行動を取ります。
違い
タイプ6は不安から内面的に揺れ、依存しやすくなるのに対し、タイプ7は快楽を求めて外向的に過剰な行動を取ります。不安への反応が内向的か外向的かが異なります。
不健全な状態
- タイプ6: 極端に自己不信と依存が強まり、被害妄想的でヒステリックになります。衝動的な攻撃や自己破壊的な行動に走り、恐怖に支配されます。
- タイプ7: 統制を失い躁的になり、衝動的な行動が加速します。現実逃避が進み、薬物濫用や自滅的な行動に至り、深い恐怖とうつ状態に陥ります。
違い
タイプ6は恐怖による依存と内面的な混乱が目立つのに対し、タイプ7は逃避と外面的な過剰さが際立ちます。不健全な状態での崩れ方が、内向的な混乱か外向的な暴走かという点で異なります。
不安への対処
- タイプ6: 不安を強く感じ、悲観的になりやすいです。疑念を募らせ、構造や他者に頼るか、逆に恐怖に立ち向かう形で対抗します。
- タイプ7: 不安を抑え込もうとし、楽観的な気晴らしを求めます。内面の苦しみを否定し、活動や刺激で紛らわせようとします。
違い
タイプ6は不安に囚われ、反応的に行動するのに対し、タイプ7は不安を避けるため積極的に気を紛らわせます。不安への向き合い方が、直面か回避かで異なります。
タイプ6とタイプ7を区別するには、動機が安全確保なのか幸福追求なのかを見極め、行動が不安による構造依存なのか、自由な気晴らしなのかを観察することが重要です。特に通常から不健全な段階では、不安への対応(内向きの疑念か外向きの行動)や責任感の強さ(強いか弱いか)に注目すると判別しやすくなります。両者の共通点である不安駆動性に惑わされず、その現れ方の違いを見極めることが大切です。
親との関係における位置づけ
共通点
幼少期の体験の影響
- タイプ6とタイプ7は、幼少期における親や養育者との関係が、後の性格や行動に大きな影響を与えます。どちらも幼少期の経験が人生の取り組み方に深く刻まれている点で共通しています。
感情的な不安定さの起源
- 親との関係に何らかの不安定さを感じた経験があり、その影響が後の心理的な防衛や行動パターンに繋がっています。どちらも幼少期の出来事が感情の安定を揺るがす要因となっているのです。
自己を支える手段の模索
- 親との関係が十分な安心感を提供しなかったため、両者は自らを支える方法を探し求めます。外部の支援を求めるか、自己解決を選ぶかの形で現れます。
相違点
親との結びつきの傾向
- タイプ6: 親や養育者に強い依存心を抱き、安全や承認を求める傾向があります。幼少期に規律や指導を提供してくれる存在に依存し、その影響が後の対人関係にも表れます。
- タイプ7: 親とのつながりが不安定で、安心よりも喪失感を抱きがちです。愛情や世話が不足していたと感じ、自分で満足を求める姿勢が根付いています。
親への期待と反応
- タイプ6: 親に安全と安定を求め、それが得られないと不安や恐怖が増します。服従と反抗を繰り返し、揺れ動く態度が見られます。
- タイプ7: 親に過度な期待をせず、頼りにできないと感じた場合には失望します。その結果、自分で必要なものを手に入れようとする自立的な行動が強まります。
親との関係から生じた動機
- タイプ6: 親との関係から生じた不安や依存心が、外部からの支えや枠組みを求める生き方に繋がります。安定を確保することが最も重要な目標となります。
- タイプ7: 親との関係における喪失感が、自由や幸福を追い求める原動力となります。自らの不足を埋めようとする姿勢が、体験への強い欲求を生み出します。
タイプ6とタイプ7は、幼少期の親との関係が性格に与える影響において共通点がありますが、その影響の受け取り方や対処の方法には大きな違いがあります。タイプ6は親を頼りにして安全を求め、不安の中で他者とのつながりを大切にするのに対し、タイプ7は親との関係の距離をきっかけに自己充足を求め、自由を優先します。これらの違いが、両者の世界との関わり方や感情の処理の仕方に深く関与しています。
外見上の共通点(誤認されやすい理由)
タイプ6とタイプ7が混同されやすい理由の一因は、どちらも不安を動機として行動する点にあります。両者は共に内面的な不安を抱えており、それが外に表れるため、外見上の振る舞いだけでは明確に識別するのが難しいことがあります。例えば、タイプ6が恐れを感じて積極的に行動を起こす場合や、タイプ7が社交的なエネルギーを見せる場合、どちらも活発で反応的な印象を与えることがあり、この点が両者を混同させる要因となります。不安の源やその対処法の違いは一見してわかりにくくなることがあります。
さらに、両者は思考を重視する傾向があり、どちらも知的で状況に応じて柔軟に対応します。タイプ6は安全を守るために計画的に行動し、タイプ7は楽しみを求めて即座に行動しますが、どちらも外見的にはエネルギッシュで忙しそうに映ることがあります。さらに、不健全な状態では衝動的な攻撃性や感情の爆発が見られるため、その激しさが似ているように見え、背後にある動機(恐怖や逃避)の違いが目立たなくなります。感情の揺れや強い反応が、両者を識別する際の困難さを増す要因となります。
加えて、他者との接し方にも共通点が見られます。タイプ6の依存的な社交性とタイプ7の楽観的な人付き合いは、表面的にはどちらも友好的で魅力的に見えることがあります。そのため、短期間の観察だけでは、彼らが抱える不安が安定を求めているのか、自由を求めているのかを見極めるのが難しくなります。このように、外見的な行動やエネルギーの高さに焦点を当てるだけでは、両者の本質的な違いを見逃すことがよくあります。
本質的な違い(決定的な見分け方)
動機の方向性
- タイプ6: このタイプは、安全と安定を最も重要視する傾向があります。不安が強いため、危険を回避し、信頼できる人や仕組みに頼ることで心の平安を得ようとします。例えば、仲間や権威者との繋がりを重視し、自分の確信を支持する承認を求めます。この動機は、予測可能な環境を作り出し、将来に対する不安を減らすための努力に向かいます。行動は慎重で、他者との協力を欠かさないと感じます。
- タイプ7: このタイプは、幸せと自由を追い求めることに駆り立てられます。不安を感じると、それを埋めるために新しい体験や楽しい出来事を増やそうとします。多くの選択肢を保持し、退屈を避けることが大切で、自分の欲求を満たすことが動機の中心です。例えば、新しい冒険や刺激を求めて動き回り、束縛される状況を嫌います。行動は自己充足を目指し、制限よりも自由を重視します。
不安への対処
- タイプ6: 不安に直面した際、このタイプはそれにとらわれ、感情がさらに揺れ動きます。自己不信が強く、他者の意図を疑ったり、最悪のシナリオを想像したりします。対処法としては、信頼できる枠組みや人物に頼るか、恐れに立ち向かって不安を軽減しようとします。不安は内面で増幅し、悲観的な見方や警戒心として現れ、安定を求める行動に繋がります。
- タイプ7: 不安を感じたとき、このタイプはそれを意識的に遠ざけようとします。楽観的な態度で気晴らしを求め、内面の痛みを無視して対処します。例えば、楽しい計画や活動に没頭し、不安が表面化するのを防ぎます。不安を抑えるために、外の世界に意識を向け続け、明るい雰囲気を作り出すことに努力します。内省を避け、活動で心を埋め尽くします。
行動の基盤
- タイプ6: このタイプの行動は、責任感と義務感に強く基づいています。安全を確保するために計画的で慎重に行動し、約束や役割を守ることに重点を置きます。例えば、義務を終えるまではリラックスすることを許さず、他者との信頼関係を重視します。不安が強いため、自分の行動に枠組みを設け、衝動的な行動を抑えがちです。
- タイプ7: このタイプは、衝動性と自由を基盤に行動します。楽しさを求め、制約や責任に縛られることを避けるのが特徴です。例えば、思い立ったらすぐに動くことが多く、計画よりもその場の勢いを重視します。義務感よりも自分の欲望が優先され、新しい体験を楽しむための柔軟性が行動を導きます。制限を感じると抵抗します。
他者との関係
- タイプ6: 他者との関係では依存的な傾向が強く、承認や支援を得ることで安心感を得ようとします。例えば、信頼できる人との絆を大切にし、孤立を避けるために協力を求めます。関係が揺らぐと不安が増し、他者の反応に敏感になります。自己不信から、他者に頼ることで自分の立場を強化しようとする姿勢が目立ちます。
- タイプ7: 他者との関わりでは自己中心的な傾向があり、他者を楽しみの源として巻き込みますが、依存しません。例えば、社交的で陽気に関わる一方で、自分の自由を最優先し、他者に縛られるのを嫌います。他者の承認よりも、自分の幸福を追求する姿勢が強く、関係は表面的で軽いものとなることが多いです。孤立を恐れず、自己充足を大切にします。
感情の処理
- タイプ6: 感情の処理では、内面的な恐怖に直面しやすく、それが感情を揺らす原因となります。不安や疑念が強く、自己不信が感情を支配し、混乱や矛盾した反応を引き起こすことがあります。例えば、他者に依存するか反抗するかで感情が分裂し、内面の葛藤が行動に影響を与えます。恐怖を抑えきれず、それが表面に現れることが多いです。
- タイプ7: 感情の処理では、内面に目を向けず、外の世界に焦点を当てることで対処します。恐怖や痛みを無視し、活動や刺激で感情を隠す傾向があります。例えば、不安を感じても陽気さでそれを覆い、過剰な行動で内面を満たそうとします。感情を内省するよりも、外部でそれを発散させることで、深い感情と向き合うことを避けます。
具体的な見分け方のポイント
義務に対する態度
タイプ6は義務を遂行することに強い責任感を持ち、タスクが完了するまではリラックスできません。それに対して、タイプ7は義務を軽視し、自由を重んじて責任を避ける傾向があります。
社交時の態度
タイプ6は他者からの承認を求め、慎重かつ依存的な態度で関わります。一方で、タイプ7は陽気で自己中心的な態度で社交し、楽しさを他者に押し付けることが多く、他者に頼らずに行動します。
計画性と即興性
タイプ6は安全を確保するために計画を立て、慎重に行動を進める傾向があります。タイプ7はその場の流れを重視し、即興的に行動することが多く、計画に縛られるのを嫌います。
不安が現れる場面
タイプ6は孤立や裏切りを恐れ、不安が疑念や警戒心として表れます。タイプ7は退屈や制限を感じると、不安が過剰な活動として現れることがあります。
感情の表出方法
タイプ6は不安によって感情が揺れ動き、矛盾した反応を示すことがあります。タイプ7は感情を内に秘め、過剰な陽気さや行動でその内面を抑え込もうとする傾向があります。
まとめ
- タイプ6は安全を重視し、タイプ7は自由を追い求めます。
- タイプ6は疑念を抱きやすく、タイプ7は楽観的な態度を持ちます。
- タイプ6は責任感が強く、タイプ7は衝動的に行動します。
- タイプ6は依存的な傾向があり、タイプ7は自己中心的です。
- タイプ6は内面的な葛藤に囚われ、タイプ7は外部に逃避しようとします。
6w7の特徴概要と6w5との違い
6w7の特徴概要
6w7は安全を大切にしながらも、楽しさや刺激を求めるエネルギッシュなタイプです。不安を感じると、それを紛らわせるために積極的に行動し、人との関わりを通じて安心感を得ようとします。例えば、新しい環境に対する不安があっても、友人と一緒に行動して気持ちを切り替えることが多いです。社交的で明るく、物事を前向きに捉えようとする傾向があります。
対人関係では親しみやすく、周囲の雰囲気を盛り上げるのが得意です。例えば、集まりの場でユーモアを交えて会話を楽しみ、不安を和らげるために人と積極的に関わり続けます。慎重さよりも即応性を重視し、感情をオープンに表現することで内面的な不安を軽減するスタイルが特徴的です。
6w7の視点から見た6w5との違い
6w7から見ると、6w5は同じく安全を気にしているものの、あまり動かず、内向的に過ごしているように見えます。6w7は「不安は楽しいことや興奮で紛らわせれば良い」と考え、例えば友人と出かけて気分転換を図ることに対し、6w5は「事前の準備が重要」として、一人でじっくりと調べ物をする印象を持たれることが多いです。
また、6w7は人と素早く打ち解け、楽しい時間を共有することで安心感を得ようとする一方、6w5は慎重に距離を取り、信頼を築くのに時間をかけます。6w7は「動き続ければ何とかなる」と考えるのに対し、6w5は「確実な根拠がなければ動けない」と感じるため、6w7には6w5の慎重さが堅苦しく映ることがあるかもしれません。
7w6の特徴概要と7w8との違い
7w6の特徴概要
7w6は、新しい経験を楽しむ一方で、心の奥底で安心感を求めるタイプです。好奇心に満ちており、不安を感じた際には人との交流を通じて気分を切り替えようとします。例えば、旅行の計画を立てる際に、友人と意見を交わしながら進めることで安心感を得ることがあります。社交的で、周囲の雰囲気を和ませるのが得意です。
対人関係では親しみやすく、仲間と過ごすことで心の安定を感じることが多いです。例えば、イベントでは中心となってリーダーシップを取るよりも、和やかな雰囲気の中で楽しい時間を過ごすことを重視します。感じる不安に対しては慎重に対処することもありますが、基本的には明るく前向きに乗り越えようとします。
7w6の視点から見た7w8との違い
7w6から見ると、7w8は楽しさを追い求める点では似ているものの、より積極的で押しが強い印象を受けます。7w6は「みんなで楽しく過ごすこと」を大切にし、例えば友達と気軽にピクニックを楽しむのに対し、7w8は「自分の望むことを実現する」ために、自ら大規模なイベントを企画することが多い印象があります。
また、7w6は周囲と協力して不安を解消しようとするのに対し、7w8は自分のペースで進んでいき、主導権を握ることを好みます。7w6が「仲間がいれば安心だ」と考えるのに対し、7w8は「自分の力で道を切り開くことが重要だ」と考えるため、その強引さが7w6にはやや圧倒的に感じられることがあるかもしれません。
6w7と7w6の違い:内面的な動機と意識の差
6w7と7w6は、どちらも社交的でエネルギッシュな性格を持ち、不安に影響されて行動するタイプですが、根本的な動機や意識の方向性には違いがあります。両者は活発に人と関わり、周囲を楽しませることが多いため、外見上は似ているように見えます。しかし、行動の裏にある動機や思考のスタンスを理解することで、その違いを明確に把握できます。ここでは、行動における共通点と内面での違いを深掘りし、それぞれの心理的特性を見ていきます。
行動の共通点:社交性と不安への対処
6w7と7w6はどちらも、人との交流を通じてエネルギーを得るタイプで、対人関係が不安を和らげる重要な手段となっています。たとえば、友人と集まって話をする場面では、どちらも場を盛り上げる役割を果たします。しかし、6w7は安心感を得るために人との繋がりを重視し、7w6は楽しさを追求することによって気分を高めようとします。表面的な行動は似ているものの、内面的な動機には違いがあるのです。
内面的な動機の違い:安定か自由か
- 6w7: 最も強い動機は安心と安定を求めることであり、不安を和らげるために他者との関係を求めます。たとえば、友人と過ごすことで「一人ではない」という安心感を得て、楽しみはその安定感を支える要素となります。その根底には見捨てられる恐れが潜んでいます。
- 7w6: 主な動機は自由と快楽の追求であり、不安を避けるために新しい刺激を求めます。例えば、仲間と遊ぶのは「退屈や抑圧から逃れる」ためであり、楽しさを感じることで不安を意識しないようにします。深層には束縛を嫌う気持ちが行動の推進力となっています。
他者との関係性:依存と気楽さの違い
- 6w7: 他者に依存しやすく、不安を感じたときには特に人との絆を求めます。たとえば、友人との予定がキャンセルされると「見捨てられたのでは?」という不安にかられ、その感情を不満として表に出すこともあります。
- 7w6: 人との関わりは軽やかで、依存というよりも楽しさを優先します。たとえば、同じような状況でも「他の予定を入れればいい」と切り替え、表向きは楽しく振る舞いますが、内心では孤立への不安を避けようとします。
不安への向き合い方:支えを求めるか、気を逸らすか
- 6w7: 不安を感じると、誰かに相談して支えを求め、気持ちを落ち着けようとします。例えば、仕事で失敗したとき、友人に話を聞いてもらうことで安心感を得ようとします。その背景には「信頼できる人がいれば安心できる」という考えがあります。
- 7w6: 不安を避けるために、楽しい活動に没頭して気を紛らわせます。例えば、同じような失敗をしたときでも「たいしたことじゃない」と笑い飛ばし、不安を感じさせないようにします。深層では不安を避けるための行動ですが、自覚が薄いことが多いです。
感情の扱い方:揺れ動くか、回避するか
- 6w7: 不安が感情を揺さぶりやすく、外見では明るく振る舞っていても、内心では疑いや恐れが入り混じっていることがあります。例えば、冗談を言いながらも「自分の言葉で気分を害されたかもしれない」と心配してしまうことがあります。
- 7w6: 不安を意識しないようにし、感情を軽やかさで覆い隠します。例えば、同じシチュエーションでも「気にしなくていい」と割り切り、深層の不安を自分で意識しないようにします。感情を表に出すよりも、ポジティブに物事を流す傾向があります。
判別方法:動機と不安時の反応
- 動機の違い: 「なぜ人と関わるのか?」という問いに対する答えが異なります。6w7は「安心感を得るため」、7w6は「楽しさを追い求めるため」と感じる傾向があります。
- 不安が表れたときの反応: 6w7は他者に頼り、不安を吐露しようとします。一方、7w6は自分で気を紛らわせようとし、あまり深刻に捉えることはありません。
- 感情の扱い方: 6w7は感情が揺れ動きやすく、不安や疑念が態度に現れがちです。7w6は感情を表に出すことを避け、意識的に楽観的な態度を取ることが多いです。
結論
6w7と7w6は、社交的な楽しさを求めるという共通点を持ちながらも、その背後にある深層的な動機や無意識の意図には違いが見られます。6w7は安心感を求め、他者との繋がりを安定した基盤として大切にします。対照的に、7w6は解放感を重視し、他者との関係を自由な楽しみの手段として活用します(例えば、気軽に遊びの場を広げること)。この違いを理解することで、6w7と7w6をよりはっきりと区別することができます。
補足
ここでは、両タイプの差異が現れやすいシーンを想定して、より詳しく比較していきます。
状況設定
受験生のタイプ6とタイプ7が、「今持っている参考書が少しわかりにくく、ネットでの評判も悪い」という状況で、塾講師から「参考書は色々買わず、今持ってる一冊だけを徹底的にやれ。絶対にそのほうが効率的だ。次々に買うのはバカ」と強く言われた状況。
タイプ6とタイプ7の反応と行動
タイプ6
最初の反応
タイプ6は最初、この助言に強い不安と混乱を感じます。「わかりにくい参考書で本当に大丈夫か?」と心配しつつ、塾講師の強い口調に「言うとおりにした方がいいのかな」と葛藤します。ネットの悪評が頭をよぎり、「失敗するかも」と恐怖を増幅し、「バカ」と言われることに「自分が間違ってるのか」と自己不信が強まります。表層では「塾講師がそれほど強く言うなら信じてみよう」と納得しようとしつつ、深層では「受験に落ちたらどうしよう」と恐怖を感じます。信頼したい気持ちと自己不信がせめぎ合い、安全を求める心が揺れ、混乱した心境になります。「私の判断じゃ決められない」と依存心が表面化しつつ、指示への疑問が拭えず、なかなか決断しきれないこともあります。
その後の行動
最終的には、塾講師への依存心から助言に従う可能性が高いです。例えば、「この一冊を徹底的にやる」と決めて、参考書に付箋を貼り、細かく質問をメモして塾講師に確認します。不安を減らすため、進捗を逐一チェックし、「これで正しいか」と何度も聞き直すでしょう。悪評が気になりつつも、「信じるしかない」と自分を納得させ、指示通りに進めることで安全感を得ようとします。ただし、心の揺れから集中が途切れることもありそうです。
または、プレッシャーの強さのあまり、不安が行動を中途半端にすることもあります。例えば、一度は塾講師からやれといわれた参考書を「徹底的にやる」と決めて始めますが、心が落ち着かず、頻繁に塾講師に「これで合ってるか」と確認を求めます。ネット評判を再確認して迷い、別の本を少し見るものの、「バカ」と言われた言葉が頭に残り、結局最初の一冊に戻ります。集中できず進捗が遅れ、「失敗したらどうしよう」と愚痴をこぼすか、友達に不安を吐露するでしょう。自衛的に動きつつも、揺れる心が効率を下げます。
塾講師の断言に従いつつ疑念を抱く揺れは、タイプ6の「従順と反発」の両価性の表れです。指示された参考書をやりながらも「間違ってるかも」と迷うのは、安定を求める深層と不信感が混じっているためです。不安に圧倒された結果として、行動が停滞気味になることもあります。
タイプ7
最初の反応
タイプ7は塾講師の助言に即座に苛立ちを感じ、「バカ」という言葉に「自分が否定された」と気分を害しつつ、「そんな窮屈なやり方は嫌だ」と反発します。「一冊だけを徹底的にやれ」という断言は、選択肢を狭め、単調な努力を強いるため、タイプ7の内面に反発を呼び起こします。即座に無数の反論が頭に思い浮かぶかもしれません:「わかりにくい本を繰り返すなんて時間の無駄」「別の参考書なら楽しく進められる」「一冊に縛られるなんて非効率的」「もっと評判良い本があるのに」。この深層での制限への抵抗が表層の反発に繋がります。
その後の行動
タイプ7は助言を無視し、自分のやり方を貫くでしょう。例えば、「もっと面白そうな参考書があるはず」とネットで評判を調べ、新たな一冊を衝動買いします。わかりにくい参考書は放置し、「こっちの方が頭に入る」と自己流で進め、友達と「どの本がいいか」話して気分を上げます。塾講師の指示を「自分には合わない」とあっさり切り捨て、多様な選択肢を試して楽しさを保つ行動が優先されます。
または、学習や受験自体へのモチベーションが失われている場合、この「楽しくない状況」への苛立ちを強く感じます。既存の参考書がわかりにくく、塾講師の断言が自由を奪う中、「勉強自体がつまらない」と投げやりになります。表層では「どうでもいい」と無関心を装い、深層では「このままじゃダメかも」と不安が募ります。通常なら別の楽しい選択肢(新しい参考書の購入や、友人と受験勉強談義をして気分転換する)に逃げる可能性の方が高いですが、この場合だとプレッシャーで選択肢が狭まり、逃避の一形態として、「何もしたくない」と停滞に至ることもあり得ます。迫りくる受験をほったらかしにして、家でゲームに没頭するかもしれません。
共通点と相違点
共通点
両者とも参考書の悪評に不安や不満を感じ、塾講師の強い助言に感情が動きます。タイプ6、タイプ7どちらも、わかりにくい教材へのストレスを抱きます。
相違点
- タイプ6は不安から塾講師に依存し、「安全」を求めて従いますが、心は揺れます。例えば、指示を守りつつ疑念が消えません。内面的には塾講師を信じたい気持ちと不信感、および、安心したい気持ちと不安感がせめぎ合います。
- タイプ7は自由を求め、「楽しさ」を優先して反発し、自己流を貫きます。例えば、新たな参考書で気分転換を図ります。内面的には「縛られたくない」という気持ちがあります。
参考資料
- Don Riso and Russ Hudson (1996), Personality Types: Using the Enneagram for Self-Discovery
- Misidentifying Sixes and Sevens