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エニアグラム タイプ8とタイプ9の違い

2021年7月14日水曜日

エニアグラム タイプ8 タイプ9

タイプ8とタイプ9の違い

タイプ8とタイプ9は、どちらも安定感や力強さを持っています。しかし、特にタイプ9が「平和的」という印象とは異なり、無礼で無遠慮な態度を取ることがあり、このためにタイプ8と混同されることがあります。ですが、両者の内面的な動機や行動の背景を理解すれば、明確に区別することができます。ここでは、タイプ8が意図的に力を誇示するのに対し、タイプ9の無遠慮さは単なる手抜きに過ぎない点に注目し、それぞれの違いを詳しく解説します。

なお本記事はドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソンの情報を参考にしてサイト管理人独自の観点から整理したものであり、正確な原典を知りたい方にはオススメできない記事です。ご注意下さい。他のタイプの比較:「エニアグラム 全タイプ比較

内面的動機の違い:支配か省エネか

タイプ8が無礼な態度を取るのは、相手に対して明確な目的を持っているからです。例えば、相手が自分より上に立ち、自分をコントロールしようとする態度を見せると、威圧的な態度で相手を圧倒し、自分の力を示そうとします。支配したいという欲求が根底にあり、軽い挑発を通じて相手の反応を探り、さらに圧力を加えて優位に立とうとします。力を使うことで自分の存在感を強化し、周囲を自分のペースに巻き込もうとするのが特徴です。

ステレオタイプでは、タイプ9は争いを避ける人物として捉えられがちですが、実際には「この相手なら適当でいいか」と思って手を抜いた結果、無礼な態度を取ることがあります。例えば、相手が自分にとって脅威でないと感じると、礼儀を省いて適当に対応することがあります。これは、対立を避けながらも自分が快適でいるために必要最低限の労力しか使いたくないという心理から来ています。タイプ8が積極的に力を示すのに対し、タイプ9は力を抑えて楽をしようとする点で大きな違いがあります。

行動の持続性:執拗か、その場限りか

タイプ8の無礼な態度は、一度始めると長時間続く傾向があります。目的を達成するまで諦めず、相手が反発するとさらに強く押し返し、強引な振る舞いを貫きます。威圧的な態度は途切れず、相手を圧倒するまで続けられるのが特徴です。この行動は、力関係をはっきりさせ、支配的な立場を維持しようとする内面的な執着から来ています。外見的には落ち着いている瞬間があっても、その根底には相手を従わせたいという意図があります。もし相手が反発してくると、さらに威圧的な態度を取ることが多く、その苛立ちを鎮めることなく威圧をやめることができません。

一方、タイプ9の無礼な態度は状況に応じて変わり、一貫性がありません。例えば、軽く無視するような態度を取っても、相手が怒ると急に態度を変えて、「冗談だよ」と言って笑いながらごまかしたり、話題を逸らしたりします。この柔軟さは、根本的には面倒な対立を避けたいという心理から来ています。タイプ9はリラックスしている時ほど無礼になることがありますが、タイプ8のように一貫して強硬な態度を取ることはありません。相手の反応に合わせて態度を変えるのが特徴です。威圧的に振る舞ったとしても、内心ではその行動が負担に感じられ、対立が長引くとエネルギーを使い果たしてしまいます。

力の使い方の違い:攻撃的か防御的か

タイプ8は力を攻撃的に使い、積極的に状況を自分の支配下に置こうとします。例えば、相手が自分に危害を加えられないと確信すると、挑発的な態度を取って力を誇示し、自分の優位性を確立しようとします。このような力の使い方は、自己を外部に向かって拡張し、他者を自分の影響下に置くことで満足感を得ようとする意図があります。無礼な態度は、力を示す手段として活用されます。

一方、タイプ9は力を防御的に使い、無駄なエネルギーを使わないようにします。例えば、相手が自分にとって脅威でないと感じると、礼儀や気配りを省き、より力を使わない振る舞いを選びます。無礼さも、対立を避けつつ余計な手間を省くための手段であり、タイプ8のように支配を目指すものではありません。タイプ8が力を外向きに使うのに対し、タイプ9は内向きに抑えて省エネを重視するという点で大きな違いがあります。

見分けるポイント:動機と反応に注目

タイプ8とタイプ9を区別するためには、まず「なぜ無礼なのか?」という動機に注目することが重要です。タイプ8は「力を示して相手を支配したい」という意図で無礼な態度を取ります。一方、タイプ9は「できるだけ楽をしたい」という理由から、相手に気を使わずに適当に対応することがあります。つまり、無礼さの背後にある動機が支配欲か省エネの心理かを見極めることがポイントです。

相手が反発したときの反応を見れば、さらに違いがはっきりします。タイプ8は、反発されても動じることなく、むしろさらに強く反応し、圧力をかけ続けます。対して、タイプ9は反発されると態度を急に変え、ご機嫌を取るように振る舞うことがあります。例えば、「冗談だよ、ところでさ~」と話題をそらすことが典型的です。このように、タイプ8は粘り強く持続的な反応を示すのに対し、タイプ9は状況に応じて態度を変えるという点で違いがあります。

「平和主義者」というイメージとは異なり、タイプ9は時に他者との対立を気にせず、無関心な態度を取ることがあります。そのため、タイプ8と混同されることもありますが、両者の内面的な動機や行動パターンを理解すれば違いが分かります。タイプ8は支配を目指して一貫して力を誇示し、タイプ9は快適さを優先し、散発的に無礼な態度を取ります。

動機(支配欲 vs 省エネ志向)と反応(執拗な態度 vs 柔軟な態度)を基に観察することで、タイプ8とタイプ9の違いをより明確に見分けることができます。この視点を持つことで、タイプ9の複雑な性質をより深く理解することができるでしょう。

親との関係における位置づけ

共通点

幼少期の養育者の影響

  • どちらのタイプも、幼少期に関わった養育者との関係が性格形成に深く影響を与えます。タイプ8は養育者から強さや価値観を学び、タイプ9は調和や安定の感覚を受け継ぎます。

感情を抑える傾向

  • 親との関わりの中で、感情的な弱さを隠したり抑えたりする傾向があります。タイプ8は傷つきやすさを認めず、タイプ9は内面の混乱を避けるために感情を押し込めます。

自己認識の形成への影響

  • 養育者との関係が、自己の捉え方に大きな影響を及ぼします。タイプ8は強さを基盤に自我を確立し、タイプ9は他者との一体感を通じて自己を見出します。

相違点

親との結びつきの度合い

  • タイプ8: 親と関わりを持ちつつも、完全に一体化せず、自立への道を模索します。愛情や支えを受けながらも、自己の力を優先する傾向があります。
  • タイプ9: 親との結びつきが強く、その影響を深く内面に取り込みます。養育者の課題や感情を自分のもののように受け入れ、自己の境界が曖昧になりがちです。

葛藤への対処

  • タイプ8: 親との衝突や家庭内の不和に正面から向き合い、自らを鍛えることで対処します。支配されることを避けるため、強固な防衛を築きます。
  • タイプ9: 親の不和や問題を避け、解離や無視を通じて内面の平和を維持しようとします。対立を直視せず、調和を保つことを優先します。

自立への姿勢

  • タイプ8: 親から与えられたものを超え、自らの権威を築こうとします。他者に依存せず、自分の運命を自ら切り開くことを重視します。
  • タイプ9: 親との一体感を重視し、自立よりも他者との調和を優先します。自己主張よりも、環境に適応する形で自分を保とうとします。

タイプ8とタイプ9は、親との関係が自己形成に影響を与える点や感情を抑えがちである点は共通しています。しかし、その向き合い方には明確な違いがあります。タイプ8は親との関係を通じて強さと自立を求め、衝突を恐れずに向き合います。一方、タイプ9は調和や一体感を大切にし、対立を避けることで自分を守ろうとします。こうした違いは、彼らの世界との関わり方や成長の方向性に大きな影響を与えます。

参考資料

  • Don Riso and Russ Hudson (1996), Personality Types: Using the Enneagram for Self-Discovery
  • Don Riso and Russ Hudson (1999), The Wisdom of the Enneagram: The Complete Guide to Psychological and Spiritual Growth for the Nine Personality Types
  • Misidentifying Eights and Nines

ソシオニクス・タイプ診断

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