分類
質問:LII, ILE, EIE, IEI, ESI, SEE, LSE, SLI
宣言:ESE, SEI, LSI, SLE, LIE, ILI, EII, IEE
α | β | |||||||
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ILE | SEI | ESE | LII | EIE | LSI | SLE | IEI | |
質問 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
宣言 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
γ | Δ | |||||||
SEE | ILI | LIE | ESI | LSE | EII | IEE | SLI | |
質問 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
宣言 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
典型的な特徴
質問
- 対話する傾向があります。
- 質問タイプの発言の多くは、まるで質問を投げかけているかのように聞こえる傾向があります。
- 相手が話している最中、常に「うん、うん」と相槌をうって「自分は情報を受け取っている」というサインを見せます。
- コミュニケーションする際のモチベーションは、外的な何かにあることが多いです。
- 聴衆全体に対して上手に話すことが出来ます。
- 話し始める際、なんとなく「聞き手は自分の話に興味を持っているだろう、注目しているだろう」という前提で話し始めます。
- 話が脱線しがちです。途中で話を中断したり、話を戻すのに抵抗がありません。「質問はいつでもどうぞ」という形式で話します。
- 答えを求めているかのような質問をして、それに自分で答えることがよくあります。
- たびたび時間を埋めるためだけの質問。実際に回答してほしいとは思っていません。
宣言
- モノローグ的な傾向があります。
- 宣言タイプの発言の多くは、質問というより、どこか声明のように聞こえます。
- 他の人が話している最中は、黙って耳を傾けます。他の人が話し終わるのを待ってから、自分のスピーチを行います(このスピーチは長めです)。
- コミュニケーションする際のモチベーションは、自分の内的な何かにあることが多いです。
- 一度に一人とだけ話す方が楽だと感じるほうです。
- 話し始める前に、まず「相手が自分に注意を向けたこと」を確認しようとします。
- かなり我慢強く、他人の長話を聞き続けることが出来ます。
- 他の人に話をさせる前に、スピーチを終わらせることを好みます。自分が言いたいことが伝わったかを確認してから話を締めくくろうとします。
- もしも質問する場合、(相手からの答えを求めているわけではなく)相手の考えを刺激することを目的にした質問か、または特定の情報に答えてもらうための質問であることが多いです。
典型的な特徴(拡張版)
2003 年のレーニンの特徴の研究から取得。
質問
- 疑問形のイントネーションを使う傾向があります。(宣言タイプと比べると)質問タイプの発言は、はるかに断定的ではない傾向が見られます。
- 質問タイプは、質問に質問で返す傾向があります。かなり頻繁に「さて、何について話しましょうか」というフレーズで語り始めます。しばしば答えを求めていない質問(例:「あなたはそこにいますか?」)をして、会話を続ける手段にすることがあります。例えば時間を稼ぐために質問することもあります。
多くの場合、質問と回答の形でコミュニケーションを行います。常に相手との対話(「あなたの答えが聞きたい」「私に質問してください。それに答えます」)、あるいは想像上の会話(内的な「対話」)をしています。
質問タイプの場合、仮にモノローグとして話すつもりで話していたとしても、原則として断片的に分解されるため(質問-回答の形での断片化)、必然的に対話的になります。
質問タイプは、モノローグを話している最中に投げかけられた質問に、素早く、一気に反応します(その質問の重要性や、合理的な質問か、あるいはそうではないかとは無関係です)。そうして質問に答え終わったら、途中だった話にまで戻って、再びそこから話し始めます。
質問タイプは一方通行のようなモノローグよりも対話形式のコミュニケーションを好むため、たとえモノローグとして話している時であっても、人から質問されるのを好みます。
質問タイプの場合、相手の話を遮って、相手の話を脱線させる誘惑に打ち勝つこと、また、自分が脱線しないように話すことには多大な努力が必要です。
宣言
- 宣言タイプが話す場合、肯定的なイントネーションを使う傾向があります。そのため自信に満ちているように聞こえたり、断定的な口調である傾向が見られます。
- 宣言タイプは(質問タイプが答えを求めない質問を多用するのと比べると)、相手からの答えを求めている質問を投げかける傾向があります。質問に質問で返すことはほとんどなく、時間稼ぎのための質問をしたり、会話を続けるための手段としての質問もほとんどしません。
宣言タイプは、まるで会話担当者を交代で務めているかのように、順番にモノローグ形式のコミュニケーションをする傾向があります。
無意識のうちに対話をモノローグ化するため、宣言タイプ同士の会話はまるで2つのモノローグが交互に繰り返されているように聞こえます。
モノローグの最中に質問で遮られると、思考の流れを見失ってしまう可能性があります。そのため、すべて話し終わってから質問に答えることを好みます。
自分が話している内容に関係した質問をされた場合、「これから話すから、我慢してほしい」「自分が話し終わるまで待って欲しい」といい、質問への答えをモノローグの中に取り込もうとします。
宣言タイプ自身、「自分が話している時に邪魔されたくない」という欲求が強いため、彼らが人の話を聞く時は、たとえ話している内容に密接に関係するような質問であっても、相手の話の途中で質問するのは差し控えようとします。宣言タイプは、相手が話し終わるのを待ってから質問したり反論したりします。
類推
質問と宣言の違いは、異なる文学ジャンルのナレーションを比較すれば理解しやすいかもしれません。
宣言は完成されたナレーションであり、完全なストーリーのようなものです。全貌があり、始まりと、話の佳境と、結果があります。一方、質問は登場人物同士が絶え間ないやり取りをしている演劇に似ています。
仮説
- モデルAの第1機能の志向性が、質問/宣言の表れ方を強化する可能性があります。外向は宣言的な表れ方を強化し、内向は質問的な表れ方を強化すると考えられます。
- 宣言タイプと比べると、質問タイプのほうが、より明確な形で非言語コミュニケーション(アイコンタクトや身振り)を行う可能性があります。
- 質問と宣言がテキストを書き、そこで何らかの質問を行った場合、宣言タイプは「質問したいこと」を「本質にかかわる物語」に置き換える傾向があります。一方、質問タイプは「質問したいこと」を、感嘆詞を交えたりしながら「まるで読者に答えを迫ったり、返答を求めて挑発するかのような形の質問」として書く傾向があるかもしれません。
例
質問
「方法は複数ありますか?はい、あります」(質問された内容を完全に繰り返しているという特徴がみられます)
「どこから始めますか?さて、あなたは何を知りたいのですか?昨日、私は…」(これは「昨日何をしましたか」という質問に対する返答。この質問タイプの人は、質問に対して複数の質問を交えて話しているが、それらは実質的には答える意味がない質問です)
宣言
「人が自分の興味をリストアップしているのを見ても、それが興味を追求したいという意図によるものなのか、それ以外の何かなのか、私には理解できません」(宣言タイプにとって、質問それ自体が一種の声明のように聞こえます)
宣言タイプと質問タイプの会話例
宣言「あなたはそこにいますか?」
質問「誰が?私が?よろしい」
その他の解説と注意事項
重要な注意点として、単純な情報の要求(例えば質問)と、ソシオニクスの二分法「質問」を混同しないようにする必要があります。この二分法の名前を文字通りに解釈して、学習や説明の追加情報の収集のために行われる質問を二分法「質問」の表れだと勘違いしてはいけません。
特にソシオニクスを学んでいる人は、タイピングの際に不明点があれば多くの質問を投げかける傾向があります。このような質問はあくまでも学習のためであったり、単純に説明してもらうためであり、そうするからといって「質問」タイプであるとはいえません。必要な情報を得るために質問することは、タイプとは無関係な、ごく当たり前の行動です。また、その逆に自分の知識に自身がある場合、人はより積極的に事実を伝えようとすることになります。
EII(宣言タイプ)の例で、「質問すること」が「質問タイプ」の特徴とは異なるという点を示す引用があります。
「しかしEIIは、自分が必要とされていることを実際に実行する前に、100の質問を投げかけるタイプのひとつです」(EII-LIE 準双対関係より)
「双対のEIIとは違って、何事もあまり質問しないところが気に入られます」(ESI-LSE 準双対関係より)
この質問/宣言という二分法は、非常に誤解されることが多い二分法です。したがってタイピングで使用するには好ましくない二分法だといえます。
理論的特性
質問:二分法「賢明」である論理タイプと、二分法「果敢」である倫理タイプ [1]
宣言:二分法「果敢」である論理タイプと、二分法「賢明」である倫理タイプ [2]