表記ゆれ
この二分法は、下記のように呼ばれることもあります。
資源(Resource、リソース)の保護、曲がりやすい(Yielding)
利益(Interest、興味、関心、利害)の保護、しつこい(Obstinate)
分類
資源(ExTx, IxFx):SEI、ILE、IEI、SLE、ESI、LIE、EII、LSE
利益(ExFx, IxTx):LII、ESE、LSI、EIE、ILI、SEE、SLI、IEE
α | β | |||||||
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ILE | SEI | ESE | LII | EIE | LSI | SLE | IEI | |
資源 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
利益 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
γ | Δ | |||||||
SEE | ILI | LIE | ESI | LSE | EII | IEE | SLI | |
資源 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
利益 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
典型的な特徴
資源
- リソース(資源)は「神聖」なものですが、アイデアは自由に共有し、操作できるものです。
- 自分と他人の利害の境界を意識しやすいです。
- 人と衝突するほどに、リソースを保護しようとする傾向が強くなります。時に、かなり激しい反応を見せることがあります。
- 「できないと分かれば、やらないし、すべて忘れてしまいます」
利益
- アイデアは「神聖」なものですが、リソースは自由に共有し、操作できるものです。
- 自分と他人のリソースの境界を意識しやすいです。
- 自分の利益を侵害されないよう気にします。また、利益を侵害された時の反応がかなり激しいことがあります。
- 「自分のリソースが不十分だからといって、自分の利益を放棄したりはしません。それよりも、自分のリソースが十分になるまで改善する努力をするだけです」
典型的な特徴(拡張版)
2003 年のレーニンの特徴の研究から取得。
資源
- 資源タイプの場合、自分のリソース(資源)は「個人的な境界線」で囲まれた「個人の内的空間」(=妥協できない物)に位置づけられています。その一方で、「興味」は操作される対象です。したがって適切なリソースやチャンスがない場合、興味が湧き起こりません。
- 資源タイプは、他者と関わりながら、自分の関心を自由に表現します(写真を共有し、反対意見を述べ、反論を検討し、他者と関心を共有し協力する用意があります)。資源タイプは「自分の興味」と「他人の興味」を境界線を明確に識別しています。
- リソースをめぐる対立では自分を守ろうとしますが、自分の利益に対する侵害には無頓着です。もし誰かが自分のリソースを侵害し、「パーソナルスペース」に侵入しようとしたら、資源タイプは敏感に、激しく反応します。その反応の仕方は少しオーバーで攻撃的に見えることさえあります。(資源タイプがこのような反応を見せるのは、自分のリソースを「不可侵なもの」だと捉えているためです)
利益
- 利益タイプにとって、自分の興味を追求することは「個人的な境界線」で囲まれた「個人の内的空間」(=妥協できない物)に位置づけられています。その一方で、「リソース(資源)」は操作される対象です。したがって興味があれば、それを追求するためのリソースやチャンスを探そうとします。
- 利益タイプは、他者と関わりながら、自分のリソースを自由に操作します(自分のリソースを共有したり、交換したりして、意識的に補充したり、使い切る用意があります)。利益タイプは「自分のリソース」と「他人のリソース」の境界線を明確に識別しています。
- 自分の利益に対する侵害は防ごうとしますが、自分のリソースに対する侵害には無頓着です。もし誰かの利益追求のせいで自分の利益(つまり利益タイプにとってのパーソナルスペース)が侵害されそうになった場合、利益タイプはそれを防ぐために激しく反発します(これは、他人の利益が自分の利益にならない場合に発生します)。
備考
この二分法のキーコンセプトは「パーソナルスペース」、「リソース」(自由に使えるもの)、「個人的興味」(ここでいう興味とは、個人的な興味ではなく、人が興味を持ち、責任と愛着を感じる追求のこと)です。
「パーソナルスペース」とは、人が持つ「自分にとって不可欠な、自分自身の一部」です。人はそれを放棄することができず、外部からの押しつけや侵入から守ろうとします。
資源タイプのパーソナルスペースはリソースで占められており、利益タイプのパーソナルスペースは利害によって占められています。それに応じて資源タイプは利害を操作し(資源タイプは自分のリソースに合わせて、自由に利害を変えながら調整できます)、利益タイプはリソースを操作します(利益タイプは自分の利害に合わせて、自由にリソースを変えながら調整できます)。
例
資源
「その関心事は、あなたのものかもしれないし、あなたに要求を強要できる他の人々のものかもしれません」
「興味があっても実現できそうもない場合、やがて面白くなくなってしまいます。以前、興味があっても、簡単に興味をなくしてしまいます」
「私は自分に関係すること、自分が関わること、やらなければならないことの数を制限しようとしています。潜在的には興味深そうに感じても、引き受けたりはしません」
「自分には出来ないと思ったら、それを拒否して忘れてしまいます」
「興味があれば、それは当然、能力にも反映されます。不可能な物事のために、無駄な努力はしません」
「いろいろなことに興味を持つ人の気持ちは理解できません。私は、自分の能力を明確に知っています」
利益
「好きな活動は絶対に手放しません。寝食を削ってでもやります」
「中途半端な状態でやめたりなどしません。最後の一滴まで搾り取ります」
「自分が心惹かれる物事を探究したり、開拓すること(言い替えると、何かに興味関心を持ち、それを追求すること)は、私のレゾンデートルのようなものです。心惹かれる物事を探究せずに手放すということは、自分の人格を破壊し、喪失することを意味するので出来ません」
「私の興味関心は、私の肉体的な能力の限界にあります。限界に達すれば手を引きますが、それはあくまでも最後の手段です。しかしその場合でも、興味関心自体を放棄するのではなく『先送り』だけして、十分なリソースが得られる時を待ちます。たとえ利益を得るためのリソースがすでに不足していたとしても、私は自分の利益を手放しません」
理論的特性
資源/利益という二分法は、どの合理的情報要素が「評価的/状況的」であるかに対応しています [1]。
資源:「評価的」にTeFi、「状況的」にTiFe。
利益:「評価的」にTiFe、「状況的」にTeFi。