同一関係となるタイプ
- ILE - ILE
- SEI - SEI
- ESE - ESE
- LII - LII
- SLE - SLE
- IEI - IEI
- EIE - EIE
- LSI - LSI
- SEE - SEE
- ILI - ILI
- LIE - LIE
- ESI - ESI
- IEE - IEE
- SLI - SLI
- LSE - LSE
- EII - EII
はじめに
同一関係とは、ソシオニクスの14種類あるタイプ関係のひとつです。
二人のILE同士の関係など、全く同じタイプ同士の関係のことを指します。
◆◆◆
この関係では「自分を知ってもらう」プロセスが非常に早く進行します。お互いの情報を相手に伝えやすいという特徴があります。
お互いに共感したり、理解し合うことはできますが、解決策を提供することはほとんどありません。日常的に一緒に行動すると、率先して責任を取ろうとする領域と、責任を避けようとする領域が重なってしまうため、適切な協力体制を作れないことが多いです。
また、一方のパートナーが行動する時に、もう一方のパートナーが「待機状態」に陥ってしまうことが多いため、他のタイプ関係よりも団結性のない関係になりやすいです。
しかし、同じクアドラの価値観を共有しているため、人生観は似通っています。人生観が似ており、同じ強みや同じ問題点も持っているため、共鳴関係などと比べると競争意識があまり煽られない傾向があります。
◆◆◆
同じ物事に関心を持っている場合、相手の活動に大きな刺激を与えることが出来ます。また、自分の強みを現実的に開発し、自己実現や社会的認知を得るためにはどうすればいいか考える上で、自分の同一関係に当たる人間は最高のロールモデルにもなります。
それとは対照的に、お互いの弱点を補い合うという点ではもっと直接的なサポートが行われることが多いですが、それにも関わらず、その恩恵はかなりわかりにくいものでしかありません。
他のタイプ間関係は、各関係ごとに各8種類ずつペアが存在しますが(例:ILE-SEIなどのペア)、同一関係の場合は16種類のペアがあります。より包括的な説明は「ソシオニクスの数学 [1] 」を参照してください。
さまざまな著者による説明
Valentina Meged, Anatoly Ovcharov
同一関係は、非常によく似た人同士の関係です。
互いのことを理解しやすく、コミュニケーションもしやすいという特徴があります。信頼と共感に基づいて関係が成り立っている場合は、友情に適しています。
強みと弱みが同じであるため、結婚生活では互いの活動や目標、成果を客観的に評価するのが難しく、助け合いが上手く行えないせいで困難が生じることがあります。
同一関係は、共通の興味や課題、プロジェクトがあり、なおかつ経験豊富なパートナーから学ぶことがある場合に活性化します。新しい情報がないと、この関係の魅力はすぐに失われてしまいます。
一般的に、互いに同情的です。同一関係では、互いのことだけではなく、自分自身のことも外から批判的に見つめることができるようになります。
I.D. Vaisband
同一関係では、情報伝達が容易なため、互いのことをよく理解しあえます。
教師と生徒の関係に向いた関係です。同一関係ほど迅速に、わかりやすく教えることができる人はいないかもしれません。しかし知識レベルが同じになった途端に、新しい情報がなくなってしまうため、関係維持への関心も薄れてしまいます。
両者とも同じ強みと弱みを持っているため、弱い分野でのサポートは期待できず、互いの力を必要とする機会もあまりありません。同じような発想しかないため、会話すら面白く感じられないことがあります。もしも人里離れた場所で同一関係の人と二人きりになったとしたら、二人の間で話すことが無さ過ぎて、声の出し方を忘れてしまうかもしれません。
両者とも、同じ刺激に対して、同じような反応をします。片方にとって明確なことは、もう片方にとっても明確であり、その逆も然りです。
この関係には補完性がありません。結婚相手という意味で言えば、ピエール・キュリーとマリー・キュリーのように、何か共通の目的のために一生を捧げようとする場合にだけ勧められる関係です。
O.B. Slinko
「The key to heart - Socionics」より
同一パートナーは、非常によく似た方法で世界を認識し、よく似たやり方で世界に影響を及ぼします。もちろん、ありとあらゆる点で似ていて、常にお互いを理解し、同意しあうことができるという意味ではありません。しかし、痛々しいほどに似ていることは確かです。
互いの弱点や問題がはっきり見えます(なぜなら自分も同じ弱点や問題を持っているからです)。そして同じ弱点を抱えているため、相手の苦手な部分をサポートするなどといった芸当はできません。この二人の関係で最も頻繁に生じる感情は、共感と同情です。
互いに多くのことを許し、「私だって同じようにやるから」という理由で互いの行為を正当化します。しかし時には自分一人でも同じ結果を得られると感じて、同一関係の付き合いに飽き飽きしてしまうこともあります。
親子関係、師弟関係、上司と部下の関係などといった、「一方がもう片方より経験や成長レベルが優れている場合」は、状況が好転します。こうした場合、情報の伝達を迅速に、かつ非常にわかりやすく行うことができるため、両者の知識レベルの差は急速に埋められることになります。同一関係は最良の生徒であり、最良の教師であると言えるでしょう。これが「双対関係である夫婦の子供のタイプが、親のタイプと同じ」ということが多い理由です。
R.K. Sedih
「Information psychoanalysis」より
この関係の相互作用には面白い効果があります。全ての人が社会生活を営むために仮面をかぶっていますが、同一関係の相手から見ると、その仮面がほとんど透けて見えるのです。これはプラスとマイナス、両方の結果をもたらします。
お互いを深く理解しやすいため、同一関係では「相手の経験から迅速かつ生産的に学ぶ」ことができます。その一方で、自分のことを見透かしてくるような相手でもあるため、コミュニケーションをとるのが難しいと感じやすい面もあります。
これは、多くの問題を抱えながらも、それを表に出そうとしない、双対ペアと補完関係を構築できていない人々にとっては特に気になる問題です。
さらに、対立し、競争しなければならない状況に置かれた場合、状況は特に深刻化します。同一関係間で揉めた場合、第三者にもその争いが目に見えてわかってしまうかもしれません。
◆◆◆
片方の親と同一関係であり、もう片方の親と双対関係になる子供は非常に幸運に恵まれていると言えます。このような子供は、健康面でも精神面でも、大抵の場合は同年代の他の子供よりも優れています。
同一関係は、親子関係や教師と生徒の関係、それから中程度の快適さの友人関係に最も適しています。教師と生徒の関係の場合、生徒の知識レベルがすぐに教師に追いつくため、しばしば友人関係に移行します。
しかし、この友情関係は不安定なものです。なぜなら自分と同一関係になる人間を助けるためには、自分自身や自分の問題から、相手や相手の問題を「切り離す」必要があるからです。
また同一関係の利点であるはずの学習スピードの速さが欠点になることもあります。つまり教師に追いつき始めた生徒が、教師の権威に挑みかかるようになることがあるのです。
このような挑戦は、人類の進歩の原動力であり、それと同時に多くの個人的な悲劇の原因でもありますが、これが「悲劇」となるのは「他でもない『自分の』功績の記念碑」が欲しい人間だけに限った話かもしれません。数多くの弟子を持ち、弟子からの意見を拒絶しない人間には、誰よりも先へ進むチャンスがあります。
Laima Stankevichyute
「Intertype relations」より
多くの人の初恋相手は、自分の双対タイプか、または自分の同一タイプの人間です。
同一関係となる二人は、互いのことをとてもよく理解しています。彼らの行動や活動には、しばしば非常に顕著な類似性が見受けられます。「話の組み立て方や言い回しがほとんど同じ」ということさえあります。同一関係は互いに明確であり、いくつかの価値観も共有しています。
共同で何かの活動をする場合は上手くいくことが多いですが、結婚には難しい相手です。
その理由は、まず第一に同じような領域に弱みを持っているせいで、情報が不足している領域があっても、両者ともにそれを補えないからです。そして第二に密なコミュニケーションをすると、互いの指示や希望を不快に感じやすかったり、タイミングが悪く感じる傾向があるからです。
同一関係のタイプ同士の人間が家族となった場合、崩壊してしまうことが多いです。
A.V. Bukalov, G. Boiko
「Why Saddam Hussein made a mistake, or what is Socionics」より
この関係は、まるで自分自身を外側から見ているようで面白い関係です。ソシオニクスに詳しい人にとって、タイプ別のステレオタイプは同一関係の中で特に顕著に感じられるかもしれません。
互いに、相手の行動の背景や動機を見透かし合います。「人の振り見て我が振りを直す」という意味で、役に立つ関係だと言えるでしょう。また、人が自分の精神を守るためにかぶっている仮面も見透かしてしまいます。
◆◆◆
同一関係は、蓄積された知識や経験を伝達する必要がある場合には、最も適した関係です。例えば教師と生徒が同一関係である場合、生徒は教師の思考回路を簡単に理解できますし、教師は生徒が何を求めているかを簡単に理解できます。特にサブタイプまで同じ場合は、これがより顕著になります。
サブタイプが違う場合は、多少理解に時間がかかるかもしれません。例えばSi-SEIからすると、Fe-SEIは活動的で「感情の空間」を乱しすぎているように見えるかもしれませんし、Ne-ILEからすると、Ti-ILEは「慎重で狭い範囲の問題を分析することに囚われている」ように見えるかもしれません。
◆◆◆
同一関係は同じ目線で世界を見ているため、片方のパートナーが蓄積していた知識や経験の伝達が終わってしまうと、それ以上、情報伝達すべきことが無くなってしまい、関係も冷めてしまいます。例外は、共通の目標や目的に向かって努力しなければならない場合だけです。
Victor Gulenko
「Criteria of reciprocity」より
単調な議論:
知的レベルが違う場合に限り、生産的なコミュニケーションが可能です。この場合は面白い議論が始まります。
一方で知的レベルが同じ場合、議論が長引いてしまい、すぐに疲れ切ってしまいます。それを打開するために、あえて相手の気性に合わないような行動を取るように仕向けて楽しむかもしれません。
通常、お互いのことをよく理解していますが、深い関心はありません。わざとバランスを崩さなければ、利害の衝突が起こってしまいます。
◆◆◆
パートナー間の違い:
パートナーは互いの行動の動機を直観的に理解し、「互いの行動を横並びに揃えるような試み」や、たとえ公正なものであっても「自由を制限するような制約」が課せられることには反対します。
同一関係は極めて民主的なタイプ関係であり、あらゆる枠組みや伝統を軽視する関係です。
関係の初期段階からすぐに冷たい性質が表れます。お互いに、相手の動作の背後にあるロジックをすぐに見抜き、簡単に計算してしまえるため、相手への関心をすぐに失ってしまいます。
この関係には、認知的な興味や知的な議論を重視する、いわゆる知的化の傾向が見られます。
人生観が似ており、同じ意見を持つことが多く、趣味や関心事も同じという二人です。一緒に何かを計画した場合、鮮明で、いかにも有望そうな計画を立てることができますが、意図した通りに計画が実行されることは、ほとんどありません。
同一関係は、気質や理解しやすい方法が似通っているため、すぐに退屈で単調なものになってしまいます。何にどのような情熱を感じるのかという部分が滅多に変化せず、仮にそのような変化が起きたとしても、その原因と意味が簡単にわかってしまいます。
この関係の単調さを払拭することは、かなり難しいです。
好みや優先順位が似ているため、結婚した場合はさらに互いに順応し合うことになります。
最初は同一関係の類似性に惹かれることが多いです。そしてもっと深い理解を得ようと努力することになりますが、これを追求すると、最終的には結果を失ってしまう羽目になります。
ソシオニクスの各側面が概括され、両者の貢献度がわからなくなってしまいます。
◆◆◆
付き合う上でのアドバイス:
同一関係には、議論の余地がある、新しくて多様な情報の絶え間ない流入が必要です。議論の過程で、自分の知的優位性を証明しようとして知的論争をする傾向があります。
そのため、より頻繁に外出して、社交的になり、劇場や美術館、公園を訪れたり、活気のある場所を散歩したりするようにしましょう。
家事はどちらか片方にばかり押し付けるのではなく、きちんと分担するようにしましょう。
同一関係の場合、自分が期待するものを相手が提供することは決してないことを念頭に置き、失望することを覚悟のうえで、計画をより現実的なものに修正してください。
この関係には、「相手が頼りない」という感覚が付きまとうという欠点があります。そういう感覚を感じたら、感情に流さるのではなく理性的になって「何が問題なのか」をよく考えるようにしてください。
相手の行動の一般化したパターンに目を向けるのではなく、個々の場合それぞれに目を向けることで関係性は簡単に安定します。
傲慢にならないように気をつけましょう。ユーモアを交えながら、民主的なコミュニケーションを心掛けてください。
V.V. Gulenko, A.V. Molodtsev
「Introduction to socionics」より
理解しあうことは多いですが、真の助け合いはできないこともある関係です。同一関係では互いに共感したり同情したりするような感覚を持ちやすいです。相手を見て「もしも自分だったとしても同じことをしただろう」と感じ、少しでも相手を応援化したい、相手を正当化したいと思うのです。
その一方でコミュニケーションは退屈になりやすいです。相手から新しい情報が入ってこないので、つまらなく感じてしまい、付き合う意味がないと感じやすいためです。時間がたつと、この関係は中立~冷たい関係におさまることが多いです。なぜなら情報交換しても同じ結論に達する可能性が高いとわかっている相手とわざわざ話し合っても、興味深さを感じられる余地がほとんどないからです。
例外は、両者の知識や経験のレベルに大きな差がある場合です。この場合は互いに大きな興味と魅力を感じるかもしれません。したがって同一関係は教師と生徒の関係としては理想的だといえます。また共同で何かをする場合にも効果的な関係です。、自然と同じ方向に向いて力を発揮することができるためです。
サブタイプまで含めて同じ場合は、さらに快適で簡単に付き合えます。その逆にサブタイプが一致しない場合は、疑心暗鬼になりやすかったり、相手が間違った方向に向かっているように見えてしまうことがあります。
◆◆◆
同一関係には、人が自分自身をもっと客観的に見つめて、自分の長所と短所を評価できるようになるという点で大きな教育的価値があります。自分自身を見つめることが必ずしも楽しいとは限りませんが、テープに録音された自分の声を聴いてみて、自分が考えていたほど悪くないとわかることもあります。この関係は、正しい自己評価を育む役に立つ関係だと言えるでしょう。
Ekaterina Filatova
「Art of understanding yourself and others」より
同一関係は、教師と生徒という意味では極めて生産的な関係です。同一関係ほど、人に上手に教え、素早く学べる関係はありません。
しかし知識レベルが同じになると、新しく伝えられる情報がなくなってしまうため、お互いへの関心が薄れてしまいます。
彼らは同じ刺激には同じ反応をします。そして同じ分野に強く、同じ分野に弱いため、「自分の弱みをサポートしてもらう」ということができません。あまりにもそっくりなせいで「もはや話すことが無い」ということさえあります。
◆◆◆
両親が双対関係であり、子供が両親どちらかの同一タイプである子供は恵まれています。これは子供にとって非常に有利な条件だからです。同一関係ほど優れた教師はいないように、双対関係ほど優れた保護者はいません。双対関係の保護者は、見返りを求めず、在りのままの子供を受け入れて愛せるため、子供は常にサポートを実感できることでしょう。
残念ながら多くの家庭で、どちらか片方の親だけが子育てをしています。こうして子育てをしている側の親が子供と同一タイプである場合、子供によく物を教えることはできますが、子供の弱い機能に対して安心感を与えたり、適切なサポートを与えることができません。子供は早く自立を求められることになるため、冷たい性格になりやすく、杓子定規で堅苦しく成ったり、自分の凄さをひけらかしたがる傾向が強まる可能性があります。
その一方で、子育てをしている側の親が双対タイプである場合、子供は幼いころから特に努力せずに「在りのままの自分」を受け入れてもらえます。しかし双対の親によるサポートに慣れきってしまい、自分の弱い機能を自力で補う習慣をあまり身に着けられなくなるため、厳しい状況に適応する力のない子供に育ってしまう可能性があります。
◆◆◆
学齢期の子どもたちにとって、全ての教科を教える小学校の担任の先生との相性は、それから先の何年もの間の学習に対して、非常に大きな影響を与えるかもしれません。
もしも自分と同一関係の先生であった場合、その先生の教える内容を簡単に理解し、よく勉強し、もちろんテストで高い点数を取ることができます。
しかしあまり共通点のないタイプの先生であった場合、勉強が難しくなってしまいます。こうした子供はたいてい勉強が遅れ、自分の能力に不安を抱くこともあります。
◆◆◆
同一関係でも、特に直観タイプ同士である場合、二人ともやらなければいけない家事に興味が薄いため、より大きな困難に直面します。彼らは平凡で日常的な家事よりも、もっとエキサイティングな挑戦について話すほうがはるかに楽しいと感じます。
同一関係である二人が共通の活動領域を持っている場合、創造的な仕事が行えるため、より生産的になる傾向があります。例えばIEI-IEIというペアで、1人が心理学者、もう1人が医者という場合、人道的分野での知識を十分に深め合うことができるでしょう。
同一関係は、個々人の発達の度合い、興味の範囲、活動範囲に大きく左右される関係です。
Eugene Gorenko, Vladimir Tolstikov
「Nature of self」より
同一関係では、互いの強い機能が一致するため、最も互いに理解しやすい関係だといえます。また同じ理由から、多くの場合、非常によく似た行動や考え方をします。
この関係の欠点は、互いの行動に驚きを与える要素がない点です。同じ資質が強く、その反対の資質は同じように弱いため、解決されないまま重要な問題が多く残り続けることになります。
Sergei Ganin
同一関係は、機能が完全に一致する関係であり、また、片方のパートナーから見た場合の関係と、もう片方のパートナーから見た場合の関係が同じという対称的な関係です。関係性の進展の仕方にはリズム性があります。
パートナー同士は完全に理解しあっていますが、お互いに助け合うことができません。彼らは同じ目で世界を見て、同じ形で受け取った情報を処理し、同じ結論に達し、同じ問題を抱えています。通常、お互いに共感・同情して、支え合い、自分たちを正当化しようとします。
◆◆◆
同一関係には負の側面もあります。共通の関心事がある場合、同じプロジェクトに取り組んでいる場合、一方のパートナーがもう一方のパートナーよりも知識レベルが高く、教師と生徒のような関係になっている場合を除いて、同一関係の交流はすぐ退屈なものになってしまうかもしれません。
通常、二人の間で新しい情報の伝達が行われない場合、あえて交流を行う意義がなくなってしまうため、中立的な関係性になっていきます。
ただし同一関係の場合、中立的な関係であったとしても、短期間だけに限れば、生き生きとした交流が定期的にできることもあります。これはパートナーがお互いについての新しいことを発見した時に起こります。
もしも同一関係の二人が互いに魅力を感じれば、その関係は本当に愛と思いやりにあふれた関係になることもあります。
◆◆◆
同一関係間の交流が長く続いていくためには、一方のパートナーが「自分たちの双対タイプ」のような役割を担い、双対関係のような関係性を目指さなければなりません。
これは通常、自然に起こります。例えば二人が内向タイプである場合は、一方のパートナーが無意識的に外向的な側面をケアしたり、二人が論理タイプである場合は、一方のパートナーが倫理的な側面の脆弱性を埋めようとします。
この場合、二人の来歴の差や、それまでに培ってきた機能の成長の方向性の違いが役に立つかもしれません。他のタイプ関係と同じく、同一関係にも関係性を継続させるための原動力が必要なのです。
◆◆◆
同一関係は、自分自身の能力や問題を普段とは違う角度から見つめなおす助けになる関係であるため、自己開発には有益です。自分と同じタイプの人間を見るということは、自分を撮影したビデオを見ることに近いかもしれません。結論として、同一関係だけが人に正しい自己評価を与えられる関係だといえます。
同一関係の理論的特性
同一関係は同じタイプ同士の関係であるため、全ての機能の位置が同じです。
訳注
- ^ 「ソシオニクスの数学(Mathematics of socionics)」:おそらく著書名?別のwikisocionの記事( https://www.wikisocion.net/en/index.php/Functions )では、「Mathematics of socionics」という単語にwikipedia「ソシオニクス」の英語版のページが紐づけられていた。