タイプの分類
臨機応変
ENxxおよびISxx
先見
INxxおよびESxx
α | β | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ILE | SEI | ESE | LII | EIE | LSI | SLE | IEI | |
臨機応変 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
先見 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
γ | Δ | |||||||
SEE | ILI | LIE | ESI | LSE | EII | IEE | SLI | |
臨機応変 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
先見 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
典型的な特徴
臨機応変
- 「手元にある」情報を使って問題を解決しようとする傾向があります。したがって臨機応変タイプの解決法は、その状況に特化した解決法になりやすいです。
- 自分で考えた解決策を他者に説明する際、その解決策をどうやって得たのか明示的な形では説明しません。
- 「すべてを準備することは不可能です」
先見
- 知識と経験を通して得た情報を中心にして、問題解決しようとする傾向があります。そのため、先見タイプの解決策は一般化された解決策になりやすいです。
- 自分で考えた解決策を他者に説明する際、その解決策をどうやって得たのか、明示的な形で説明します。
- 「事前に準備しておくのが一番です」
典型的な特徴(拡張版)
2003 年のレーニンの特徴の研究から取得。
臨機応変
- 臨機応変タイプは、与えられた状況(例えば特定のタスクの条件下)で利用可能な情報のみを使って問題を解決し、解決策を模索しようとする傾向があります。そのため臨機応変タイプは、それぞれのタスクにあわせて、新しい「アルゴリズム」を作成します。
- 提示された問題に対する自分の解答を説明する際、どうやってその解答を得たのかという部分(準備や情報収集、過去の経験など)を明示的に言及することはありません(臨機応変タイプは、暗黙的にこうした情報を示します)。
- 臨機応変タイプは、会話中に一般的な概念として「予期する・予想する」という言葉を多用します。通常、彼らの言う「予期」は、「必要だと思う」「良いと思う」「全てを予期することは不可能だ」を意味していることが多いです。
先見
- 問題を解決する際、先見タイプは自分の経験の広大な「プール」から情報を「掬い取ります」。つまり、質問に対する解答を考える際、自分の経験や知識の全てを参照したうえで解答を見つけ出そうとします。問題を解決するにあたって、先見タイプは、すでに準備されていて、蓄積されている方法(アルゴリズム)を使用する傾向があります。
- 質問されたことに解答する際は、その解答を見つけ出した過程や、問題を取り巻く状況、入手できた情報など、幅広い情報に言及します。
- 会話の際、先見タイプは一般的な概念としての「予期する・予想する」という言葉をほとんど使用しません。何らかの行動や計画を説明する際は、具体例を提示することで「何がどのように予想されるのか」を例示しようとします。
具体例
テーマ【どうやって休暇に向けた準備をしますか?どのように休暇を過ごしますか?】
臨機応変:
- 「最低限のものさえあれば十分だから、荷物はそんなに多くはならないです。ありとあらゆる準備をしておくというのは無理があります」
- 「かならず何かを忘れてしまいます。例えば服とか、傘とか、本とか、地図とか、カメラとか、薬とか。本だけは必ず持っていきますが、娯楽は現地で探すことが多いです」
- 「楽しい時間を過ごすために最低限必要なものは持っていきます。例えば個人の衛生用品、薬、必要な衣服などです。休暇中、自分が何をして楽しんでいるかは予想できません」
- 「必要最低限の準備だけします。休暇用の靴や水着を買い、休暇中どこに遊びに行くか計画します」
- 「休暇中に起こりそうなことは全て予想しますが、想定される全ての可能性に備えることはできません」
- 「どうしてもないと困るもの、たとえば衣服や薬は準備します」
- 「もしも旅行先で何かがないと思っても、なんだかんだで現地調達できるので問題ありません」
◆◆◆
先見:
- 「水着とカメラは必ず用意しておきます。何があるかわからないので、事前に何が必要かを調べて準備できることはしたほうがいいと思います。そうしないと、ホテルに備え付けがあるにもかかわらず、わざわざドライヤーやアイロンを持って行ったイタリア初旅行時のようになってしまうからです。とはいえ、ドライヤーなどはともかく、カメラの電池やフィルムは事前に用意しておいたほうがいいでしょう」
- 「旅行に行くのは初めてではありません。私にとって旅行は慣れ親しんだ活動なので、何を持っていく必要があるかはすでにわかっています。少なくとも現地の言語を学んでおかなければなりません。情報を得るには多くの時間がかかるものなのです」
- 「出発前には必ず色々な物の支払いを済ませておきます。帰ってきたとき『嫌なサプライズ』が待ち受けていないようにするためです。(中略)まず現地の天気を調べます。『旅行先で何かがないことに気が付き、買い物をする』と遊ぶ時間が減ってしまいますし、時間のムダでしかないので、必要なものはあらかじめきちんと買いそろえておくべきです」
- 「パスポート、ビザ、保険は必ず準備します。あとは飼っている猫をどうするかも決めます」
- 「旅行代理店に聞いて情報収集します。旅行代理店は、色々なことに責任があるのだから、きっと情報を提供してくれることでしょう。それでも足りなければ、追加の文化的な情報を探します。(中略)私には、『旅行に持っていくべきものはこれ』という経験から得た知識があります」
- 「コートは仕立て屋が仕立てたものでないといけません」「なぜですか?」「なぜなら…」
◆◆◆
先見と臨機応変の会話例:
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先見「このリモコンは家にあるやつと一緒だ。このボタンを押してもチャンネルは変わらないよ」
臨機「ちょっと試してみよう」
先見「なんでそんな無駄なことを」
理論的特性
先見/臨機応変は非合理的な情報要素に対して評価的か、状況的か [1]という二分法に対応しています。
臨機応変タイプは評価的なNe,Siと、状況的なNi,Seを持ちます。
先見タイプは評価的なNi,Seと、状況的なNe,Siを持ちます。
出典: