男性の場合
若いILIは、痩せているか太っているかに関係なく、大人びた子供のように見えます。ほんの小さな子供だった頃、その傑出した頭脳と、大人顔負けの知識量で他人を驚かせることが多かったことが、このような印象に繋がっているのかもしれません。大人から向けられる熱狂と賞賛に慣れ切った彼らには、天才児特有の面影を感じられます。
ILIは常に冷静沈着で、メランコリックで、物思いに耽りがちです。このタイプの人の目立つ特徴とえば、絶望的な快疑心に満ちた知的で悲し気な眼差しです(しばしば目の下にクマができています)。濃い青とグレー、茶色と黒色など、暗い色合いの服を好みます。髪は長めにカットしていることが多いですが、男性らしい短髪の男性ももちろんいます。
ILIはどちらかというと体のラインがはっきりしておらず、なで肩で、ややふっくらしている人が多いです。たとえ若い頃にスポーツをしていたとしても、中年になると太りやすいです。年をとっても健康的なスリムさを維持している人もゼロではありませんが、こういうILIは滅多にいません。
その大きい体格にも関わらず、ILIは「ガッシリした人」という印象からは程遠い人です。簡単に脇に押しやられてしまうようなところがあります。まるで大きな風船がフワフワと漂っているかのようです。
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彼らは子供のころから非凡な才能に恵まれています。頭の回転が速く、賢く、博識で、世界を理解しようとする情熱に満ちています。彼らの頭の中には、さまざまな分野の膨大な知識が蓄積されています。しかし学校では、自分の知識量を躍起になって披露して注目を集めようとすることのない、大人しい子供だったことでしょう。勤勉さや注意深さに欠けることはありますが、もしもある程度の健全な野心を持つ子供は優れた成績を収めます。
通常、年齢とともに知性は減退することなく、むしろ増していきます。それに伴ってずる賢さや、皮肉の辛辣さも増していきます。今後の展開を予測し、ある行動がどれだけの利益をもたらすかを計算する能力を持っています。彼らの予測は信頼できますが、他の人がその恩恵にあずかれるかどうかは、ILIにその考えを共有する気があるかどうかにかかっています。
ILIは自己主張するのが苦手で、自分の意見を聞き入れてもらうことを期待していないため、焦って自分の意見を他人に押し付けることはありません。しかしそれは彼らの中に何の意見や考えもないというわけではありません。特に彼らが専門的にとりくんできた分野や、彼らの幅広い趣味の範囲内にある問題については、ほとんど専門家のような人です。
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このタイプの人々は、時間と特別な関係を持っています。時間を実際に存在するものとして認識し、それを扱う術を知っています。彼らは意識を時間軸に沿って自由に過去へ未来へと進ませることができます。時間の流れの中で生きている彼らには、なぜ他の人たちが時間の流れの中にある可能性を活用しようとしないのか理解できません。
ILIはあらゆるプロセスが遅い人ですが、彼ら自身は急ぐことなく、のんびりしすぎているような印象を与えます。このタイプの男性は、無関心そうに肘掛け椅子に座って面白い本を読んでいたとしても、三~五分で準備をして、必要な時間までには家を出発できます。
あるILIは、知り合いの女性と一緒に地下鉄に乗って非常に含蓄のある話を楽しく交わしていました。そうしているうちにILIが降車する予定の駅に近づいたため、彼女は「そろそろ会話をやめて扉のほうへ向かうだろう」と思い、会話を終わらせようとしました。しかし当のILIのほうは、構わず話し続けました。電車が停止し、他の乗客が乗り降りしている中でも彼は落ち着いて話し続け、最後にしっかり挨拶をしてから、ゆっくりと予定通りの駅で電車から降りていきました。
彼らは控え目で物静かなです。図書館やインターネットの中に自分の居場所を見つけ出し、人気のない空間で快適に過ごしながら、好きな仕事に没頭します。彼らは人との交流を必要としていません。ILIにとって重要なのは、常に創造的な刺激を受け続けることです。しかし会話に値する相手がいれば、その人と興味あるトピックについて何時間でも話し合えます。抽象的で哲学的な議論を好み、一般的な議論よりも深い、高度な議論を行う傾向があります。
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ILIの男性は、異性との関係の機微に疎く、感情の領域ではどちらを向けばいいのかわからなくなってしまうため、どっちつかずの無関心そうな態度をとりがちです。彼ら自身がどのようにして関係に巻き込まれるかを理解しておらず、結婚するか別れるか、何かをしなければならなくなったときに初めてこの問題に気付きます。
このタイプの男性は恋愛に不器用なため、非常に慎重に振る舞います。彼らに対して「どんな感情を抱いているのか」を尋ねても無駄なことが多いです。彼ら自身もよくわかっていないからです。人は皆、現実的に行動しなければなりません。しかし、彼らは決断を好まず、すべての意思決定をパートナー任せにしがちです。彼らは状況の変化に伴うマイナスの結果を見越して行動しており、人間関係においての責任を避けたがります。そのため、彼らは人間関係において毅然とした態度をとることができ、決断力を発揮できるパートナーを歓迎します。
ILIと結婚した場合、経済的に安心できることは間違いないです。彼らは多様な職業に就くことができるため、どんな時でもお金を稼ぐ方法を見つけます。ILIは仕事で無理することなく、副業やその他の有益なプロジェクトで利益を得ることもあります。ILIの中には、それなりの金額を稼いだ後、三~四か月の休暇を取り、知的研究に専念する人もいますが、それに不安を感じる必要はありません。たとえILIがそうしたとしても、経済的な問題に陥ることはないからです。必要なときには、彼らは次の収入源を見つけます。例えば「クイズ番組」などの知識競技に参加して、多額の賞金を得るかもしれません。
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このタイプの人の中には、自分でビジネスを始める人もいます。特に、良いパートナーがいて、そのパートナーが会社の代表として顧客とのコミュニケーションを取ったり、会社の顔として機能する役目を自分から引き受けてくれるような場合は、非常に大きな成功をおさめることができます。ILI自身は舞台裏で働くことを好みます。仕事上、必要であっても、電話を掛けたり電話に出たりすることを嫌がります。
このタイプの男性は家事にあまり関心を持ちません。彼らからみて、無意味で不必要な家事のためにエネルギーと時間を浪費するのは惜しい事です。彼らはただ、興味深さに満ちた仮想生活があればそれでいいのです。日常的な雑務にILIが積極的に取り組むことは期待できません。父親としてのILIは穏やかで子供と友達になれますが、彼らはしばしば自分の父親としての役目は、子供の知的発達であると信じています。
ILIは激しい感情表現や空虚な世間話が苦手で、騒々しいパーティなどの状況をを避けます。騒々しい感情は彼らにとって耐えがたく息苦しいものでしかないので、ILIの前でドラマや悲劇を演じたり、「私たちの関係についてどう思う?」と頻繁に問いただすことも避けた方がいいでしょう。演出過剰だと、そのうち彼らはあなたの目の前から消えてしまうかもしれません。もしもすでにILIがそんなあなたの夫である場合、彼らはとても不幸に感じているでしょう。
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ILIと幸せを感じるためには、ILIを刺激し、活性化する方法を学ぶ必要があります。ILIは様々なことに溺れてしまい、必要なときに必要な行動を自分に課すことができないことが多いからです。彼らは自分の中に十分な熱意や決意を持っていないため、外部からの刺激が必要なのです。そうでなければ、ILIはいつも、あなたの考えた仕事やプロジェクトが無駄だと証明しようと躍起になってしまいます。
女性の場合
このタイプの女性の外見は非常に多種多様であるため、女性ILIの外見的特徴を説明するのは事実上ほとんど不可能です。一般的なILI女性の特徴を強いてあげるなら「目の下に濃いクマが見られる」と言えなくはありませんが、この特徴に合致しない女性ILIも多く存在します。また他のタイプの女性であっても、目の下にクマを作っている女性はいます。このように多様性があるため、外見からILIかどうかを見極めるのは難しいです。
男性ILIと同様、女性ILIは紺色、灰色、茶色、黒色などといったダークトーンの地味な色合いの服を好む傾向があります。目の下のクマという特徴と併せると、この神秘的な女性は、おそらく他の誰よりもガンマ・クアドラの精神を体現しており、現実と霊的世界の境界にある薄明かりの意識状態を表しています。彼女には何か神秘的なものがあり、何かを知っている人というような印象を与えます。
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ILIは目立つことを好みません。控え目で、裏方に徹し、決して前線にもサイドラインにも飛び出しません。しかし何らかの問題を彼女と共に対処すると、すぐに彼女の鋭敏な批判的精神と驚異的先見性が明らかになります。
何事にも懐疑的な態度が彼女の特徴です。熱狂も無ければ、恍惚とした思考の飛翔も、騒々しい感情もありません。彼女は観察者であり、懐疑論者であり、彼女の予測はしばしば非常に顕著な否定的性格を持っていますが、彼女自身はこれを賢さだと考えるでしょう。
穏やかでフレンドリーな人ですが、彼女自身は少数の友人、または1人か2人の同性の友達だけで十分だと感じ、それを苦にすることはありません。同時に彼女は時折社交的な集まりに参加し、そこで楽しむこともあります。こうした集まりは、常に知的で先進的な人で構成されており、話題には事欠かないでしょう。その一方で、騒音と笑いが絶えないようなディスコや猥雑な集まりには意義を感じることができず、すぐに退屈になってしまいます。もしも社会的な圧力などのせいで、そのような集まりに参加しなければならない場合、元の調子を取り戻すまで丸一日か二日かかってしまうことでしょう。
女性のILIは一般的に、育ちのいい少女という印象を人に与えます。荒っぽい言動をとらないよう気を付けています。ただし時々、彼女が本当に強く怒ると、特別に洗練された毒気を伴う、非常に不適切な言葉を使うこともあります。これは彼女の「怒りのユーモア」であり、とても面白いものです。
一般的にILIは普段からあらゆる物事を批判し、すべてに反対する傾向があり、ある出来事に対して「これはありえない!不可能だ!」と憤慨することがよくあります。ILIにとって、普通の人々が「自分の行動の結果を二歩先まで予測できない」ほどに愚かであると想像するのは難しいようです。
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ILIは、将来の状況や可能性をよく想像し、何歩も先まで展開を予測できます。彼女はすべてを徹底的に考え、自分の期待に応えられない男性に自分の運命を委ねることは決してありません。彼女は、家庭を持ち子供を育てるためには、お金や良い仕事、そしてきちんとした住居が必要であると考えており、他の女性が重視するようなロマンチックな愛や精神的親密さ、パートナーの魅力などはあまり重視しません。
おそらく、まさにこの現実主義のために、このタイプの女性が家族を持てず、独身のままでいることはほとんどありません。原則として、彼女は自分自身について大げさに考えすぎたり、ロマンチックさをパートナーにしつこく求めたりはしません。この現実主義のおかげで、自分自身だけでなく、大切なパートナーを冷静かつ賢明に見ることが可能になります。彼女は通常、豊富な知識を持っていますが、自分の知的能力をひけらかさないため、「賢すぎる女性は付き合いにくい」という一種の偏見を持つ男性とであっても、うまく付き合うことができます。ILIはパートナーと落ち着きのある生活をし、日常的な状況に対して、よく考えて独力で決断を下すことができます。彼女のパートナーは、彼女の賢さに気付かず、「なぜかすべてがうまくいく」と感じるか、「自分のおかげで成功した」と思うかもしれません。
女性ILIは用心深く、先見の明があります。彼女は将来、自分に害を及ぼすようなことは決してしません。そして、パートナーが何か重要な点で彼女を満足させない場合、遅かれ早かれ、そのパートナーは見込みなしと見なされて、後悔なしに捨て去られてしまうでしょう。これは彼女たちが人を愛せないことを意味しているわけではありません。彼女たちはただ、人生における物質的な側面がどの程度重要であるかをよく理解していて、パートナー選びの際にそれを無視することがないだけです。仮にILIが「小屋の中の楽園」を受け入れたかのように見えても、彼女が選んだパートナーをよく観察してみるとわかることがあるでしょう。彼女が選んだパートナーは、今はまだ学生かもしれません。しかし彼女はその人のことを、将来有望で、後々素晴らしいキャリアを築いたり、それからもちろん高収入を得そうな人物だと見込んだのです。
このタイプの女性と顔見知りになりたい場合、あまり大声でバカ笑いしたり、陽気に騒ぎ過ぎないほうが得策です。そんなことをすると、彼女に好印象を与えることはできません。それよりももっと知性とユーモアに機転を置く方が得策です。そうすれば彼女たちはあなたに親密さを感じ、あなたと時間を過ごすことは無駄ではないと確信するはずです。外見にも内面にも気を配りましょう。彼女たちはステータスを感じさせられる外見を好みますが、ケバケバしい人は好みません。ILIと交際する場合、大げさな演出や、二人の関係性について大声で確認するのは避けてください。
ILIの女性は非常に論理的な議論に強いため、あなたは彼女に何も納得させられないかもしれません。また、あなたが感情的になると、彼女はあなたに嫌悪感を抱くかもしれません。彼女は人間関係に関わる絶え間ない調査と分析、そして絶え間ない感情の嵐の宣言に不安を感じます。彼女たちにとって、他人の強い感情に対処するのは難しいことであり、非常に疲れ果ててしまいます。このタイプの女性とは、友好的で、寛容で、穏やかな関係を維持することが大切です。こうした関係であれば、彼女たちは非常によく反応します。
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知的なILIは制約なく学び続けることができる頭脳を持っており、驚くほどよく学習します。技術的な分野に限らず、このタイプの人は人道分野や芸術分野、さらには手仕事が必要な分野でも優れた成果をあげることがあります。工芸や裁縫、人形や宝石の制作に魅力を感じやすいです。
ILIが、次の二点の問題を克服できない場合、通常の生活にも問題が生じるかもしれません。一つ目は熱意の欠如です。これを克服できないと、怠惰な時期が頻繁に訪れてしまうかもしれません。二つ目は高慢さです。高慢なILIは「私の周りには馬鹿しかいない。なんでそんなやつらに付き合ってやらないといけないのか」と言い出すかもしれません。
職場では、このタイプの女性はかけがえのない存在になります。非常に賢く、物覚えが良い人で、仕事に必要なスキルをすぐに習得できるため、仕事で混乱することは滅多にありません。彼女相手であれば、同じ指示を二度繰り返す必要はないでしょう。
ILIの女性にとって、キャリアというのは非常にリアリティのある考慮事項であり、家事は退屈に感じてしまうため、できるだけ家事を最適化して、家事にかかるコストを最小にしようとします。確かに大切な人やゲストのために特別なものを用意したり、一晩もてなしたりすることは楽しいとは感じるかもしれませんが、ほとんどの場合、料理やその他の日常的な家事を楽しいと感じることはありません。義務感から家事をする場合、できるだけ方法を最適化し、より短時間で家事を片付けることを優先します。
日常からのエピソード:「洗わずに放置していた皿の汚れにフォークがこびりついて離れなくなってしまい、どちらも捨てなければならなくなった時、私は家政婦なしではやっていけない人間なのだと悟りました」
多くの大人が「かわいい」と思わず感じるような無分別で感情むき出しの乳幼児のことを、このタイプの女性はあまり「かわいい」と感じません。子どもたちが少し成長して、話したり、重要な情報を与えることができるようになったり、興味深い問題について話し合ったり、人生について教えたりできるようになってからのほうが、ずっと子どものことが好きになりやすいです。