ESE(ESFj 熱狂者, 美食家, ヴィクトル・ユーゴー)
自我ブロック
ESEがもっとも大切にしているのは、「人が感情的に満たされて幸せになること」です。そのために、周囲を明るく前向きな雰囲気にしようとし、見た目や身体のバランスにも気を配ります。また、まわりの人が本当に満足しているかをよく見て、必要があれば自分から関わっていきます。
第一機能:Fe(外向倫理)
ESEは、まわりの人の感情や熱意にすぐ気づいて反応します。感情が見えていないときは引き出し、すでに表れているときはそれをさらに強めようとします。自分や他人の「好み」や「情熱」をよく理解していて、それを引き出すような言動を好みます。
ESEは、人が気持ちを素直に表すことを大切にしています。論理よりも感情を優先し、明るくて活発なやりとりを好みます。つらいときには、怒りや悲しみなどのネガティブな感情も正直に表すべきだと考えています。そうした感情を押し込めると、あとでつらさや不満としてあらわれることを知っているからです。ESEと相性が良いタイプ(LII)は、ESEの自由な感情表現や細やかな気づかいに安心し、心の支えとして感謝します。また、ESEはどんな話題でもいきいきと話す、魅力的な語り手です。自分の体験や思い出を交えて話すのが得意で、聞き手に親しみや深みを感じさせます。
ESEはつねに、まわりの「感情の空気」を感じ取っています。人の表情や気分、音や香り、全体の雰囲気などにも敏感で、それについて話すのが得意です。場の空気を変えることにも積極的です。暗い雰囲気なら明るくし、騒がしすぎれば落ち着かせるなど、全体のムードをうまく整えます。ESEは人の表情やしぐさから気持ちを読み取り、自然に気を配ることができます。感情が動く瞬間を楽しみ、それに共感してくれる人との関係に大きな喜びを感じます。
第二機能:Si(内向感覚)
ESEは、人を楽しませたりリラックスさせたりするのが得意で、遊びやレクリエーションを企画する能力があります。ただし、いつも自分からそうした活動を始めるわけではなく、「今は必要だ」と感じたときだけ動き出します。また、のんびりとしたペースで物事を進めることはあまり合いません。ESEはいつも「やることがある」「誰かに会う必要がある」と感じていて、忙しく活動している方が性に合っています。短い間ならゆったり過ごすことも楽しめますが、それが長く続くと落ち着かなくなります。
ESEは、人の好みやこだわりにとても敏感で、相手が本当に楽しめることをしてあげるのが好きです。例えば、家を快適で清潔、広々とした空間に整えたり、相手の好きなことに一緒に取り組んだり、趣味を共有できる仲間や機会を見つけてあげたりします。心のこもったプレゼントを贈るのも、ESEらしい気づかいの一つです。こうした行動を通じて、周囲の人が安心して楽しく過ごせる環境を整えようとします。
ESEは、周囲にどんな満たされていないニーズがあるかにいつも気を配り、それをできるだけシンプルでわかりやすいやり方で満たそうとします。感覚的な楽しさを演出するのが得意で、親しい関係の中での体験や楽しい出来事をもっと刺激的にする工夫を楽しみます。また、SEIと同じように、ESE自身も周囲の人が楽しんでいないと心から楽しむことができません。だからこそ、みんながちゃんと楽しめているかをいつも気にかけていて、全員が満足できるように全力を尽くします。
超自我ブロック
ESE(感情や感覚を重視し、社交的なタイプ)は、超自我ブロックにTe(外向論理)とNi(内向直観)があるため、「その判断が将来どれだけ効率的で生産的か」といった観点から考えたり話し合ったりすることを避ける傾向があります。つまり、未来を予測して長期的な視点で判断するのが苦手で、そういったやり方を避けるのです。
彼らが未来について考えるときは、「今の状態がこれからも続く」と考えるのが自然で、その前提に頼ることが多いです。複雑な変化を見越して分析するよりも、現在の延長で物事を考えるほうが安心できるのです。これは、彼らが複雑で先の読めない見通しよりも、わかりやすく単純な見通しを好むことを表しています。
第三機能:Te(外向論理)
ESEは、自分の行動が効率的で生産的、また知識に基づいているように見えることを大事にします。ただし、それはあくまで彼らの基本的な価値観であるFe(外向倫理)、つまり他人との感情的な調和や雰囲気づくりと矛盾しない範囲に限られます。ある行動や判断が効率的でなくても、場の雰囲気を保つために必要だと感じた場合は、それを支持することがあります。例えば、誰かに敵意があると思われないように、あえて配慮するようなことです。
ESEは、事実に基づく情報交換や、効率を重視した議論にもある程度は参加できますが、それが長く続くと疲れてきます。議論の雰囲気が重くなると、場を和ませようとしたり、逆に感情的になって苛立ちを見せることもあります。例えば、「ビジネス的すぎる」と感じた場を和ませようと冗談を言ったり、なごやかな空気を作ろうとすることがあります。しかし、そうした議論の場の空気を和らげようとするESEの試みに対して、事実に基づく反論が返ってくると、それを感情的な敵意として受け取ってしまうことがあります。そう感じると、ESEは防衛的になったり、強く感情的に反応することがあります。これは、ESEが論理よりも感情的なつながりを重視する傾向があることを表しています。
第四機能:Ni(内向直観)
ESEは、目の前の作業にすぐ取りかかるのが好きで、それが将来どれほど重要になるかはあまり気にしません。流れに合わせて柔軟に動くのが得意ですが、締め切り直前に新しい仕事が入ると、そちらに気を取られて次の予定に集中できず、結果的に遅れてしまうことがあります。ESEは、作業にどれくらい時間がかかるか、どのくらいの時間をかけるべきかを見積もるのが得意ではありません。そのため、スケジュール通りに動くには、かなり綿密な事前の計画が必要です。仕事でもプライベートでも細かい予定を立てることが多いですが、実際に行動するときには少し遅れがちです。
ESEは、物事を順を追って説明するのを好みます。例えば「これが起きて、そのあとにこれがあって、最後にあれが起きた」といった話し方をします。これは、自分で因果関係をつなげて理解するのがあまり得意ではなく、聞き手も自然に理解してくれるとは思っていないからです。ESEは、過去・現在・未来の区別をあまりはっきり意識しておらず、それらをすべて「今」と近い感覚でとらえる傾向があります。特に長期的な未来の話をするとき、それをまるで今すぐ実現できるかのように語ることがあります。そのため、目標を達成するまでに必要な準備や時間をあまり正確に見積もれていないことがあります。
超イドブロック
ESEは、アイデアが豊富で創造的な人に強く惹かれます。同時に、ものの見方に一本筋を通してくれるような「軸」や「中心」を持っている人にも魅力を感じます。日々集まってくる大量の情報を、わかりやすく整理して説明してくれる人には、大きな信頼を寄せます。
第五機能:Ti(内向論理)
ESEは、あれこれと同時に手を出したくなる傾向があり、そのせいで「役に立ちそうな情報」をむやみに集めてしまいがちです。だからこそ、そんな情報をさらに増やすのではなく、「今はいらないもの」をスパッと切り捨てて、明確な行動指針を示してくれる人の存在をとてもありがたく感じます。日々の出来事をきちんと分析し、それが全体の中でどういう意味を持つのかを説明してくれる人や、新鮮でワクワクするようなアイデアや「研究テーマ」を紹介してくれる人に、ESEは強い敬意を抱きます。
ESEは、自分の行動に納得できる意味や一貫性を持たせたいと思っていますが、感情に流されやすいため、冷静で客観的な判断をするのが苦手です。はっきりとした確信や道しるべが見つからないと、不安になり、理性的に動けなくなることがあります。また、ESEは新しい知識を学ぶのが好きで、とくに自信を持って知識を教えてくれる知的な人には強く惹かれます。
第六機能:Ne(外向直観)
ESEは、アイデアや想像力にあふれた人をとても好みます。それが今すぐ役に立たなくても、「世界では何が起きているのか」といった広い視野や、物事のつながりを感じさせてくれる人に、深い感謝を抱きます。また、自分のやっていることや経験に対して、鋭い発想や独自の視点を与えてくれる人にも、特別な敬意と感謝を示します。ただし、現実とのつながりが見えないような突飛すぎるアイデアには、少し戸惑うこともあります。
ESEは、意外性やユーモア、ちょっと風変わりで面白い部分を見つけて共有するのが大好きです。ただし、それには前向きで明るい気持ちが伴っていることが大切です。そうした視点を自然に持っている人と一緒にいると、ESEはとても楽しく過ごせます。
イドブロック
ESEは、「一人で成功を目指すこと」や、「今の楽しさや心地よさを我慢して、孤独や限られた人間関係の中で長期的な物質的な目標を追うこと」に、あまり魅力を感じません。彼らにとっては、今この瞬間の幸せや人とのつながりのほうがずっと大事だからです。また、「復讐」や「自分の道徳を守るために冷たく振る舞う」といった考えにも、強い違和感を覚えます。
第七機能:Fi(内向倫理)
ESEは、家族や友人との個人的なつながりをとても大切にします。ただし、その気持ちは内に秘めるのではなく、笑顔や褒め言葉、親しみのある口調などで、はっきりと表に出します。相手に恋愛感情を持ったときも、それを隠さず、素直に表現しようとします。ESEにとって、愛情を感じたらそれを表し、行動に移すことはごく自然なことであり、「誰にとっても当たり前の権利」であり、「心の健康にも欠かせない」と信じているからです。
彼らは、感情は心の中にしまっておくものではなく、表情や言動として自然に現れるものであり、それが周囲にも温かく受け入れられるべきだと考えています。例えば、ESEが明るく挨拶したのに、相手がそっけない反応を返した場合、「自分に興味がないのかも」「もしかして嫌われているのでは?」と感じてしまうことがあります。
そのため、誰かが自分の気持ちについて率直に話す場面にはとても共感しやすいのですが、もし相手の話し方が淡々としていて感情が感じられないと、「ひょっとして、この人は今つまらないと感じたり、心から話していないのでは」と疑うこともあります。
第八機能:Se(外向感覚)
一部のESEは、ときどき非常に率直になって、その場で相手を問いただすようなことをします。ただし、これにはユーモアが含まれていて、本気で怒っているわけではありません。例えば、相手があまりにも控えめだったり、正直でないように見えたとき、冗談まじりに鋭く突っ込むことがあります。
こうしたやりとりに対して、LIIはESEの言葉をそのまま受け止めつつ、「これは本気ではない」と見抜いて、Neを使って、冗談として軽くやりとりを続けます。ESEが感情的に盛り上がっているときは、体の動きで気持ちを表すことがあります。例えば、大声で笑ったり、突然歌い出したり、人をくすぐったり、思いきり抱きしめたりすることがあります。ただし、相手が「やめてほしい」とはっきり伝えたら、すぐにやめます。しかし、もし相手が本当は楽しんでいると感じたら、少し冗談っぽく続けることもあります。
ESEは、人が「何を欲しがっているか」「どんな気持ちを持っているか」を感覚的によく読み取ります。また、自分の力を見せつけるような行動はあまりせず、自然な魅力や親しみやすさで、周囲からの関心や尊敬を集めようとします。
ソーシャル・ロール
ESEの一般的なソーシャル・ロール(社会の中で、人が自然と演じがちな役割やキャラクター)は下記のようなものです。
- みんなを集めて遊びやイベントを企画するのが好きで、何に対してもテンションが高く、盛り上げようとしすぎて、かえって周囲が少し引いてしまうムードメーカーです。
- 子どもたちにお菓子や食べ物をあげて甘やかそうとする、優しくて愛情深い祖母や叔母のような存在です。
- 「何が楽しいか」を見抜くセンスが鋭く、自分の感覚が正しいと信じているため、ときには無理にでもその楽しさを周りに押しつけようとする人です(だって楽しいことは、みんな好きなはずだから!)。