ESIは、真にストイックな人であり、社会の道徳的価値を守る役割を担っています。このタイプには、弁護士、医師、捜査官、教師といった職業の人が多く見られます。というのも、ESIは人との関わりにおける倫理をとても大切にしており(第一機能が関係性の倫理 Fi )、その価値観が職業選びにも表れているからです。
このタイプの人々は、家族への深い愛情でも知られています。仕事、子育て、家事など、多くの負担を抱えながらも、不満を言わずに困難を乗り越えていくその姿は、まさにたくましく、尊敬に値します。ESIは、献身性、責任感、安定感、信頼性の面で、他のタイプと比べても非常に優れています。これは、現実にしっかり対応する意志の力(意志的感覚)が創造的に働いているからです。
ESIは「心を癒す人」であると同時に、「体を癒す医師」としての素質も備えています。また、道徳的に許せないことに対して妥協せずに立ち向かう「悪との闘い」こそが、ESIの特徴的なテーマといえるでしょう。
ただし、ESIにも弱点があります。それは「理屈に偏りすぎること」です。感情よりも論理や一貫性を重視するあまり、正しさにこだわりすぎて、融通のきかない印象を与えることがあります。ときには、極端な考え方に陥ることもあります。例えば、古代ギリシャの物語に登場する主人公が「愛」と「義務」の間で悩むような場面において、ESIは迷わず「義務」を選ぶでしょう。自分の欲望よりも、道徳的・社会的な責任を優先する姿勢が、時に孤独を招くこともあります。
価値観が合わないと感じた相手とは、どんなに魅力的に思えても早々に関係を断ってしまうため、友人が少なくなる傾向もあります。
さらに、ESIは直観的な判断が苦手で、状況の流れを読むのがうまくありません。そのため、タイミングを間違えて早まった行動をとり、思わぬトラブルを引き起こすこともあります。「早まった行動は災いのもと」といったことわざが、ESIにはよく当てはまります。