EII(INFj、共感者、ヒューマニスト、フョードル・ドストエフスキー)
自我ブロック
内向倫理(Fi)と外向直観(Ne)を持つタイプであるEIIは、自分の価値観を大切にし、その理想を実現しようとします。
第一機能:Fi(内向倫理)
EIIは、人との関わりの中で生まれる雰囲気や、自分が人や物に対して抱く感情にとても敏感です。信頼や愛着といった深い感情を大事にし、心のつながりを深めて、調和のある関係を築こうとします。親しい人が傷ついていると、自分を犠牲にしてでもその人を支えようとします。また、人の気持ちを直観的に読み取る力があり、相手の内面を理解するのが得意です。他人の感情に共感しやすく、相手の気分の変化やその場の空気にすぐに気づきます。そして、相手に敬意をもって丁寧に接することを自然に心がけます。
第二機能:Ne(外向直観)
EIIは人の内面を直観的に理解し、その人が理想に近づくにはどうすればいいかを見通す力があります。人や人間関係の「理想の形」について、明確なイメージを持っていて、そこへ導く手助けができます。複雑な性格や心理を持つ人の考え方や動機を読み取るのが得意で、的確なアドバイスができます。また、心の安定や満たされた感情など、理想的な心の状態について明確なイメージを持っており、そこへ近づくための具体的な方法を常に考えています。EIIがよく抱える悩みのひとつは、「自分の可能性を無駄にしているのではないか」という不安です。自分が本来達成できるはずの理想に届いていないという思いが、神経質さや努力の原動力になることがあります。ただし、IEEとは違い、EIIは可能性を「広げる」よりも「深める」こと、つまり、特定の分野での専門性や熟練を重視する傾向があります。
超自我ブロック
第三機能:Ti(内向論理)
EIIは、感情や価値観、人間関係といった人間的な側面から距離を置いて、冷静で客観的な論理を使うのがあまり得意ではありません。こうした論理的な思考をしようとすると、自分の考えが本当に正しいのか自信がもてなくなり、不安を感じやすくなります。また、EIIはすべての物事に固有の個性や背景があると考えるため、物事を論理的な枠組みや分類に当てはめようとすると、違和感を覚えることがあります。
第四機能:Se(外向感覚)
EIIは周囲の状況に注意を払うのが苦手で、物の位置を覚えたり、人や環境の変化に意識を向け続けたりするのが難しいことがあります。内向的で内面に意識が向きやすく、自分から何かを積極的に働きかけるよりも、自然に物事が進むのを待つ傾向があります。そのため、チャンスを逃してしまうことも少なくありません。恋愛でも、EIIは相手の好意のサインに気づかないことがあり、結果として相手に「関心がないのでは」と誤解されることがあります。他人から見ると、EIIは現実の生活に無頓着に見えることがあります。例えば、食事や睡眠などの基本的な欲求を後回しにすることがあるためです。また、すべてのEIIに当てはまるわけではありませんが、なかには暴力や強制的な手段そのものを拒否したり、そうしたものに強い嫌悪感をもつ人もいます。
超イドブロック
第五機能:Te(外向論理)
EIIは、効率よく物事をこなす人をとても尊敬しています。一方で、自分の行動が本当に目的を達成しているか、かけた時間に見合った成果が出ているか、やっていることが論理的かどうかについては、あまり気にしないことが多いです。そのため、自分の活動に他人が関心を持ち、成果や効率の視点から意見をくれると、無意識に安心したり、ありがたく感じたりします。EIIはとても好奇心が強く、情報を集めるのが好きです。何かに興味を持つと、そのテーマについて深く理解しようと、手に入る限りの資料を読みます。こうした知的な探求心はEIIの大きな特徴です。また、誰かが面白い知識やアイデアを持っていれば、その人が専門家かどうかに関係なく、話を聞こうとします。EIIは、一つの問題には色々な見方があると信じており、地位や肩書きよりも内容そのものを重視します。
第六機能:Si(内向感覚)
EIIは、仕事や日常生活でストレスをため込みやすいタイプです。真面目で理想が高く、「ちゃんとしよう」と頑張りすぎてしまうことがあります。だからこそ、少し肩の力を抜いてリラックスできる人や環境と関わることが、とても大切になります。また、EIIはできるだけ手間がかからず、楽で便利な方法を好む傾向があります。タスクを重要度や緊急性で判断して進めるというよりは、自分の気分や好みを優先して進めることが多いです。これは、効率よりも自分の内面的な価値観を大切にしているからです。好きなことに夢中になると、時間を忘れてしまい、人との約束に遅れることもあります。そのため、時間管理能力があまり高くありません。
イドブロック
第七機能:Fe(外向倫理)
EIIは、短時間なら集団の中で活発にふるまったり、感情豊かに表現することがありますが、基本的には、2人での会話や親しい少人数でのやり取りを好みます。にぎやかで自由な雰囲気はあまり得意ではなく、真剣で繊細な対話を好む傾向があります。また、EIIは自分の気持ちを隠さずに表に出すことが多く、見た目の態度や表情がそのまま内面を表しています。例えば、みんなが盛り上がっているパーティーでも、気分が沈んでいればそれがそのまま表に出てしまいます。そのため、「場の空気を読まず、協調的でない人」と思われ、不快に感じられることもあります。EIIのことをよく知らない人には、「いつも機嫌が悪そうで、扱いにくい人」という印象を持たれることもあります。
第八機能:Ni(内向直観)
このタイプの人は、今のトレンドがどう変化していくかを考える議論を理解するのが得意で、興味があれば自分の意見も言います。ただし、それほど深く入り込むことは少なく、それよりも自分が関心を持っている分野での可能性を探ることに力を入れます。また、超自然的な話には懐疑的で、多くの場合「ばかげている」「願望の表れだ」として受け入れません。ただ、自分が信じたいと感じたごく限られた宗教的なものなら、余暇のひとつとして取り入れることもあります。未来についても楽観的ではなく、他人に悪い結果が起きるかもしれないと忠告することがあります。こうした形で、自分の直観を使って、双対(LSE)の脆弱機能を補うことができます。ただし、EIEとは違って、自分の忠告を自分で実行したり、他人に従わせたりすることはあまりありません。Seが脆弱機能にあるため、他人に行動を促すのが苦手ですし、Neが自我機能にあるため、「自分が間違っているかもしれない」「別の展開になるかもしれない」といった可能性を重視にします。そのため、災難を回避しようとするよりも、他の可能性を考えることのほうを優先してしまいがちです。
ソーシャル・ロール
EIIの一般的なソーシャル・ロール(社会の中で、人が自然と演じがちな役割やキャラクター)は下記のようなものです。
- いつも模範的で完璧な人。このタイプは、どんな行動でも完璧であろうとしますが、それは現実的な目標を達成するためというより、自分の中にある「理想の完璧さ」に近づこうとする気持ちが強いためです。
- 自己犠牲的な殉教者。人生で安心感や守られているという感覚を得られず、その代わりに、すでに「うまくいかない」とわかっている目的のために、まるで召使いのように尽くしてしまうことがあります。