LIE(ENTj、企業家、開拓者、ジャック ロンドン)
自我ブロック
LIEは、自我ブロックに論理(Te)と直観(Ni)を持っています。そのため、物事を判断するとき、正確さと実用性を重視し、それを長期的な視点でとらえます。目先の便利さや短期的な利益だけで行動を決めることはほとんどなく、将来への影響を常に考えています。LIEは「現実とは、具体的な結果によって意味づけられるものだ」と考えています。そのため、彼らの判断や発言が短期的には不合理に見えたり、不便や混乱を招くように思えることがありますが、それはすでに将来の成果を見越して動いているからです。LIEはいつも未来を見すえ、そこから逆算して今やるべきことを決めているのです。
第一機能:Te(外向論理)
LIEの人は、自分にとって役に立ちそうな分野(仕事に関係することや、将来役に立つかもしれないと感じる分野など)について、本などの情報源から自然に事実ベースの知識を集めていきます。LIEは、外の世界がどう動いているのかを理解し、それをうまく扱ったり、先を読んだりすることが大事だと感じています。例えば、自分に与えられたタスクだけでなく、自分が属している枠組み(国や会社、組織など)がどう動いているのかも、ざっくりとは把握しておきたいと思っています。こうした姿勢から、自分で選んで学んだことについては「ちゃんと理解できている」という自信が生まれます。
さらにLIEには、「まわりの誤りを正し、もっと理にかなって効率的な状態に整えたい」という気持ちがあります。そのため、LIEの言動は「何でも知っている人」に見られやすく、自分の知識を伝えたり、他人の間違いを指摘したりする態度が、傲慢だと受け取られることもあります。
LIEは、仕事や世の中の出来事、経済、手続き、人間関係、日常会話に至るまで、外の出来事を「事実に合っているか」「理屈が通っているか」「効率が良いか」という観点で見ています。外の世界をもっと合理的で効率の良いものにしたいという気持ちがあり、そうした活動に関わることで、自分の価値を感じます。また、自分が正しくないとわかっている情報を人に伝えることには強い抵抗があり、できるだけ避けようとします。LIEにとって理想のやりとりは、何よりも事実に忠実であることです。たとえ目的を達成するためであっても、相手に配慮するためであっても、事実を曲げたくはありません。「それは違います」「それは正しくありません」と他人の言葉を訂正したり、自分から正しい情報を伝えたり、「このやり方は非効率だから、もっと良いやり方を考えよう」と提案したりしますが、こうした行動は、LIEが持つ根本的な衝動の表れです。こうしたかたちで自分の知識や論理性を発揮できない状態が続くと、「自分は役に立っていない」と感じてしまい、自己評価が下がります。
LIEが最も元気になれるのは、自分にとって意味があり、合理的で、生産的で、長期的にも成果が出そうな活動に積極的に取り組めているときです。反対に、どう行動していいかわからない状態が続くと、動けなくなり、無力感や抑うつ状態に陥りやすくなります。
第二機能:Ni(内向直観)
LIEは、目の前の作業をしているときでも、すでに次に何が起こるかを考えています。彼らは今の状況や作業の細かい部分よりも、長期的な意味や影響、役立つかどうかに意識が向かいやすいです。そのため、現在のことに集中して行動する人々からは、「やる気がない」「本気で取り組んでいない」と見なされることがあります。LIEは「将来的に意味がなければ、今やる必要があるのか」とすぐに判断してしまうからです。
LIEは、因果関係に沿って物事が進む様子を頭の中で素早く想像し、自分の直観やビジョンに基づいて考えを進めます。ただし、この思考は行動に結びついており、特に「いつ何をすべきか」に重点を置いています。一方で、決断の結果やタイミングについて考えすぎてしまい、実際の行動が後回しになることもあります。ただし、この傾向は内向直観が主要な機能であるタイプ(例えばILI)ほど強くはありません。さらに、LIEは長期的な結果をすべて考慮して行動を計画するため、「念のためにやっておこう」と提案することがよくあります。そのため、理論的には有用に思えることでも、実際にはあまり意味がないことをしてしまうこともあります。
超自我ブロック
LIEは、身体的な快適さ(Si)や感情的な幸福(Fe)を重視しません。「居心地の良い空間」を作ったり、自分や周囲の環境を「きれいに見せる」ことは、LIEにとって自然な優先事項ではないのです。
第三機能:Fe(外向倫理)
LIEは、特にグループ内でその場の感情的な雰囲気に合わせようとします。例えば、すでに親しい人たちと一緒にいるときは、明るい話題を振ったり、気の利いたコメントをして、ポジティブな雰囲気を作ろうとします。また、仕事の会議や短時間の社交的な場では、友好的で礼儀正しい態度を保つことが大切だと理解しています。しかし、こうした努力は控えめで、短期間で終わることが多いです。LIEは、複雑で強い感情を表現するのが得意ではありません。例えば、活気のあるグループで長時間過ごすのは苦手です。LIEはその場の雰囲気を壊さないように気をつけますが、内面的な感情や他の人々に対する個人的な気持ちと衝突すると、その努力は長続きしません。例えば、軽い雑談の中で他人の誤った発言を訂正してしまい、その結果「空気を読めない」と思われることがあります。それでも、LIEは場の雰囲気に合わせようと努力しています。
LIEは、礼儀正しい会話や軽い雑談が大切だと理解していますが、気付かないうちに、その雑談が真剣な話題や情報交換に変わることがよくあります。「会話そのものを楽しむため」の軽い話や、話の内容自体はそれほど重要でないという類の会話は、LIEには理解しづらいことがあります。例えば、誰かが会話を続けるために言った一言に対して、LIEが「それは違う」と反論することがあります。相手はこれを「敵意」と受け取るかもしれませんが、LIEの意図は単にその発言にコメントしたいだけです。こうした誤解を避けるために、LIEは自分の発言を抑えるよう意識する必要があります。
第四機能:Si(内向感覚)
LIEは、目標を達成するためには感覚的な事柄や細かい部分はそれほど重要でないと考える傾向があります。彼らは、目の前の短期的なことよりも、長期的な視点や将来の計画を重視し、優先順位を低くします。例えば、部屋の装飾や小さな美的な細部にはあまり関心を示さないのが一般的です。長い目で見ると、そうしたことに気を使うのは終わりのない作業のように感じられるからです。この傾向は、周囲に対する気配りが不足している形でも現れます。例えば、物の位置や、自分の疲れや空腹といった身体的な感覚に注意を払わないことが多いです。
LIEは、仕事や社会的な場面では、周囲の美的な細部に気を使わなければならないことを理解し、それを受け入れることもあります。しかし、それは他人や社会の規範に従うための妥協に過ぎないものであり、彼ら自身が本当に大切にしていることではありません。彼らは、細部にこだわる人々をあまり評価せず、そうしたことに自然に関心を持つ人を軽視しがちです。そのため、掃除や洗濯などの雑務を後回しにすることがよくあります。これが積もると、LIEにとって負担や問題になることがあります。
超イドブロック
LIEには、自分や他者に対して強く一貫した倫理的原則を求める傾向があります。特に安定した個人的な関係においてこの傾向が強く表れます。LIEは忠誠心や誠実さを重視し、裏切りには容赦せず、時には強い反感を抱きます。しかし、こうした価値観に基づいて行動する自信や意欲が不足しており、双対からの支援や安心感を必要としています。
第五機能:Fi(内向倫理)
LIEは深い信頼に基づいた親密な関係を強く求めます。このような関係では、共通の感情や倫理的信念をもとに、個人的な経験や思いを自然に共有できます。感情を言葉や行動で無理に表現する必要はありません。LIEは関係の最初の一歩を踏み出すことが多いですが、その関係がどのようなもので、どうなっているのかを正しく判断する自信がないことがあります。そのため、LIEは明確で曖昧さのない人間関係を重視し、はっきりとした倫理的原則を持つ人に魅力を感じます。このような人はLIEにとって信頼できる存在であり、安心感を与えてくれます。
LIEは、他者が自分に対して友人か敵か、好意を持っているのか悪意があるのかを深く考えることはあまりありません。むしろ、相手の過去の行動や言動を基に最初からその人を友人か敵かと判断しがちです。そのため、友人を敵だと誤解したり、逆に敵を友人だと思い込んでしまうこともあります。LIEは他者の自分に対する好意や敵意と言った感情を理解するのが遅く、相手がその気持ちを言葉で明確に伝え、行動で一貫して示さない限り、常に疑念を抱きがちです。この疑念を解消するには、相手の言葉と行動が時間をかけて一致する必要があります。LIEは人間関係の状態に不安を感じやすく、相手の気持ちが変わっていないかどうかを頻繁に確認する必要があります。
LIEは、自分の気持ちを口にするのが恥ずかしく感じます(例えば「あなたは本当に面白い」や「すごく好きだよ」)。しかし、こうした言葉を聞くととても嬉しく、思いがけない贈り物を受け取ったように感じます。ただし、LIEは相手の言葉が論理的に納得できるかどうかも重視します。LIEは感情的な判断(内向的倫理)よりも、客観的で論理的な分析(外向的直観)を基に他者を評価することに自信を持っています。
第六機能:Se(外向感覚)
LIEは、仕事やお金などの外的な目標に向かって積極的に行動します。そのために、快適さや安心を後回しにすることもあります。ただし、やる気が出ずに先延ばしをしてしまう時期もあり、そのようなときは周囲からの励ましや強い後押し、場合によっては半ば強制的なサポートが必要になります。対立を恐れずに自分の立場を貫く人を尊敬します。そして自分もそうありたいと思い、実際にそのように行動できることもよくあります。ただし、LIEは物事の「手段」や「結果」に意識が向きやすいため、対立による悪影響や損失を考えすぎて、決意が鈍ることもあります。また、目標に向かって強く進み、時に押しの強い態度をとる人に対しても魅力を感じ、真似しようとすることがあります。しかし、論理や倫理ではなく、言葉や行動で攻撃的になるような人、つまり過度に好戦的な人には嫌悪感を抱きます。
このように、LIEは「どうやって目標を達成するか」という手段と、「達成した結果どうなるか」という成果の両方を重視します。そのため、彼らが動く原動力は、一時的な快楽や満足よりも、むしろ長期的な成功、特に物質面や仕事面、そして多くの場合は金銭的な成功であることが多いです。
イドブロック
LIEはアイデアを論理的に考えることはできますが、それを重要なこととはあまり感じていません。こうした作業は、自分にとって優先順位が低いと考えがちです。
第七機能:Ti(内向論理)
LIEは、アイデアや仕組みの内部構造や一貫性についての話を理解するのは得意ですが、そうした話にあまり関心がなく、自分の目的に役立たないものと見なす傾向があります。そのため、理論的に組み立てられた考え方には、価値を感じず、退屈で時間の無駄とさえ思うことがあります。他人のアイデアや主張にある論理的な矛盾を見つけて指摘するのは得意ですが、それよりも重視するのは、その主張が現実の証拠や事実に照らして正しいかどうかです。主張の中身が論理的に筋が通っているかよりも、事実に基づいているかを重視します。また、LIEは、抽象的な理論や前提に基づいた議論よりも、具体的な事実をもとに話を展開する方を好みます。
第八機能:Ne(外向直観)
LIEは、仮説的なテーマについて話すとき、いろいろなアイデアを出すのが得意です。ただし、そうしたアイデアに深い意味や実用性を見いだすことは少なく、気晴らしや知的な遊びとして楽しむ傾向があります。彼らが想像力や未来のビジョンを働かせるのは、実際に何かを達成しようとしている分野に限られます。それ以外の、自分の関心や目的と関係のない空想には、あまり意味を感じません。もちろん、アイデアや人、物事にどんな可能性があるかを考えたり、いろいろな展開を想像したりするのを楽しむこともありますが、それを本気で追求しようとはあまり思いません。それよりも、特定のアイデアに集中して深く掘り下げることに、より価値を感じることが多いのです。
ソーシャル・ロール
LIEの一般的なソーシャル・ロール(社会の中で、人が自然と演じがちな役割やキャラクター)は下記のようなものです。
- 収益に繋がることばかり考えている起業家や投資家。すでに十分なお金を持っていても、細かい出費を気にし続け、節約や我慢をやめられない人。
- 成長したい、あるいは停滞を避けたいという思いから、仕事や住む場所を転々とする転職者やフリーランス。私生活は「そのうち落ち着く」と後回しにされるが、その「いつか」はなかなか来ません。
- 時代の常識に逆らって主張を貫く一匹狼の政治家や社会運動家。後にその考えが正しいと認められれば権力を得ますが、そうでなければ少数の支持者に支えられるだけに終わってしまいます。
- いろいろな分野に詳しく、それを周囲に惜しみなく話すおしゃべりな知識人。誰かが間違ったことを言えば、丁寧に、しかし容赦なく訂正します。