LSE(ESTj、ディレクター、管理者、シャーロック・ホームズ)
自我ブロック
外向論理(Te)と内向感覚(Si)を主軸に持つLSEは、「現実的なニーズに役に立つ行動」に強い関心を持っています。彼らが重視するのは、今すぐ必要とされているかどうかです。将来役立つ可能性はあっても、確実に役立つわけではないことには、あまり関心を持ちません。
第一機能:Te(外向論理)
LSEは、物事の「生産性」「品質」「効果」にとても敏感です。こうした話題について話すのが好きで、はっきりとした意見を持っています。無駄なやり方、雑なやり方、失敗しそうなやり方、そしてプロ意識の欠如を見ると、率直に指摘し、改善のための具体的なアドバイスを積極的にします。効率の良い道具やテクノロジーにも惹かれます。例えば、目標をうまく達成できて、手間やエネルギーを減らしてくれるような仕組みやガジェットなどです。LSEは、持ち物がどれだけ自分のニーズを満たしているかをよく気にします。それだけ、品質や性能に対する期待が高いのです。
LSEの人生観は、とても実用的で現実的です。達成したい目標がはっきりしていて、それを一番合理的な方法で実現しようとします。話し方にもLSEの特徴がよく表れます。感情ではなく、事実や客観的な情報に基づいて話すことが多く、感情をあまり表に出しません。そのため、少しそっけなく聞こえたり、抑揚が乏しく感じられることもあります。また、LSEは自分の言葉に責任を持とうとします。一度した約束は覚えていて、軽くは扱いません。人を見るときも、「誠実かどうか」「約束を守るか」「協力的に行動できるか」などを重視します。言葉と行動が一致しているかを大切にし、言ったことは実行されるべきだと考えています。ただし、相手の感情や内面の動機を読み取るのは得意ではないため、人を評価するときは、態度よりも「実際に何をしたか」に注目します。
LSEが理想とするのは、秩序があり、安定し、合理的に機能している社会です。社会のニーズにしっかり応えるには、効率的な仕組みが必要だと考えます。そして、そうした社会を支えるのは「信頼に基づく協力関係」だと信じています。その協力関係は、大きな社会だけでなく、自分の家庭といった身近な場から始まるとLSEは思っています。
第二機能:Si(内向感覚)
LSEは、物や住まいが「快適で使いやすい」ことをとても大切にします。家や部屋は、休むときも働くときも遊ぶときも、心地よく過ごせる場所である必要があります。そのため、LSEは自分で部屋を整理したり、レイアウトを工夫したりして、より快適で実用的な空間をつくろうとします。ピクニックや散歩、ハイキング、スポーツなど、体を動かすレジャーが好きです。リラックスや気分転換の必要性をよく理解しており、そうした活動を定期的に予定に組み込み、友人や家族と一緒に楽しもうとします。ただし、仕事などの本業のほうが優先度が高く、こうしたリラックスや気分転換の時間はその合間に取るものと考えています。家族がいるLSEは、家族との時間も大切にしており、みんなで楽しめるレジャーを計画して、くつろぎとふれあいを両立させようとします。
主導機能にSiを持つタイプ(SEI、SLI)とは違って、LSEはすぐに気持ちを切り替えてリラックスするのが得意ではありません。やるべきことを終えるまでは、なかなか心からくつろげないのです。リラックスするにも、思いつきではなく、他の活動と同じように計画を立て、全体のバランスを考えて取り組もうとします。例えば、「今は休暇中だ」とはっきり自覚し、十分な自由時間があると感じられるときは、しっかりリラックスを楽しめます。逆に、時間が足りないと感じるときは、生産性を落とさないように、あえて深く休むのを避けようとすることもあります。
LSEは見た目の美しさやデザインのバランスも重視します。これは、服装、仕事道具、生活空間など、日常のあらゆる場面に当てはまります。多くのLSEは家や職場を整え、清潔に保ち、服も丁寧に選びます。色や素材、デザインをうまく組み合わせるセンスがあり、全体の印象をまとめるのが得意です。中には、美味しい食べ物や質の良い衣類、生活用品、衛生用品などを見極める目を持ち、こだわりを持って選ぶ人もいます。さらに、LSEは人のケアをすることにも喜びを感じやすい傾向があります。誰かが自分を必要としているとき、その人のために尽くすことで、大きなやりがいを感じるのです。
超自我ブロック
LSEは、根拠のない美辞麗句や誇張された宣伝、事実に基づかない未来の話などに対して、基本的に取り合おうとしません。自分の感情や個人的な理想も、実用的で重要な活動に比べると明らかに優先度が低く、内容もシンプルで深みがない傾向があります。
第三機能:Fe(外向倫理)
LSEは、感情よりも事実や客観性を大切にするため、普段から表情が豊かだったり、感情を大きく表すことはあまりありません。物事をビジネスライクに考える傾向があり、冗談や笑いが中心の場面では、自分が浮いてしまうのではないか、あるいはバカに見えるのではと不安に思うことがあります。彼らの感情表現は基本的には控えめで目立ちませんが、時に突然、感情がはっきり表に出ることもあります。LSEは、感情的な訴えに対して距離を置き、自分の気持ちに流されないよう意識しています。とはいえ、感情を完全に抑えるのは難しく、指示を聞いてもらえなかったり、他人の行動が自分の考えに反していると感じると、すぐに怒りが爆発してしまうことがあります。機嫌が悪いときにはとても率直になり、ときには親しい人や知らない人に対しても、きつい言い方をしてしまうことがあります。
第四機能:Ni(内向直観)
LSEが快適で生産的に過ごすには、急な変化のない安定した環境が必要です。自分のペースをつかむのに時間がかかるため、先の見えない状況では強い不安を感じ、手が止まってしまうことがあります。彼らは、努力すればいつか報われるという素朴な未来像を持ったり、社会がどうしようもなく崩れるという悲観的な未来を想像したりすることがあります。いろいろな予測を取り入れるのは苦手で、目の前で起きている変化をもとに未来を考えようとする傾向があります。自分ではどうにもできないような、起こるかどうかも分からない話は、人と話すのを避けがちです。ただし、内心ではそういったことを考えていることもあります。確かな根拠のない「かもしれない話」はストレスの原因になりやすく、現実味のない想像や推測に時間を使うのは無駄だと感じます。LSEは、変化とは外から勝手に起こるものではなく、自分たちの行動や選択によって生まれるものだと考えやすいです。
時間の使い方に偏りがあり、いつも遅刻するか、反対にかなり早く着くかのどちらかになりがちです。物事にどれくらい時間がかかるかを見積もるのが苦手で、その予測はよく外れます。気づいたら時間が過ぎていて「いつの間に?」と驚くこともあります。また、何事も完璧に仕上げたいという気持ちが強く、そのためにどれだけ時間がかかるかを見落としてしまうこともあります。
将来の計画を立てるときに、思わぬトラブルに備えて余裕をもつことはあまりありません。そのため、何か予想外のことが起こると、今までのペースが崩れてしまい、やり方を変えざるを得なくなって大きなストレスを感じます。将来の目標について話すときは、その過程や段階を飛ばしてしまいがちで、「現実が見えていない」と思われることもあります。LSEにとっては、はっきりとしたゴールを示すことが大事で、その過程はあまり重視されません。なかなか作業を終えない人や、理由もなく仕事の進みを遅くする人に対して、いら立ちを感じやすいです。誰かが何もしていないように見えると、「その人は何の役にも立っていない」と思ってしまうことがあります。
超イドブロック
超イドにおいてFiとNeがブロックされているLSEは、強い信念や価値観を持ち、自分の善意や誠実さを認めてくれる人に対して、とても敏感に反応します。そうした人の存在は、LSEが自分の力を伸ばす大きな支えとなります。
第五機能:Fi(内向倫理)
LSEは、善意や精神的な支え、信頼、伝統、安定した人間関係を大切にします。ただし、普段は合理性や快適さ、効率を優先しがちなため、こうした情緒的・倫理的な価値を自分の中から自然に生み出すのは苦手です。そのため、自分の気持ちを言葉で整理するのを日常的に助けてくれる相手を強く必要とします。LSEは、自分なりのやり方で人間関係を築こうとし、多くの場合、自分から相手に近づいて関係を始めます。しかし、実際に求めている精神的な支えや安定は、自分の力でつくるよりも、他人から与えられることを期待する傾向があります。恋愛では、伝統的な性別役割に沿った関係を好み、始まり方が型破りだと不安を感じることがあります。またLSEは、人や関係についての自分の感情がよく分からなかったり、そのような感情を持ってよいのかどうか自信が持てなかったりします。だからこそ、自分の気持ちを心理的・精神的な面から受けとめ、「それでいい」と認めてくれる信頼できる相手が必要です。そうした相手の支えを通じて、LSEは少しずつ自分の気持ちを理解し、信頼できるようになります。
さらにLSEは、人の本心や自分への意図を見抜くのが苦手なことがあり、それによって「近づきにくい」と思われたり、逆に自分が疑い深くなったりすることがあります。こうした不安を和らげるには、相手からの善意や友情が、言葉や行動ではっきりと示されることが必要です。LSEは社交的で、仕事や趣味を通じて知人が多いことがありますが、親しい友情を築くときには慎重です。人と仲良くなるときは、一緒に活動したり、役に立つことをしたりして関係を深めようとします。ただしその裏では、自分から感情的な親しさを見せることは少なく、相手が先にそうしたつながりを示してくれるのを無意識に期待することがあります。LSEは、感情的に親しい友人やパートナーをとても大切にし、その人たちのために一生懸命に尽くそうとします。そうすることで、安定した関係や心の安心を得られることを願っているのです。
第六機能:Ne(外向直観)
LSEは、自分に何らかの才能があり、他の人と違う優れた点があると感じています。ただし、それが何かを自分で特定するのは難しく、他人に指摘されることで自信を持つようになります。このような自己理解は、自分の得意な分野に集中し、成功しやすい場所を見つけるのに役立ちます。LSEは、仕事に関係する新しいアイデアやチャンスに強い関心があります。役に立つと思えば、すぐに行動に移すことが多いです。
実務面では、LSE自身がとても創造的で発明的です(これは「外向論理〈Te〉」と「内向感覚〈Si〉」の組み合わせによるものです)。ただし、価値観や考え方のような抽象的なテーマについては、あまり柔軟ではなく、時間をかけて少しずつ変わっていきます。世の中の動きや流行を知っていると、「時代に遅れていない」と安心できます。ただし、自分から積極的に情報を探すよりも、周囲から自然に情報を得ることを好みます。LSEは「理想的な社会はこうあるべきだ」という強い考えを持っていることが多いですが、それを実現するために何をどう変えるべきかまでは、明確な見通しを持っていないこともあります。
イドブロック
LSEの場合、TiとSeがイド・ブロックを構成しています。その影響で、LSEは権力や組織の上下関係にもある程度うまく対応できます。とはいえ、LSEが本当に望むのは、責任を分担しながら、それぞれの裁量が尊重される自由な環境です。自分の判断で柔軟に動けることを大切にしています。
第七機能:Ti(内向論理)
LSEは、抽象的な概念や理論にも興味を持つことがあり、それを理解する力もあります。ただし、そうした考えが実際の生活や仕事にどう役立つかを重視します。もし、ある理論が現実に役に立たないと感じたら、LSEにとってはその理論にあまり価値がありません。理論的に正しいかどうかより、それが現実でちゃんと機能するかどうかが大切なのです。
第八機能:Se(外向感覚)
LSEは、一定のペースでエネルギーを使い続けることを好みます。短期間に多くのエネルギーを必要とするプロジェクトや、障害が多い行動は避ける傾向があります。また、LSEは自分が「強引すぎる」「人をコントロールしようとしている」「要求が多すぎる」と思われないよう気をつけています。しかし、自分が攻撃されたり批判されたと感じた場合は、時々防衛的になり、保護的または対立的な態度を見せることがあります。他人からどう見られているかをよく意識しており、目立つことや地位を誇示するのではなく、親しみやすく近づきやすい印象を与えるように、見た目や持ち物に気を使っています。
ソーシャル・ロール
LSEの一般的なソーシャル・ロール(社会の中で、人が自然と演じがちな役割やキャラクター)は下記のようなものです。
- 社会的抗議者。社会の不正や混乱に声を上げる人。ただし、必ずしも明確な解決策を示すわけではありません。
- 忙しい働き蜂。日々の仕事の細かい部分に多くのエネルギーを注ぎますが、全体の構想や長期的な視点を忘れがちな人です。