SEE(ESFp、政治家、大使、ナポレオン・ボナパルト)
自我ブロック
SEEは、周囲の雰囲気や人の影響力、「存在感」にとても敏感です。自分が注目を集めるのも得意ですが、他の人を目立たせることもできます。社交の場では、迷わずすぐに行動に移すタイプです。自分の提案に対する人々の反応やその場の空気、相手の気分を素早く読み取れます。そして、人の考え方や態度を少しずつ、自分の望む方向に変えていくことを目指します。
第一機能:Se(外向感覚)
SEEは常に「今、この瞬間」に集中しており、自分が誰にどれだけ影響を与えているか、どこまで関われるかをよくわかっています。まだ自分の影響下にいない人には、「どうすれば手に入れられるか」を根気強く考えます。今あるものに満足しにくく、いつも新しい刺激や達成を求めがちです。
SEEは、対立的な態度や雰囲気をすぐに感じ取ります。たとえそれがごく微妙で受け身な敵意でも、すぐに見抜けます。そうした状況でも動じることはなく、必要なら自分から強く出て対抗したり、逆に無関心を装って相手の反応をかわしたり、罪悪感を抱かせて落ち着かせたりします。SEEにとって重要なのは「どうするか」ではなく、「結果を出せるかどうか」です。手段よりも目的の達成を重視します。
SEEはいつも、「他とは違う特別な存在でいたい」と思っています。できるだけ多くの人に求められ、尊敬されたいと願っています。多くの人が自分の関心や愛情を得ようと競い合うような状況は、大きな喜びとなり、「自分は間違っていなかった」「努力が実を結んでいる」と感じさせてくれます。そうした理由から、SEEは多くの友人や恋人に囲まれることがよくあります。
SEEは、人間関係やモノを、自分の目標を達成するための「手段」として見る傾向があります。例えば、表面的な友人や高価なモノを失っても、それが今の目標にどう関わるかを基準にしてしか感情を動かされません。極端な例では、人里離れた場所で金や派手なモノをたくさん持っていても、それを誰にも見せられないなら、SEEにはほとんど意味がありません。そうしたモノは、他人にどう映るか、自分の地位や存在感を示せるかといった文脈でしか価値を持たないのです。
SEEは、外向感覚をベースにしているので、頭で「すべきこと」を考えるだけでは満足できません。計画よりも経験を重視し、実際に行動して結果を出すことに強くこだわる「行動タイプ」の人です。
第二機能:Fi(内向倫理)
SEEは、相手にどんな気持ちを抱かせたいかをよく理解しており、それを実際に引き出すのがとても上手です。そして、この力は相手と親しくなるほど、さらに鋭く、強くなります。例えば、好意を持つ相手には自然に信頼感のある褒め方ができ、逆に相手を深く傷つけたり、恥をかかせたりすることもできます。
しかし、その相手がSEEの価値観に合わせて態度を変えれば、SEEはすぐに賞賛と感謝を示し、まるで親しい友人かのように接します。SEEにとって「道徳的に正しいかどうか」は、決まったルールではなく、状況に応じて変わるものです。こうした柔軟さが、SEEの「創造的機能」として表れます。
また、見せかけの優しさや偽りの態度は、SEEにはほとんど通用しません。誰かの言動が本心からのものか、それとも自分の目的のためだけのものかを、SEEは鋭く見抜きます。
SEEは、その場で自然に親しさや仲間意識を演出できますが、必要があればそうした態度をガラッと変えることもあります。例えば、ある人物Aといるときには親友のようにふるまいながら、別の人物Bと話すときにはAに対する強い不満や嫌悪感をあからさまに見せて、Bの共感を得ようとすることもあります。そして、もしAとBが同じ場にいたときには、SEEはその場の空気を読みながら、どちらかを支持するか、両方に親しげに接するかを選びます。こうしたふるまいのために、周囲はSEEの「本当の忠誠心」がどこにあるのか分からなくなり、混乱を招くこともあります。
とはいえSEE自身は、できる限り周囲からの好意や尊敬を保ちたいと考えています。というのも、さまざまなグループに味方がいれば、それぞれの敵が簡単には攻撃できないことをよく知っているからです。敵にとっては、他の味方からの反発を恐れて動きにくくなるのです。
さらにSEEは、初対面の集団の中でも、まるで昔からの知り合いのように自然にふるまい、すぐに信頼や好意を得ることができます。礼儀正しく洗練された態度や、誠実さを感じさせる感情表現、ときには少し大胆なユーモアを交えて、人々をすぐに惹きつけます。そしてその場を離れたあと、「あの人が一番印象に残った」といった話を内々で聞くと、SEEはとても喜び、大きな満足感を得るのです。
超自我ブロック
第三機能:Ne(外向直観)
SEEは、抽象的なアイデアよりも、目に見える具体的な目標を好みます。「何をするか」や「どうすればうまくできるか」を考えるのが得意な人、特に人を惹きつけて一体感を生み出せるようなユニークな活動を思いつける人に好感を持ちます。ただし、SEEがそうした発想力やアイデアを評価するのは、それが自分の価値観や目的(自我ブロック)に役立つと感じたときだけです。
SEEはこのNeの機能が苦手なため、目標を「目に見える」「手が届く」「身近にあるもの」としてとらえようとする傾向があります。そして、自分の意志の強さや人との関わりの力を使って、欲しいものをすぐに、妥協せずに手に入れようとします。目標が成功したのか失敗したのかがはっきりしない限り、あきらめることがとても難しいタイプです。これは友情や恋愛、人生の目標などにも当てはまり、SEEは「もう終わった」と確信できるまでは(できれば実際に会って確認してからでないと)関係を手放そうとしません。
SEEは、「とりあえずやってみる」といった無計画な行動や、特に理由もなく新しいことに挑戦することには、あまり意味を感じません。それよりも、「それが将来どう役立つか」を重視します。
目標に向かうとき、SEEは細かく計画を立てるより、「問題が起きたらその場で対応する」ことを好みます。「まずやってみて、全力を尽くして、うまくいくことを願う」という姿勢のほうが自然に感じられるのです。
SEEは、自分がこれまで見聞きしたことのない考え方や行動には慎重です。人が見慣れないやり方をすると、その人の意図が読めず、「騙されているのでは?」「ふざけられているのでは?」と疑うことがあります。SEEは、他の人がその人やその行動にどう反応するかを見て、ようやく判断できるようになります。
また、理由がはっきりしない遅刻や、予測できない自由な行動があると、不安になります。そうした状況では、「宙ぶらりんにされている」と感じ、将来が見通せなくなるのです。行動的で結果を大切にするSEEにとって、そうした不確実な状態はとても耐えがたいのです。
第四機能:Ti(内向論理)
SEEは、「やるべきことをやっていない」と遠回しに言われたり、はっきり言われたりするのをとても嫌います。というのも、できるだけ決まりやルールに縛られず、そのときの気分や欲求に従って自由に行動したいと考えているからです。
SEEは、物事を体系的に考えて判断するのが苦手で、そのために大きな失敗をしてしまうことがあります(例えば、よく考えずに高額で不要なものを買ってしまうなど)。そうした失敗のあとには、恥ずかしさや罪悪感、自分への失望を感じることがありますが、その失敗を他人に話すことはほとんどありません。
また、長所と短所を比べて「正しい」または「適切な」選択をするよう求められる状況も、あまり好みません。
根拠があいまいな理論や知識については、好意的に受け入れることもありますが、逆に、ばかげたもの・不要なもの・大切でないものとして完全に退けることもあります。
SEEは、理論や体系が重視される分野について話すのをためらうことがあります。自分にはそれを、明確に落ち着いて価値あるものとして伝える力があるのかどうか、自信が持てないからです。
超イドブロック
第五機能:Ni(内向直観)
SEEは基本的に「今この瞬間」を大事にして生きているタイプなので、自分の行動が長い目で見てどうなるかを見通すのがとても苦手です。だからこそ、物事の流れを先まで見通せる人のことを、とても信頼できて大事な存在だと感じます。
そういう人がそばにいると、SEEがいつもやっている「とにかくやってみて、うまくいくか確かめる」といった試行錯誤型のやり方で起こりがちなトラブルや時間・労力の無駄を、その人の先見性によって避けることができます。
第六機能:Te(外向論理)
SEEは常に何かしていたいタイプですが、それが将来につながらないと、やる気が出ません。状況をよくするために何かをするよう言われたとき、それが信頼できる相手からの提案であれば、SEEはそれをすぐに信じて、全力で取り組もうとします。
SEEの双対であるILIは、起きていることを実践的かつ論理的に理解しようとするタイプであり、この分野でSEEを大きく支えてくれます。
SEEは、自分が目指す目標に向けて考えた方法に対しても、信頼している人からの助言や修正があれば、それを素直に受け入れようとします。
イドブロック
第七機能:Si(内向感覚)
SEEは、この機能を感じ取る力はあるものの、あまり重視していません。彼らが求めるのは、繊細さや控えめさではなく、力強さや影響力のある状態です。そのため、振る舞いが少し大げさになったり、演技っぽくなったりすることがあり、率直すぎる言動で周囲と衝突することもあります。感覚としてはわかっていても、それをうまく活かすのは苦手で、結果的に無視しがちです。
SEEは、魅力的で居心地のいい空間を作るために必要なことをよく理解しており、今いる場所の快適さを的確に評価する力もあります。ただし、自分に合わない社交の場にいると、「ここから早く出たい!」という気持ちが強くなり、楽しそうに振る舞ったり、人とうまくやっているように見せたりはできても、内心ではストレスを感じています。そうなると、できるだけ自然な理由を見つけて場を抜け出そうとし、相手に悪い印象を与えないように振る舞います。
第八機能:Fe(外向倫理)
SEEは、あまり親しくない人たちと一緒にいるときでも、場を盛り上げたり、人を元気づけたり、何かに夢中にさせたりするのが得意です。ただし、本人はそれをあまり面白いとは思っておらず、そうした関わりを日常的に必要とする人たちとの付き合いを積極的に求めることはありません。
このタイプは、感情的な出来事があっても冷静でいられることが多いです。誰かが「ひどい出来事」について語ったり、泣き出したり、自分を哀れんだりしても、それは一時的なものにすぎないと見なします。例えば、友人が一時的に情緒不安定になって自分のこともできなくなっているとき、SEEは一緒に気持ちが沈んでしまうことはなく、現実的な対応に目を向けます。食事や身の回りの世話などを手伝いながら、相手が落ち着くのをサポートするのです。
ソーシャル・ロール
SEEの一般的なソーシャル・ロール(社会の中で、人が自然と演じがちな役割やキャラクター)は下記のようなものです。
- 異性との関係を次々と作り、その社交性や魅力を自慢するプレイヤー。
- 人を身体的または社会的に鍛えて、社会的な有能さを高める、少しスパルタ気質なトレーナー。