はじめに
Dario Nardiは、性格のタイプに関係なく、皮質の接続性(パターン)には4つの一貫したパターンがあると述べました。彼はそのパターンに次のような名前をつけました。
- "brainstorm" - ブレインストーミング
- "frontbias" - フロントバイアス、前頭部の強調傾向
- "evenfield" - フラットフィールド
- "diagonals" - ダイアゴナル、対角線
動画の内容
以下はDario Nardiの発言を翻訳したものです。
- - これは詳細な統計分析に基づくものではなく、私の経験に基づいています。2種類のENFjについて話す代わりに、ここでは4種類のENFjについて話したいと思います。これは私がこれまでにみた4種類の代表的なパターンです。すべてのENFjがこの代表的なパターンに一致するわけではなく、中には2つのタイプが混在しているような人もいます。ただ、ここで説明する4種類のパターンが最も一般的なものです。
- 代表的なパターンのひとつ「ブレインストリーミング」は、非常にクリエイティブな人が典型的に示すもので、INFjやENFpによく見られる傾向です。
- 次のパターン「フロントバイアス」にうつります。このパターンは一般的に神経科学では外向性に関連付けられていますが、私は単に外向性というよりは、Gulenko氏の提唱した「ドミナント」という言葉を使ってこのタイプを説明したいと思います。なぜならINTpであってもこうしたパターンを示すことがあるためです。INTpは内向的な性格の人々ですが、マネージャーや上司として働いた経験のあるINTpは、神経科学で説明されている外向性に関連するスキルを後天的に開発しています(※そのため、この「フロントバイアス」パターンを示すINTpがいる)。また、若年者であってもENFj、ENTj、ESTjは、わずか20歳でこの「フロントバイアス」のパターンになることがあります。彼らの場合、非常にスピード感のあるリーダーシップ・スタイルを明確に示します。これは仕事中に限った話ではなく、プライベートでもそうした傾向がみられるかもしれません。
- 次の「フラットフィールド」と呼ばれるパターンは、ESFp、ESTpによく見られるパターンです。このタイプの人々は、秩序を重んじ、細心の注意を払っており、全てが合意された規範に従い、秩序だった状態で存在していることを好みます。同時に、大脳皮質の多くの異なる領域が接続されていますが、厳密な順序で接続されているため、彼らは様々な活動分野に優れています。彼らは自分のことを多様で柔軟だと思っていることが多いのですが、他の人から見ると、思考が非常に「直線的」で、外向的な直観がほとんどないことがわかります。すべてのことを詳細に知る必要があるため、すぐには(※全体像を)「把握」できません。
- 最後のパターンは 「ダイアゴナル」と呼んでいるものです。なぜこうした名前で呼ばれるのかというと、パターンがいくつかの三角形で構成されているためです。例えば、顔の表情認識領域、社会的反応領域、声色検出領域の3つを結びつけたパターンを観察できる人がいます。人によってこの三角形は、声のトーンを捉えることであり、人に起こっていることを提示し、視覚化することであり、通常は第3の部分、つまり分析か、コミュニケーションか、あるいは両方が一緒になったものである場合があります。セラピー(心理療法のこと)や外交(人を和解させる、対立を解決すること)に従事しているような人が身に付けていることの多いパターンだという点は重要なポイントです。
- [...Meganのコメントは省略... ]
- 私は、脳をオーケストラのような楽器のセットと考えています。そして、私たちは自分のタイプにあった楽器を使う傾向があります。タイプとは神経科学では得られないものであり、Gulenko氏が仰ったように、精神の奥深くに隠されているものです。これらのパターンは、職業、年齢、性別に強く影響されるということを言っておく必要があります。15~25歳の若者にとっては明らかに性別が非常に重要な要素であり、30歳以上の人にとってはキャリアが重要な要素です。
- 要約すると、これらのパターンを次のように呼ぶことができます:「ブレインストーミング」はクリエイター、「フロントバイアス」はドミナント、そして「フラットフィールド」はノーマライザー。私は「ダイアゴナル」を何と呼ぶべきかわかりませんが、彼らは聞き役、サポーター、調整役に徹することができる人たちです。彼らは支配的な性格の人(※≒ドミナント)のように、自分の利益を追求するにはどうしたらいいか知っている人々とは正反対です。
- [ amandaのコメント ]「ダイアゴナル」は、DCNHシステムにおけるハーモナイザーに対応していると思われます。したがってNardi氏の4つのパターンは、DCNHサブタイプと完全に一致していると考えられます。
議論の結果、Dario Nardiは、自分のクライアントによく見られる4つのパターンが、Victor GulenkoのDCNHシステムにおける4つのサブタイプに対応していることに同意しました。これらのパターンは、すべてのタイプの人に見られるパターンですが、ある人はより頻繁に、ある人はより少ない頻度で見られるものです。以下はDario NardiのパターンとDCNHサブタイプの対応表です。
Dario Nardi | DCNH |
---|---|
"brainstorm" | クリエイター |
"frontbias" | ドミナント |
"evenfield" | ノーマライザー |
"diagonals" | ハーモナイザー |
大脳皮質の脳波
大脳皮質で発生する電気的振動を記録したものを脳波(EEG)と呼びます。測定に使用した脳波計の電極は、国際標準である「10–20 system (EEG)」に基づいて、頭部の特定のポイントに厳密に配置されています。脳波計の電極の数は8個から64個以上使用します。Darioは16個の電極と21個の電極の脳波計を研究に使用しました。
Dario Nardiとは
- MBTIタイプ別に脳波計測する研究をしており、いくつか本を出している(書籍「Neuroscience of Personality」など;EEG MBTIで画像検索すれば関連情報がたくさん出てくる)
- さまざまな分野(パーソナリティ、神経科学など)で執筆、講演を行っている他、インストラクターも務める
- 1998年から2012年まで、カリフォルニア大学ロサンゼルス校でコンピューティングと人類学を教える
- 2005年に同大学のコペンヘイバー賞を受賞
- 2011年に同大学の年間最優秀教師賞を受賞
- iPhone用アプリ「Personality Types」や、その他いくつかのゲームブックの制作者
- 2007年からは、脳波のリアルタイム計測による実践的な脳科学の研究を実施
参考:
- Neuroscience of Personality: Brain Savvy Insights for All Types of People