これはタイプの理解が表面的な場合に誤認が発生しやすい組み合わせです。タイプ6がタイプ4ではないかと思い込んでしまうパターンが多いです。
タイプ6は外向性か内向性かというと両行性のタイプです。彼らは非常に魅力的で、他人との関係をうまく築くことができます。彼らは無意識のうちに他人の感情に働きかける能力を持っているので、他人に好かれ、安心できる関係を築くことができるとされています。一方、タイプ6にとっては比較的簡単なことである「他人との絆を築くこと」が難しいと感じるタイプです。
ただし、当然のことですが、人間関係で悩みを抱えているタイプ6や、負の感情(例えば憂鬱さ、劣等感、自信のなさ、絶望)が自分の中にあると感じるタイプ6も存在します(タイプ4に限らず、全てのタイプがこのような状態になる可能性があります)。ここで、「タイプ4は人間関係で難を抱えやすいタイプ、負の感情を抱えやすいタイプ」という表面的な理解に流されてしまった一部のタイプ6が「自分はタイプ4かもしれない」と思ってしまうことは比較的多いです。
また別のステレオタイプ的な説明には、「タイプ4は芸術的なタイプ」というものがあります。そのため、芸術的な分野に興味関心を持っていたり、実際にそういった分野に携わっているタイプ6が、タイプ4だと誤認されることもあります。
重要なのは、憂鬱になりやすいか、なりにくいかといった点や、芸術に興味があるかないか(あるいは芸術的な才能があるかないか)といった点ではありません。なぜ憂鬱になりやすいのかという点、どういった芸術に興味があるのかといった点に着目する必要があります。
タイプ概要
タイプ4 | タイプ6 | |
---|---|---|
囚われ | 妬み | 恐れ |
根源的恐れ | アイデンティティがないこと 個人的な存在意義がないこと |
支えや導きがなく、自力で生存できないこと |
根源的欲求 | 内面の体験からアイデンティティを作ること 自分自身と自分の存在意義を見つけること |
安全と支えを見つけること |
超自我の声 | 自分に正直であれば大丈夫だ | 期待されることをすれば大丈夫だ |
共通点
タイプ4とタイプ6は下記の点が共通しています。
- 憂鬱になることがある
相違点
タイプ4とタイプ6は下記の点が異なっています。
タイプ4 | タイプ6 |
---|---|
内向的な性格 | 内向的な性格と外向的な性格が混ざった、両向的な性格 |
自分を探して彷徨っているうちに、自己実現のチャンスを失ってしまったと気づいたとき、自分自身に対して怒りを感じて憂鬱になる | 権威者を怒らせる何かをしてしまったのではないか、権威者から罰せられるのではないかという不安から憂鬱になる |
誰から何を言われても憂鬱なまま(自分を責めた結果の憂鬱なので) | 権威者が安心することを言ってくれれば、不安が緩和されて憂鬱な気分が晴れる |
自分で言葉や音楽を作る芸術家(オリジナル・クリエーター、劇作家、詩人) | 誰かの言葉や音楽を演じる芸術家(舞台芸術家、俳優、ミュージシャン) |
創作のテーマは「個人的な真実の探求」。感情と自分の内なる声に従い、創作活動に没頭する中で見つけ出した、自分の魂の躍動、個人的な啓示、あるいは自分の中の光と闇などがテーマになることが多い | 創作のテーマは「伝統と、それに対する反抗」。はっきり決まっているルールとスタイルの中で創作活動をする伝統主義者か、あるいはその逆に、伝統的な形式にわざと反抗しようとするスタイル(ロックスターや実験的な小説家など)のどちらか。帰属意識、安全、家族、政治、国、共通の価値観などがテーマになることが多い |
ユングのタイプ論との関係
ドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソンの著書「Personality Types: Using the Enneagram for Self-Discovery」のTable 14.2. The Jungian Correlationsでは、タイプ4は内向的直観に、タイプ6は内向的感情に近いとされています。