EIIの主要な機能ブロックの方向性:いわゆる「普通」の生活が送れること、人間関係の調和、倫理的規範や道徳の遵守、伝統の保存。
こうした目的のために、EIIは倫理的価値の向上と完成に力を注ぎます。
そして道徳的な意味での品性と精神性を他の人々に教え、育成しようとします。彼らは人間が持つ真の資質を探し求めています。
強力な機能
Fi - 先導機能(第1機能)
内向倫理(Fi)が先導機能であるEIIの人生における方向性は、善と悪、道徳と堕落、良識と名誉に関する判断を下すことに向いています。
EIIは社会や集団に広がる一般的な傾向や行動基準を、非常に敏感に感じ取ります。彼らは常日頃、他人を侮辱するような振る舞いをしないようにするために、こうした規範に気を配っています。
新しく集団に加わった際は、自分を抑え、集団内で確立されている規範に沿って機転を利かせた行動をしながら、心理的な雰囲気を観察して評価をします。
そうやって既存の雰囲気を吸収した後、コミュニティの本格的なメンバーになることを検討し、その場の心理的な雰囲気に影響を与えていこうとします。
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恵まれない人、仲間外れにされている人、不幸な人、弱い人に出会うと、彼らはその人を精神的に支え、慰めたいと感じます。
そのためEIIは他の人から頻繁に悩みを打ち明けられます。彼らは、時には何時間も相手の不平や告白に耳を傾け続けながら、相手の心の痛みを自分の痛みのように感じ取ります。そして共感と受容を示し、精神的な支えになろうとします。
EIIは非常に繊細で情緒的な人々ですが、内向的な性格であり、自分が感じたことを表にあまり出さないため、こうした資質は必ずしも外部から観察できるものではありません。時には冷たく無感情な人に見えることもありますが、それは幻想です。
全ての出来事は、たとえ一般的には些細なことだと言われるような出来事であったとしても、長い間彼らの心に残り続けます。
基本的にEIIは、怒りや苛立ち、他人を批判したいという気持ちを自分の中に抑圧しようとします。
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EIIの特徴的な性質のひとつは、自分と加害者の間に心理的な防壁を作ることです。こうした場合、彼らは他人行儀な態度を強調し、全ての質問に対して単刀直入に答えようとします。
人によっては、このようなEIIの行動が耐え難く感じ、「いっそもっと大声を出してほしい、怒りや憤りを表現してほしい」と思う人もいるかもしれません。
しかし、こうした状態はEII本人にとっても苦痛で耐え難い状態です。もし加害者が許しを求め、状況を変えようとする姿勢を見せれば、この不快な状態は急速に解消されるかもしれません。
高次元の感情性と合理性の組み合わせの影響で、EIIは過去のトラウマ的な体験について何度も考えてしまうことがあります。こうした場合、彼らの意識の中には人生の他の全ての側面を覆い隠してしまうほど巨大な興奮の渦が作り出されてしまい、他のことに上手く集中できなくなってしまいます。
精神的に、何度も何度も彼らは同じポイントに戻ります。それについて繰り返し話すかもしれません。そしてこうした思い出で周囲の人々を悩ませることもあります。
Ne - 創造機能(第2機能)
人生に調和を生み出すために、EIIはコアとなる価値観を探します。これは倫理的な美徳やスピリチュアリティの領域で見つけ出すことが多いです。若いうちから想像力を働かせて自分が目指すべき理想を形成します。
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彼らの先導機能の根底には義務感が存在します。そのため、この理想から少しでも離れた行動をすると、EIIは自分を叱咤し、抑制します。
この自己の完成への旅の中で、EIIは自分自身に対する最悪の暴君になることがあります。この義務感による暴君ぶりが極端に表れた場合、EIIは自分自身を軽蔑するようにさえなります。
また、他人の行動が自分の理想とする良識や倫理観にそぐわない場合には、他人を軽蔑したり批判したりするようにもなります。
若いEIIに特徴的なこの最大公約数的な考え方は、仲間との対立や衝突を引き起こすこともあります。それが彼らに重くのしかかり、彼らを苦しめるのです。
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彼らが努力して到達しなければならないと感じている倫理的な理想や規範は非常に高く、達成するのが難しいことも多いです。
彼らは次第に、自分の失敗を恥じているような感覚を強め、それを継続的に抱くようになるかもしれません。
この感覚のために、彼らは自分を主張したり、自分の権利を守ることが非常に困難になります。自分が何かに失敗したら、それは自分の過ちに対する罰だと考えてしまうのです。
このような罪悪感は、EIIの生涯を通じて付きまといます。
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キャリアアップすることや、物質的な豊かさを手に入れることはEIIの人生の目標にはなりません。
彼らの最大の目標は、自分の目的を見つけ、死ぬまでに何かを成し遂げ、自分が生まれ持った能力や才能を実現することです。
EIIは自分の掲げるアイデアを実現するために、「死刑執行人」になることも厭いません。心理的に極端な状況では、他人が自分をどのように評価し、判断するかを気にしませんが、それは彼ら自身の内なる試練のほうが厳しいものだからです。
しかし普段の状況では、EIIは対立を避けたいと考えています。誤解を解決するには、優しさと良識が最善の方法であると考えているからです。
脆弱な機能
Se - 脆弱機能(第4機能)
肉体的な暴力や力の行使を目の当たりにすることは、EIIにとって不快なことです。身体的な罰、虐待、争い、特にそれらが誰かの死につながる場合、それが単なる架空の創作表現であったとしても、EIIはほとんど本能的にネガティブな反応を示してしまいます。
こうした光景は、EIIに暴力を止めたいという願望を抱かせることに繋がります。現実に起こっていることを目の当たりにすると、彼らの抗議はより鋭いものになります。特に、暴力が子供に向けられている場合はなおさらです。
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EIIは、人は誰でも向上心を持ち、自己の改善を行い、自己研鑽すべきだと考えていますが、これを自分自身に適用する厳しさは、しばしば非現実的な域にまで達しており、もはや不適切だと言えるような場合もあります。
この問題にはEIIの感覚機能の脆弱さが表れています。脆弱な機能は、状況に適した働きをするのが難しい機能であることを注意しておく必要があります。
彼らはあまりにも強い人々であり、そして同時に弱い人々なのです。
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EIIは、権威的で威圧的な言葉には非常に敏感です。
またTeが未発達であるために、仕事の進め方が非効率的なことがよくあります。それに加えて、より多くの仕事をさせられると、自分の勤勉さが過小評価されたと解釈して仕事をやめてしまうことがあります。
ただし彼らの責任感に訴えることで長時間仕事をさせ続けることは可能です。
理想への志向、自分への絶え間ない働きかけ、そして感情的な熱を温めなおす難しさから、EIIは最終的に自分自身に疲れを感じてしまいます。これはしばしば神経系の障害の原因になります。
自然と触れ合うことはリラックスするための大きな助けになるため、EIIは本能的に健康的な生活様式を求めます。
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家事への取り組み方も非効率的な傾向があります。食事の用意、衣類の修繕、洗濯、どれも必要以上に労力をかけて解決しようとします。
もし叶うのであれば、家事をしなくてもいい生活をしたいと願っています。しかしそれでもEIIはそれぞれの仕事に必要以上の時間とエネルギーを費やすことをやめません。
雑然とした環境で生活したくはないので、きちんと整理整頓し、清潔にしておこうとします(ゴチャゴチャした汚い部屋で生活している人だと思われたくないからという理由もあります)。
お金がないということは、それだけで彼らを不安にさせ、塞ぎ込ませます。彼らは「いざという時」のために節約し、常に貯金しておこうとします。
EIIの感覚機能の弱さは、ある物品が将来必要になるか見極めるのが下手だという点にも表れます。そのためEIIには、普通の人であれば捨ててしまうようなものを何年もため込んでしまう傾向があります。
Ti - 役割機能(第3機能)
EIIは事前に全ての行動を検討し、達成すべき重要な目標や命令を具体的に定めておこうとします。
ただしEIIには感情や情緒を重視する傾向があるため、あらかじめ検討していた通りに進まないこともあります。
それでも彼らは自分の活動をシステマチックに整理し、秩序をもたらそうとします(これには多大な努力が必要になります)。
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EIIにおける役割機能としてのTiが持つ規範的な性質は、このタイプの人々がいかに熱心に法律や規則を守るかという点に特に明確に表れます。彼らは自分の社会で支持されている公的な規範や規則に忠実に従います。
彼らはできるだけ良心的に仕事をしようとしますが、必ずしも効率的に行えるとは限りません。
そのためEIIは多くの時間を非生産的な方法で浪費してしまいます。この効率の悪さを補うために、夜も明ける前から仕事をすることもあります。EIIにとって合理的な枠組みにおさまるように仕事の時間を制限することは難しい事です。
いつも何かやり残したことがあるように感じてしまいます。
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EIIは、自分にとって苦手なことを通して自己実現を果たしたいと思うことがしばしばあります。
自分を高めようとした努力の結果、仕事に没頭することがあります。これは彼らの生まれ持っての性質と矛盾していますが、EIIにとって責任感は他のどんなニーズよりも重要なものなのです。
職場と家庭でのEII
EIIがリーダーシップを発揮しなければならない立場になった場合、自分の責任の重さだけでなく仕事仲間に対する責任の重さも、彼らの肩にのしかかります。
したがってこうした状況はEIIにとって困難に感じる状況だと言えます。
彼らはどんなミスや事故も深刻に受け止め、与えられた仕事を精一杯やり遂げようとします。管理職に就いたEIIは、集団の利益が不当に侵害されたり無視されたりしていると感じた場合、思いやりのない部下や怠け者の部下と対立したり、あるいは上層部とさえ対立するかもしれません。
いずれの場合も、最優先されるのは個人的な利益ではなく、プロジェクトとワークグループに対する責任感です。
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部下との関係では、EIIは正直であることを好みます。実現できない約束をするよりも、約束を避けようとすることのほうが多いです。
彼らにとっての理想的な状況は、部下が自分の考えに共感し、共通の目的に向かって一緒に働くことができる心の通った人たちであるという状況です。
EIIが人を評価する際は、どのような立場にあるかではなく、自分の倫理観に合った人間性を持っているかどうかを重視します。
温かく友好的な関係、信頼、愛と相互理解の雰囲気がEIIの先導機能 Fiの求める理想です。そのため彼らの人生において家族というものが占める割合はとても高いです。
残念ながら、現実の人間関係は彼らの抱く理想とはかけ離れたものになることが多いため、内面は非常に繊細でありながら、外面的にはそれを抑圧しているEIIの場合、人間関係が最大のトラウマになってしまいがちです。
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EIIは浮気をしませんが、これはパートナーに浮気が発覚するのを恐れているからではなく、EII自身の倫理観に反する行為だからです。
たとえパートナーとの関係が良好でなかったとしても、彼らはその関係の中で博愛と暖かさを維持しようとします。子供のために自分を犠牲にすることもあります。
機能の概要
- EIIの主な関心は、行動の道徳的規範です。彼らは同情や助けを必要とする全ての人の話に耳を傾ける必要があると考えています。非常に情緒豊かなタイプです。人生のネガティブな面にばかり目を向けるのではなく、ポジティブな面に目を向けるのが大切だと信じています。
- 将来有望なチャンスを見極めることのできる優れた目の持ち主です。変化に手を加え、最も有望な選択肢を選びとることができます。几帳面な性格で、将来のことが気になって仕方がないほうです。
- 暴力的な要素があるものとは距離を置こうとします。外部からの圧力に抵抗する一方で、自分自身に対しては過剰な圧力をかけてしまう傾向があります。効率的に家事をしたり、予算を立てたり、必要な物を購入するのは苦手です。
- 強制されない限り、秩序のシステムには素直に従います。抽象的な性質の理論には興味を示しません。常に効率的に仕事を進めることはできず、時間や労力の無駄遣いをしてしまいがちです。それを補うために働きすぎてしまう傾向があります。
職業
EIIの能力は、スピリチュアルな知識が必要な分野や、啓発、宗教に関する領域で発揮されます。
人に何かを教えるような仕事の適性も高いです。EIIは、心理学に特別な関心を寄せる人が多いです。
また、芸術に興味を持つ人も多いですが、これは大勢の前で演奏したり発表しなくてもいい場合に限られます。
人文科学や芸術をうまく教えることもできます。