SLIの自我ブロックの方向性:世界の全てが調和し、バランスがとれていなければならないと考える傾向を生み出します。また、SLIは審美的で質的な活動こそが、調和やバランスに繋がると考えます。
強力な機能
Si - 先導機能(第1機能)
これはSLIにおいて、調和、美、健康の感覚として表されます。
彼らは全てにおいて、出来る限り最善の方法でバランスが取られていることを望んでいます。
同時に、美しさは有用性と組み合わされなければならないとも考えています。この理念は、仕事をはじめ、人との関係、装飾や家具、そして身体についても同様に適用されます。
SLIは、色や匂い、身体感覚などの記憶力が非常に優れており、それらを頭の中で簡単に再現することができます。
食べ物の味を何年も後から思い出すこともできます。多くの点で、彼らは審美眼を誇る人々だと言えます。
このタイプの人は、芸術的センスが発達していることが多いです。彼らの知覚は際立っており、精神的に安定していて熟考するタイプであるため、どちらかというと静かな人に見えます。
彼らは官能的なエネルギーのままに、嵐のような感覚の世界に飛び込むような人々ではありません。自分の経験をゆっくりと「味わう」ことを好む人々なのです。
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彼らは快いものと不快なものを瞬時に区別しています。周囲の世界は彼らに幅広い感覚をもたらすため、彼らはそれにとても注意を払います。
自分の身体のコンディションや能力を正確に把握しているので、個人競技を中心としたスポーツ全般を上手くこなすことができます。
SLIが何らかの事情でスポーツとはあまり縁のない生活をしていたとしても、健康的な生活様式は彼らにとって必要なものであり、それによって調和のとれた、賢明でバランスのとれた感覚を得ることができます。
SiはSLIの外見に顕著に表れます。彼らは常にシンプルでありながらエレガント、そしてスポーティなスタイルの適切な服装をしています。その服装は、主に機能性と利便性に基づいて選択されています。
Te- 創造機能(第2機能)
SLIは先導機能Siの求める「より便利に、より実用的に、より魅力的に」という理念を実現するために、実践的な活動に目を向けます。
こうした傾向はSLIの高度な、熟練した仕事ぶりに表れます。彼らは何事も完璧に仕上げることを目指します。
徹底的に仕事をして、方法の改良を重ね、磨き上げて、便利さだけでなく美しさも兼ね備えたデザインに仕上げます。
また、ある素材や道具を他のものと比較した場合の長所を把握することにも長けており、どのような場合に、どのような素材・道具が他と比較して優れた効果を発揮するのか、正確に見極めることができます。
質の高い成果物を作り出すための研究に余念がなく、最も効果的な方法論は何かということにも興味を抱きます。
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SLIは焦らず健全に仕事を進めようとします。必要であれば朝早くから夜遅くまで働き続けることもできます。こうした場合、彼らは自分の仕事をより効率的に、快適にするための近道を作るための努力をします。
雑事に気を取られず、目的に向かって集中することができます。こうした長所は本を読んで何かを勉強する時であったり、生活空間を整える時であったり、あるいは指導や訓練を行う時にも発揮されます。一度何かのテーマや活動に精通したという実感を得られると、彼らは目的を変更します。
SLIは長期間にわたって同じルーチンワークに没頭することには疲れを感じるタイプです(この点は非合理タイプとしての表われだと言えます)。
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SLIは何かを始める前に、十分な準備をし、情報を集め、推測し、必要な物資や材料を集めます。彼らは、これから始まる仕事の可能性をよりよく感じ取るために、まず色々なことを試し、実験することを好みます。
SLIは頑固で粘り強いタイプですが、他方ではある種の不活溌性を持っています。そのためコツコツと仕事を片付けるというよりは、締め切りギリギリになってから一気に取り掛かるような面があります。
怪しげな仕事には手を出さず、不確実なリスクよりも、信頼性、確実性、計算を好みます。
人と一緒に仕事をするよりも、完全に自分のペースで仕事をすることを好みます。非論理的で根拠のない指示には強い苛立ちを感じます。
脆弱な機能
Fe - 脆弱機能(第4機能)
SLIは自分の感情を隠すことを好みます。外見上、彼らは感情的でなく、何を感じているのかわかりにくい人に見えます。
これは周囲の人々の気分を察知する能力が低い点、そして自分の感情を表に出すのは不適切で馬鹿げていることだと恐れている点が原因です。
そのため、彼らは他人から心理的な距離を置かざるを得ないのです。
しかしだからといって彼らが誰も自分に近づけたがらない、血も涙もない人間であると言うことではありません。
誰かがSLIに助けを求めれば、彼らは拒絶せずに耳を傾け、援助し、不幸に同情することもあります。SLIにはある程度の感受性があり、やや感傷的な所もあります。
ただ、彼らはそれを感情によってではなく、共通の目的や仕事によって表現する人なのです。またSLIは内省的な性格ではありません。
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争いの場では、自分がスキャンダルに巻き込まれないうちに逃げようとします。ある程度までは冷静で、感情を荒立てず、無関心で居続けることができます。
しかし、もし誰かが突然、自分の神聖な心理的「テリトリー」に侵入してきたり、自分の価値観を傷つけようとしたりすると、SLIは一気にカッとなって怒りに駆られることがあります。
そのような状態になると、彼らは自分をコントロールできなくなり、加害者を殴りつけることさえあります。
彼らの仕事ぶりが「徐々に熱くなり、なかなか冷めない」のと同じく、感情面についても「あまり激昂しないものの、一度爆発するとなかなか普段の状態に戻れない」ようなところがあります(これはSLIの不活性さの表われだと言えます)。
Ni - 役割機能(第3機能)
空想の世界やぼんやりとした無限の世界、そんなものはSLIの世界ではありません。
SLIはタスクごとの長期的な見通しを十分に評価したり、人々の行動を正確に予測することができないため、戦略的な問題を解決するのは苦手です。
人を正確に評価できず、実際よりもプラスの評価をしがちですが、後になってからその予想が裏切られたと感じることもあります [1]。
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何かを設計をしたり、将来の見通しを評価する場面では、直観任せにするのでなく、現実的な見積もりを行う能力に頼る必要があります。
また、SLIにとってこうした問題を解決するための相談は欠かすことができないものです。計画が規則や規範から逸脱していないかどうかを確認し、仕事仲間が「これでいい」と判断してから、計画を実行しようとします。
職場と家庭でのSLI
リーダーとしてのSLIは審美性と実用性を重視して計画を実行するため、彼らの生み出す製品や成果物は高品質で美しいデザインのものであることが多いです。
彼らは才能があるにもかかわらず、リーダーになりたがりません。しかしもしリーダーにならなければならない場合は、まず誰が何を出来るのかを把握しようとします。
なぜなら適材適所こそが合理的な仕事の進め方だと考えているからです。合議制によって意志決定する組織を好みます。仕事仲間が仕事をするのを物理的に刺激しようとします。
生産活動の長期的な展望をたてるのは苦手です。長期的な目標や結果を評価するよりも、目の前の戦略的な問題を解決する方が得意なので、より小さいグループを率いる方が向いています。
対立が発生した場合、SLIは妥協という選択肢をとることを好むタイプです。ただし対立が自分の基本的な原則や価値観に触れるものであれば、自分の立場を譲ることはありません。
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SLIの特徴的な性質は、家庭生活の中で最も生き生きと表現されます。
彼らは良き家庭人であり、ゆったりとしていて、堅実で信頼できる人です。自分の手で家族に対して物質的な供給をできていることが、彼らにとって重要なことです(例えば家族全員分の食料、衣類、靴の供給)。彼らは子供たちとの交流を楽しみ、子供たちの世話をします。
子供たちがSLIを苦しめることはあっても、心の底から傷つくことはほとんどありません。
多くの場合、いい教育者であり、自制心があって合理的です。彼らは弱者を冷静かつ信頼できる保護の下に置こうとします。
家事を嫌がらないどころか、楽しんで家事をします。自分で家を綺麗に修理したり、家庭菜園を楽しんだりするような人々です。
機能の概要
- SLIのSiは調和、美、身体的状態に関する感覚として表れます。全てがバランスよくあることを求めています。目に見えない自分の「テリトリー」を作り出します。忍耐力が特徴で、時には頑固に見えることさえあるほどですが、攻撃的な傾向はありません。
- 手元にある材料をうまく活用して実用的な結果を得ることができます。質実剛健な人です。ひとつひとつの作業を綿密に進めていくことを好みます。グローバルな枠組みに詳細な情報を追加するために、普遍的な法則に見られる一般的な類似性を理解しようとします。
- 感情をあからさまに表現するのは馬鹿げているように感じるタイプであるため、自分の感情を隠そうとします。人とは心理的な距離を保とうとします。情緒が安定している人に見えますが、自尊心が傷つけられた場合は急に怒り出すことがあります。伝統や行動規範をきちんと守ろうとしますが、これは内的な美学のためではなく、そうするのが最も実益に繋がると考えているためです。
- 時間経過に伴って、様々な出来事がどのように変化していくのか予想するのは苦手です。空想は嫌いです。情報を鵜呑みにせず、何でも自分で確認しないと気が済まないほうです。新しいことを発明するのは難しく、既知のものを実用的なニーズに合わせて活用することを好みます。
職業
あらゆる産業や実用的な活動で成功できます。仕事の達人であり、一人で働くか、小さいグループで働くことを好みます。
リーダーにはあまりなりたがりません。
芸術家、デザイナー、音楽家としての適性もあります。
身体的状態や周囲の環境を感覚的に把握する能力が高いため、医学やスポーツ、料理に関連した仕事も向いています。