カリナウスカスの輪
Grigory Reininは、現在のソシオニクスで一般的なモデルAではなく、カリナウスカスの輪というモデルを使用している。そのため機能の配置がモデルAとは異なっている。
機能 #1 – 客観的論理(Te)
LIEはモノや社会構造の世界についての自分の知識に自信を持っています。交通ルール、法律、方法、統計、機械の構造といったものに精通しています。
このタイプの人にとって、周囲の世界の安定と世の中の秩序は重要なものです。
「私の世界には秩序がある。だから私は存在する」
この秩序は時代や状況によって異なるかもしれませんが、少なくとも安定したものであるべきです。
「私の家は私の城だ」
と言うかもしれません。LIEの価値観の中で、家・恋人・家族は重要な位置を占めています。彼らにとって家とは、いつも彼らが必要としていて、いつも彼らの役に立っている場所のことです。
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LIEは「口で説明してくれ」というのではなく「見せてくれ、事実を教えてくれ」と言うタイプです。十分に信頼できる客観的なデータを求めています。こうしたデータは、LIEにとっては自分の体を構成する血肉のようなものです。
このタイプの人は、自分の世界観の中で何かを変える必要がある場合、数週間、あるいは数ヶ月間姿を消してしまいます。そしてその後、新しい世界観を持って突然戻ってきます。この間、LIEは一人で過ごさなければなりません。まず攻撃し、次に拒絶し、そして忽然と消えてしまうのです。
こうした反応は、変える必要のある世界観が、LIEの第1機能である客観的論理(Te)の領域に関係するもの、言い換えるなら自分の秩序に関係するものである際に表れるLIEの特徴です。
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LIEは、自ら進んで自分の大切な人や、自分が将来出会うかもしれない人すべての為になる活動を志す人々です。
LIEが活動する上での最も重要な基準は、その活動が客観的に見て有益なことです。
機能 #-1 – 主観的論理(Ti)
LIEは生まれながらの実践者であり、実験者であり、起業家です。他人の説明を聞くより、自分で考えたいと思うタイプです。
自分で経験するまでは、決して理論を信用しません。また、実践で検証されていない概念の価値は認めません。
このタイプの人は、自分自身の世界観を理解すること、それを変化させることに大きな難を抱えています。
LIEにとって理論は実用的であれば意味があり、そうでない理論は不要です。現実から乖離した理論的考察は行いません。L.D.ランダウの時代の理論物理学は、このLIE的な流れの下で動いていました。
機能 #2 – 主観的直観(Ni)
LIEの創造性は、内面的な状況を自由に操作することで発揮されます。そのため、一見すると座っているだけで何もしていないように見えても、実は自分の内面では何かを決定しているということが起こります。このように、LIEは他のタイプの人間には全くアクセスできないような状態に没入するタイプです。
LIEの創造機能の領域における心理的空間の量は、創造機能にNiという情報要素を持たない他のタイプの人よりもかなり大きいです。
一般論として、あるタイプの人が、自分の創造機能に関連するニュアンスで話をしても、他のタイプにとっては面白くもないし、全く理解できないということが起こる時があります。ここでよく誤解されるのは、同じ概念、同じ言葉でコミュニケーションしても、その言葉の裏にある範囲が人によってまったく違うということです。
この誤解は時に根本的なものです。わかりやすく説明するのはとても難しいですが、例えるならフィリピン人がヨーロッパ人に対して「米」について話そうとするようなものです。
フィリピンのハヌヌ語には米を表す言葉が90以上あるのに対して、ヨーロッパ言語には1つしかありません。もしもハヌヌ語をヨーロッパ言語に翻訳しようとする場合、両者がまったく気づかないうちに、膨大な量の情報が失われることになります。
これは創造機能でも同じようなことが起こります。あるタイプの創造機能では、ある情報要素が大量に表現されるのに対して、別のタイプの創造機能では、同じ情報要素について話しているはずが、実際にははるかに少ない情報しか生み出していないということがあるのです。
人は時に理解し合えないことがあります。それは相手がバカだから・否定的だからではなく、単純に相手が持つ体系の中に、自分が話そうとする情報に対応する構造がないからなのです。
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LIEは芸術家を目指すような形では創造性を発揮しません。それよりも、もっと別の形で創造性を表現しようとします。
例えば大自然で四か月間狩りをするような活動として創造性を発揮することは、LIEにとって普通なことです(ジャック・ロンドンの小説にはこのような特徴がよく表れています)。当然その最中に、狩りの状況次第では食べ物や飲み物にありつけなかったり、空腹や寒さに苦しんだりといった様々な状態に陥ることになりますが、こんな時でもLIEは他の人の助けを必要としません。
おそらくLIEは自給自足の状態になりやすいタイプだと言えます。これは特に外的関係性(Fe)が恐怖の領域にあるからです。無理なタイプにとってはとことん無理なことだと思いますが、LIEにとっては至って普通のことなのです。
LIEは長時間、一人でいることができます。筆者の知り合いに、森林管理官としてたった一人で人里離れた場所で生活している人がいますが、彼にとってその生活は穏やかで飽きることがないものです。
別の例として、ワシーリー・マクシモフという有名な翻訳家の名前を挙げることもできるでしょう。彼はカルロス・カスタネダの最初の翻訳家の一人であり、筆者の知る範囲では最高の翻訳家です。彼は今から20年ほど前、森という大自然の中で暮らしていました。このような活動が、LIEの創造機能を満たすことになるのです。
SEEはおそらくLIEのような暮らしを長く続けることはできないでしょう。ILEも同様です。EIEなど「ランプがないじゃないか!こんなところでどうやって生活すればいいんだ!」と言い出すかもしれませんし、SEIは「誰と話したらいいんですか、ヘラジカとでも話せと?」と思うかもしれません(確かにSEIのニックネームにもなったデュマは、不朽の名作を生み出す際、城に閉じこもって橋を引き上げ、外界との接触を断っていたかもしれませんが、彼は自分のキャラクターたちと一緒にいたので少し事情が違います)。
機能 #-2 – 客観的直観(Ne)
これは基準の領域です。
LIEの基準の領域は、外的状況の完全性です。これが何を意味するのかというと、LIEの場合おそらく外的なルーチンをさします。おそらくLIEは、工場のライン作業などといった、人の役に立つルーチンワークから喜びを得ることができる数少ないタイプのひとつです。
その一方で、この領域はLIEにとって「必要がない」領域であるため、いとも簡単に日常生活から離れて、大自然の中で数か月暮らすような生活を送ることもできます。
LIEはその人生の中で、外的なルーチン・命令に従う必要がない状況を見つけ出そうとします(そして現代のよくある解決策が、自由起業家になることです)。
まとめると、この機能によってLIEは仮に不本意であっても、規範を受け入れ、それに従うことができるということです。
機能 #3 – 客観的感覚(Se)
このタイプの人は、ほとんどの場合、非常に有能な実行者です。ある意味この機能は情報の単純化として働くことになります。
この領域では、LIEは「自分が何をできるのか」に関する正確な知識を持っています(これはLIEに限らない一般的な話ですが、第3機能は、それに関係する領域の正確な知識を得ることを重視します)。LIEはこの第3機能の領域を通じて、技術だけではなく、社会からのエネルギーという存在価値も得ることが出来ます。
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第3機能Seが身だしなみ方面に発揮された場合、明るい色のジャケットにチェックのズボンなどといった組み合わせを選ぶかもしれません。しかし、必ずしもSeを発揮して身だしなみを整えているわけではなく、時に第-3機能、すなわちSi側で行おうとする可能性もあります(この場合、自分の外見にストレスを感じてしまうせいか、歩き方がだらしなく見えます。そのせいで傍から見ると、自分の見た目にきちんと気を配っていない人に見えるかもしれません)。しかしいずれにせよ、LIEの服装には何らかのスタイルが存在します。たとえボロボロの服を着ていたとしても、LIE自身は何とかして全体のスタイルを調和させようと心がけています。
とにかく言えることは、LIEは身だしなみ・見た目を気にしているタイプだということです。
人並み外れた体力を持っているLIEは多いです。何らかのスポーツに真剣に取り組んでいることもよくあります。少なくとも運動神経はかなり高いほうで、水泳や射撃、車の運転が苦手ということはあまりないかもしれません(LIEであるアメリカ大統領はまさにこれに当てはまります)。
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LIEのもうひとつの特徴は、いつでもある程度のお金を持っていることです。このことは、下記のLIEの自尊心の原則とも関係しています。
「自分が強ければ大丈夫だ」
「自分で何でもできる技術力と能力があれば大丈夫だ」
「お金を持っていれば大丈夫だ」
機能 #-3 –主観的感覚(Si)
LIEは、自分の健康問題や体型に問題があると感じた場合、専門家の意見を仰いだり、何らかの治療を受けようとします。EIEとは違って、LIEはこうした問題には能動的に取り組むため、自分から積極的に冷水浴をしてみたり、身体を鍛えたりします(「何かを出来るようになりたいと思ったら、自分で自分を鍛えなければならない」)。
LIEは感覚的な意味での健全性を求めています。ハイキングも好きです(険しい山や沼など、困難が多ければ多いほど燃えます)。このタイプの人は、技術を要するスポーツを特に好みます。
第3機能は、関連する領域で何か問題が起こった時にだけ、注意が向けられることになります。したがってLIEは、自分の健康に問題を感じた場合に、それを改善するための取り組みを真剣にやり始めます。
機能 #4 – 主観的倫理(Fi)
この領域では、人は提案に対してオープンになります。
「誰か、あるいは何かに対して私がどう感じているのか、私は何が好きで何が嫌いなのかと言った情報は、他の人が知っています。私自身にはよくわかりません。そういった情報は他の人が教えてくれるはずです」
LIEにとって、こういったものに対する意見をゼロから作り上げることは、難しく感じることです。したがって何かに対する態度を表明しようとする場合、LIEは客観的なデータや信頼性のあるデータを求めます。
「他の人のほうが、この手の情報はよく知っています」
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親族からの影響を受けやすいため、LIEの人や物に対する態度は、簡単に親族から操られてしまいます。
LIEにとっての良い場所とは、親しい人たち、昔からの友人、そして自然がいっぱいの家です。
第4機能にFiを持つ場合、何年にもわたって変化しない厳格なプログラムやオートマティスム、ステレオタイプを持っています。
機能 #-4 – 客観的倫理 (Fe)
これは恐怖の領域です。そしてLIEの場合、ここにFiが配置されるため、この恐怖は外部との関係性に対する恐怖を意味することになります。
これまでにも説明したように、LIEは半年間、自然の中でたった一人で生活できるタイプです。なぜなら他人と関わることは、LIEを不安にさせるだけだからです。もちろん人は皆、社会の中で生きており、少なくともある程度のレベルで人と関わり合って生きています。しかしLIEの中には潜在的に「他者と距離を置きたい」という欲求があります。
「私がボスなら、ただ私の言うことに従ってくれさえすればいいです。私のことが好きかどうかなど、口にする必要はありません」
もしも誰かに「好きだ」と言われたら、LIEは恐怖を感じるかもしれません。そんなことよりも、ジョークを言ったり、何か(例えば花束など)を渡すほうがマシな結果が得られるでしょう。要するに、どんなに素っ気ないジェスチャーであっても、口で何かを言われるよりはマシということです。
LIEは通常、狭い範囲の友人としか親密な関係を持ちません。
有名人
- ジャック・ロンドン
- ジョン・ケネディ
- ロバート・ケネディ
- ヘミングウェイ
- 小泉純一郎(wikisocion側の出典にある追加情報)