リンダ・ベレンズ(心理学博士)は、下記のような様々な類型モデル、心理学的モデルを統合することで、人間の行動とその行動の背後にあるものの両方を理解しようとした。インタラクション・スタイルとは、その中に含まれるベレンズ独自のモデルである。
インタラクション・スタイル
インタラクション・スタイルとは、人がどのように他者とコミュニケーションをとり、影響を与え、信頼関係を構築しようとするのかのスタイルである。他者との相互作用、特に他者に影響を与えようとするときの観察可能な行動パターンを扱う。
ウィリアム・M・マーストンのDiSCや、デビッド・メリルのソーシャルスタイルの影響を受けている。
インタラクション・スタイルが異なる人とのコミュニケーションでは、スタイルの違いに由来する誤解が生じやすく、時に深刻な対立にまで至るとされている。
MTBI(StepIIのファセット)のIEとインタラクションスタイルのIEは一致するが、JPやTFは完全には一致しない可能性がある。
(https://lindaberens.com/resources/methodology-articles/five-lenses-of-type/のThird Lens The Four Interactioin Stylesより)
- チャート・ザ・コース:進路を決める。
- 自分が望む結果を得ることに焦点を当てる。
- ISTP、ISTJ、INTJ、INFJ
- ビハインド・ザ・シーンズ:水面下で行動する。
- 可能な限り最大の結果を得ることに焦点を当てる。
- ISFP、ISFJ、INTP、INFP
- イン・チャージ:掌握する。
- 達成可能な目的を達成することに焦点を当てる。
- ESTP、ESTJ、ENTJ、ENFJ
- ゲット・シングス・ゴーイング:物事を推進する。
- 受け容れられる結果を得ることに焦点を当てる。
- ESFP、ESTJ、ENTP、ENFP
概要図(インタラクションスタイル x 気質)
インタラクション・スタイルとは別に、カーシーの気質(SJ、SP、NT、NF)の枠組みも利用する。
気質は人が行動する理由や動機を左右するものだとされる。
インタラクション スタイル |
情報提供的 or 指示的 |
開始 or 応答 | 結果 or プロセス |
タイプ | 気質とそれぞれの特徴 |
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チャート・ザ・コース - 進路を決める:自分が何をすべきかを知ること、物事を軌道に乗せることを重視する。目標を達成するために、道(目標を達成するための最適なプロセス)を見通そうとする。 |
指示的 - 指示的なコミュニケーションを好む。 |
応答 - 「開始」タイプが始めたことに対して応答する役割を担う。 MBTI StepIIのファセットのひとつである「内向」と一致する。 |
プロセス - プロセスに焦点を当てる。 |
ISTP | SP気質 - 戦術・具体的で経験則的・自主性と実用性を好む・動機に焦点を当てる |
ISTJ | SJ気質 - 計画と段取り・具体的で経験則的・法やルールに基づく裁決と連携を好む・構造や秩序に焦点を当てる |
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INTJ | NT気質 - 理論・抽象的で概念的・自主性と実用性を好む・構造や秩序に焦点を当てる |
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INFJ | NF気質 - 外交的手段・抽象的で概念的・法やルールに基づく裁決と連携を好む・動機に焦点を当てる |
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ビハインド・ザ・シーンズ - 水面下で行動する:可能な限り最高の結果を得ることを重視する。様々な情報や、異なる視点からの見解を集めて統合しようとする。 |
情報提供的 - 情報を提供したり、意見を引き出すようなコミュニケーションを好む |
応答 - 「開始」タイプが始めたことに対して応答する役割を担う。 MBTI StepIIのファセットのひとつである「内向」と一致する。 |
結果 - 結果を得ること、結果の質を向上させることに焦点を当てる。 |
ISFP | SP気質 - 戦術・具体的で経験則的・自主性と実用性を好む・動機に焦点を当てる |
ISFJ | SJ気質 - 計画と段取り・具体的で経験則的・法やルールに基づく裁決と連携を好む・構造や秩序に焦点を当てる |
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INTP | NT気質 - 理論・抽象的で概念的・自主性と実用性を好む・構造や秩序に焦点を当てる |
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INFP | NF気質 - 外交的手段・抽象的で概念的・法やルールに基づく裁決と連携を好む・動機に焦点を当てる |
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イン・チャージ - 掌握する:人をまとめて物事を達成しようとする。結果と時間効率を重視しており、すぐに行動を起こす。 |
指示的 - 指示的なコミュニケーションを好む。 |
開始 - 物事を開始する役割を担う。 MBTI StepIIのファセットのひとつである「外向」と一致する。 |
結果 - 結果を得ること、結果の質を向上させることに焦点を当てる。 |
ESTP | SP気質 - 戦術・具体的で経験則的・自主性と実用性を好む・動機に焦点を当てる |
ESTJ | SJ気質 - 計画と段取り・具体的で経験則的・法やルールに基づく裁決と連携を好む・構造や秩序に焦点を当てる |
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ENTJ | NT気質 - 理論・抽象的で概念的・自主性と実用性を好む・構造や秩序に焦点を当てる |
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ENFJ | NF気質 - 外交的手段・抽象的で概念的・法やルールに基づく裁決と連携を好む・動機に焦点を当てる |
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ゲット・シングス・ゴーイング - 物事を推進する:人々を刺激し、行動を起こさせることによって、プロセスを促進する。 |
情報提供的 - 情報を提供したり、意見を引き出すようなコミュニケーションを好む |
開始 - 物事を開始する役割を担う。 MBTI StepIIのファセットのひとつである「外向」と一致する。 |
プロセス - プロセスに焦点を当てる。 |
ESFP | SP気質 - 戦術・具体的で経験則的・自主性と実用性を好む・動機に焦点を当てる |
ESFJ | SJ気質 - 計画と段取り・具体的で経験則的・法やルールに基づく裁決と連携を好む・構造や秩序に焦点を当てる |
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ENTP | NT気質 - 理論・抽象的で概念的・自主性と実用性を好む・構造や秩序に焦点を当てる |
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ENFP | NF気質 - 外交的手段・抽象的で概念的・法やルールに基づく裁決と連携を好む・動機に焦点を当てる |
8機能
ビーブの影の機能モデルと同様、第1機能~第8機能(ベレンズは「役割」と呼ぶ)ごとに異なる機能が配置されている。
配置される順序は影の機能モデルと同じ(例えばINTPの場合、1Ti, 2Ne, 3Si, 4Fe, 5Te, 6Ni, 7Se, 8Fi)。
- Se:体験
- 目で見て手で触れる世界への指向
- 行動すべきタイミングに気付くこと
- Si:振り返り
- 過去の経験を思い出したり振り返ったりすること
- データの蓄積
- 既知のものとの繋がりを見つけ出すこと
- Ne:解釈
- 状況や関係性の解釈
- 文脈を読み解くこと
- Ni:予見
- 外部データなしに、意味合いや今後起こりそうなことを予見すること
- 予見に従って物事を実現すること
- 物事やシンボルの新しい見方を概念化すること
- Te:セグメント化
- 効率化のために順序付けしたり組織化したりすること
- 境界を設定すること
- 基準や仕様が満たされているか管理すること
- Ti:分析
- カテゴライズすること
- 原則に従って評価すること
- 物事がどのような原理に従って動いているのかを理解すること
- 不整合性のチェック
- Fe:つながり
- 他者やグループに配慮すること
- 他者やグループから見て適切かどうか、受け入れられるかどうか監視すること
- Fi:本質的価値
- 価値や重要性を考慮し、不調和がないか検討すること
- 根拠となる真実に基づいて何かを評価すること
- https://www.interstrength.org/
- https://lindaberens.com/typologies/
- https://lindaberens.com/about/linda-berens/
- https://lindaberens.com/resources/methodology-articles/five-lenses-of-type/
- https://lindaberens.com/resources/methodology-articles/interaction-styles/
- https://lindaberens.com/resources/methodology-articles/temperament-theory/
- https://lindaberens.com/resources/methodology-articles/cognitive-dynamics/