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双対関係:ILE-SEI(by A. Augusta)

2024年3月13日水曜日

ILE SEI ソシオニクス タイプ関係

双対関係:ILE-SEI(by A. Augusta)

ILE-SEI

ILEは他の外向タイプと同様に、自分のイニシアチブを無視して他者から注目されたり関与されたりすると不快に感じます。彼らは自分で友達を選びます。従順な人や、自信のない人や他人の譲歩を利用する人を好みません。

しかし一般的にILEは攻めるよりも譲歩するタイプです。非常に下手な戦術家です。他の人々との適切な距離感を取れないだけでなく、どの程度の距離感を取ればいいのかすらわかりません。怒ったり、頑固になったり、自分の利益を主張したりすることができません。

ILEが情熱を捧げたいと思っているような「新しく価値のある複雑な仕事」ではなく、もっと個人的で「利己的」な利益のためにILEを利用しようとする人がいれば、直接怒りをぶつけます。そのせいで、このタイプの人々はしばしば悪評をたてられてしまいます。

妥協や奉仕は好きではありません。しかし同時にこのタイプの人々は、大義のために何かを行っている場合であれば、それが仮に他者のためになることであったとしても「妥協している」「奉仕している」とは感じないという特徴も併せ持っています。彼らは別に「他者のために」そういう活動をしているわけではないからです。

ILEにとって感情はタブーであり、感情から逃げる必要があります。どのような行動も客観的な論理的な結果であり、主観的な倫理的思考ではないことに疑いはありません。


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ILEは、パートナーの客観的能力をよく認識していますが、感情は認識していません。他者のエネルギーを削ぐかもしれない不注意な行動に対して非常に敏感です。彼らは「自分の望みをきちんと理解していて、簡単には屈しないながらも、同時に陽気で暖かく穏やかな内向的で感覚的な人」をとても好みます。

ILEは約束を守ります。たとえ自分の利益にならない場合でも、すべての約束を守る人です。ILEは、他の人々が活動できる環境を整えることに情熱をささげます。すべての人々の活動を、感情ではなく、独自の客観的な責任感に基づいてサポートします。

しかしながら、義務や責任を強いられると、バランスを崩してしまい、うまくいかなくなってしまいます。ILEの場合、義務を果たせと迫られるとすぐに関係が悪化してしまいますが、そうやって迫られない限り、期待されているであろう以上の働きをしようと努めます。

ILEは決して誰も非難しません。人を非難するということは、自分の感情を認めると言うことです。これは彼らの領分を超えることです。ILEは、人が誰かを直接非難する権利などないと思っています。彼らは批判や攻撃的な兆候を恐れており、それに直面すると怒ります。

ILEは感情を抑えるためにエネルギーを使いすぎています。 このタイプの人々は、他者から非難されると、それがどんな非難であれ、大抵の場合「もしそうなら、私はここには必要ない」と言ってドアスラムしてしまいます

とはいえ彼らはこうした制御不能状態を恐れていて、それを避けようとします。ILEは、あらゆる活動で過度に努力しようとする独特の欲求を持っていますが、彼らがそうした欲求を抱いてしまう一因には、そうすることで人間関係の制御を失ってしまうことを避けたいという願いがあります。


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ILEは自分のエロティックな感情に対して非常に控えめです。また、外向タイプ共通の性質として、他人の意志やイニシアチブに屈することを許さない傾向も強くなりやすいため、状況はより複雑化します。

隠された感情は成熟が難しくなります。ILEは長い間、疑い、比較し、考えこみます。時には「私はあの人を愛している」という確信に至るまでに、一年や二年かかることさえあります。その感情を他者に見せるのは、さらに難しいです。そのため彼らは他人から見て滑稽で、弱々しく、依存的で無価値な存在にならないように、できる限り感情を抑制しようとします。

ILEは相手の気持ちや感情的な態度を全く理解していません。たとえ愛されている可能性がある証拠を思い出しても、そんなものは自分の都合のいい妄想に過ぎないと自分に言い聞かせるかのように、「自分は愛されてなどいない」ことを示す証拠を同じくらいたくさん思い出します。彼らにとって愛は心の中で吹き荒れる制御不能なハリケーンです。他に何もできなくなってしまい、他に何も考えられなくなってしまう錯乱状態のようなものです(これはプラトニックラブの最も危険なバリエーションのひとつです)。

ILEが感情の話題に取り組むのは、それが慢性的な病気に発展し、治療が必要であることを理解したときだけに限られます。面白いことに、彼らは相手からの感情に確信を持てない限りずっと、感情から解放されることができません。彼らの精神的なバランスは、感情の曖昧さが消え去った時、つまり、対象者がはっきりと彼らの好意を拒否するか、受け入れた時に回復します

ILEは恋人を奪い合って競争したりはしません。自分の好きな人にふさわしそうな価値のある人がいれば、彼らは後悔することなくその人に恋人の座を譲ってしまいます。結局のところ、彼らは自分の人生を論理に従属させたいのです。しかしその後、自分の好きな人が失恋して自分の元に戻ってきた場合、ILEは喜びだけを感じてそれを受け入れます。

日常生活では、直観外向タイプは注意散漫で、不注意であり、周囲の物事との調和が難しいです。一人で暮らしている場合、混沌に支配されてしまって無力感に苛まれやすいです。彼らは自分のこの弱点を自覚していて、他の人のようにうまくやれないことを痛感しています。そんな自分の弱点に他人の注意が向けられると、それだけで疲れ切ってしまいます

ILEのパートナーとして完璧に適しているのは、友好的でいつも楽観的なSEI(映画俳優のレオノフ、デュマ父)だけです。

ILEは「あなたを愛しています」とか「私のものになってください」とは言いません。ILEは誰からも必要とされていない弱さとして、自分の感情を喜んで捨て去ってしまおうとします。ILEは感情が自分を破滅させうるものだということを十分に理解しています。このタイプの人々が沈黙している時の内なる感情は、彼らがよく言う言葉である「あなたは私を破滅させるかもしれない」と最も一致しています。

奈落の淵に追いつめられ、自分の人格が完全な破滅の危機に瀕していると感じた時、ILEは「私にはあなたが必要です」と言い、相手をだますことがないように、自分の秘密や欠点をすべて見せます。「私には必要です」という発言が、説得力のある言葉として響く相手は、自分の感情に確信を持っているSEIだけでしょう。自分の感情に確信がない人相手にこんなことを言っても、あまり響かないか、下手したら不快感すら招きかねません。


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SEIは誰よりも快楽主義者であるため、自分の肉体的存在の現実を非常によく感じています。人は皆、相手のことを考える際、自分に置き換えて判断しがちです。そのためSEIは他人の快適さをよく考慮していて、誰かを好きになった際には気配りと思いやりを見せます。SEIがする最小限のことは、他人に負担をかけないことです。他人に頼むことも要求することもせず、自分のニーズはできる限り自分で満たそうとします。

感覚的内向タイプの人が、直観的外向タイプから非常に必要とされる理由は、他者の身体的な「自己」に対する特別な感受性や繊細さ、注意深さにあると言えます。自分の感覚の世界を守ることによって、彼らは他者を守るのです。感覚倫理的な内向型は優れた戦術家です。

日常生活において、SEIは自分のイニシアチブを守るにはどうしたらいいかを理解しており、適切な距離感を保つことで、人間関係を損なうことなく自己の領域を確立することに長けています。これはまさにILEには出来ないことです。さらにSEIは彼ら独自のダイナミックな日常生活のリズムを持っています。これなしでは、ILEは自分のことを「支えのないヒョロヒョロのツタ」のように感じてしまうことでしょう。


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SEIは感情の世界に強い親和性を持った人です。彼らは他者の感情に敏感です。誰がどれだけ自分を愛していて、どれだけ自分のことを欲しているのかを易々と読み取ります。SEIは、あらゆる種類の人生を鑑賞する芸術家です。美と調和を愛しており、自らそれを創造します。SEIが何かをする際は、感情と感覚を持って行います。SEIにとって労働の対象はすべて芸術作品であり、自分自身も他者も喜ばせるものでなければならないと考えます。料理と言う点でもそうです。そして恋愛においても彼らは芸術家です。

SEIの場合、愛の対象から十分な注意を向けてもらえない場合、比較的簡単に相手から離れて、別の人に乗り換えてしまいます。SEIは自分の欲望やニーズをよく把握していて、それらに対する責任をパートナーに押し付けはしません。そんな性質を持つSEIは、まさに自分の意志で感情を信じたり、感情を拒絶することを不得手とするILEが最も必要としている存在です。


出典:


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出典の全文訳:人間の双対性(by A. Augusta)


訳注

  1. ^ 自分の欲望やニーズ:恋人からどれだけ欲されたいか、どれだけ相手が自分に惹きつけられているか。SEIは感情タイプであるだけではなく、感覚タイプでもあるので、感情が司る情報(人を愛する気持ち)だけではなく、感覚が司る情報(欲望、ニーズ、特に肉体的な魅力によって人が人を惹きつけること)の扱いに精通している。責任を押し付けない:恋人があまり自分に惹かれていなさそうな場合、「自分に惹かれない相手が悪い」とは考えず、「それなら仕方ない、もっと自分に惹かれてくれる人を探そう」となる。

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