ILEは、天性の研究者や発明家です。必要なことだけでなく、「面白そうだと思ったことは何でも」学ぼうとします。機械やコンピュータの理論から、蝶やイモムシまで、興味の対象は幅広く、新しくて謎めいたものに夢中になります。何か新しいことを学ぶのが、彼らにとって一番の楽しみです。得た知識はすぐに実生活に活かそうとしますが、それによって直接的な利益を得ようとはあまり考えません。
このタイプは、強い直観力(第1機能)と論理的思考力(第2機能)を持っていて、関心のあるテーマについては、大量の文献を短期間で読みこなして理解する力があります。そしてその知識をもとに、他の人々の道を切り開くような働きをします。彼らの理論や方法は型にはまらず、既存の価値観や体制に大きな影響を与えることもあります。
ただし、ILEにははっきりとした弱点もあります。それは、自分の理想を強く守ろうとすることです(意志力の感覚が弱い)。とくに「誠実さ」という価値を理想化しがちです。こうした理想にとらわれすぎると、人や現実をありのままに見るのが難しくなります。また、自分の名誉や尊厳、自由が傷つけられたと感じると、決して譲らず、それが激しい口論や対立に発展することもあります。ときには、風車と戦うドン・キホーテよろしく、実際には存在しない「架空の敵」と戦っているような状態になることもあります。
さらに、新しいひらめきがあると、すぐに誰かに話したくなりますが、それがふさわしい場面かどうかはあまり考えません(対人関係の倫理が弱い)。また、人の話を最後まで聞くのが苦手で、途中で口を挟んでしまうこともよくあります。そのため、自己中心的だったり、遠慮のない人だと思われることもあります。